過去問クイズ

第30回 管理栄養士の過去問と解答を全問題表示しています。

問題1
児童の野菜摂取に関する行動の記述である。オペラント条件づけに当てはまるものとして、正しいのはどれか。2 つ選べ。
  1. 先生に「野菜を食べましょう」と言われたので、食べた。
  2. 野菜を食べたら先生に褒められたので、次も食べた。
  3. 運動後おなかが空いたので、野菜も食べた。
  4. 友達が野菜を残したので、自分も食べなかった。
  5. 野菜を食べたがおいしくなかったので、食べなくなった。

【 解答:25 】

問題2
生活習慣改善に消極的な中年男性に、計画的行動理論を用いた支援を行った。主観的規範を高めるための管理栄養士の発言である。正しいのはどれか。1 つ選べ。
  1. 体重が減ると、検査結果もよくなりますよ。
  2. ご家族は、あなたがずっと健康でいることを願っていますよ。
  3. 今よりも10 分だけ多く、からだを動かしてみませんか。
  4. 簡単にできる食事の方法を紹介しましょう。
  5. 健康になった10 年後の自分の姿を想像してみてください。

【 解答:2 】

問題3
高校運動部の生徒に対する食生活改善のための支援と、社会的認知理論の構成要素の組合せである。正しいのはどれか。1 つ選べ。
  1. 食事内容を練習日記につけるよう勧める --- 観察学習
  2. 望ましい食べ方をしている選手の例を紹介する --- 結果期待
  3. 食生活を改善すれば、体力がつくことを説明する --- 自己効力感
  4. 生徒の家族に、弁当の改善を提案する --- 相互決定主義
  5. できることからやってみようと話す --- 自己制御

【 解答:4 】

問題4
半年前に配偶者を亡くし、食欲が低下したままの高齢期の男性に対する栄養カウンセリングである。ラポールの形成が期待できる管理栄養士の発言として、最も適切なのはどれか。1 つ選べ。
  1. 昨日、どのようなものを召し上がりましたか。
  2. 食事の量が不足していますから、もっと食べて元気になりましょう。
  3. まだ半年ですから、食べる気力もでませんよね。
  4. もう半年も経ちますので、そろそろ気持ちを切りかえてみませんか。

【 解答:3 】

問題5
大企業において、社員の健康づくりのための減塩行動の普及を目的に、新たな取組を行うこととなった。社内で減塩行動を早く普及させるための、イノベーション普及理論に基づく初期活動である。最も適切なのはどれか。1 つ選べ。
  1. 全社員に、減塩の意義を記載したリーフレットを配布する。
  2. 全社員に、減塩の意義を社内メールで知らせる。
  3. 部署ごとに、順次、減塩教育を行う。
  4. 部長を集め、減塩教育を行う。

【 解答:4 】

問題6
減量中の中年女性の行動である。行動変容技法のうち、刺激統制として、正しいのはどれか。1 つ選べ。
  1. 間食の回数を減らすことを、仲の良い友人に宣言する。
  2. 間食を1 週間我慢できたら、バッグを買うと決める。
  3. 菓子店のメールマガジンの配信を停止する。
  4. 間食をしたくなったら、友人に電話をかける。
  5. 間食を減らすことで得られるメリットとデメリットを考える。

【 解答:3 】

問題7
減量のために禁酒を目標とした成人男性である。宴席に誘われてお酒を飲んでしまい、失敗したと思い込んでいる。行動変容技法のうち、認知再構成を用いた管理栄養士の支援である。正しいのはどれか。1 つ選べ。
  1. 禁酒の効果を、改めて説明する。
  2. お酒を飲んだ時の状況を確認する。
  3. どれくらいの量を飲んだのかを詳しく聞き取る。
  4. 1 回くらいなら、あまり気にしなくてもよいと話す。
  5. 宴席に誘われた時の断り方を練習する。

【 解答:4 】

問題8
食事の準備が困難であると感じている、単身男性への栄養教育に関する記述である。バランスの良い食事をとることへの自己効力感を高める支援である。最も適切なのはどれか。1 つ選べ。
  1. 家にどのような調理器具があるかを尋ねる。
  2. 食事内容の記録を勧める。
  3. 栄養バランスの良い手作りメニューを紹介する。
  4. 外食を活用しても、栄養バランスがとれる方法があることを伝える。

【 解答:4 】

問題9
糖尿病教室を修了した患者が集まり、セルフヘルプグループの立ち上げを計画している。それを支援する管理栄養士の対応である。正しいのはどれか。2 つ選べ。
  1. 他のセルフヘルプグループのリーダーを紹介した。
  2. 年間の活動計画は、管理栄養士が決めた。
  3. 募金を募り、金銭的な援助をした。
  4. グループの活動に使える公共施設を紹介した。
  5. 運営は管理栄養士が主体的に行うこととした。

【 解答:14 】

問題10
大学生を対象に、朝食を毎日食べることを目的とした栄養教育において、学習者が設定する行動目標である。正しいのはどれか。1 つ選べ。
  1. 朝食を食べる必要性を理解する。
  2. 早寝早起きをする。
  3. 家の人に朝食を用意してもらう。
  4. 簡単な朝食の作り方を学ぶ。
  5. 朝食を毎日食べている友人の話を聞く。

【 解答:2 】

問題11
栄養教育プログラムの実施に関する記述である。正しいのはどれか。1 つ選べ。
  1. 学習者に情報を伝達する経路を、プレゼンテーションという。
  2. 教育者の身だしなみは、非言語的コミュニケーションに含まれる。
  3. 学習者に教育者の持つ知識を伝える行為を、モニタリングという。
  4. 文字などで学習者に情報を伝達する行為を、チャネルという。
  5. プログラムが計画どおり進んでいるかの確認を、コミュニケーションという。

【 解答:2 】

問題12
ロコモティブシンドローム予防を目的として行う、骨粗鬆症検診受診者を対象とした栄養教育プログラムの評価と、評価の種類の組合せである。正しいのはどれか。1 つ選べ。
  1. 検診結果から学習者を決定した方法が適切だったかを確認した --- 経過評価
  2. プログラムの参加率が低かったため、途中から開始時刻を変更した --- 結果評価
  3. 学習者が記録した毎日の歩数で、行動の実行を確認した --- 影響評価
  4. 学習者の日常生活動作の改善を確認した --- 形成的評価
  5. 学習者が書いた感想で、講義内容の理解度を確認した --- 企画評価

【 解答:3 】

問題13
メタボリックシンドローム改善を目的とした栄養教育の経済評価に関する記述である。[ ]に入る正しいものの組合せはどれか。1 つ選べ。
栄養教育の総費用は、240,000 円、学習者は60 人であった。学習者のうち、教育の結果目標である、「体重を5 % 以上減少」を達成できた者は50% であった。結果目標達成者1 人当たりを効果の単位とした場合の[ a ] は、[ b ] 円であったと計算できる。

