社労士 過去問 平成24年 択一式の試験問題と解答を全問題表示しています。

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問題1
労働基準法に定める賃金等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  1. 1か月の賃金支払額(賃金の一部を控除して支払う場合には、控除後の額)に生じた千円未満の端数を翌月の賃金支払日に繰り越して支払うことは、労働基準法第24条違反としては取り扱わないこととされている。
  2. 死亡した労働者の退職金の支払は、権利者に対して支払うこととなるが、この権利者について、就業規則において、民法の遺産相続の順位によらず、労働基準法施行規則第42条、第43条の順位による旨定めた場合に、その定めた順位によって支払った場合は、その支払は有効であると解されている。
  3. 最高裁判所の判例によると、労働基準法第26条の「使用者の責に帰すべき事由」は、取引における一般原則たる過失責任主義とは異なる観点をも踏まえた概念というべきであって、民法第536条第2項の「債権者の責めに帰すべき事由」よりも広く、使用者側に起因する経営、管理上の障害を含むものと解するのが相当であるとされている。
  4. ある会社で、労働協約により通勤費として6か月ごとに定期乗車券を購入し、それを労働者に支給している場合、この定期乗車券は、労働基準法第11条に規定する賃金とは認められず、平均賃金算定の基礎に加える必要はない。
  5. 裁判所は、労働基準法第20条(解雇予告手当)、第26条(休業手当)若しくは第37条(割増賃金)の規定に違反した使用者又は第39条第7項の規定による賃金(年次有給休暇中の賃金)を支払わなかった使用者に対して、労働者の請求により、これらの規定により使用者が支払わなければならない金額についての未払金のほか、これと同一額の付加金の支払を命ずることができることとされているが、この付加金の支払に関する規定は、同法第24条第1項に規定する賃金の全額払の義務に違反して賃金を支払わなかった使用者に対しては適用されない。

【 解答:4 】

問題2
労働基準法に定める労働契約に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  1. 労働基準法第14条第2項の規定に基づく「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準(平成15年厚生労働省告示第357号)」によると、期間が2か月の労働契約(あらかじめ当該契約を更新しない旨明示されているものを除く。)を3回更新し、4回目に更新しないこととしようとする使用者は、少なくとも当該契約の期間の満了する日の30日前までに、その予告をしなければならない。
  2. 労働基準法第56条の最低年齢違反の労働契約のもとに就労していた児童については、そもそも当該労働契約が無効であるから、その違反を解消するために当該児童を解雇する場合には、労働基準法第20条の解雇の予告に関する規定は、適用されない。
  3. 満60歳以上で薬剤師の資格を有する者が、ある事業場で3年の期間を定めた労働契約を締結して薬剤師以外の業務に就いていた場合、その者は、民法第628条の規定にかかわらず、労働基準法第137条の規定に基づき、当該労働契約の期間の初日から1年を経過した日以後においては、その使用者に申し出ることにより、いつでも退職することができる。
  4. 使用者は、「表彰に関する事項」については、それに関する定めをする場合であっても、労働契約の締結に際し、労働者に対して、労働基準法第15条の規定に基づく明示をする必要はない。
  5. 派遣元の使用者は、労働者派遣法第44条第2項における労働基準法の適用に関する特例により、労働時間に係る労働基準法第32条、第32条の2第1項等の規定については、派遣先の事業のみを派遣中の労働者を使用する事業とみなすとされているところから、これらの特例の対象となる事項については、労働基準法第15条による労働条件の明示をする必要はない。

【 解答:1 】

問題3
労働基準法に定める解雇等に関する次のAからEまでの記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
  1. 使用者が、ある労働者を整理解雇しようと考え、労働基準法第20条の規定に従って、6月1日に、30日前の予告を行った。その後、大口の継続的な仕事が取れ人員削減の必要がなくなったため、同月20日に、当該労働者に対して、「解雇を取り消すので、わが社に引き続きいてほしい。」と申し出たが、当該労働者は同意せず、それに応じなかった。この場合、使用者が解雇を取り消しているので、当該予告期間を経過した日に、当該労働者は、解雇されたのではなく、任意退職をしたこととなる。
  2. 労働者によるある行為が労働基準法第20条第1項ただし書の「労働者の責に帰すべき事由」に該当する場合において、使用者が即時解雇の意思表示をし、当日同条第3項の規定に基づいて所轄労働基準監督署長に解雇予告除外認定の申請をして翌日その認定を受けたときは、その即時解雇の効力は、当該認定のあった日に発生すると解されている。
  3. 使用者は、ある労働者を8月31日の終了をもって解雇するため、同月15日に解雇の予告をする場合には、平均賃金の14日分以上の解雇予告手当を支払わなければならない。
  4. 使用者が労働者を解雇しようとする日の30日前に解雇の予告をしたところ、当該労働者が、予告の日から5日目に業務上の負傷をし療養のため2日間休業した。当該業務上の負傷による休業期間は当該解雇の予告期間の中に納まっているので、当該負傷については労働基準法第19条の適用はなく、当該解雇の効力は、当初の予告どおりの日に発生する。
  5. 労働基準法第89条では、就業規則のいわゆる絶対的必要記載事項として「退職に関する事項(解雇の事由を含む。)」が規定されているが、ここでいう「退職に関する事項」とは、任意退職、解雇、定年制、契約期間の満了による退職等労働者がその身分を失うすべての場合に関する事項をいう。
  1. AB
  2. BE
  3. CD
  4. BD
  5. CE

【 解答:5 】

問題4
労働基準法の総則に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  1. 労働基準法第3条が差別禁止事由として掲げている「信条」とは、政治的信条や思想上の信念を意味し、そこには宗教上の信仰は含まれない。
  2. 労働基準法第4条は、賃金についてのみ女性であることを理由とする男性との差別的取扱いを禁止したものであり、その他の労働条件についての差別的取扱いについては同条違反の問題は生じない。
  3. 労働基準法第7条は、労働者が労働時間中に、公民権を行使するために必要な時間を請求した場合には、使用者はこれを拒んではならないとし、また、当該時間を有給扱いとすることを求めている。
  4. 労働基準法に定める「使用者」とは、事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為をする管理監督者以上の者をいう。
  5. 労働基準法に定める「平均賃金」とは、これを算定すべき事由の発生した日以前3か月間にその労働者に対し支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除した金額をいい、年に2回6か月ごとに支給される賞与が当該3か月の期間内に支給されていた場合には、それも算入して計算される。

【 解答:2 】

問題5
労働基準法に定める労働時間等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  1. 使用者は、1日の労働時間が8時間を超える場合においては少なくとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならず、1日の労働時間が16時間を超える場合には少なくとも2時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。
  2. 労働基準法第34条に定める休憩時間の利用について、事業場の規律保持上必要な制限を加えることは、休憩の目的を損なわない限り差し支えない。
  3. 労働基準法第35条に定める休日は、原則として暦日を意味するものと解されており、例えば、午前8時から翌日の午前8時までの労働と、同じく午前8時から翌日の午前8時までの非番とを繰り返す一昼夜交代勤務の場合に、非番の継続24時間の間労働義務がないとしても、同条の休日を与えたものとは認められない。
  4. 労働基準法第36条は、時間外又は休日労働を適法に行わせるための手続を規定したものであるから、時間外又は休日労働命令に服すべき労働者の民事上の義務は、同条に定めるいわゆる36協定から直接当然に生ずるものではない。
  5. 労働基準法第36条に定めるいわゆる36協定は、これを所轄労働基準監督署長に届け出てはじめて使用者が労働者に適法に時間外労働又は休日労働を行わせることを可能とするのであって、法定労働時間を超えて労働させる場合、単に同協定を締結したのみでは、労働基準法違反の責めを免れない。

【 解答:1 】

問題6
労働基準法に定める年次有給休暇に関する次のAからEまでの記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
  1. 労働基準法第39条に定める年次有給休暇の利用目的は同法の関知しないところであり、労働者が病気療養のために年次有給休暇を利用することもできる。
  2. 労働基準法第39条に定める年次有給休暇について、労働者と使用者の間でその日数に相当する金銭を支給する年次有給休暇の買上げの予約がなされた場合、それが労働者の自由な意思によってなされたものと認められるときには、これに基づいて当該金銭を使用者が労働者に支給することによって、年次有給休暇は消化されたものとされる。
  3. 労働基準法第39条に定める年次有給休暇権の発生要件の1つである「継続勤務」は、勤務の実態に即し実質的に判断すべきものと解される。したがって、この継続勤務期間の算定に当たっては、例えば、企業が解散し、従業員の待遇等を含め権利義務関係が新会社に包括承継された場合は、勤務年数を通算しなければならない。
  4. 労働基準法第39条に定める年次有給休暇は、暦日単位で付与しなければならないため、時間単位で付与することは認められていない。
  5. 労働者が長期かつ連続の年次有給休暇を取得しようとする場合には、使用者との事前の調整を経なければ、時季指定権を行使することができない。
  1. AC
  2. AE
  3. BD
  4. BE
  5. CD

【 解答:1 】

問題7
労働基準法に定める就業規則等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  1. 労働基準法によれば、常時10人以上の労働者を使用する使用者は、退職手当に関する事項を就業規則に必ず記載しなければならないとされており、また、期間の定めのない労働契約によって雇用される、勤続期間が3年以上の労働者に対して退職手当を支払わなければならない。
  2. 常時10人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則の作成又は変更について、当該事業場に労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、それがない場合においては労働者の過半数を代表する者の意見を記した書面を添付して、所轄労働基準監督署長に届け出なければならない。
  3. 厚生労働大臣又は都道府県知事は、法令又は労働協約に抵触する就業規則の変更を命ずることができる。
  4. 労働基準法第106条に定める就業規則の周知義務については、労働契約の効力にかかわる民事的な定めであり、それに違反しても罰則が科されることはない。
  5. 労働基準法第15条により、使用者が労働契約の締結に際し書面で行うこととされている労働条件の明示については、当該労働条件を記載した就業規則を交付することではその義務を果たすことはできない。

【 解答:2 】

問題8
労働安全衛生法に関する次の記述のうち、造船業を除く製造業の元方事業者がその労働者及び関係請負人の労働者の作業が同一の場所において行われる場合に、法令の規定により講じることが義務付けられている措置として、正しいものはどれか。
  1. 元方事業者及びすべての関係請負人が参加する協議組織の設置及び運営を行うこと。
  2. 関係請負人が行う労働者の安全又は衛生のための教育を行う場所の提供、当該教育に使用する資料の提供等を行うこと。
  3. 統括安全衛生責任者を選任すること。
  4. つり上げ荷重が1トンのクレーンを用いて行う作業であるときは、当該クレーンの運転についての合図を統一的に定めること。
  5. 元方安全衛生管理者を選任すること。

