問題 1
糸賀一雄の「この子らを世の光に」という思想に該当するものとして,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 経済的に生活できる社会的自立を保障する。
  2. 人間の発達を保障する。
  3. 困窮状態に応じて最低限度の生活を保障する。
  4. 障害者の職業の安定を図ることを保障する。
  5. 自由を制限する身体拘束の禁止を保障する。

【 解答:2 】

問題 2
Aさん(82 歳,女性)は,アルバイト店員の息子(56 歳)と二人暮らしである。Aさんは,3年前にアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’stype)と診断された。現在,要介護2 と認定されて訪問介護(ホームヘルプサービス)と通所介護(デイサービス)を支給限度額まで利用している。Aさんは,身の回りのことに常に見守りや介助が必要であり,一人で外出して道が分からなくなり,何度も警察に保護されている。
訪問介護事業所が,アドボカシー(advocacy)の視点からAさんと息子を支援する場合の対応として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 自分の食事も作ってほしいという息子の要望に,対応できないと断る。
  2. 息子の外出時は,Aさんが部屋から出られないように施錠することを提案する。
  3. Aさんと息子に相談の上,社会福祉協議会に見守りボランティアの派遣を働きかける。
  4. 息子に,市内に認知症家族の会があることを知らせる。
  5. 町内会に,回覧板でAさんと息子の状況を詳しく知らせるように働きかける。

【 解答:3 】

問題 3
共感的態度に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 利用者に対して審判的態度で関わる。
  2. 利用者の感情をその人の立場になって理解して関わる。
  3. 利用者と自分の感情を区別せず,同調して関わる。
  4. 利用者の感情に共鳴して,同情的に関わる。
  5. 利用者が示す否定的な感情は避けて関わる。

【 解答:2 】

問題 4
Bさんは,パーキンソン病(Parkinson disease)で,要介護3 である。車いすを使用しているが,自分では移動できない。声が小さく,聞き取りにくい。難聴はない。食堂にいたBさんが,10 m ほど離れた窓の方向を指さして何か言ったが,少し離れた場所にいた介護福祉職には聞こえなかった。
そのときの介護福祉職の対応として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. Bさんのそばに行き,何も言わずにBさんの口元に耳を近づける。
  2. Bさんのそばに行き,もう一度話すように依頼する。
  3. その場所からBさんに,大きな声で話すように促す。
  4. その場所からBさんに,聞こえないと伝える。
  5. Bさんを窓のところに案内する。

【 解答:2 】

問題 5
地方自治法に基づく法的な権利のうち,市町村の区域内に住所があれば日本国民でなくても有する権利として,適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 市町村からサービスを受ける権利
  2. 市町村の選挙に参加する権利
  3. 市町村の条例の制定を請求する権利
  4. 市町村の事務の監査を請求する権利
  5. 市町村議会の解散を請求する権利

【 解答:1 】

問題 6
日本の人口に関する次の記述のうち,適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 「人口推計」によれば,2011 年(平成23 年)以降,毎年10 月1 日現在の総人口は減少してきている。
    (注) 「人口推計」とは,「人口推計- 2015 年(平成27 年)7 月報-(総務省統計局)」のことである。
  2. 現在の人口置換水準は,合計特殊出生率1.80 である。
  3. 合計特殊出生率の低下の主な原因として,若い女性の海外転出がある。
  4. 2000 年(平成12 年)に高齢社会になった。
  5. 2015 年(平成27 年)に団塊の世代が後期高齢者になった。

【 解答:1 】

問題 7
市町村国民健康保険の被保険者に関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。
  1. 日本国籍があれば,住所がなくても被保険者になる。
  2. 被保険者証の返還を求められた世帯主は,民生委員に当該被保険者証を返還しなければならない。
  3. 世帯主は,世帯主以外の世帯員の被保険者証の交付を求めることはできない。
  4. 健康保険法の被保険者であった者が被保険者になることはない。
  5. 生活保護の受給者(停止中の者を除く)は,被保険者になることはない。