【 解答:1 】

問題14
夏期に始業時刻を1 時間早める職場において、朝食を食べる人を増加させるプログラムを計画している。プリシード・プロシードモデルに基づいて行うアセスメントの項目と、その内容の組合せである。正しいのはどれか。2 つ選べ。
  1. 行動と生活習慣 --- 職場における朝の軽食サービスの有無
  2. 準備要因 --- 始業時刻が早まると朝食を食べにくいと考えている社員の割合
  3. 強化要因 --- 早朝でも朝食を入手できる職場近くの店舗の数
  4. 実現要因 --- このプログラムに携わるスタッフの数
  5. 教育戦略 --- 朝食摂取と健康の関連を理解している社員の割合

【 解答:24 】

問題15
ソーシャルマーケティングの考え方を、大学生を対象とした栄養教育に応用した。マーケティング・ミックスの4 P のプロダクト(Product)を、「学生食堂で野菜メニューを主体的に選択する」とした場合の取組である。誤っているのはどれか。1 つ選べ。
  1. 対象集団の細分化のため、学生の野菜摂取行動の変容に対する準備性を調査した。
  2. 野菜摂取行動の変容の準備性別に、フォーカス・グループ・インタビューを実施した。
  3. プレイス(Place)として、学生食堂の受託企業と大学および学生代表からなる協議の場を設けた。
  4. プライス(Price)として、学生食堂で野菜メニューの割引を行った。
  5. プロモーション(Promotion)として、学園祭で、人気野菜メニューの試食イベントを開催した。

【 解答:3 】

問題16
患者の栄養管理に関する記述である。誤っているのはどれか。1 つ選べ。
  1. 栄養管理により、疾患の治癒が促進される。
  2. 栄養管理により、入院期間の短縮が期待される。
  3. クリニカルパスには、栄養指導を含めない。
  4. 栄養サポートチームは、患者のQOL を優先する。
  5. インフォームドコンセントが必要である。

【 解答:3 】

問題17
寝たきりの患者の身長を推定するための計測項目である。正しいのはどれか。1つ選べ。
  1. 頭囲
  2. 上腕周囲長
  3. ウエスト周囲長
  4. 下腿周囲長
  5. 膝下高

【 解答:5 】

問題18
経腸栄養補給法が禁忌となる患者である。正しいのはどれか。1 つ選べ。
  1. 口腔がん術後
  2. 食道がんによる通過障害
  3. 胃食道逆流症
  4. 下部消化管完全閉塞
  5. 脳卒中後の意識障害

【 解答:4 】

問題19
静脈栄養補給法に関する記述である。正しいのはどれか。1 つ選べ。
  1. 末梢静脈栄養では、1 日に2,000 kcal の輸液を行うことができる。
  2. 末梢静脈栄養では、血漿浸透圧の5 倍濃度の溶液を投与できる。
  3. 末梢静脈栄養では、アミノ酸濃度30% の溶液を投与できる。
  4. 中心静脈栄養の基本輸液剤には、セレンが含まれる。
  5. 中心静脈栄養では、ビタミンB1の投与が必要である。

【 解答:5 】

問題20
長期絶食患者への栄養補給開始後のモニタリングに関する記述である。誤っているのはどれか。1 つ選べ。
  1. リフィーディング(refeeding)症候群の評価には、血清リン値を用いる。
  2. エネルギー投与量の評価には、体重の変化を用いる。
  3. たんぱく質投与量の評価には、窒素出納を用いる。
  4. 糖質投与量の評価には、血清クレアチニン値を用いる。
  5. 水分投与量の評価には、水分出納を用いる。

【 解答:4 】

問題21
食品が医薬品に及ぼす影響に関する記述である。正しいのはどれか。1 つ選べ。
  1. クロレラは、ワルファリンの効果を減弱する。
  2. 納豆は、HMG CoA 還元酵素阻害薬(スタチン)の効果を増強する。
  3. グレープフルーツは、カルシウム拮抗薬の効果を減弱する。
  4. 牛乳は、ビスホスホネート薬の効果を増強する。
  5. セント・ジョーンズ・ワートは、スルホニル尿素(SU)薬の効果を増強する。

【 解答:1 】

問題22
医師から1,800 kcal/日の指示で、糖尿病患者に対する栄養指導を行った。患者は、40 歳、独身男性。BMI 26 kg/m2、HbA1c 8.0%。食事は購入した惣菜中心とのことであった。現在のエネルギー摂取量は2,200 kcal/日。この症例におけるSOAP と記録の組合せである。正しいのはどれか。1 つ選べ。
  1. S --- 医師の指示エネルギー量1,800 kcal/日
  2. S --- HbA1c 8.0%
  3. O --- 食事は購入した惣菜中心
  4. A --- エネルギー摂取量の過剰
  5. P --- 現在のエネルギー摂取量2,200 kcal/日

【 解答:4 】

問題23
5 歳、女児。血清リン低値と長管骨の骨端線拡大のX 線像を認めた。この症例で欠乏しているビタミンである。正しいのはどれか。1 つ選べ。
  1. ビタミンA
  2. ビタミンD
  3. ビタミンE
  4. ビタミンK
  5. ビタミンC

【 解答:2 】

問題24
成人の肥満に関する記述である。正しいのはどれか。2 つ選べ。
  1. 内臓脂肪型肥満は、内臓脂肪面積が100 cm2 以上をいう。
  2. 体脂肪量の評価は、血清LDL コレステロール値を用いる。
  3. 減量により、血中レプチン値は上昇する。
  4. 超低エネルギー食(VLCD)は、医療監視下で行う。
  5. エネルギーの摂取量は、35~40 kcal/kg 標準体重/日とする。

【 解答:14 】

問題25
糖尿病治療薬とその主作用の組合せである。誤っているのはどれか。1 つ選べ。
  1. DPP-4 阻害薬 --- インクレチン分解の抑制
  2. SGLT2阻害薬 --- 消化管での糖吸収の抑制
  3. スルホニル尿素(SU)薬 --- インスリン分泌の促進
  4. チアゾリジン薬 --- インスリン抵抗性の改善
  5. ビグアナイド薬 --- 肝臓での糖放出の抑制

【 解答:2 】

問題26
炎症性腸疾患に関する記述である。誤っているのはどれか。1 つ選べ。
  1. クローン病では、抗TNF-α抗体製剤が使用される。
  2. クローン病活動期では、成分栄養剤が有効である。
  3. クローン病寛解期では、n-3 系多価不飽和脂肪酸の摂取を勧める。
  4. 潰瘍性大腸炎では、5-アミノサリチル酸製剤が使用される。
  5. 潰瘍性大腸炎寛解期では、たんぱく質の摂取量を制限する。