【 解答:4 】

問題9
労働安全衛生法の安全衛生管理体制に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  1. 常時120人の労働者を使用する清掃業の事業場の事業者は、総括安全衛生管理者を選任する義務があるが、当該事業場においてその事業の実施を統括管理する者であれば、他に資格等を有していない場合であっても、その者を総括安全衛生管理者に選任し、当該事業場の労働災害を防止するため必要な業務を統括管理させることができる。
  2. 常時70人の労働者を使用する建設業の事業場の事業者は、安全管理者を選任する義務があるが、高等学校において理科系統の正規の学科を修めて卒業し、その後5年間産業安全の実務に従事した経験を有する当該事業場の労働者で厚生労働大臣が定める安全に係る技術的事項を管理するのに必要な知識についての研修を修了したものであれば、他に資格等を有していない場合であっても、その者を安全管理者に選任し、当該事業場の安全に係る技術的事項を管理させることができる。
  3. 常時60人の労働者を使用する製造業の事業場の事業者は、衛生管理者を選任する義務があるが、第二種衛生管理者免許を有する当該事業場の労働者であれば、他に資格等を有していない場合であっても、その者を衛生管理者に選任し、当該事業場の衛生に係る技術的事項を管理させることができる。
  4. 常時30人の労働者を使用する運送業の事業場の事業者は、安全衛生推進者を選任する義務があるが、安全衛生推進者養成講習を修了した当該事業場の労働者であれば、他に資格等を有していない場合であっても、その者を安全衛生推進者に選任し、当該事業場の労働災害を防止するため必要な業務を担当させることができる。
  5. 常時50人の労働者を使用する自動車整備業の事業場の事業者は、産業医を選任する義務があるが、厚生労働大臣の指定する者が行う労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識についての研修を修了した医師であれば、他に資格等を有していない場合であっても、その者を産業医に選任し、当該事業場の労働者の健康管理等を行わせることができる。

【 解答:3 】

問題10
労働安全衛生法の労働者の危険又は健康障害を防止するための措置等に関する次の記述のうち、同法の規定により義務付けられている措置として、誤っているものはどれか。
  1. 注文者は、その請負人に対し、当該仕事に関し、その指示に従って当該請負人の労働者を労働させたならば、労働安全衛生法又は同法に基づく命令の規定に違反することとなる指示をしてはならない。
  2. 不整地運搬車を相当の対価を得て業として他の事業者に貸与する者は、所定の除外事由に該当する場合を除き、当該不整地運搬車の貸与を受けた事業者の事業場における当該不整地運搬車による労働災害を防止するため必要な措置を講じなければならない。
  3. 工場の用に供される建築物を他の事業者に貸与する者は、所定の除外事由に該当する場合を除き、当該建築物の貸与を受けた事業者の事業に係る当該建築物による労働災害を防止するため必要な措置を講じなければならない。
  4. 電気工作物を設けている者は、当該工作物の所在する場所又はその附近で工事その他の仕事を行う事業者から、当該工作物による労働災害の発生を防止するためにとるべき措置についての教示を求められたときは、これを教示しなければならない。
  5. 重量が1つで0.5トンである貨物を発送しようとする者は、所定の除外事由に該当する場合を除き、当該貨物に見やすく、かつ、容易に消滅しない方法でその重量を表示しなければならない。

【 解答:5 】

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問題11
通勤災害とは、労働者の通勤による負傷、疾病、障害又は死亡をいうが、この通勤に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  1. 寝過ごしにより就業場所に遅刻した場合は、通勤に該当することはない。
  2. 運動部の練習に参加する目的で、午後の遅番の出勤者であるにもかかわらず、朝から住居を出る等、所定の就業開始時刻とかけ離れた時刻に会社に行く場合も、通勤に該当する。
  3. 日々雇用される労働者が公共職業安定所等でその日の職業紹介を受けるために住居から公共職業安定所等まで行く行為は、通勤に該当しない。
  4. 昼休みに自宅まで時間的に十分余裕をもって往復できる労働者が、午前中の業務を終了して帰り、午後の業務に就くために出勤する往復行為は、通勤に該当しない。
  5. 業務の終了後、事業場施設内で、サークル活動をした後に帰宅する場合は、社会通念上就業と帰宅との直接的関連を失わせると認められるほど長時間となるような場合を除いても、通勤に該当することはない。

【 解答:3 】

問題12
通勤災害の保険給付に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  1. 障害給付を支給すべき身体障害の障害等級は、障害補償給付を支給すべき身体障害の障害等級と同じく、厚生労働省令で定める障害等級表に定めるところによる。
  2. 政府は、療養給付を受ける労働者(法令で定める者を除く。)から、200円(健康保険法に規定する日雇特例被保険者である労働者については100円)を一部負担金として徴収する。ただし、現に療養に要した費用の総額がこの額に満たない場合は、現に療養に要した費用の総額に相当する額を徴収する。
  3. 療養給付を受ける労働者から一部負担金を徴収する場合には、労働者に支給すべき休業給付の額から、一部負担金の額に相当する額を控除することができる。
  4. 第三者の行為によって生じた事故により療養給付を受ける者についても、一部負担金は徴収される。
  5. 休業給付が支給されない休業の初日から第3日目までの待期期間について、事業主は労働基準法に基づく休業補償の義務を負わない。

【 解答:4 】

問題13
業務災害の保険給付に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  1. 療養補償給付は、休業補償給付と併給される場合がある。
  2. 休業補償給付は、傷病補償年金と併給される場合がある。
  3. 療養補償給付は、傷病補償年金と併給される場合がある。
  4. 労働者が老人福祉法の規定による特別養護老人ホームに入所している間については、介護補償給付は支給されない。
  5. 労働者が留置施設に留置されて懲役、禁錮又は拘留の刑の執行を受けている場合、休業補償給付は支給されない。

【 解答:2 】

問題14
労災保険の保険給付に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  1. 年金たる保険給付を減額して改定すべき事由が生じたにもかかわらず、その事由が生じた月の翌月以後の分として減額しない額の年金たる保険給付が支払われたときは、その支払われた年金たる保険給付の当該減額すべきであった部分は、その後に支払うべき年金たる保険給付の内払とみなすことができる。
  2. 保険給付を受ける権利は、譲り渡すことができない。
  3. 租税その他の公課は、保険給付として支給を受けた金品を標準として課することはできない。
  4. 政府は、保険給付を受ける権利を有する者が、正当な理由なく、行政の出頭命令に従わないときは、保険給付の支給決定を取り消し、支払った金額の全部又は一部の返還を命ずることができる。
  5. 年金たる保険給付は、その支給を停止すべき事由が生じたときは、その事由が生じた月の翌月からその事由が消滅した月までの間は、支給しない。

【 解答:4 】

問題15
特別加入に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  1. 年間農業生産物総販売額300万円であって経営耕地面積1ヘクタールの農業の事業場における土地の耕作若しくは開墾又は植物の栽培若しくは採取の作業で、動力により駆動される機械を使用するものに従事する者は、労災保険の特別加入の対象となる。
  2. 年間農業生産物総販売額200万円であって経営耕地面積1へクタールの畜産の事業場における家畜の飼育の作業で、牛・馬・豚に接触し又はそのおそれのあるものに従事する者は、労災保険の特別加入の対象となる。
  3. 専従職員(労働組合が雇用する労働者をいう。以下同じ。)又は労働者とみなされる常勤役員がいないいわゆる一人専従役員たる労働組合の代表者は、労働者とみなされず、かつ、労災保険の特別加入の対象とならない。
  4. 専従職員を置かず常勤役員(代表者を除く。)を置く労働組合の非常勤役員は、労働者とみなされず、かつ、労災保険の特別加入の対象とならない。
  5. 海外派遣者について、派遣先の海外の事業が厚生労働省令で定める数以下の労働者を使用する事業に該当する場合であっても、その事業の代表者は、労災保険の特別加入の対象とならない。

【 解答:1 】

問題16
労働者災害補償保険特別支給金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  1. 休業特別支給金の額は、1日につき休業給付基礎日額の100分の30に相当する額とされる。
  2. 休業特別支給金の支給の対象となる日について休業補償給付又は休業給付を受けることができる者は、当該休業特別支給金の支給の申請を、当該休業補償給付又は休業給付の請求と同時に行わなければならない。
  3. 既に身体障害のあった者が、業務上の事由又は通勤による負傷又は疾病により同一の部位について障害の程度を加重した場合における当該事由に係る障害特別支給金の額は、現在の身体障害の該当する障害等級に応ずる障害特別支給金の額とされる。
  4. 遺族特別支給金の額は、300万円とされ、遺族特別支給金の支給を受ける遺族が2人以上ある場合には、それぞれに300万円が支給される。
  5. 遺族特別支給金の支給の申請は、労働者の死亡の日の翌日から起算して2年以内に行わなければならない。

【 解答:2 】

問題17
厚生労働省労働基準局長通知(「心理的負荷による精神障害の認定基準について」平成23年12月26日付け基発1226第1号。以下「認定基準」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
なお、本問において「対象疾病」とは、「認定基準で対象とする疾病」のことである。
  1. 認定基準においては、次のいずれの要件も満たす場合に、業務上の疾病として取り扱うこととしている。
    1. 対象疾病を発病していること。
    2. 対象疾病の発病前おおむね6か月の間に、業務による強い心理的負荷が認められること。
    3. 業務以外の心理的負荷及び個体側要因により対象疾病を発病したとは認められないこと。
  2. 認定基準における対象疾病の発病に至る原因の考え方は、環境由来の心理的負荷(ストレス)と、個体側の反応性、脆弱性との関係で精神的破綻が生じるかどうかが決まり、心理的負荷が非常に強ければ、個体側の脆弱性が小さくても精神的破綻が起こるし、逆に脆弱性が大きければ、心理的負荷が小さくても破綻が生ずるとする「ストレス― 脆弱性理論」に依拠している。
  3. 認定基準においては、「業務による強い心理的負荷」について、精神障害を発病した労働者がその出来事及び出来事後の状況が持続する程度を主観的にどう受け止めたかではなく、職種、職場における立場や職責、年齢、経験等が類似する同種の労働者が一般的にどう受け止めるかという観点から評価されるとしている。
  4. 認定基準においては、例えば対象疾病の発病直前の3週間におおむね120時間以上の時間外労働を行っていたときには、手待時間が多いなど労働密度が特に低い場合を除き、心理的負荷の総合評価を「強」と判断するとしている。
  5. 認定基準においては、労災保険法第12条の2の2が労働者が故意に死亡したときは、政府は保険給付を行わないと規定していることから、業務により精神障害を発病したと認められる者が自殺を図った場合には、業務起因性は認められないとしている。