【 解答:5 】

問題 8
2015 年(平成27 年)4 月に施行された介護保険制度の改正内容として,正しいものを1 つ選びなさい。
  1. 低所得者の保険料負担を引き上げた。
  2. 介護老人福祉施設の新規入所者を原則として要介護3 以上の者にした。
  3. 予防給付の訪問介護(ホームヘルプサービス)・通所介護(デイサービス)を都道府県が実施する事業に移行した。
  4. 施設利用者の食費・居住費を補う補足給付の対象者を拡大した。
  5. 一定以上の所得のある利用者の自己負担割合を3 割に引き上げた。

【 解答:2 】

問題 9
介護保険法における保険者として,正しいものを1 つ選びなさい。
  1. 全国健康保険協会
  2. 年金保険者
  3. 都道府県
  4. 市町村及び特別区

【 解答:5 】

問題 10
介護保険サービスの利用契約に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 利用者が認知症(dementia)のため,別居している娘に契約内容を電話で説明して,サービス利用契約について同意を得た。
  2. 利用者と家族に重要事項説明書を渡して,サービス内容を説明し,同意を得て,利用者と契約書を取り交わした。
  3. 利用者と契約書を取り交わした後で,サービスや職員配置等を記載した重要事項説明書を渡して,提供するサービスの内容を説明した。
  4. 利用者が高齢なので,別居している娘に重要事項説明書と契約書を送付し,返信用封筒も入れて,返送を依頼した。
  5. 利用者が認知症(dementia)で理解が困難と思われたので,利用者と仲の良い隣人に説明して,契約書を書いてもらった。

【 解答:2 】

問題 11
障害者基本法に関する次の記述のうち,正しいものを1 つ選びなさい。
  1. 障害者は,自助努力によって社会的障壁を解消しなければならない。
  2. 政府は,「障害者基本計画」を策定しなければならない。
    (注)「障害者基本計画」とは,「障害者のための施策に関する基本的な計画」のことである。
  3. 都道府県は,障害者政策委員会を設置しなければならない。
  4. 「障害者差別解消法」の制定に伴って,差別の禁止に関する条文は削除された。
    (注)「障害者差別解消法」とは,「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」のことである。
  5. 基本的施策に防災及び防犯に関する記述はない。

【 解答:2 】

問題 12
Cさん(50 歳,女性)は,身体障害者手帳2 級を所持している。最近,日常の家事が十分にできなくなったので,「障害者総合支援法」に基づく居宅介護を利用したいと考えて,知り合いの介護福祉士に尋ねた。
介護福祉士の対応に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。
(注)「障害者総合支援法」とは,「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。
  1. 身体障害者更生相談所で医学的判定を受けなければならないことを説明する。
  2. 障害支援区分の認定を受ける必要があることを説明する。
  3. すぐに居宅介護事業所とサービスの利用契約書を取り交わすように説明する。
  4. 医師の意見書を持って相談支援事業所に行くように説明する。
  5. Cさんのサービス利用の希望を介護支援専門員(ケアマネジャー)に伝えておくと説明する。

【 解答:2 】

問題 13
指定障害福祉サービス事業者に関する次の記述のうち,適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 指定障害福祉サービス事業者の指定は,厚生労働大臣が行う。
  2. 指定障害福祉サービス事業所に配置する人員の基準は,事業者の事情に応じて各事業者が決めることができる。
  3. 指定障害福祉サービス事業者は,サービスの質の評価を行い,サービスの質の向上に努めなければならない。
  4. 指定障害福祉サービス事業者の指定に有効期間は設定されていない。
  5. 指定障害福祉サービス事業者は,事業所を運営している市町村内での広告が義務づけられている。

【 解答:3 】

問題 14
知的障害のあるDさん(40 歳,男性)は,就労移行支援事業所を利用して,現在,U株式会社に勤務している。ある時,就労移行支援事業所に勤務するE介護福祉職は,Dさんから,職場で上司から虐待を受けているという相談を受けた。
E介護福祉職の対応として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 我慢して職場を辞めないように助言した。
  2. 警察に通報した。
  3. 地域包括支援センターに報告した。
  4. Dさんの勤務先がある市町村に通報した。
  5. U株式会社に出向いて, 虐待をやめるように申し入れた。