【 解答:5 】

問題27
消化器疾患の栄養管理に関する記述である。正しいのはどれか。2 つ選べ。
  1. 急性肝炎の黄疸時には、脂質の摂取量を増やす。
  2. C 型慢性肝炎では、鉄の摂取量を減らす。
  3. 肝性脳症では、芳香族アミノ酸の摂取量を増やす。
  4. 急性胆のう炎では、脂質の摂取量を減らす。
  5. 急性膵炎の急性期には、たんぱく質の摂取量を増やす。

【 解答:24 】

問題28
高血圧患者に対し、24 時間蓄尿を行ったところ、1 日尿中ナトリウム排泄量が200 mEq であった。推定される食塩の摂取量として正しいのはどれか。1 つ選べ。
  1. 4 g
  2. 6 g
  3. 8 g
  4. 10 g
  5. 12 g

【 解答:5 】

問題29
CKD(慢性腎臓病)における成人の栄養管理に関する記述である。正しいのはどれか。1 つ選べ。
  1. ステージ1 では、リンの摂取量を制限する。
  2. ステージ2 では、カリウムの摂取量を制限する。
  3. ステージ3 a では、食塩の摂取量を8 g/日とする。
  4. ステージ4 では、たんぱく質の摂取量を0.6~0.8 g/kg 標準体重/日とする。
  5. ステージ5 では、エネルギーの摂取量を40~45 kcal/kg 標準体重/日とする。

【 解答:4 】

問題30
透析患者の栄養管理に関する記述である。[ ]に入る正しいものの組合せはどれか。1 つ選べ。
58 歳、男性。身長165 cm、標準体重60 kg、ドライウエイト61 kg。週3 回の血液透析治療を行っている。1 日当たりの摂取量を水分900 mL、エネルギー[ a ] kcal、たんぱく質[ b ] g、リン[ c ] mg とした。

【 解答:4 】

問題31
甲状腺機能亢進時に摂取を制限するものである。正しいのはどれか。1 つ選べ。
  1. エネルギー
  2. たんぱく質
  3. コレステロール
  4. ヨード(ヨウ素)
  5. 水分

【 解答:4 】

問題32
神経性食欲不振症に関する記述である。誤っているのはどれか。1 つ選べ。
  1. 好発年齢は、30 歳以下である。
  2. 過食行動がみられる。
  3. 月経異常がみられる。
  4. やせを起こす器質性疾患がない。
  5. リフィーディング症候群をきたすことはない。

【 解答:5 】

問題33
COPD(慢性閉塞性肺疾患)の病態と栄養管理に関する記述である。誤っているのはどれか。1 つ選べ。
  1. 体重減少のある患者は、予後が悪い。
  2. 安静時エネルギー消費量は、亢進している。
  3. 分割食を勧める。
  4. 低たんぱく質食を勧める。
  5. 高脂肪食を勧める。

【 解答:4 】

問題34
貧血とその原因の組合せである。正しいのはどれか。1 つ選べ。
  1. 鉄欠乏性貧血 --- エリスロポエチン産生低下
  2. 腎性貧血 --- 赤血球膜異常
  3. 再生不良性貧血 --- ナイアシン欠乏
  4. 溶血性貧血 --- ビタミンB12欠乏
  5. 巨赤芽球性貧血 --- 葉酸欠乏

【 解答:5 】

問題35
骨粗鬆症に関する記述である。誤っているのはどれか。1 つ選べ。
  1. 閉経後は、骨吸収が亢進する。
  2. ビスホスホネート薬は、骨形成を促進する。
  3. グルココルチコイドの長期投与は、リスクを高める。
  4. カフェインは、リスク因子である。
  5. ビタミンK を多く含む食品は、予防に推奨される。

【 解答:2 】

問題36
食物アレルギーの病態と栄養管理に関する記述である。正しいのはどれか。2 つ選べ。
  1. 最も多い症状は、下痢である。
  2. 食後の運動で、アナフィラキシーショックが誘発される。
  3. 減感作療法では、食物アレルゲンを完全除去する。
  4. 非特異的治療では、食物アレルゲンを少量から漸増する。
  5. 鶏卵は、加熱によりアレルゲン性が低下する。

【 解答:25 】

問題37
消化管手術と合併症の組合せである。正しいのはどれか。2 つ選べ。
  1. 胃切除 --- 乳酸アシドーシス
  2. 十二指腸切除 --- 葉酸欠乏
  3. 小腸広範囲切除 --- 下痢
  4. 回腸切除 --- ビタミンB12欠乏
  5. 回盲部切除 --- ビタミンC 欠乏

【 解答:34 】

問題38
広範囲熱傷患者の急性期の病態と栄養管理に関する記述である。正しいのはどれか。1 つ選べ。
  1. 血管透過性は、低下する。
  2. 尿中窒素排泄量は、減少する。
  3. 高血糖をきたす。
  4. 水分を制限する。
  5. NPC/N(非たんぱくカロリー窒素比)を、健常時より高くする。

【 解答:3 】

問題39
78 歳、男性。改訂水飲みテスト3 点。嚥下造影(VF)検査で、薄いとろみのついた水分は摂取できた。下顎の可動範囲が小さく、動きは鈍い。舌による食品の押しつぶしは難しかった。この患者に提供する食事の形態として、最も適切なのはどれか。1 つ選べ。
  1. オレンジジュース
  2. 七分粥をミキサーにかけたもの
  3. 全粥
  4. 煮込みうどん

【 解答:2 】

問題40
10 歳、女児。6 歳で発症した1 型糖尿病で、インスリン療法中である。身長140 cm、体重35 kg、HbA1c 6.5%。栄養管理に関する記述である。正しいのはどれか。1 つ選べ。
  1. エネルギーの摂取量は、1,200 kcal/日とする。
  2. たんぱく質の摂取量は、60 g/日とする。
  3. 脂質の摂取量は、100 g/日とする。
  4. 炭水化物の摂取量は、100 g/日とする。
  5. 食物繊維の摂取量は、6 g/日とする。

【 解答:2 】

問題41
妊娠糖尿病患者の栄養管理に関する記述である。正しいのはどれか。2 つ選べ。
  1. 朝食前の目標血糖値は、70~100 mg/dL とする。
  2. エネルギーの摂取量は、20 kcal/kg 標準体重/日とする。
  3. 炭水化物の摂取エネルギー比率は、50~60%E とする。
  4. 分割食は、禁止する。
  5. 経口血糖降下薬を使用する。