【 解答:5 】

問題18
労働保険徴収法の総則、保険関係の成立等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  1. 労働保険徴収法における「賃金」とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称のいかんを問わず、労働の対償として事業主が労働者に支払うもの(通貨以外のもので支払われるものであって、厚生労働省令で定める範囲外のものを除く。)であり、労働基準法第26条に定める休業手当は賃金に含まれるが、同法第20条に定めるいわゆる解雇予告手当は賃金に含まれない。
  2. 退職を事由として支払われる退職金であって、退職時に支払われるものについては、一般保険料の算定基礎となる賃金総額に算入しない。
  3. 労災保険率を決定する際の事業の種類に関し、労働者派遣事業における事業の種類は、派遣労働者の派遣先での作業実態に基づき決定され、必ずしも「その他の各種事業」になるものではない。
  4. 有期事業の一括は法律上一定の要件に該当する場合には当然に行われるものであり、事業主からの申請、都道府県労働局長による承認は不要である。
  5. 労働保険徴収法第39条第1項においては、「国、都道府県及び市町村の行う事業その他厚生労働省令で定める事業については、当該事業を労災保険に係る保険関係及び雇用保険に係る保険関係ごとに別個の事業とみなしてこの法律を適用する。」とされている。

【 解答:5 】

問題19
労災保険率等に関する次のAからEまでの記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。
  1. 労災保険率は、労働保険徴収法施行規則で定める事業の種類ごとに定められており、その最高は、1000分の100を超えている。
  2. 継続事業(一括有期事業を含む。)に係るいわゆるメリット制の適用を受けることができる事業は、連続する3保険年度中の各保険年度において、少なくとも次のいずれかに該当する事業であることが必要である。
    1. 100人以上の労働者を使用する事業
    2. 20人以上100人未満の労働者を使用する事業であって所定の要件を満たすもの
    3. 規模が、建設の事業及び立木の伐採の事業について当該保険年度の確定保険料の額が40万円以上であるもの
  3. 継続事業(一括有期事業を含む。)に係るいわゆるメリット制は、連続する3保険年度中の各保険年度においてその適用を受けることができる事業であって、当該連続する3保険年度中の最後の保険年度の3月31日において労災保険に係る保険関係の成立後3年以上経過したものについて、その連続する3保険年度の間におけるいわゆるメリット収支率を基礎として運用される。
  4. 労災保険率は、政令で定めるところにより、労災保険法の適用を受けるすべての事業の過去3年間の業務災害及び通勤災害に係る災害率並びに二次健康診断等給付に要した費用の額、社会復帰促進等事業として行う事業の種類及び内容その他の事情を考慮して厚生労働大臣が定める。
  5. いわゆるメリット収支率を算定する基礎となる保険給付の額には、特定の業務に長期間従事することにより発生する疾病であって厚生労働省令で定めるものにかかった者に係る保険給付の額は含まれないものであり、この厚生労働省令で定める疾病にかかった者には、鉱業の事業における著しい騒音を発生する場所における業務による難聴等の耳の疾患(いわゆる騒音性難聴)にかかった者が含まれる。
  1. AC
  2. BC
  3. DE
  4. AE
  5. BE

【 解答:4 】

問題20
個人事業主が労災保険法第34条第1項の規定に基づき、中小事業主等の特別加入の承認を受けた場合、当該事業主に係る当該承認を受けた保険年度の第1種特別加入保険料の額の算定の仕方について、正しいものは次のうちどれか。
なお、事業の種類等は次のとおりである。
  • 事業の種類:飲食店
  • 当該事業に係る労災保険率:1000分の4
  • 中小事業主等の特別加入申請に係る承認日:平成23年12月15日
  • 給付基礎日額:8千円
  • 特別加入保険料算定基礎額:292万円
  1. 8千円×107日×1000分の4
  2. 8千円×108日×1000分の4
  3. 292万円×12分の1×3か月×1000分の4
  4. 292万円×12分の1×3.5か月×1000分の4
  5. 292万円×12分の1×4か月×1000分の4

【 解答:5 】

問題21
雇用保険の適用事業及び被保険者に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  1. 適用事業の事業主との間に雇用関係が存続していても、労働者が長期にわたり欠勤していることにより賃金の支払を受けていない場合には、当該労働者は被保険者とならない。
  2. 株式会社の代表取締役が被保険者になることはない。
  3. 都道府県の長が、当該都道府県の事業に雇用される者について、雇用保険法を適用しないことについて厚生労働大臣による承認の申請を行い、その承認を受けたときは、その承認の申請に係る被保険者については、その承認の申請がなされた日の翌日から雇用保険法は適用されない。
  4. 適用事業で雇用される被保険者が、事業主の命を受けて取引先である中国企業の北京支店に出向した場合、当該出向元事業主との雇用関係が継続している場合であっても、当該出向期間が4年を超えると、被保険者たる資格を失う。
  5. 適用事業に雇用された者であって、雇用保険法第6条のいわゆる適用除外に該当しない者は、雇用関係に入った最初の日ではなく、雇用契約の成立の日から被保険者となる。

【 解答:2 】

問題22
雇用保険事務に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
なお、本問においては、労働保険徴収法第8条の規定による請負事業の一括の場合を除く。
  1. 日雇労働被保険者(日雇労働被保険者の任意加入の認可を受けた者は除く。)は、法令で定める適用事業に雇用されるに至った日から起算して5日以内に、日雇労働被保険者資格取得届(様式第25号)に必要に応じ所定の書類を添えて、管轄公共職業安定所の長に提出しなければならない。
  2. 事業主は、その雇用する労働者が当該事業主の行う適用事業に係る被保険者となったことについて、当該事実のあった日の属する月の翌月10日までに、雇用保険被保険者資格取得届(様式第2号)に必要に応じ所定の書類を添えて、その事業所の所在地を管轄する公共職業安定所の長に提出しなければならない。
  3. 事業主は、その雇用する労働者が当該事業主の行う適用事業に係る被保険者でなくなったことについて、当該事実のあった日の翌日から起算して10日以内に、雇用保険被保険者資格喪失届(様式第4号)に必要に応じ所定の書類を添えて、その事業所の所在地を管轄する公共職業安定所の長に提出しなければならない。
  4. 事業主は、その雇用する被保険者が氏名を変更したときは、速やかに、雇用保険被保険者氏名変更届(様式第4号)に必要に応じ所定の書類を添えて、その事業所の所在地を管轄する公共職業安定所の長に提出しなければならない。
  5. 事業主は、その雇用する被保険者を当該事業主の一の事業所から他の事業所に転勤させたときは、原則として、当該事実のあった日の翌日から起算して10日以内に、雇用保険被保険者転勤届(様式第10号)に必要に応じ所定の書類を添えて、転勤後の事業所の所在地を管轄する公共職業安定所の長に提出しなければならないが、両事業所が同じ公共職業安定所の管轄内にあるときには、当該届出は不要である。

【 解答:5 】

問題23
基本手当の受給期間に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
なお、本問において、「基準日」とは「基本手当の受給資格に係る離職の日」のことであり、「就職困難者」とは「雇用保険法第22条第2項の厚生労働省令で定める理由により就職が困難な者」のことである。また、雇用保険法に定める延長給付は考慮しないものとする。
  1. 基準日において50歳であり、算定基礎期間が1年の就職困難者である受給資格者については、受給期間は、原則として、基準日の翌日から起算して1年に60日を加えた期間である。
  2. 受給資格者がその受給期間内に再就職して再び離職した場合で、当該再就職によって特例受給資格を取得したときは、前の受給資格に係る受給期間内であれば、その受給資格に基づく基本手当の残日数分を受給することができる。
  3. 60歳以上で定年退職した者による雇用保険法第20条第2項に基づく受給期間延長の申出は、天災その他申出をしなかったことについてやむを得ない理由があるときを除き、当該申出に係る離職の日の翌日から起算して2か月以内にしなければならない。
  4. 60歳以上で定年退職した者に対する雇用保険法第20条第2項に基づく受給期間の延長は、1年を限度とする。
  5. 離職前から引き続き傷病のために職業に就くことができない状態にある者について、一定の要件をみたす場合には、その者の申出により当該離職に係る受給期間を延長することは可能であるが、当該離職の日までの傷病期間に相当する日数は受給期間の延長の対象とはならない。

【 解答:2 】

問題24
一般被保険者の基本手当以外の求職者給付に関する次のAからEまでの記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。
  1. 技能習得手当は、受給資格者に対し、基本手当を支給すべき日又は傷病手当を支給すべき日に、その日の属する月の前月の末日までの分を支給する。
  2. 受給資格者X は、離職後公共職業安定所に出頭し求職の申込みをした後、交通事故による負傷のために職業に就くことができなくなり、そのため基本手当の支給を受けられなくなったが、自動車損害賠償保障法に基づく保険金の支給を受けることができる場合には、X に対して傷病手当が支給されることはない。
  3. 広域延長給付に係る基本手当を受給中の受給資格者については、傷病手当が支給されることはない。
  4. 技能習得手当には、受講手当、通所手当及び寄宿手当の3種類がある。
  5. 寄宿手当は、公共職業訓練等受講開始前の寄宿日については支給されることはない。
  1. AC
  2. AD
  3. BC
  4. BD
  5. DE

【 解答:4 】

問題25
高年齢継続被保険者の求職者給付等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
なお、本問において、「算定基礎期間」とは「雇用保険法第37条の4第3項に規定する算定基礎期間」のこと、「基本手当の日額」とは「高年齢受給資格者を雇用保険法第15条第1項に規定する受給資格者とみなした場合に支給されることとなる基本手当の日額」のこと、「失業の認定」とは「雇用保険法第37条の4第4項に規定する失業していることについての認定」のことである。
  1. 高年齢求職者給付金の支給を受けることができる期限は、高年齢受給資格に係る離職の日の翌日から起算して6か月を経過する日である。
  2. 高年齢受給資格者であるX の当該高年齢受給資格に係る算定基礎期間が15か月である場合、X が支給を受けることのできる高年齢求職者給付金の額は、基本手当の日額の50日分に相当する額を下回ることはない。
  3. 高年齢受給資格者は、日雇労働求職者給付金の受給資格を取得することはできない。
  4. 日雇労働被保険者は、高年齢受給資格者となることはない。
  5. 高年齢受給資格者は、失業の認定を受けようとするときは、失業の認定日に、管轄公共職業安定所に出頭し.失業認定申告書(様式第14号)に住民票記載事項証明書を添えて、提出しなければならない。

【 解答:4 】

問題26
日雇労働求職者給付金に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  1. 日雇労働求職者給付金のいわゆる特例給付の支給を受けるためには、少なくとも、雇用保険法第53条第1項第2号にいう基礎期間の最後の月の翌月以後4月間(当該特例給付について公共職業安定所長に申出をした日が当該4月の期間内にあるときは、同日までの間)に、日雇労働求職者給付金のいわゆる普通給付の支給を受けていないことが必要である。
  2. 日雇労働被保険者が失業した日の属する月における失業の認定を受けた日について、その月の前2月間に、その者について納付されている印紙保険料が通算して28日分である場合、日雇労働求職者給付金のいわゆる普通給付は、その月において通算して13日分を限度として支給される。
  3. 日雇労働求職者給付金の日額は、日雇労働求職者給付金のいわゆる普通給付も、いわゆる特例給付も、現状では7,500円、6,200円及び4,100円の3種類である。
  4. 日雇労働求職者給付金のいわゆる特例給付は、原則として、4週間に1回失業の認定を行った日に当該認定に係る日分が支給され、したがって、この場合は、当該認定日に最大で24日分が支給されることになる。
  5. 日雇労働求職者給付金のいわゆる特例給付の支給を受けるためには、少なくとも、雇用保険法第53条第1項第2号にいう基礎期間のうち後の5月間に日雇労働求職者給付金のいわゆる普通給付又は特例給付の支給を受けていないことが必要である。

