提供 日本語能力試験公式 ウェブサイト(https://www.jlpt.jp/)
以下は、雑誌のコラムである。
日本発のトイレマーク
 公衆こうしゅうトイレの入り口にかれている男女の絵のマーク。そのマークがあれば、文字で「トイレ」と書かれていなくても、 そこがトイレであることがわかる。世界のあちこちで 使われているこのトイレマークが実は日本で生まれたものだということを( 50 )
 トイレマークが生まれたのは、1964年の東京オリンピックがきっかけだ。この東京オリンピックは、アルファベットを使わない国での初めての開催であったため、特に問題に なったのが、言葉の壁だった。当時、日本国内の案内板は「お手洗い」などと日本語で書かれているものがほとんどだった。( 51 )それでは世界90数か国から来日する選手た ちに理解してもらえない。かといって、参加国すべての国の言葉で書くわけにもいかない。そこで、案内板作成者たちは、あらゆる国の選手が理解できるよう、絵で表すことを考え た。( 52 )、トイレマークなのだ。
 そのほかにも、食堂、シャワー、公衆こうしゅう電話等の施設や設備を表すマークや、水泳、バレーボール等の競技を表すマークも作られた。競技を表すマークは、この東京オリンピッ クで初めて全面的に導入され、高い評価を受けた。そして、その後のオリンピックでもデザインを変えながら毎回( 53 )
 トイレマークに代表されるように、東京オリンピックをきっかけに日本で生まれたマークが、言葉の壁を越え、今や新たなコミュニケーション手段として、世界に広がっている。 それは、あらゆる人にわかりやすくという思いが世界に届いた( 54 )