【 解答:4 】

問題 15
医療法上の医療提供施設に関する次の記述のうち,正しいものを1 つ選びなさい。
  1. 病院は,20 人以上の入院施設がなくてはならない。
  2. 歯科を診療科目とする病院を開設することはできない。
  3. 診療所は,29 人以下の入院施設がなくてはならない。
  4. 調剤を実施する薬局は,医療法上の医療提供施設ではない。
  5. 介護老人保健施設とは,療養病床を有する病院のことをいう。

【 解答:1 】

問題 16
生活保護制度に関する次の記述のうち,正しいものを1 つ選びなさい。
  1. 生活保護で保障される最低限度の生活は,健康で文化的な生活水準を維持することができるものでなくてはならない。
  2. 生活保護は,利用しているサービス事業所の担当者が本人に代わって申請することができる。
  3. 生活保護は,世帯を分離して実施することはできない。
  4. 自分の家や車を所有している人は,全て生活保護の対象とならない。
  5. 年金や稼働収入がある高齢者は,全て生活保護の対象とならない。

【 解答:1 】

問題 17
2013 年(平成25 年)の「国民生活基礎調査」(厚生労働省)に関する次の記述のうち,2004 年(平成16 年)と2013 年(平成25 年)の65 歳以上の者のいる世帯について,正しいものを1 つ選びなさい。
  1. 65 歳以上の者のいる世帯は,どちらも全世帯の6 割を超えている。
  2. 「親と未婚の子のみの世帯」は,2013 年(平成25 年)は2004 年(平成16 年)に比べて減少している。
  3. 「夫婦のみの世帯」は,2013 年(平成25 年)は2004 年(平成16 年)に比べて減少している。
  4. 「単独世帯」は,2013 年(平成25 年)は2004 年(平成16 年)に比べて増加している。
  5. 「三世代世帯」は,どちらも65 歳以上の者のいる世帯の3 割を超えている。

【 解答:4 】

問題 18
社会福祉士及び介護福祉士法に基づいて,介護福祉士に課せられている誠実義務に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 常に担当する利用者の立場に立って業務を行う。
  2. 国民の保健医療の向上及び福祉の増進を図る。
  3. 利用者を心身共に健やかに育成する責任を負う。
  4. 利用者の心身の健康の保持のために必要な措置を講じる。
  5. 利用者が安心して暮らすことのできる地域社会の実現に寄与する。

【 解答:1 】

問題 19
Fさん(82 歳,男性)は,脳梗塞(cerebral infarction)の後遺症による右片麻痺と運動性失語の状態で,介護老人福祉施設へ入所した。自分の意思は,顔の表情やうなずきなどの動作や左手を使って伝えることができる。2 時間ほどは車いすで座位を保つことができる。
食事の際は,自分でご飯やおかずをスプーンに乗せたり汁物を口に運ぶことは困難であるが,スプーンに乗った食べ物を左手で口まで運んで食べることはできる。食事場面における介護福祉職の対応として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 食事を居室のベッド上でとるように促す。
  2. メニューの説明は不要である。
  3. 左手で食べたいものを示すように促す。
  4. ご飯とおかずを混ぜてスプーンに乗せて口に運ぶ。
  5. 好みの食べ物は最後に食べるように促す。

【 解答:3 】

問題 20
利用者の自己決定に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 支援者は,利用者の自己決定に対する働きかけを行ってはならない。
  2. 援助を受けている利用者は,自己決定を行うことができない。
  3. 判断能力が低い利用者の場合,家族の意向を優先して決定する。
  4. 利用者はエンパワメントアプローチ(empowerment approach)をされることで,自己決定能力が高まる。
  5. 自己決定には,責任能力の有無が条件となる。

【 解答:4 】

問題 21
リハビリテーションの理念を表す用語として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 機能回復訓練
  2. 就労移行支援
  3. 全人間的復権
  4. 地域定着支援
  5. 特別支援教育