【 解答:1 】

問題27
雇用保険制度に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  1. 「人」の代理人、使用人その他の従業者が、その「人」の業務に関して、雇用保険法第83条から第85条までの各号に掲げる違反行為をしたとき、行為者が罰せられるほか、その「人」に対しても雇用保険法第83条から第85条までに掲げる懲役刑が科せられることがある。
  2. 労働政策審議会は、厚生労働大臣の諮問に応ずるだけでなく、必要に応じ、雇用保険事業の運営に関して、関係行政庁に建議し、又はその報告を求めることができる。
  3. 雇用保険法第9条の規定による、労働者が被保険者でなくなったことの確認に関する処分が確定したときは、当該処分についての不服を、当該処分に基づく失業等給付に関する処分についての不服の理由とすることができない。
  4. 失業等給付に関する処分の取消しの訴えは、当該処分についての再審査請求がされた日の翌日から起算して3か月を経過しても労働保険審査会の裁決がない場合には、当該再審査請求に対する労働保険審査会の裁決を経ずに提起することができる。
  5. 雇用保険法においては、国庫は、同法第64条に規定する職業訓練受講給付金の支給に要する費用の一定割合を負担することとされている。

【 解答:1 】

問題28
労働保険料等の口座振替による納付に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  1. 労働保険徴収法第16条の規定による増加概算保険料の納付については、口座振替による納付の対象とならない。
  2. いわゆる認定決定された概算保険料の納付については、口座振替による納付の対象とならない。
  3. 確定保険料の額から既に納付した概算保険料の額を控除した不足額の納付については、口座振替による納付の対象とならない。
  4. 労働保険徴収法第21条の規定による追徴金の納付については、口座振替による納付の対象とならない。
  5. 労働保険徴収法第18条の規定により延納する場合における概算保険料の納付については、口座振替による納付の対象となる。

【 解答:3 】

問題29
印紙保険料に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  1. 日雇労働被保険者に係る印紙保険料の納付については、請負事業の一括により元請負人が事業主とされる場合、当該元請負人が、その使用する日雇労働被保険者及び下請負人が使用する日雇労働被保険者に係る印紙保険料を納付しなければならない。
  2. 印紙保険料の納付は、日雇労働被保険者に交付された日雇労働被保険者手帳に雇用保険印紙をはり、これに消印して行い、又は、あらかじめ所轄都道府県労働局歳入徴収官の承認を受けて、納入告知書に当該印紙保険料額を添えて直接金融機関に納付することによって行うことができる。
  3. 事業主が日雇労働被保険者に対し日雇労働被保険者手帳の提出を求めないために、日雇労働被保険者がこれを提出せず、雇用保険印紙の貼付がなされなかった場合、当該事業主は追徴金を徴収されることはないが、罰則規定を適用されることがある。
  4. 事業主が印紙保険料の納付を怠った場合には、所轄都道府県労働局歳入徴収官は、その納付すべき印紙保険料の額を決定し、これを事業主に通知することとされており、この場合、当該事業主は、現金により、日本銀行(本店、支店、代理店及び歳入代理店をいう。)又は所轄都道府県労働局収入官吏に、その納付すべき印紙保険料を納付しなければならない。
  5. 雇用保険印紙購入通帳の交付を受けている事業主は、毎月における雇用保険印紙の受払状況を印紙保険料納付状況報告書(様式第15号)によって、所轄都道府県労働局歳入徴収官に報告しなければならないが、日雇労働被保険者を一人も使用せず、印紙の受払いのない月の分に関しては、何ら報告する義務はない。

【 解答:4 】

問題30
労働保険の保険料に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  1. 一括された個々の有期事業であって保険年度の末日において終了していないものは、その保険年度の確定保険料の対象から除外し、次年度の概算保険料の対象とする。
  2. 雇用保険に係る保険関係が成立している事業において、賃金が毎月末日締切り、翌月10日支払とされている労働者(雇用保険法に規定する「短期雇用特例被保険者」及び「日雇労働被保険者」を除く。)が平成24年1月20日に満64歳となった場合、同年2月10日及び同年3月10日に支払われた当該労働者の賃金は、平成23年度確定保険料の算定に当たり、雇用保険分の保険料算定基礎額となる賃金総額から除かれる。
  3. 労働保険徴収法第39条第1項に規定する事業以外の事業であっても、雇用保険法の適用を受けない者を使用する事業については、当該事業を労災保険に係る保険関係及び雇用保険に係る保険関係ごとに別個の事業とみなして一般保険料の額を算定する。
  4. 継続事業の事業主が納付した労働保険料の額が、確定保険料の額を超える場合において還付請求が行われないとき、所轄都道府県労働局歳入徴収官は、法令の定めるところにより、その超える額を次の保険年度の概算保険料又は未納の労働保険料等に充当する。
  5. 平成24年3月20日締切り、翌月5日支払の月額賃金は、平成23年度保険料の算定基礎額となる賃金総額に含まれる。

【 解答:2 】

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問題31
労働契約法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  1. 労働契約法における「労働者」とは、使用者に使用されて労働し、賃金を支払われる者をいうとされており、これに該当すれば家事使用人についても同法は適用される。
  2. 使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとされている。
  3. 労働契約は、労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことによって成立するものとされており、当事者の合意、認識等の主観的事情は、労働契約の成否に影響を与えない。
  4. 労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することができるとされている。
  5. 使用者が労働者を懲戒することができる場合においても、当該懲戒が、その権利を濫用したものとして、無効とされることがある。

【 解答:3 】

問題32
労働組合法等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  1. いわゆるユニオン・ショップ協定のうち、締結組合以外の他の労働組合に加入している者及び締結組合から脱退し又は除名されたが他の労働組合に加入し又は新たな労働組合を結成した者について使用者の解雇義務を定める部分は、民法第90条の規定により、これを無効と解すべきであるとするのが、最高裁判所の判例である。
  2. いわゆるチェック・オフ協定は、それが労働協約の形式により締結された場合であっても、当然に使用者がチェック・オフをする権限を取得するものではないことはもとより、労働組合員がチェック・オフを受忍すべき義務を負うものではないとするのが、最高裁判所の判例である。
  3. 労働組合は、組合員に対する統制権の保持を法律上認められ、組合員はこれに服し、組合の決定した活動に加わり、組合費を納付するなどの義務を免れない立場に置かれるものであるが、それは、組合からの脱退の自由を前提として初めて容認されることであるとするのが、最高裁判所の判例である。
  4. 労働組合による企業施設の利用は、とりわけ我が国の企業別労働組合にとっては必要性が大きいものであり、使用者は、労使関係における互譲の精神に基づき、労働組合又はその組合員の組合活動のためにする企業の物的施設の利用を、特段の事情がない限り、受忍する義務を負うとするのが、最高裁判所の判例である。
  5. 労働組合に対する使用者の言論が不当労働行為に該当するかどうかは、言論の内容、発表の手段、方法、発表の時期、発表者の地位、身分、言論発表の与える影響などを総合して判断し、当該言論が組合員に対し威嚇的効果を与え、組合の組織、運営に影響を及ぼすような場合は支配介入となるとするのが、最高裁判所の判例である。

【 解答:4 】

問題33
若年層の雇用等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
なお、本問は、「平成23年版労働経済の分析(厚生労働省)」(労働経済白書)を参照しており、当該白書又は当該白書が引用している調査における用語及び統計等を利用している。
  1. 企業が若手社員の人材育成について、今後どのような課題があると考えているかについてみると、「将来を担う人材を長期的視点で育成する必要がある」、「若手人材の指導に当たる上司の指導力を強化していく必要がある」、「会社の経営理念に基づく、求める人材像を明確にする必要がある」が上位3つを占めている。
  2. 高卒就職者は、地元企業にとって貴重な労働力の確保手段として、大きな役割を果たしてきた。高卒就職者の域内就職割合の推移をみると、高度経済成長期は低下傾向にあったが、1980年代半ばに上昇に転じ、1990年代半ばには約8割になった。しかし、2000年代になると、地方圏経済の停滞から低下傾向が顕著になっている。
  3. 男女別、年齢階級別に雇用形態の動向をみると、2008年9月のいわゆるリーマンショックにより、景気の大幅な落ち込みがあったために、2008年から2010年にかけて15~24歳の若年層においても、他の年齢層と同様に、男女ともに正規の職員・従業員の割合が約10パーセントポイント低下した。
  4. 新規学卒者として最初に勤めた会社を3年以内に辞める割合について、中卒が約7割、高卒が約5割、大卒が約3割であることから「七五三現象」と言われるが、これは2000年以降にみられるようになった現象である。
  5. 1990年代後半から2000年代の新規大卒採用の動向を事業所規模別にみると、文系理系とも1,000人未満の事業所で着実な増加傾向がみられる一方、1,000人以上の事業所では、理系は増やすが文系は減少させる傾向がみられる。

【 解答:1 】

問題34
職業能力開発に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
なお、本問は、「平成23年度能力開発基本調査(厚生労働省)」を参照しており、当該調査における用語及び統計等を使用している。
  1. 能力開発や人材育成に関して何らかの「問題がある」とする事業所の割合は約7割であり、問題点の内容としては、「指導する人材が不足している」、「人材育成を行う時間がない」、「人材を育成しても辞めてしまう」が上位3つを占めている。
  2. 正社員の自己啓発に対して「支援を行っている」事業所の割合は約8割であり、支援内容としては、「教育訓練機関、通信教育等に関する情報提供」、「社内での自主的な勉強会等に対する援助」、「就業時間の配慮」が上位3つを占めている。
  3. キャリア・コンサルティング制度は、近年徐々に普及し、約5割の事業所がこの制度を持つようになっているが、制度を導入しておらず、かつ、導入を予定していない事業所にその理由をたずねると、「制度を知らない」、「労働者から制度導入の要望がない」、「制度導入のメリットを感じない」が上位3つを占めている。
  4. 職業能力評価を行っている事業所の割合は2年連続で減少しているが、評価結果の活用方法としては、「人材の採用」、「人材戦略・計画の策定」、「技能継承のための手段」が上位3つを占めている。
  5. 団塊の世代の退職等により発生する技能継承に問題があるとする事業所の割合は約7割に上っており、この問題への取組として、「退職者の中から必要な者を選抜して雇用延長、再雇用し、指導者として活用している」、「中途採用を増やしている」、「事業所外への外注を活用している」が上位3つを占めている。