【 解答:13 】

問題42
妊娠20 週の妊婦、28 歳。身長162 cm、体重62 kg(妊娠前体重57 kg)。血圧135/85 mmHg、蛋白尿(-)、浮腫(-)。前回妊娠時に妊娠高血圧症候群を指摘された。妊娠高血圧症候群の予防を目的として優先される栄養指導の項目である。最も適切なのはどれか。1 つ選べ。
  1. エネルギーの摂取量
  2. たんぱく質の摂取量
  3. 食塩の摂取量
  4. 水分の摂取量

【 解答:3 】

問題43
高齢者の病態と栄養管理に関する記述である。正しいのはどれか。1 つ選べ。
  1. 尿失禁は、脱水症の原因となる。
  2. サルコペニアは、内臓脂肪量で評価する。
  3. 誤嚥の予防では、摂食時に顎を挙上した姿勢を避ける。
  4. 褥瘡患者では、たんぱく質を制限する。
  5. フレイルティ(虚弱)の予防では、身体活動を制限する。

【 解答:3 】

問題44
公衆栄養活動に関する記述である。誤っているのはどれか。1 つ選べ。
  1. QOL の向上を目指した疾病予防と健康増進を使命とする。
  2. 地球生態系における多様な生物との共生を考える。
  3. 保健・医療・福祉・介護システムの連携の中で進められる。
  4. 生活習慣病の重症化予防対策が含まれる。
  5. 活動の主体は、保健分野を専門とする行政機関に限られる。

【 解答:5 】

問題45
最近の国民健康・栄養調査結果からみた、成人の栄養素等の摂取状況に関する記述である。正しいのはどれか。1 つ選べ。
  1. エネルギー摂取量は、増加傾向にある。
  2. 食塩摂取量は、西日本が東日本より多い。
  3. 野菜摂取量は、50 歳以上が49 歳以下より多い。
  4. 総脂質摂取量に占める油脂類の割合は、増加傾向にある。
  5. 脂肪エネルギー比率が30%E 以上の者の割合は、男性が女性より高い。

【 解答:3 】

問題46
わが国の食料需給に関する記述である。正しいのはどれか。1 つ選べ。
  1. 食料需給表は、2 年に1 度作成される。
  2. 食料需給表には、国民が支出する食料費が示されている。
  3. 食料需給表には、国民が実際に摂取した食料の総量が示されている。
  4. 直近10 年間のカロリーベースの食料自給率は、50% を超えて推移している。
  5. 品目別自給率(重量ベース)は、米が小麦より高い。

【 解答:5 】

問題47
健康増進法に規定されている施策の実施者に関する記述である。正しいのはどれか。1 つ選べ。
  1. 内閣総理大臣は、国民の健康増進の総合的推進のための基本指針を定める。
  2. 厚生労働大臣は、特別用途表示の許可をする。
  3. 厚生労働大臣は、医師又は管理栄養士の資格を有する者から栄養指導員を命ずる。
  4. 都道府県知事は、食事摂取基準の策定を行う。
  5. 都道府県知事は、特定給食施設に対し栄養管理の実施に必要な指導をする。

【 解答:5 】

問題48
公衆栄養活動に関係する法規の内容と法規名の組合せである。正しいのはどれか。1 つ選べ。
  1. 低出生体重児の届出 --- 医療法
  2. 医療行為の説明と同意の取得 --- 高齢者の医療の確保に関する法律
  3. 保健所による栄養の改善 --- 地域保健法
  4. トータル・ヘルスプロモーション・プランの推進 --- 健康増進法
  5. 児童生徒の健康診断の実施 --- 母子保健法

【 解答:3 】

問題49
栄養士法に基づく内容である。正しいのはどれか。1 つ選べ。
  1. 行政栄養士の定義
  2. 栄養士免許証の書換え交付
  3. 管理栄養士の栄養教諭免許状の取得
  4. 管理栄養士の特定給食施設への配置義務
  5. 管理栄養士による特定保健指導の実施

【 解答:2 】

問題50
国民健康・栄養調査の実施に関する記述である。正しいのはどれか。1 つ選べ。
  1. 血糖値は、早朝空腹時採血により評価している。
  2. 未成年者の喫煙状況を調査している。
  3. 食品の廃棄状況を調査している。
  4. 栄養摂取状況調査では、食物摂取頻度調査法を用いている。
  5. 歩数は、1 日分を測定している。

【 解答:5 】

問題51
栄養・食生活に関して、健やか親子21(第2 次)において示されている指標である。誤っているのはどれか。1 つ選べ。
  1. 出産後1 か月児の母乳育児の割合
  2. 児童・生徒における痩身傾向児の割合
  3. 児童・生徒における肥満傾向児の割合
  4. 朝食を欠食する子どもの割合
  5. よく噛んで味わって食べる子どもの割合

【 解答:5 】

問題52
公衆栄養活動に関係する国際的な施策とその組織の組合せである。正しいのはどれか。1 つ選べ。
  1. 食物ベース食生活指針の基本方針 --- 国連児童基金(UNICEF)
  2. フードバランスシートの作成 --- 世界保健機関(WHO)
  3. 難民キャンプへの食糧支援 --- 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)
  4. 国際的な食品規格基準 --- 国連世界食糧計画(WFP)
  5. NCD の予防と管理に関するグローバル戦略 --- 国連食糧農業機関(FAO)

【 解答:3 】

問題53
栄養疫学研究の内容と研究デザインの組合せである。正しいのはどれか。1 つ選べ。
  1. 習慣的な飽和脂肪酸摂取量と脳梗塞発症の関連 --- コホート研究
  2. 集団の尿中ナトリウム排泄量の平均値と収縮期血圧の平均値の関連 --- 症例対照研究
  3. 食塩摂取量の推移と脳血管疾患死亡率の推移の関連 --- 横断研究
  4. 脳血管疾患群と対照群の果物摂取頻度の比較      介入研究
  5. 都道府県別野菜摂取量と脳血管疾患死亡率の関連 --- メタアナリシス研究

【 解答:1 】

問題54
集団のアセスメントを目的とした食事調査における誤差要因と、その対策の組合せである。正しいのはどれか。1 つ選べ。
  1. 対象者の思い出し能力 --- 調査日数を増やす
  2. 対象者の過小申告 ---24時間思い出し法を用いる
  3. 食品成分表の精度 --- 秤量法を用いる
  4. 個人内変動 --- 食物摂取頻度調査法を用いる
  5. 季節変動 --- 対象の人数を増やす