【 解答:3 】

問題 22
利用者がその人らしい生活を実現できるように,介護福祉職が把握すべき情報として,最も優先順位が高いものを1 つ選びなさい。
  1. 利用者の所有する不動産の種類や価値
  2. 改訂長谷川式簡易知能評価スケールの得点
  3. 既往症
  4. 最近1 年間の体重変化
  5. これまでの生活環境と生活習慣

【 解答:5 】

問題 23
障害者の年金,手当,扶助に関する次の記述のうち,正しいものを1 つ選びなさい。
  1. 障害基礎年金の障害等級は,1級と2 級である。
  2. 障害基礎年金と老齢厚生年金は,併給できない。
  3. 障害基礎年金は,全額が生活保護の収入認定の対象外となる。
  4. 特別障害者手当は,市町村の条例によって実施される。
  5. 2013 年(平成25 年)の生活保護基準の見直しに伴って,障害者加算が廃止された。

【 解答:1 】

問題 24
通所介護(デイサービス)に関する次の記述のうち,正しいものを1 つ選びなさい。
  1. 事業者による非常災害対策訓練の実施は,任意である。
  2. 事業者は,正当な理由なくサービスの提供を拒んではならない。
  3. サービスの内容等を記載した通所介護計画の作成は,任意である。
  4. 短期入所生活介護と訪問介護(ホームヘルプサービス)を組み合わせなければならない。
  5. 日常生活の自立を助けるために,専門職による理学療法や作業療法を行わなければならない。

【 解答:2 】

問題 25
サービス担当者会議に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. サービス提供者の実践力の向上を主な目的とする。
  2. 利用者とその家族の参加を基本とする。
  3. 市町村社会福祉協議会が主催する。
  4. 市町村の会議室で開催することが望ましい。
  5. 利用者を匿名にして議論する。

【 解答:2 】

問題 26
介護老人福祉施設に入所後,すぐ退所したいと訴える利用者への介護福祉職の対応として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 精神安定を図るために,利用者に精神安定剤を服薬してもらう。
  2. 利用者の思いを最優先に考えて,退所の手続きをする。
  3. 利用者に退所を思い直してもらうために,家族には介護する意思がないと伝える。
  4. 利用者の今の思いを受け止めて,その発言の背景を確認する。
  5. 気分を変えてもらうために,利用者をテレビの前に案内する。

【 解答:4 】

問題 27
施設での介護のあり方に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 利用者の羞恥心に配慮した介護を行う。
  2. 親しみを込めて,利用者を愛称で呼ぶ。
  3. 多床室では,介護福祉職の目が行き届くように,カーテンは開けておく。
  4. 入室するときは,日常的なことなので,ノックや声かけをしなくてもよい。
  5. 医師から利用者に関する情報の提供を求められても,それがどんな理由であっても応じないようにする。

【 解答:1 】

問題 28
次のマークが示す内容として,正しいものを1 つ選びなさい。
  1. 国に登録された第三者認証機関によって,品質が保証された製品である。
  2. 身体拘束ゼロに役立つ製品である。
  3. 介護福祉士が医療的ケアを行うための製品である。
  4. 介護保険制度において,利用者の経済的負担がない製品である。
  5. 福祉用具・介護ロボット実用化支援事業で,普及啓発の対象となる製品である。

【 解答:1 】

問題 29
リスクマネジメントに関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 細心の準備をすれば,事故は起こらない。
  2. 小さな介護事故は,個人で対応する。
  3. 介護事故の報告を済ませたら,その後の対応は組織の代表者に一任すればよい。
  4. 介護業務に慣れると事故は起こらない。
  5. ヒヤリ・ハット事例の収集・分析が,事故を防ぐことにつながる。

【 解答:5 】

問題 30
感染対策に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 下痢・嘔吐が続く介護福祉職は,マスクをして業務を行う。
  2. 汚れが目に見える場所を消毒することが,感染症予防に有効である。
  3. モップを使う床掃除の場合は,乾いたモップで汚れを拭き取る。
  4. 手袋を着用していれば,排泄物や嘔吐物を触った後の手洗いを省略してもよい。
  5. 固形石鹸よりも液体石鹸の方が望ましい。