【 解答:1 】

問題35
労働時間等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
なお、本問は、「平成23年就労条件総合調査(厚生労働省)」を参照しており、当該調査における用語及び統計等を使用している。
  1. 企業規模計の年次有給休暇取得率は50% を下回っており、企業規模別でみると、1,000人以上規模の企業の方が30~99人規模の企業よりも高くなっている。
  2. 完全週休二日制を採用している企業は全体の約4割であるが、企業規模が小さくなるほど採用割合が低くなっている。
  3. 何らかの形で変形労働時間制を採用している企業割合は全体で5割強となっており、これを産業別にみると、「鉱業、採石業、砂利採取業」、「運輸業、郵便業」、「電気・ガス・熱供給・水道業」、「製造業」などの採用割合が高くなっている。
  4. みなし労働時間制を採用している企業の割合は全体では約1割だが、企業規模が大きくなるほど採用している企業の割合が高くなる傾向がみられる。
  5. 長時間労働を是正する取組が進んだ結果、平成20年以降の所定労働時間は、日単位でみても、週単位でみても、短くなってきている。

【 解答:5 】

問題36
平成20年に導入された高額介護合算療養費等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  1. 高額医療合算介護サービス費の対象となる介護サービス費の1割負担には、福祉用具購入費・住宅改修費や施設サービス等での食費・居住費の負担も含まれる。
  2. 高額療養費、高額介護サービス費及び高額介護予防サービス費の支給を受けていない場合でも、高額介護合算療養費、高額医療合算介護サービス費及び高額医療合算介護予防サービス費の支給を受けることができる。
  3. 高額介護合算療養費、高額医療合算介護サービス費及び高額医療合算介護予防サービス費の支給を受けようとする者は、計算期間(毎年8月1日から翌年7月31日)内に加入していたすべての医療保険の保険者及び介護保険の保険者へ支給申請を行う。
  4. 夫、妻ともに共働きでそれぞれ全国健康保険協会管掌の健康保険の被保険者である場合、高額介護合算療養費の適用を受ける際には、夫、妻が負担した一部負担金等を世帯合算の対象とすることができる。
  5. 計算期間(毎年8月2日から翌年7月31日)内における医療保険の一部負担金等を支払った金額の合計が、介護合算算定基準額を超えていれば、同計算期間内に介護保険の一部負担金等を支払っている者が同一世帯に誰もいなくても高額介護合算療養費の適用を受けることができる。

【 解答:2 】

問題37
介護保険法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  1. 市町村(特別区を含む。以下同じ。)の区域内に住所を有する65歳以上の者を第1号被保険者という。
  2. 介護給付を受けようとする被保険者は、要介護者に該当すること及びその該当する要介護状態区分について、厚生労働大臣の認定を受けなければならない。
  3. 要介護認定は、要介護状態区分に応じて厚生労働省令で定める期間内に限り、その効力を有する。
  4. 要介護認定を受けた被保険者は、その介護の必要の程度が、現に受けている要介護認定に係る要介護状態区分以外の要介護状態区分に該当すると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、市町村に対し、要介護状態区分の変更の認定の申請をすることができる。
  5. 厚生労働大臣又は都道府県知事は、介護給付等(居宅介護住宅改修費の支給及び介護予防住宅改修費の支給を除く。)に関して必要があると認めるときは、居宅サービス等を行った者又はこれを使用する者に対し、その行った居宅サービス等に関し、報告若しくは当該居宅サービス等の提供の記録、帳簿書類その他の物件の提示を命じ、又は当該職員に質問させることができる。

【 解答:2 】

問題38
次の記述のうち、正しいものはどれか。
  1. 税制適格退職年金は、昭和40年の法人税法と所得税法の改正によって導入された。法人税法施行令に定める適格要件をすべて満たしたものとして国税庁長官の承認を受ければ、事業主の負担する保険料又は掛金が全額損金扱いされる等、税制上の優遇措置が与えられる。この制度は、今後も我が国の主要な企業年金として中小企業を中心に普及して行くことが期待されている。
  2. 厚生年金基金は、昭和45年の厚生年金保険法の改正により導入されたが、その設立形態には単独設立、連合設立の2タイプがある。
  3. 確定拠出年金法は、平成13年6月に制定され、同年10月から施行されたが、同法に基づき、個人型年金と企業型年金の2タイプが導入された。
  4. 確定給付企業年金法は、平成15年6月に制定され、同年10月から施行されたが、同法により基金型の企業年金の1タイプが導入された。
  5. 国民年金基金は、昭和60年の国民年金法の改正により導入され、翌年の4月から施行されたが、地域型国民年金基金と職能型国民年金基金及び総合型国民年金基金の3タイプに分けられる。

【 解答:3 】

問題39
社会保険審査官及び社会保険審査会法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  1. 審査請求は、健康保険等の被保険者若しくは加入員の資格、標準報酬若しくは保険給付、標準給与、年金たる給付若しくは一時金たる給付又は国民年金の保険料その他国民年金法の規定による徴収金若しくは年金給付遅延加算金支給法第6条第1項の規定による徴収金(給付遅延特別加算金に係るものに限る。)に関する処分があったことを知った日から起算して30日以内にしなければならない。ただし、正当な事由によりこの期間内に審査請求をすることができなかったことを疎明したときは、この限りでない。
  2. 健康保険等の被保険者若しくは加入員の資格、標準報酬又は標準給与に関する処分に対する審査請求は、原処分があった日の翌日から起算して2年を経過したときは、することができない。
  3. 審査請求は、代理人によってすることができる。代理人は、各自、審査請求人のために、当該審査請求に関する行為をすることができる。ただし、審査請求の取下げは審査請求人のみが行うことができる。
  4. 審査請求は、原処分の執行を停止しない。ただし、社会保険審査官は、原処分の執行により生ずることのある償うことの困難な損害を避けるため緊急の必要があると認めるときは、職権でその執行を停止することができる。この執行の停止は、審査請求があった日から90日以内に審査請求についての決定がない場合において、審査請求人が、審査請求を棄却する決定があったものとみなして再審査請求をしたときは、その効力を失う。
  5. 本法第1章第2節(審査請求の手続き)の規定に基づいて社会保険審査官がした処分については、そのすべてにつき、行政不服審査法による不服申立てをすることができる。

【 解答:2 】

問題40
高齢者の医療の確保に関する法律に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  1. 国は、この法律の趣旨を尊重し、住民の高齢期における医療に要する費用の適正化を図るための取組及び高齢者医療制度の運営が適切かつ円滑に行われるよう所要の施策を実施しなければならない。
  2. 保険者は、加入者の高齢期における健康の保持のために必要な事業を積極的に推進するよう努めるとともに、高齢者医療制度の運営が健全かつ円滑に実施されるよう協力しなければならない。
  3. 都道府県は、都道府県医療費適正化計画を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、関係市町村に協議しなければならない。
  4. 都道府県は、都道府県医療費適正化計画を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表するよう努めるとともに、厚生労働大臣に提出するものとする。
  5. 厚生労働大臣は、都道府県に対し、都道府県医療費適正化計画の作成の手法その他都道府県医療費適正化計画の作成上重要な技術的事項について必要な助言をすることができる。

【 解答:1 】

問題41
保険給付に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  1. 被保険者であった者が被保険者の資格を喪失した日後6か月以内に死亡したときは、被保険者であった者により生計を維持していた者であって、埋葬を行うものは、その被保険者の最後の保険者から埋葬料の支給を受けることができる。
  2. 療養費を受ける権利は、療養に要した費用を支払った日から5年を経過したときは、時効によって消滅する。
  3. 高額な薬剤費等がかかる患者の負担を軽減するため、同一医療機関での同一月の窓口負担が自己負担限度額を超える場合は、患者が高額療養費を事後に申請して受給する手続きに代えて、保険者から医療機関に支給することで、窓口での支払を自己負担限度額までにとどめるという現物給付化の対象となっているのは、入院医療に限られている。
  4. 被保険者が死亡した場合、家族療養費はその当日から支給されない。
  5. 70歳以上で標準報酬月額が28万円以上の被保険者が、70歳以上の被扶養者の分もあわせて年収が520万円未満の場合、療養の給付に係る一部負担金は申請により2割負担(平成25年3月31日までは1割負担)となる。

【 解答:5 】

問題42
被保険者及び被扶養者に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  1. 特例退職被保険者は、保険料(初めて納付すべき保険料を除く。)を納付期限までに納付しなかったとき(納付の遅延について正当な理由があると保険者が認めたときを除く。)は、その日の翌日に特例退職被保険者の資格を喪失するが、後期高齢者医療制度の被保険者になったときは、その日に被保険者資格を喪失する。
  2. 特定労働者派遣事業を営む法人事業所に使用される派遣労働者が別の法人事業所に派遣された場合、当該派遣労働者はその派遣事業先への派遣期間にかかわらず、派遣元事業所の健康保険の適用を受ける。
  3. 健康保険法では常時5人以上の従業員を使用している事業所を適用事業所としているが、事業所における従業員の員数の算定においては、当該事業所に常時雇用されている者であっても、適用除外の規定によって被保険者とすることができない者は除かれる。
  4. 短時間正社員の健康保険の適用については、①労働契約、就業規則及び給与規定等に、短時間正社員に係る規定がある、②期間の定めのない労働契約が締結されている、③給与規定等における、時間当たり基本給及び賞与・退職金等の算定方法等が同一事業所に雇用されている同種フルタイムの正規型の労働者と同等である場合であって、かつ、就労実態も当該諸規定に即したものとなっているといった就労形態、職務内容等をもとに判断することとなっている。
  5. 日本にある外国公館が雇用する日本人職員に対する健康保険の適用は、外国公館が事業主として保険料の納付、資格の得喪に係る届出の提出等の諸義務を遵守する旨の覚書が取り交わされていることを条件として任意適用が認められる。派遣国の官吏又は武官ではない外国人(当該派遣国において社会保障の適用を受ける者を除く。)も同様とする。

【 解答:3 】

問題43
健康保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  1. 傷病手当金の受給中に出産手当金が支払われるときは、傷病手当金の支給が優先され、その期間中は出産手当金の支給は停止される。
  2. 被保険者が傷病手当金の支給を受けたが、その支給期間が終わっても治癒せず、その療養のために労務に服しなかったため収入がなかった場合は、当該被保険者負担分の保険料は免除され事業主負担分のみ納付する義務を負う。
  3. 訪問看護は、医師、歯科医師又は看護師のほか、保健師、助産師、准看護師、理学療法士、作業療法士及び言語聴覚士が行う。
  4. 7月1日に被保険者資格を取得した者については、標準報酬月額の定時決定を行わず、資格取得時に決定された標準報酬月額を、原則として翌年の6月30日までの1年間用いることになっている。
  5. 被保険者が3月15日から4月10日まで同一の医療機関で入院療養を受けた場合は、高額療養費は3月15日から3月31日までの療養に係るものと、4月1日から4月10日までの療養に係るものに区分される。