【 解答:4 】

問題55
地域集団を対象として、習慣的な食事摂取量の調査を行った。「日本人の食事摂取基準(2015 年版)」を用いた評価として、誤っているのはどれか。1 つ選べ。
  1. エネルギーについて、推定エネルギー必要量に対する摂取エネルギー量の比率を算出した。
  2. たんぱく質について、推定平均必要量(EAR)未満の者の割合を算出した。
  3. 脂質について、目標量(DG)の範囲を逸脱する者の割合を算出した。
  4. ナトリウムについて、目標量(DG)を超える者の割合を算出した。
  5. ビタミンA について、耐容上限量(UL)を超える者の割合を算出した。

【 解答:1 】

問題56
市町村別に集計を行っている保健統計である。正しいのはどれか。1 つ選べ。
  1. 国民健康・栄養調査
  2. 患者調査
  3. 家計調査
  4. 乳幼児栄養調査
  5. 人口動態統計調査

【 解答:5 】

問題57
近年小児肥満が増加しているA 市では、小児肥満者の割合を減らす公衆栄養プログラムを実施することになった。その背景として抽出された4 つの課題のうち、行政が最初に取り組むべきものとして、最も適切なのはどれか。1 つ選べ。
  1. 保護者が適切なおやつの量を知らない。
  2. 保健センター、保育所、学校間の連携が取れていない。
  3. 公共交通機関が整備されていないため、車に依存している。
  4. 冬の積雪量が多く、外での身体活動量が少ない。

【 解答:2 】

問題58
A 市保健センターでは、高齢者の介護予防を目的とした集団栄養教育プログラムを5 年間実施した。プログラムの効果を判定するための指標である。正しいのはどれか。1 つ選べ。
  1. プログラムへの参加者数
  2. 対象者の参加理由
  3. ロコモティブシンドロームを認知している者の割合
  4. 配食サービスの利用者数
  5. 低栄養状態にある者の割合

【 解答:5 】

問題59
高血圧の一次予防を目的とした公衆栄養プログラムの目標設定に関する記述である。誤っているのはどれか。1 つ選べ。
  1. 食塩摂取量の平均値を低下させる。
  2. 野菜・果物摂取量の平均値を上昇させる。
  3. 血圧降下剤を内服する者の割合を増やす。
  4. ボランティアによる減塩普及活動の回数を増やす。
  5. 減塩メニューを提供する飲食店の数を増やす。

【 解答:3 】

問題60
特定健康診査・特定保健指導における評価指標と評価の種類の組合せである。正しいのはどれか。1 つ選べ。
  1. 特定健康診査の実施率 --- ストラクチャー評価
  2. 特定保健指導の実施率 --- プロセス評価
  3. 腹囲が基準値以上の者の割合 --- プロセス評価
  4. 糖尿病有病者の割合 --- アウトカム評価
  5. 生活習慣病関連の医療費 --- アウトプット評価

【 解答:4 】

問題61
特定健康診査・特定保健指導の企画に関する記述である。誤っているのはどれか。1 つ選べ。
  1. ハイリスクアプローチに位置づける。
  2. 健診未受診者対策を含める。
  3. 受診勧奨とされた者の医療機関受診率向上を目標に含める。
  4. 企画を外部機関に委託できる。
  5. 医療保険のレセプトデータを活用する。

【 解答:4 】

問題62
給食のサブシステムとそのオペレーションシステムの組合せである。正しいのはどれか。1 つ選べ。
  1. 提供管理 --- セントラルキッチンシステム
  2. 生産管理 --- クックチルシステム
  3. 施設・設備管理 --- カミサリーシステム
  4. 栄養・食事管理 --- HACCP システム
  5. 食材管理 --- ドライシステム

【 解答:2 】

問題63
介護保険法に基づく施設サービスにおける管理栄養士の業務である。誤っているのはどれか。1 つ選べ。
  1. 栄養状態の定期的な記録
  2. 経口摂取を進めるための食事提供管理
  3. 誤嚥防止のための食事提供管理
  4. 療養食の提供管理
  5. 家族の栄養食事指導

【 解答:5 】

問題64
健康増進法により、特定給食施設において、定められた基準に従い適切な栄養管理を行わなければならないと規定された者である。正しいのはどれか。1 つ選べ。
  1. 厚生労働大臣
  2. 都道府県知事
  3. 特定給食施設の設置者
  4. 特定給食施設の管理栄養士
  5. 特定給食施設の調理主任

【 解答:3 】

問題65
病院における入院時食事療養(Ⅰ)に関する記述である。正しいのはどれか。2 つ選べ。
  1. 患者の自己負担額は、特別食加算の有無により変動する。
  2. 検食は医師、管理栄養士又は栄養士が行う。
  3. 高血圧症患者のための減塩食は、特別食加算の対象である。
  4. 夕食の配膳時間は、午後5 時である。
  5. 食事療養の費用は、1 食単位で1 日につき3 食を限度として算定する。

【 解答:25 】

問題66
給食経営管理における献立に関する記述である。正しいのはどれか。2 つ選べ。
  1. 献立は、栄養管理のための設計図である。
  2. 献立は、料理の製造品質である。
  3. 献立は、オペレーションシステムの影響を受けない。
  4. 献立の決定により、経営計画が決まる。
  5. 献立は、給食経営の評価の対象である。

【 解答:15 】

問題67
病院給食の運営業務を外部委託する際の委託側のメリットである。正しいのはどれか。2 つ選べ。
  1. 設備投資の抑制
  2. 運営コストの削減
  3. 労務管理の軽減
  4. 患者の情報管理の簡素化
  5. 患者の自己負担額の減少

【 解答:23 】

問題68
食単価契約をしている事業所給食の収支に関する記述である。正しいのはどれか。1 つ選べ。
  1. 給食費は、自治体からの補助がある。
  2. 給食原価の費目別割合は、経費が食材費より大きい。
  3. 食材費は、利用者が負担する。
  4. 常備食品は、固定費である。
  5. 常勤調理従事者の労務費は、変動費である。

【 解答:3 】

問題69
事業所給食におけるマーケティング・ミックスの4 P とその内容の組合せである。正しいのはどれか。1 つ選べ。
  1. プロダクト(Product) --- 価格の均一化
  2. プライス(Price) --- 社内イントラネットでの広報
  3. プレイス(Place) --- 提供コーナーの変更
  4. プロモーション(Promotion) --- テイクアウト弁当の販売場所
  5. プロモーション(Promotion) --- ヘルシーメニューの開発

【 解答:3 】

問題70
給食施設における食事の摂取状況の評価項目と、その把握方法の組合せである。正しいのはどれか。2 つ選べ。
  1. 高齢者施設給食での個人の残菜率 --- 個人の盛り付け量に対する残菜量の比率
  2. 事業所給食での残食数 --- 従業員数と供食数の差
  3. 病院給食での摂取量 --- 出来上がり量と盛り付け後の残量の差
  4. 学校給食での個人の摂取量 --- 食缶に残っている料理ごとの残菜量
  5. 事業所給食での料理の選択行動 --- メニューの売上順位