【 解答:5 】

問題 31
労働安全衛生法に定められている内容に関する次の記述のうち,正しいものを1 つ選びなさい。
  1. 労働災害の防止に関する措置への労働者の協力
  2. 労働者の介護休業
  3. 女性労働者の婚姻,妊娠,出産等を理由とする不利益取扱いの禁止
  4. 常時20 名以上の労働者を使用する事業場の衛生委員会の設置
  5. 労働者の1 日の法定労働時間

【 解答:1 】

問題 32
ストレスマネジメントに関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 仕事に没頭することでストレスを忘れるようにする。
  2. 自分はストレスを感じることがないと考える。
  3. 悩みは他人に相談せずに,自分で解決しようとする。
  4. 困難な現実からは目をそらして,自己を正当化する。
  5. 自分に合った適切な対処法を持つ。

【 解答:5 】

問題 33
傾聴の技法として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 最初に客観的事実を確認してから聴く。
  2. 相手の言葉を妨げないで,じっくり聴く。
  3. 相手の目をじっと見つめながら聴く。
  4. 早い動きでうなずきながら聴く。
  5. 解決策を提案しながら聴く。

【 解答:2 】

問題 34
Gさん(70 歳,男性)は,双極性感情障害(bipolar affective disorder)があり,入退院を何度も繰り返してきた。最近,様々な考えがつながりもなく浮かんで多弁になる躁状態になり,訪問介護(ホームヘルプサービス)に来たH介護福祉職にも次々に話しかけてきた。
このときのH介護福祉職の対応として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 「一度にいろいろ話すのはやめてください」
  2. 「また入院することになりますね」
  3. 「いつもより気分が高ぶっていますよ」
  4. 「私にはよく分かりませんが…」
  5. 「もっとお話を聞かせてください」

【 解答:3 】

問題 35
Jさん(82 歳,女性)は,認知症対応型共同生活介護(グループホーム)で暮らしている。Jさんは朝食を済ませていたが,また朝食の準備を始めた。他の利用者が「さっき食べたでしょう」と言うと,Jさんは「まだです。今起きたばかりです」と答えた。
このときのJさんに対する介護福祉職の言葉かけとして,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 「おなかがすきましたか」
  2. 「さっき,食べたばかりですよ」
  3. 「後片づけまで終わりましたよ」
  4. 「もう1 回食べるのですか」
  5. 「食事より掃除をしませんか」

【 解答:1 】

問題 36
K さん(72 歳, 女性)は, アルツハイマー型認知症(dementia of theAlzheimer’s type)である。認知症対応型共同生活介護(グループホーム)で暮らしているが,いつも「夫に迷惑をかけて申し訳ない」と言っている。ある日,面会に来た夫に対して,「いつもお世話様です」と挨拶しながら,誰なのか分からないで不安そうな様子であった。
Kさんへの介護福祉職の最初の言葉かけとして,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 「誰でしょうか,覚えていますか」
  2. 「顔は覚えているけど,名前を忘れたのですね」
  3. 「頑張って思い出してみましょう」
  4. 「ご主人ですよ。来てもらってよかったですね」
  5. 「迷惑をかけて申し訳ないと伝えましょう」

【 解答:4 】

問題 37
Lさん(70 歳,男性)は,脳梗塞(cerebral infarction)の後遺症で聴覚的理解と視覚的理解の障害があるが,発語はできる。日常会話で使用する単語は理解できるが,うまくコミュニケーションをとれないことが多い。介護福祉職が「あしたは晴れですね。あしたの午後散歩に行きましょう」と伝えると,Lさんは話の内容が分からない様子である。
Lさんが理解できるような関わり方として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. もう一度,低い声で同じ言葉を伝える。
  2. もう一度,大きな声で同じ言葉を伝える。
  3. 「あした,散歩」と短い言葉で伝える。
  4. 「あした,さんぽ」とひらがなで書いて伝える。
  5. 言葉を1 音ずつに区切って,「あ・し・た・さ・ん・ぽ」と伝える。