【 解答:5 】

問題44
保険者の届出等に関する次のAからEの記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
  1. 全国健康保険協会は、事務所の所在地の変更に係る定款の変更をしたときは、遅滞なく、これを厚生労働大臣に届け出なければならない。
  2. 健康保険組合は、毎年度、事業計画及び予算を作成し、当該年度の開始前に、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。
  3. 全国健康保険協会は、厚生労働省令で定める重要な財産を譲渡し、又は担保に供したときは、厚生労働大臣に報告しなければならない。
  4. 健康保険組合は、規約に定めてある事務所の所在地を変更したときは、遅滞なく、厚生労働大臣に届け出て認可を受けなければならない。
  5. 健康保険組合は、毎年度終了後6か月以内に、厚生労働省令に定めるところにより、事業及び決算に関する報告書を作成し、厚生労働大臣に提出しなければならない。
  1. AE
  2. BD
  3. BC
  4. CD
  5. CE

【 解答:1 】

問題45
保険料等に関する次の記述のうち、誤っているのはどれか。
  1. 同時に2つ以上の事業所で報酬を受ける被保険者について報酬月額を算定する場合、各事業所について定時決定等の規定によって算定した額の合算額をその者の報酬月額とする。
  2. 保険者等は、育児休業等を終了した被保険者が、育児休業等を終了した日において当該育児休業等に係る3歳に満たない子を養育する場合、その使用される事業所の事業主を経由して厚生労働省令で定めるところにより保険者等に申出をしたときは、標準報酬月額を改定する。
  3. 保険者等は、①被保険者に関する保険料の納入の告知をした後に、告知をした保険料額が当該納付義務者の納付すべき保険料額を超えていることを知ったとき、又は②納付した被保険者に関する保険料額が当該納付義務者の納付すべき保険料額を超えていることを知ったときは、その超えている部分に関する納入の告知又は納付を、その告知又は納付の日の翌日から1年以内の期日に納付されるべき保険料について納期を繰り上げてしたものとみなすことができる。
  4. 事業主は、被保険者に対して通貨をもって賞与を支払う場合においては、被保険者の負担すべき標準賞与額に係る保険料に相当する額を当該賞与から控除することができる。
  5. 事業主は、保険者等からの標準報酬月額等の決定の通知があったときは、速やかにこれを被保険者又は被保険者であった者に通知しなければならない。この場合、正当な理由がなく、被保険者にこれらの事項に関する通知をしないときは、6か月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられる。

【 解答:3 】

問題46
療養の給付等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  1. 被保険者が、厚生労働省令で定めるところにより、保険医療機関等から評価療養又は選定療養を受けたときは、その療養に要した費用について、保険外併用療養費が支給される。この場合、被保険者に支給すべき保険外併用療養費は、その病院若しくは診療所又は薬局に対して支払うものとする。
  2. 被保険者が療養の給付若しくは入院時食事療養費、入院時生活療養費若しくは保険外併用療養費の支給に代えて療養費の支給を受けることを希望した場合、保険者は療養の給付等に代えて療養費を支給しなくてはならない。
  3. 被保険者が療養の給付(保険外併用療養費に係る療養を含む。)を受けるため、病院又は診療所に移送されたときは、保険者が必要であると認める場合に限り、移送費が支給される。この金額は、最も経済的な通常の経路及び方法により移送された場合の費用により算定した金額となるが、現に移送に要した費用の金額を超えることができない。
  4. 被保険者は、療養費の支給を受けようとするときは、申請書を保険者に提出しなければならない。この申請書には、療養に要した費用の額を証する書類を添付しなければならない。この書類が英語で作成されている場合には、省令の規定により、その書類に日本語の翻訳文を添付する。
  5. 被保険者は、療養の給付に係る事由又は入院時食事療養費、入院時生活療養費若しくは保険外併用療養費の支給に係る事由が、第三者の行為によって生じたものであるときは、①届出に係る事実、②第三者の氏名及び住所又は居所(氏名又は住所若しくは居所が明らかでないときは、その旨)、③被害の状況、以上を記載した届書を遅滞なく保険者に提出しなければならない。

【 解答:2 】

問題47
保険給付等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  1. 被保険者(任意継続被保険者を除く。)が出産したときは、出産の日(出産の日が出産の予定日後であるときは、出産の予定日)以前42日(多胎妊娠の場合においては、98日)から出産の日後56日までの間において労務に服さなかった期間、出産手当金として、一日につき、標準報酬日額の3分の2に相当する金額が支給される。
  2. 被保険者の被扶養者が死亡したときは、家族埋葬料として、被保険者に対して10万円が支給される。
  3. 全国健康保険協会は、保険給付に併せて、規約で定めるところにより、付加給付を行うことができる。
  4. 保険給付を受ける権利は、健康保険法上、必要と認める場合には、譲渡や担保に供したり又は差し押さえることができる。
  5. 傷病手当金の支給を受けようとする者は、被保険者の疾病又は負傷の発生した年月日、原因、主症状、経過の概要及び労務に服することができなかった期間に関する医師又は歯科医師の意見書及び事業主の証明書を添付して保険者に提出しなければならず、療養費の支給を受ける場合においても同様である。

【 解答:1 】

問題48
健康保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  1. 従業員が15人の個人経営の理髪店で、被保険者となるべき者の2分の1以上が希望した場合には、事業主に速やかに適用事業所とするべき義務が生じる。
  2. 賃金支払基礎日数が、4月は16日、5月は15日、6月は13日であった場合の短時間就労者の定時決定は、4月及び5月の平均により算定された額をもって保険者算定によるものとし、同じ4月に固定的賃金の昇給があった場合には、4月及び5月の平均により随時改定の対象になる。
  3. 同一の事業所において、雇用契約上一旦退職した者が1日の空白もなく引き続き再雇用された場合は、被保険者資格を継続するものであるが、特別支給の老齢厚生年金の受給権者である者が、定年等による退職後に継続して再雇用される場合は、使用関係が一旦中断したものとみなし、被保険者資格喪失届及び被保険者資格取得届を提出することができる。
  4. 任意継続被保険者の標準報酬月額は、当該任意継続被保険者が被保険者の資格を喪失したときの標準報酬月額、若しくは前年の3月31日における当該任意継続被保険者の属する保険者が管掌する全被保険者の標準報酬月額を平均した額(健康保険組合が当該平均した額の範囲内においてその規約で定めた額があるときは、当該規約で定めた額)のうち、いずれか少ない額とする。
  5. 租税その他の公課は、保険給付として支給を受けた金品を標準として課することはできないが、傷病手当金は、療養中の期間の所得保障を目的に支給されるため、所得税の課税対象になる。

【 解答:3 】

問題49
健康保険の保険給付に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  1. 療養上必要のあるコルセットは、療養の給付として支給すべき治療材料の範囲に属するため、法第87条に基づく療養費により支給することとされている。
  2. 事業主が被保険者資格取得届の届出を怠った場合においては、その間に保険医療機関で受診しても被保険者の身分を証明し得ない状態であるので、療養費の対象となる。
  3. 一定の要件を満たした者が、被保険者の資格を喪失した際に傷病手当金の支給を受けている場合、被保険者として受けることができるはずであった期間、継続して同一の保険者から傷病手当金を受給することができるが、退職日まで有給扱いで全額賃金が支給されていても、資格喪失後の傷病手当金は受給することができる。
  4. 出産育児一時金の金額は39万円であるが、財団法人日本医療機能評価機構が運営する産科医療補償制度に加入する医療機関等において出産したことが認められた場合の出産育児一時金は、在胎週数第22週以降の出産の場合、3万円が加算され42万円である。
  5. 被保険者資格が喪失日(任意継続被保険者の資格を取得した者にあっては、その資格を取得した日)の前日までの間引き続き1年以上であった者が、被保険者の資格喪失後6か月以内に出産したときは、被保険者として受けることができるはずであった期間、継続して同一の保険者から出産手当金を受けることができる。

【 解答:5 】

問題50
健康保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  1. この法律において報酬とは、臨時に受けるもの等を除き、賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が労働の対償として受けるものであり、通勤手当は、自宅と勤務場所との往復にかかる交通費の実費弁償的な手当のため報酬には含まれない。
  2. 被保険者の兄弟姉妹は、その被保険者と同一世帯に属していなくても、その被保険者により生計を維持されていれば被扶養者になるが、被保険者の配偶者の兄弟姉妹は、たとえ被保険者により生計維持されていたとしても、その被保険者と同一世帯に属していなければ被扶養者になることができない。
  3. 初めて適用事業所となった事業主は、当該事実のあった日から10日以内に新規の適用に関する届書を提出しなければならないが、事業の廃止、休止その他の事情により適用事業所に該当しなくなったとき(任意適用事業所の取消に係る申請の場合を除く。)の届出は、当該事実があった後、速やかに提出すればよい。
  4. 埋葬料の支給要件にある「その者により生計維持していた者」とは、被保険者により生計の全部若しくは大部分を維持していた者に限られず、生計の一部を維持していた者も含まれる。
  5. 労働者災害補償保険法に基づく休業補償給付を受給している健康保険の被保険者が、さらに業務外の事由による傷病によって、労務不能の状態になった場合には、それぞれが別の保険事故であるため、休業補償給付及び傷病手当金は、それぞれ全額支給される。

【 解答:4 】

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問題51
厚生年金保険法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  1. 労働協約により報酬と傷病手当金との差額を見舞金として支給する場合、当該見舞金は臨時に受け取るものであるので、厚生年金保険法第3条第1項第3号に規定する報酬には含まれない。
  2. 被保険者が、年金手帳を滅失したため、再交付を厚生労働大臣に申請する場合には、申請者の生年月日及び住所、基礎年金番号、現に被保険者として使用される事業所の名称及び所在地、滅失又はき損の事由等の事項を記載した再交付の申請書を日本年金機構に提出しなければならない。
  3. 遺族厚生年金の受給権者が、死亡した被保険者又は被保険者であった者の夫、父母又は祖父母であった場合、受給権者が60歳に達するまでの間、その支給は停止される。
  4. 厚生年金保険の被保険者期間を1年以上有する者(60歳以上の者に限る。)であって、当該被保険者期間と旧陸軍共済組合等の旧共済組合員であった期間とを合算した期間が20年以上ある場合には、その者に特例老齢年金を支給する。
  5. 被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時胎児であった子が出生したときは、父母、孫、祖父母の遺族厚生年金の受給権は消滅するが、妻の受給権は消滅しない。