【 解答:15 】

問題71
事業所給食における、天候不順による野菜の価格高騰時の対応である。食材費を予算内に収める対応として、最も適切なのはどれか。1 つ選べ。
  1. 購入業者を変更する。
  2. 調理作業におけるロス率を下げる。
  3. 献立を見直す。
  4. 正確な食数管理をする。

【 解答:3 】

問題72
クックサーブシステムにクックチルシステムを導入することにより、原価低減(コストダウン)できる費目である。正しいのはどれか。1 つ選べ。
  1. 光熱費
  2. 修繕費
  3. 教育・訓練費
  4. 直接労務費
  5. 間接労務費

【 解答:4 】

問題73
食材の在庫管理に関する記述である。正しいのはどれか。1 つ選べ。
  1. 入庫量は、発注量を用いる。
  2. 期末在庫量は、棚卸しの実数を用いる。
  3. 在庫金額は、出庫量と購入単価から把握する。
  4. 腐敗による廃棄食品は、在庫金額として計上する。
  5. 食材料費のABC 分析を用いて、C の食材を重点的に管理する。

【 解答:2 】

問題74
少量調理と比較した大量調理の特性に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
  1. 炊飯では、蒸発率が高い。
  2. 揚げ油の予備加熱時間は、短い。
  3. 煮物は、回転釜を使うと煮崩れが少ない。
  4. 焼き物は、オーブンを使うと焼きムラが少ない。
  5. 野菜の炒め物は、水分放出が多い。

【 解答:5 】

問題75
豚汁を200 食分作った。1 食ごとの盛り付けの精度を効率的に管理する方法である。最も適切なのはどれか。1 つ選べ。
  1. 具材の個数の管理
  2. 盛り付け容量の管理
  3. 盛り付け重量の管理
  4. 盛り付け食数の管理

【 解答:2 】

問題76
クックサーブシステムの給食施設で、細菌性食中毒の発生を防ぐための対応である。誤っているのはどれか。1 つ選べ。
  1. 生鮮食品は、調理当日に仕入れるようにする。
  2. 一人の調理従事者に、下処理から提供業務までを担当させる。
  3. 焼き物は、食材料の中心部を75℃ で1 分間以上加熱する。
  4. 煮物は、提供まで65℃ 以上で保温する。
  5. 調理終了後2 時間以内に喫食できるように、調理開始時間を設定する。

【 解答:2 】

問題77
HACCP システムに基づいた生産管理方法を構築するために必要な事項である。誤っているのはどれか。1 つ選べ。
  1. 管理栄養士の配置の検討
  2. 献立計画における品質基準の設定
  3. 最終製品の抜き取り検査の導入
  4. 異物混入時の改善措置の検討
  5. 調理従事者の衛生管理点検表の検討

【 解答:3 】

問題78
災害時対策として、平常時から整備しておくべき事項である。誤っているのはどれか。1 つ選べ。
  1. 組織内の体制整備
  2. 災害時献立の準備
  3. 災害時備蓄食品の活用計画
  4. 冷凍食品のランニングストック
  5. 使い捨て食器の備蓄

【 解答:4 】

問題79
大型の加熱調理機器による調理方法と、その機器から食品への熱伝達方式の組合せである。正しいのはどれか。2 つ選べ。
  1. ティルティングパン(ブレージングパン)による煮物 --- 放射
  2. スチーマーによる蒸し物 --- 伝導
  3. 回転釜による炒め物 --- 伝導
  4. スチームコンベクションオーブンによる焼き物 --- 対流
  5. フライヤーによる揚げ物 --- 放射

【 解答:34 】

問題80
大量調理施設に導入することが望ましい構造と設備である。誤っているのはどれか。1 つ選べ。
  1. ドライシステムの床
  2. 納品口のエアカーテン
  3. 直接手で操作する手洗い設備
  4. 下処理場と調理場の間のパススルーの設備
  5. 調理従事者専用の便所

【 解答:3 】

問題81
事業所給食の食事環境の設計と設備に関する記述である。誤っているのはどれか。1 つ選べ。
  1. 栄養情報の提供場所を設置する。
  2. 食堂の通路は、人の可動域と動作により決める。
  3. 食堂面積は、食事の際の1 人について0.5 m2 とする。
  4. テーブル面の大きさは、トレー面積を考慮する。
  5. 受動喫煙防止のための措置を講じる。

【 解答:3 】

問題82
K 病院に勤務する管理栄養士である。NST ラウンドで、肝硬変による腹水と脳症の治療のために1 週間前に入院した患者のベッドサイドにいる。
患者は、70 歳、男性。7 年前にC 型肝炎と診断され、治療していたが、昨年より肝硬変の状態であると告げられた。これまでに何度も入退院を繰り返している。
身長165 cm、体重62 kg、標準体重60 kg、血圧142/92 mmHg。空腹時血液検査値は、総たんぱく質5.9 g/dL、アルブミン2.6 g/dL、血糖125 mg/dL、AST 61 IU/L、ALT45IU/L、γGT 68 IU/L、総ビリルビン3.1 mg/dL、アンモニア237 μg/dL(基準値40~80)。
この患者の栄養管理に関する記述である。誤っているのはどれか。1 つ選べ。
  1. エネルギーの摂取量は、1,600 kcal/日にする。
  2. たんぱく質の摂取量は、95 g/日にする。
  3. 脂肪エネルギー比率は、20%E にする。
  4. ナトリウムの摂取量は、食塩相当量で6 g/日未満にする。
  5. 分枝アミノ酸を多く含む経腸栄養剤を用いる。

【 解答:2 】

問題83
K 病院に勤務する管理栄養士である。NST ラウンドで、肝硬変による腹水と脳症の治療のために1 週間前に入院した患者のベッドサイドにいる。
患者は、70 歳、男性。7 年前にC 型肝炎と診断され、治療していたが、昨年より肝硬変の状態であると告げられた。これまでに何度も入退院を繰り返している。
身長165 cm、体重62 kg、標準体重60 kg、血圧142/92 mmHg。空腹時血液検査値は、総たんぱく質5.9 g/dL、アルブミン2.6 g/dL、血糖125 mg/dL、AST 61 IU/L、ALT45IU/L、γGT 68 IU/L、総ビリルビン3.1 mg/dL、アンモニア237 μg/dL(基準値40~80)。
NST 医師より、肝機能低下が著しいため、LES(late evening snack)療法を開始する指示があった。就寝前に摂取する食品として、最も適切なのはどれか。1 つ選べ。
  1. ゆで卵1 個(約60 g)
  2. プロセスチーズ2 個(約40 g)
  3. おにぎり小2 個(約120 g)
  4. ホットミルク1 杯(約200 mL)

