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（４）

　人に強い影響えいきょうを与えるのは大部だいぶ（注１）からなる作品とは限りません。 何気なにげなく（注２）読んだ、たった一言に心打たれることもあります。そして、書物を超えて、私たちは世の中のあらゆるできごとについても同じように、そのときど きに応じた深度で読んでいるのです。つまり、読みとろうと思えばどんなできごとからでも「自分にとって意味あること」を読みとれるということではないでしょうか。学ぼうとする姿勢があれば何からでも 価値あることが学びとれるのだとつくづく私は思うのです。
（村田夏子『読書の心理学―読書で開く心の世界への扉』サイエンス社による）
（注１）大部だいぶ：書物の冊数やページ数がおおいこと
（注２）何気なにげなく：はっきりとした目的や理由を持たないで