【 解答:1 】

問題52
厚生年金保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  1. 適用事業所以外の事業所に使用される70歳未満の者が被保険者になるためには、保険料を全額負担し、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。
  2. 保険給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができないので、老齢厚生年金及び脱退一時金を受ける権利は国税滞納処分(その例による処分を含む。)によって差し押さえることができない。
  3. 年金の支給は、年金を支給すべき事由が生じた月の翌月から始め、また、その支給を停止すべき事由が生じたときは、その事由が生じた月から支給しない。
  4. 老齢厚生年金の受給資格要件を満たす65歳以上の者が老齢厚生年金を受給するためには、厚生年金保険の被保険者期間が1か月以上必要であり、同要件を満たす60歳以上65歳未満の者が特別支給の老齢厚生年金を受給するためには、当該被保険者期間が1年以上必要である。
  5. 老齢厚生年金の受給権者が裁定請求をしないまま死亡した場合の未支給の老齢厚生年金の保険給付については、当該死亡した受給権者と生計を同じくしていた弟がいるときは、その者の死亡時から起算して7年以内に、厚生労働大臣に未支給の保険給付の請求を行わなければならない。

【 解答:4 】

問題53
65歳に達している受給権者に係る平成18年4月1日以後に支給される厚生年金保険法による年金たる保険給付と、国民年金法による年金たる給付の併給に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  1. 老齢厚生年金は、老齢基礎年金及び付加年金並びに障害基礎年金と併給できるが、遺族基礎年金とは併給できない。
  2. 旧厚生年金保険法による年金たる保険給付のうち老齢年金、通算老齢年金及び特例老齢年金は、その受給権者が遺族厚生年金若しくは厚生年金保険法による特例遺族年金又は遺族共済年金の支給を受けるときは、当該老齢年金、通算老齢年金及び特例老齢年金の額の2分の1に相当する部分の支給の停止を行わない。
  3. 遺族厚生年金は、老齢基礎年金及び付加年金又は障害基礎年金と併給できる。
  4. 老齢厚生年金と障害基礎年金の併給について、受給権者に子がある場合であって、障害基礎年金の子に対する加算額が加算されるとき(当該子について加算する額に相当する部分の全額につき支給を停止されているときを除く。)は、老齢厚生年金の当該子に対する加給年金額に相当する部分を支給停止する。
  5. 遺族厚生年金(基本となる年金額の3分の2に相当する額)と老齢厚生年金(基本となる年金額の2分の1に相当する額)を同時に受給する場合には、基礎年金については老齢基礎年金を選択することができるが、障害基礎年金を選択することはできない。

【 解答:5 】

問題54
厚生年金保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  1. 60歳台前半の在職老齢年金と60歳台後半の在職老齢年金については、それぞれの支給停止額の計算式だけではなく、総報酬月額相当額と基本月額の計算式も異なる。
  2. 老齢厚生年金の受給権者である夫(昭和23年4月2日生まれ)と国民年金の加入期間しか有さない妻(昭和21年4月2日生まれ)の例において、夫が定額部分が支給される64歳に達したとき、配偶者加給年金額の対象となる要件を満たしている場合には、66歳の妻の老齢基礎年金に振替加算が行われる。
  3. 日本に6か月以上滞在する外国人は、厚生年金保険法附則第29条に定める厚生年金保険の脱退一時金の支給要件を満たす限り、合計して被保険者期間の区分の上限である36か月に達するまでは、何度でも出国のつど脱退一時金を受給することができる。
  4. 60歳台後半の在職老齢年金においては、支給停止の対象となるのは老齢厚生年金と経過的加算額であり、老齢基礎年金は支給停止の対象にはならない。
  5. 厚生年金保険の保険料は、月末に被保険者の資格を取得した月は当該月の保険料が徴収されるが、月の末日付けで退職したときは、退職した日が属する月分の保険料は徴収されない。

【 解答:2 】

問題55
離婚時における厚生年金保険の保険料納付記録の分割について、離婚時みなし被保険者期間及び被扶養配偶者みなし被保険者期間に関する次のAからFの記述のうち、みなし被保険者期間が含まれるものの組合せはどれか。
  1. 遺族厚生年金の支給要件(厚生年金保険法第58条第1項第4号該当)となる被保険者期間
  2. 60歳台前半の老齢厚生年金の支給要件(被保険者期間1年以上)となる被保険者期間
  3. 振替加算の支給停止要件(配偶者自身の厚生年金保険の被保険者期間240月以上)となる被保険者期間
  4. 加給年金額の加算要件(被保険者期間240月以上)となる被保険者期間
  5. 特例老齢年金及び特例遺族年金の支給要件となる被保険者期間
  6. 60歳台前半の老齢厚生年金における定額部分の額を計算するときの被保険者期間
  1. AC
  2. AE
  3. BF
  4. CD
  5. DE

【 解答:1 】

問題56
厚生年金保険法が定める保険料等の滞納処分等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  1. 日本年金機構は、滞納処分等の実施に関する規程(以下「滞納処分等実施規程」という。)を定め、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも同様とする。
  2. 日本年金機構が定める滞納処分等実施規程には、差押えを行う時期、差押えに係る財産の選定方法その他の滞納処分等の公正かつ確実な実施を確保するために必要なものとして、厚生労働省令で定める事項を記載しなければならない。
  3. 厚生年金保険法における滞納処分等については、国税滞納処分の例によって行うこととされており、日本年金機構が滞納処分等を行う場合には、あらかじめ財務大臣の認可を受けるとともに、滞納処分等実施規程に従い、徴収職員に行わせなければならない。
  4. 厚生労働大臣は、滞納処分等に係る納付義務者が、処分の執行を免れる目的でその財産について隠ぺいしているおそれがあることなど、保険料等の効果的な徴収を行う上で必要があると認めるときは、財務大臣に、当該納付義務者に係る滞納処分等その他の処分の権限の全部又は一部を委任することができる。
  5. 日本年金機構は、滞納処分等をしたときは、厚生労働省令で定めるところにより、速やかに、その結果を厚生労働大臣に報告しなければならない。

【 解答:3 】

問題57
厚生年金保険法附則第8条の2に定める「特例による老齢厚生年金の支給開始年齢の特例」につき、一般の男子及び女子の支給開始年齢の読み替えに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  1. 男子であって、昭和27年4月2日に生まれた者は、61歳以上に該当するに至ったときに支給される。
  2. 男子であって、昭和36年4月1日に生まれた者は、64歳以上に該当するに至ったときに支給される。
  3. 女子であって、昭和33年4月2日に生まれた者は、61歳以上に該当するに至ったときに支給される。
  4. 女子であって、昭和36年4月2日に生まれた者は、62歳以上に該当するに至ったときに支給される。
  5. 女子であって、昭和41年4月1日に生まれた者は、64歳以上に該当するに至ったときに支給される。

【 解答:1 】

問題58
厚生年金保険法が定める調査、資料の提供、立入検査等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  1. 厚生労働大臣は、被保険者の資格、標準報酬、保険料又は保険給付に関する決定に関し、必要があると認めるときは、事業主及び被保険者に対して、文書その他の物件を差し押え、又は提出させることができる。
  2. 厚生労働大臣は、被保険者の資格、標準報酬、保険料又は保険給付に関する決定に関し、必要があると認めるときは、当該職員をして事業所に立ち入って関係者に質問し、若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
  3. 厚生労働大臣は、被保険者の資格、標準報酬又は保険料に関し必要があると認めるときは、官公署に対し、法人の事業所の名称、所在地その他必要な資料の提供を求めることができる。
  4. 厚生労働大臣は、必要があると認めるときは、年金たる保険給付の受給権者に対して、その者の身分関係、障害の状態その他受給権の消滅、年金額の改定若しくは支給の停止に係る事項に関する書類その他の物件の提出を命じ、又は当該職員をしてこれらの事項に関し受給権者に質問させることができる。
  5. 受給権者に関する調査において、質問を行なう職員は、その身分を示す証票を携帯し、かつ、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。

【 解答:1 】

問題59
厚生年金保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  1. 60歳台前半の老齢厚生年金の基本月額が150,000円であり、その者の総報酬月額相当額が360,000円の場合の在職老齢年金の支給停止額は115,000円となる。なお、この基本月額には加給年金額が加算されている老齢厚生年金の場合、加給年金額を含めたものである。
  2. 60歳台前半の女性の老齢厚生年金における定額部分の支給開始年齢は、昭和16年4月2日以降に生まれた者から段階的に引き上げられ、昭和24年4月2日以降に生まれた者については、60歳から65歳に達するまでの間、定額部分が支給されなくなる。
  3. 60歳台前半の老齢厚生年金は、雇用保険法に基づく基本手当の受給資格を有する受給権者が同法の規定による求職の申し込みをしたときは、当該求職の申し込みがあった月の翌月から月を単位に支給停止される。なお、1日でも基本手当を受けた日がある月については、その月の老齢厚生年金が支給停止されてしまうため、事後精算の仕組みによって、例えば90日の基本手当を受けた者が、4か月間の年金が支給停止されていた場合、直近の1か月について年金の支給停止が解除される。
  4. 被保険者が賞与を受けた場合、その賞与額に基づき、これに千円未満の端数が生じたときは、これを切り捨てて、その月における標準賞与額を決定する。ただし、その月に当該被保険者が受けた賞与により、その年度(毎年4月1日から3月31日までをいう。以下同じ。)における標準賞与額の累計が540万円を超えることとなる場合には、当該累計額が540万円となるようにその月の標準賞与額を決定し、その年度においてその月の翌月以降に受ける賞与の標準賞与額は0とする。
  5. 育児休業等を終了した際に改定された標準報酬月額は、育児休業等終了日の翌日から起算して2か月を経過した日の属する月からその年の8月(当該月が7月から12月までのいずれかの月である場合は、翌年の8月)までの各月の標準報酬月額とする。

【 解答:3 】

問題60
厚生年金保険法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  1. 適用事業所に使用される70歳以上の高齢任意加入被保険者は、保険料の全額を負担し、自己の負担する保険料を納付する義務を負うものとする。ただし、その者の事業主が当該保険料の半額を負担し、かつその被保険者及び自己の負担する保険料を納付する義務を負うことにつき同意したときはこの限りではない。
  2. 障害等級3級に該当する障害厚生年金の受給権者の障害の程度が増進し2級に改定された場合、その受給権を取得した日以後に、その者によって生計を維持している65歳未満の配偶者を有するに至ったときであっても、配偶者加給年金額は加算されない。
  3. 報酬月額の定時決定に際し、当年の4月、5月、6月の3か月間に受けた報酬の月平均額から算出した標準報酬月額と、前年の7月から当年の6月までの間に受けた報酬の月平均額から算出した標準報酬月額の間に2等級以上の差が生じた場合であって、当該差が業務の性質上例年発生することが見込まれる場合には、事業主の申立て等に基づき、厚生労働大臣による報酬月額の算定の特例として取り扱うことができる。
  4. 60歳台前半の老齢厚生年金の受給権者であって被保険者である場合に、雇用保険法に基づく高年齢雇用継続基本給付金の支給を受けることができる者は、その者の老齢厚生年金について、標準報酬月額に法で定める率を乗じて得た額に相当する部分等が支給停止され、高年齢雇用継続基本給付金は支給停止されない。
  5. 老齢厚生年金(その年金額の計算の基礎となる被保険者期間が240月以上であるものとする。)の受給権を取得した当時胎児であった子が出生したときは、受給権者がその権利を取得した当時その者によって生計を維持していた子とみなし、その出生の月の翌月から年金額を改定する。