【 解答:3 】

問題84
K 介護老人福祉施設に勤務する管理栄養士である。利用者への食事支援を行っている。
利用者は、75 歳、女性。70 歳時に脳梗塞を発症し、N 病院に入院した。退院後、自宅でごろごろしていることが多くなり、歩行が不自由になったため、2 か月前に入所した。現在、食事は自立しており、普通食を食べている。最近、水を飲む際にむせるようになり、微熱が続いている。
この利用者の食事形態を考えるうえで、優先されるアセスメント項目である。最も適切なのはどれか。1 つ選べ。
  1. 体重
  2. 嗜好
  3. 嚥下機能
  4. 食事摂取量

【 解答:3 】

問題85
K 介護老人福祉施設に勤務する管理栄養士である。利用者への食事支援を行っている。
利用者は、75 歳、女性。70 歳時に脳梗塞を発症し、N 病院に入院した。退院後、自宅でごろごろしていることが多くなり、歩行が不自由になったため、2 か月前に入所した。現在、食事は自立しており、普通食を食べている。最近、水を飲む際にむせるようになり、微熱が続いている。
この利用者に提供すべき食事の形態である。正しいのはどれか。2 つ選べ。
  1. 液状でさらさらしている
  2. まとまりやすい
  3. べたつかない
  4. つるっと滑りやすい
  5. 細かく刻まれている

【 解答:23 】

問題86
K 介護老人福祉施設に勤務する管理栄養士である。利用者への食事支援を行っている。
利用者は、75 歳、女性。70 歳時に脳梗塞を発症し、N 病院に入院した。退院後、自宅でごろごろしていることが多くなり、歩行が不自由になったため、2 か月前に入所した。現在、食事は自立しており、普通食を食べている。最近、水を飲む際にむせるようになり、微熱が続いている。
この利用者の副食として、最も適切なのはどれか。1 つ選べ。
  1. 銀杏入り茶碗蒸し
  2. 豆腐とわかめの味噌汁
  3. ところてんの酢醤油かけ
  4. 卵豆腐の銀あん

【 解答:4 】

問題87
K 小学校に勤務する管理栄養士である。養護教諭と学級担任から、A さんの肥満改善について相談があった。
A さんは、10 歳4 か月、男児。身長149 cm、体重58.0 kg、肥満度39.5%。入学時からの身長、体重測定データを、成長曲線上に整理した(図)。
成長曲線に基づくアセスメント結果である。正しいのはどれか。1 つ選べ。
  1. 身長の増加に見合った体重増加がみられる。
  2. 入学時点から、肥満であった。
  3. 入学以降、肥満の程度が徐々に進行している。
  4. この1 年間で、中等度肥満に達した。
  5. この1 年間に、発育スパートを迎えた。

【 解答:4 】

問題88
K 小学校に勤務する管理栄養士である。養護教諭と学級担任から、A さんの肥満改善について相談があった。
A さんは、10 歳4 か月、男児。身長149 cm、体重58.0 kg、肥満度39.5%。入学時からの身長、体重測定データを、成長曲線上に整理した(図)。
養護教諭の依頼により、A さんの母親と面接することとなった。初回面接でまず行うべきことである。最も適切なのはどれか。1 つ選べ。
  1. 小児科専門施設を受診するように勧める。
  2. 家庭での主食の量を半分にするように指導する。
  3. 運動量を増やすように指導する。
  4. 最近1 年間の生活状況の変化を聞き出す。

【 解答:4 】

問題89
K 中学校に勤務する管理栄養士である。養護教諭から、陸上部の長距離競技をしているA さんについて相談を受けた。
A さんは、14 歳、男子。身長170 cm、体重56 kg。日常生活において、動悸、息切れを自覚するようになり、運動後に尿の色が褐色になることがあったという。医療機関を受診し、血液検査値は以下の通りであった。
赤血球数300 × 104/mm3、ヘモグロビン9.6 g/dL、MCV 86 fL(基準値79~100)、MCH 32 pg(基準値26~34)、尿素窒素12 mg/dL、クレアチニン0.9 mg/dL。
この男子中学生に認められる病態である。最も適切なのはどれか。1 つ選べ。
  1. 鉄欠乏
  2. 血球破壊
  3. 腎機能障害
  4. 循環血漿量の減少

【 解答:2 】

問題90
K 中学校に勤務する管理栄養士である。養護教諭から、陸上部の長距離競技をしているA さんについて相談を受けた。
A さんは、14 歳、男子。身長170 cm、体重56 kg。日常生活において、動悸、息切れを自覚するようになり、運動後に尿の色が褐色になることがあったという。医療機関を受診し、血液検査値は以下の通りであった。
赤血球数300 × 104/mm3、ヘモグロビン9.6 g/dL、MCV 86 fL(基準値79~100)、MCH 32 pg(基準値26~34)、尿素窒素12 mg/dL、クレアチニン0.9 mg/dL。
この男子中学生への対応方針である。最も適切なのはどれか。1 つ選べ。
  1. 本人にビタミン・ミネラルのサプリメントを紹介
  2. 本人に補食の摂り方を指導
  3. 保護者にレバーを使用した献立を紹介
  4. 陸上部のコーチに練習量を減らすように進言

【 解答:4 】

問題91
K 介護老人福祉施設に勤務する管理栄養士である。認知症高齢者における栄養改善を図るために、食事支援を行っている。
利用者は、85 歳、女性。5 年前に認知症を発症し、施設入所した。6 か月間で体重が2.5 kg 減少している。座位保持は可能であり、上肢に麻痺や拘縮はない。食事は普通食を自力摂取しているが、摂取率は約50% である。食事中に、ぼんやりしていることが多い。
身長142 cm、体重35 kg、BMI 17.4 kg/m2
本症例の食事中の行動について、認知症症例への食事支援という観点から、優先的に観察すべき行動である。最も適切なのはどれか。1 つ選べ。
  1. 自ら食べ始めることができない。
  2. 食べこぼしが多い。
  3. 食事が終わったばかりなのに、また食べたがる。
  4. 食事について不満を言う。

【 解答:1 】

問題92
K 介護老人福祉施設に勤務する管理栄養士である。認知症高齢者における栄養改善を図るために、食事支援を行っている。
利用者は、85 歳、女性。5 年前に認知症を発症し、施設入所した。6 か月間で体重が2.5 kg 減少している。座位保持は可能であり、上肢に麻痺や拘縮はない。食事は普通食を自力摂取しているが、摂取率は約50% である。食事中に、ぼんやりしていることが多い。
身長142 cm、体重35 kg、BMI 17.4 kg/m2
栄養状態を改善するために優先すべき支援内容である。最も適切なのはどれか。1 つ選べ。
  1. 食事形態を、きざみ食に変更する。
  2. 空腹の訴えがある度に、補食を提供する。
  3. 食事中の声掛けを行う。
  4. 選択メニューにする。

【 解答:3 】

問題93
K 保育所に勤務する管理栄養士である。給食施設の衛生責任者である。
9 月15 日13 時頃、複数の入所児童が次々に腹痛を訴え、下痢の症状も出てきた。発熱はみられない。直ちに職員が保健所と体調不良児の保護者に連絡するとともに、管理栄養士は保健所の立入検査に備え、必要な書類の用意を開始した。検食を担当した職員の発症状況から、前日の昼食とおやつ、当日の昼食に、原因食品を絞り込み、摂取状況及び発症状況を調査した(表)。
食中毒の原因として、考えられる微生物である。最も適切なのはどれか。1 つ選べ。
  1. ウェルシュ菌
  2. 腸炎ビブリオ菌
  3. カンピロバクター
  4. 病原性大腸菌

【 解答:3 】

問題94
K 保育所に勤務する管理栄養士である。給食施設の衛生責任者である。
9 月15 日13 時頃、複数の入所児童が次々に腹痛を訴え、下痢の症状も出てきた。発熱はみられない。直ちに職員が保健所と体調不良児の保護者に連絡するとともに、管理栄養士は保健所の立入検査に備え、必要な書類の用意を開始した。検食を担当した職員の発症状況から、前日の昼食とおやつ、当日の昼食に、原因食品を絞り込み、摂取状況及び発症状況を調査した(表)。
被害の拡大を防止する観点から、最初に行うべき対応である。最も適切なのはどれか。1 つ選べ。
  1. 保存検食を確認する。
  2. 給食業務を停止する。
  3. 症状のある調理従事者の検便を行う。
  4. 調理室の清掃・消毒を行う。

【 解答:2 】

問題95
K 社員食堂の運営を受託する給食会社に勤務する管理栄養士である。経営状態の改善を目的に、この施設の経営管理を任されることになった。経営状態を把握し、収益性を予測するために損益分岐点分析を行った。この施設のA 期からB 期への売上高、固定費、変動費の変化を表に示す。
損益分岐点分析から導き出されるアセスメント結果は、変動費率[ a ] 、損益分岐点売上高 [ b ]、収益性[ c ] であった。
[ ]に入る正しいものの組合せはどれか。1 つ選べ。

【 解答:3 】

問題96
K 社員食堂の運営を受託する給食会社に勤務する管理栄養士である。経営状態の改善を目的に、この施設の経営管理を任されることになった。経営状態を把握し、収益性を予測するために損益分岐点分析を行った。この施設のA 期からB 期への売上高、固定費、変動費の変化を表に示す。
経営状態の改善を図るために考えた方策である。損益分岐点分析の結果に基づくものとして、最も適切なのはどれか。1 つ選べ。
  1. 食材料費の見直し
  2. 消耗品の節約
  3. 正社員の配置の見直し
  4. パートタイマーの配置数の見直し

【 解答:3 】

問題97
K 病院に勤務する管理栄養士である。糖尿病と初めて診断された患者を対象に希望者を募って、月1 回の糖尿病教室を開催している。教室の食事改善効果を学会で発表しようと考えている。なお、研究倫理委員会の承認を得ている。
同じ月に糖尿病と診断されたが、教室に参加しなかった患者を対照群とすることにした。教室に参加した患者と同じ性・年齢の患者を抽出し、1 か月後のHbA1c、BMI、食事内容の変化を比較した。この研究デザインに該当するものとして、正しいのはどれか。1 つ選べ。
  1. 前後比較試験
  2. 無作為化比較試験
  3. 非無作為化比較試験
  4. 症例対照研究
  5. 症例研究(ケーススタディ)

【 解答:3 】

問題98
K 病院に勤務する管理栄養士である。糖尿病と初めて診断された患者を対象に希望者を募って、月1 回の糖尿病教室を開催している。教室の食事改善効果を学会で発表しようと考えている。なお、研究倫理委員会の承認を得ている。
食事内容の変化から教室の効果を検討し、学会で発表した。結果にバイアスをもたらす事項として強調すべき、研究の限界である。最も適切なのはどれか。1 つ選べ。
  1. 教室効果の検討として、1 か月間の観察期間は短い。
  2. 行動変容の準備性が、2 群で異なった可能性がある。
  3. 月1 回の集団教育では、介入の強度が不十分である。
  4. 1 つの病院のデータであるため、一般化できない。

【 解答:2 】

問題99
K 市保健センターに勤める管理栄養士である。K 市の健康推進プランの策定を担当することになった。
K 市は勤労世代において、国民健康保険加入者の割合が他の自治体と比較して高い。
次の表は、昨年のK 市と県全体の40 歳から65 歳までの三大主要死因と各々の死亡者数である。K 市、県全体のこの年代の人口は、それぞれ5 万人と20 万人であり、人口構成はほぼ同じである。各死因の死亡率比を求めたところ、悪性新生物[ a ] 、心疾患[ b ] 、脳血管疾患[ c ] であった。
[ ]に入る正しいものの組合せはどれか。1 つ選べ。
ただし、基準を1(県全体)とし、小数点第2 位を四捨五入すること。

【 解答:2 】

問題100
K 市保健センターに勤める管理栄養士である。K 市の健康推進プランの策定を担当することになった。
K 市は勤労世代において、国民健康保険加入者の割合が他の自治体と比較して高い。
K 市の健康推進プランの候補としてあがった目標である。K 市の主要死因のデータから、重点的にとりあげる目標である。最も適切なのはどれか。1 つ選べ。
  1. がんによる死亡率の低下
  2. がんと心疾患による死亡率の低下
  3. がんと脳血管疾患による死亡率の低下
  4. 心疾患と脳血管疾患による死亡率の低下

【 解答:4 】

問題101
K 市保健センターに勤める管理栄養士である。K 市の健康推進プランの策定を担当することになった。
K 市は勤労世代において、国民健康保険加入者の割合が他の自治体と比較して高い。
K 市住民の特性を考えた、健康推進プランでの重点的な取組である。最も適切なのはどれか。1 つ選べ。
  1. 学校と連携して、健康づくりの標語を募集する。
  2. ボランティアの協力を得て、栄養教室を開催する。
  3. 企業と連携して、休日に健康イベントを開催する。
  4. 保険者と連携して、特定健康診査を受診しやすい時間に変更する。

【 解答:4 】