【 解答:2 】

問題61
国民年金法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  1. 政府は、第1号被保険者と任意加入被保険者から国民年金の保険料を徴収するが、第2号被保険者及び第3号被保険者から国民年金の保険料を徴収していない。
  2. 国民年金の保険料納付済期間とされた厚生年金保険の第三種被保険者(坑内員又は船員)期間については、その期間に3分の4を乗じて得た期間を保険料納付済期間として、老齢基礎年金の額が計算される。
  3. 繰上げ支給の老齢基礎年金の支給を受ける者は、65歳に達する前であっても、国民年金法第30条の2第1項の規定(いわゆる事後重症)による障害基礎年金の支給を請求することはできない。
  4. 過去に一度も被保険者でなかった者が第1号被保険者となった場合に、被保険者の資格を取得した日の属する月から60歳に達する日の属する月の前月までの期間が25年に満たない者は、いつでも、厚生労働大臣の承認を受けて、被保険者の資格を喪失することができる。
  5. 住民基本台帳法の規定により本人確認情報の提供を受けることができる受給権者の死亡について、受給権者の死亡の日から7日以内に当該受給権者に係る戸籍法の規定による死亡の届出をした場合は、国民年金法の規定による死亡の届出は要しない。

【 解答:2 】

問題62
遺族基礎年金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  1. 遺族基礎年金は、被保険者又は被保険者であった者の死亡について共済組合から同一の支給事由による年金たる給付を受けるときは、その間、その額の5分の2に相当する額が支給される。
  2. 夫の死亡の当時その者によって生計を維持していた子のない30歳未満の妻に支給される遺族基礎年金は、当該受給権を取得した日から5年間に限り、その妻に支給される。
  3. 妻の有する遺族基礎年金の受給権は、加算対象となっている子のすべてが直系血族又は直系姻族以外の者の養子となった場合には消滅するが、当該子のすべてが直系血族又は直系姻族の養子となった場合には消滅しない。
  4. 遺族基礎年金は、被保険者、被保険者であった60歳以上65歳未満の者、老齢基礎年金の受給権者、又は老齢基礎年金の受給資格期間を満たした者、のいずれかに該当する者が死亡した場合に、一定の要件に該当する遺族に支給する。
  5. 子のある妻が遺族基礎年金の受給権を有する場合、子に対する遺族基礎年金の支給は停止されるが、その妻が他の年金たる給付の支給を受けることにより当該遺族基礎年金の全額につき支給を停止されているときでも、子に対する遺族基礎年金の支給は停止される。

【 解答:5 】

問題63
国民年金法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  1. 死亡一時金の額は、毎年度、所定の金額に当該年度に属する月分の保険料の額の平成17年度に属する月分の保険料の額に対する比率を乗じて得た額を基準として政令で定めた額である。
  2. 死亡一時金は、死亡日の前日において死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料全額免除期間等とを合算して36月以上ある者が死亡したとき、その遺族に支給する。
  3. 65歳未満の任意加入被保険者は、保険料納付済期間や、いわゆる保険料の多段階免除期間(その段階に応じて規定されている月数)を合算し、満額の老齢基礎年金が受けられる480月に達したときは、本人から資格喪失の申出がなくても、被保険者の資格を喪失する。
  4. 老齢基礎年金又は障害基礎年金の受給権者がその権利を取得した当時、その者によって生計を維持している18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子がいるときには、老齢基礎年金又は障害基礎年金の額にその子の数に応じた額が加算される。
  5. 法第90条第1項に定めるいわゆる保険料の申請免除については、同一世帯における世帯主又は配偶者のいずれかが免除事由に該当しないときであっても、免除の対象となる。

【 解答:3 】

問題64
寡婦年金に関する次のAからEの記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。
  1. 寡婦年金の受給権者である寡婦が65歳に達したときに老齢基礎年金の受給資格を満たしていなかった場合でも、寡婦年金の受給権は消滅する。
  2. 付加保険料の納付者が死亡した場合における妻に対する寡婦年金の額は、夫が受け取るはずであった老齢基礎年金の付加年金部分の2分の1相当額が加算される。
  3. 寡婦年金の額の算定には、死亡した夫が第2号被保険者としての被保険者期間を有していたとしても、当該期間は反映されない。
  4. 寡婦年金の受給権は、受給権者が直系血族又は直系姻族の養子となったとしても、それを理由に、消滅することはない。
  5. 夫の死亡により、寡婦年金と死亡一時金の受給要件を同時に満たした妻に対しては、寡婦年金が支給される。ただし、夫の死亡日の属する月に寡婦年金の受給権が消滅したときは、この限りでない。
  1. AB
  2. BE
  3. CD
  4. AD
  5. CE

【 解答:2 】

問題65
国民年金法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  1. 保険料その他国民年金法の規定による徴収金を滞納する者があるときは、厚生労働大臣は、期限を指定して、これを督促しなければならない。
  2. 初診日から起算して、1年6か月を経過した日又はその期間後に傷病が治った場合は、その治った日を障害認定日とする。
  3. 厚生労働大臣は、法第18条第3項に規定する年金の支払期月の前月において、住民基本台帳法の規定による当該支払期月に支給する老齢基礎年金の受給権者に係る本人確認情報の提供を受け、必要な事項について確認を行うものとする。
  4. 保険料の免除を受けている第1号被保険者が障害基礎年金の受給権を有する場合でも、厚生労働大臣の承認を受け、免除を受けた期間の保険料(承認の日の属する月前10年以内の期間に係るものに限る。)の全部又は一部を追納することができる。
  5. 第2号被保険者の被扶養配偶者と認められる場合であっても、20歳以上の大学生は、第3号被保険者ではなく第1号被保険者としての適用を受け、学生の保険料納付特例の対象になる。

【 解答:4 】

問題66
脱退一時金に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  1. 日本国籍を有しない者を対象とする当分の間の経過措置であり、国民年金法附則に規定されている。
  2. 支給額は、第1号被保険者としての保険料納付済期間等に応じて、6段階に区分されている。
  3. 支給を受けたときは、その額の計算の基礎となった第1号被保険者であった期間は、被保険者でなかったものとみなされる。
  4. 脱退一時金は国民年金法第15条に定める給付ではないので、その処分に不服があっても、社会保険審査会に対して審査請求することはできない。
  5. 障害基礎年金の受給権を有したことがあるときは支給されない。

【 解答:4 】

問題67
国民年金保険料の納付に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  1. 毎月の保険料は、翌月末日までに納付しなければならない。ただし、国税徴収の例により、翌月末日が、日曜日や国民の祝日に関する法律に規定する休日その他一般の休日又は土曜日等の国税通則法施行令に定める日に当たるときは、その翌日をもって期限とみなす。
  2. 第2号被保険者としての被保険者期間のうち、20歳前の期間及び60歳以降の期間は、当分の間、障害基礎年金の受給資格期間及び年金額の計算の適用については、保険料納付済期間とはしない。
  3. 保険料納付済期間には、督促及び滞納処分により保険料が納付された期間を含む。
  4. 保険料全額免除を受けた期間のうち保険料を追納した期間は、保険料納付済期間とされる。
  5. 保険料納付済期間には、保険料の一部免除の規定により、その一部の額につき納付することを要しないものとされた保険料につき、その残余の額が納付又は徴収されたものは含まない。

【 解答:2 】

問題68
国民年金法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  1. 被保険者期間の計算において、同一の月に種別変更が1回あり、第1号被保険者から第3号被保険者となった月につき、すでに第1号被保険者としての保険料が納付されている場合は、当該月は第1号被保険者とみなす。
  2. 受給権者の申出による年金給付の支給停止は、いつでも撤回することができ、過去に遡って給付を受けることができる。
  3. 未支給の年金を受けるべき同順位者が2人以上あるときは、その1人のした請求は、全員のためその全額につきしたものとみなし、その1人に対してした支給は、全員に対してしたものとみなす。
  4. 寡婦年金の受給権者であった者は、老齢基礎年金の繰下げ支給を受けることはできない。
  5. 学生の保険料納付特例は、平成27年6月までの間の経過措置とされている。

【 解答:3 】

問題69
国民年金基金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  1. 職能型国民年金基金の加入員である開業社会保険労務士が、社会保険労務士法人を設立し代表社員になった場合は、当該国民年金基金の加入員資格を喪失する。
  2. 夫が開業社会保険労務士で個人事務所を営んでおり、当該事務所における業務に従事する妻が第1号被保険者であっても、その妻が社会保険労務士でなければ、社会保険労務士の職能型国民年金基金の加入員にはなれない。
  3. 第1号被保険者が従事する職業において職能型国民年金基金が設立されている場合、当該被保険者は職能型国民年金基金に加入することとなり、地域型国民年金基金には加入できない。
  4. 毎月の掛金の上限額である68,000円を超えていなければ、職能型国民年金基金と地域型国民年金基金の両方に同時に加入することができる。
  5. 国民年金基金の加入員の申出をした同月に、法第90条第1項等の規定による国民年金の保険料免除の適用を受けることになった場合、その翌月に加入員資格を喪失する。

【 解答:1 】

問題70
保険料に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  1. 国民年金においては、海外に居住中の任意加入被保険者が1年間の保険料を前納した後、当該年度の途中で日本に帰国したことにより、任意加入被保険者資格を喪失し、引き続き国民年金に加入し第1号被保険者になった場合、当該被保険者の希望により未経過期間に係る保険料の還付請求を行わず、当該期間に係る保険料は第1号被保険者として前納された保険料として扱うことができる。
  2. 国民年金保険料を1年間分前納する場合、最も割引率が高くなるのは、口座振替による支払ではなく、現金で支払った場合である。
  3. 国民年金の保険料免除の申請について、免除事由に該当する者が平成24年7月に厚生労働大臣に免除の申請をした場合、厚生労働大臣が指定する免除期間は、平成23年7月から平成25年6月までの期間のうち必要と認める期間である。
  4. 会社を退職(失業)した者が、失業等を理由とする免除の申請を行う場合、申請のあった日の属する年度又はその前年度に当該失業等の事実がなければならない。当該事実を明らかにする書類として、雇用保険の被保険者であった者については、雇用保険受給資格者証の写し又は雇用保険被保険者離職票の写し等の書類を添付しなければならない。
  5. 学生の保険料納付特例の申請を行い承認された者が、承認期間中に学校を退学した場合は、学生納付特例不該当届を提出しなければならない。__

【 解答:2 】

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