【 解答:3 】

問題 38
Mさん(72 歳,女性)は,介護老人保健施設に入所している。糖尿病性網膜症(diabetic retinopathy)で,3か月前に右目を失明した。左目はかすかに見える状態である。聴覚機能,言語機能,認知機能に問題はない。
Mさんへの介護福祉職の対応として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. Mさんの右側から話しかける。
  2. Mさんの体に触れてから挨拶をする。
  3. 物音を立てないように関わる。
  4. 「あそこ」「これ」と代名詞で説明する。
  5. 視覚情報は整理して口頭で伝える。

【 解答:5 】

問題 39
箱型補聴器を使用する利用者と介護福祉職のコミュニケーションに関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 介護福祉職は,イヤホンを装着した耳に向かって話しかける。
  2. 介護福祉職は,できるだけ大声で話す。
  3. 利用者は,比較的聞こえる側の耳にイヤホンを装着する。
  4. 利用者は,箱型補聴器を会話のときに限って使用する。
  5. 利用者は,雑音の多い場所では箱型補聴器の音量を上げる。

【 解答:3 】

問題 40
介護記録に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 介護福祉職の意見を中心に記録する。
  2. 調査・研究目的で記録を利用することは避ける。
  3. 記録は非言語的コミュニケーションのツールとして活用する。
  4. 利用者と家族は記録を閲覧することができる。
  5. 介護保険法では記録の様式を統一している。

【 解答:4 】

問題 41
生活支援に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 支援者の価値観を優先して支援する。
  2. 生活全体よりも,生活動作を中心にした視点で支援する。
  3. その人らしい生活よりも,安静を重視した生活を送れるように支援する。
  4. 利用者の生活習慣よりも,支援者側の規則を大切にして支援する。
  5. 信頼関係に基づいて支援する。

【 解答:5 】

問題 42
施設への入所に伴う高齢者の心身の負担を軽減するための方策として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 家族の訪問を控えてもらう。
  2. 居室に新しい家具を入れる。
  3. 広い食堂で過ごしてもらう。
  4. 施設の生活時間に合わせてもらう。
  5. 少しでも早くなじみの職員ができるようにする。

【 解答:5 】

問題 43
布団についた,ダニの死骸や糞などのダニアレルゲンを除去する方法として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 陰干しする。
  2. 掃除機で吸い取る。
  3. 強く叩く。
  4. 表面を絞ったタオルで拭く。
  5. 布団カバーを取り替える。

【 解答:2 】

問題 44
高齢者の整容支援の注意点として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 整髪料の使用は避ける。
  2. 目やにを拭き取るときは,目尻から目頭に向かって拭く。
  3. 爪を切るときは,少しずつ切る。
  4. 耳垢(耳あか)が固いときは,ピンセットを使って除去する。
  5. 義歯は乾燥させてからケースに保管する。

【 解答:3 】

問題 45
介護を必要とする高齢者の衣服と,その支援に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 片麻痺の高齢者には,支援者が着脱させやすい前あきの上着の購入を勧める。
  2. 左片麻痺がある場合は,左半身から脱ぐように勧める。
  3. 生活のリズムを保つために,昼と夜とで衣服を替えるように勧める。
  4. 衣服は気候に合わせて支援者が選ぶ。
  5. 季節に関係なく,保温性よりも通気性を重視した衣類を勧める。

【 解答:3 】

問題 46
視覚障害者の外出支援に関する次の記述のうち,適切なものを1 つ選びなさい。
  1. タクシーに乗るときは,支援者が先に乗って誘導する。
  2. 電車を待つときは,点字ブロックの上で待つように誘導する。
  3. 狭い通路は,後ろから誘導する。
  4. 雨の日は,フードつきのレインコートの着用を勧める。
  5. 利用者から一時離れるときは,柱や壁に触れる位置まで誘導する。

【 解答:5 】

問題 47
パーキンソン病(Parkinson disease)の姿勢反射障害のある人の歩行介護として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 曲がり角では,勢いをつけて曲がってもらう。
  2. 曲がり角では,直角に曲がってもらう。
  3. 一度足を引いてから歩きだしてもらう。
  4. 支援者のペースに合わせて歩きだしてもらう。
  5. 階段よりスロープを歩いてもらう。

【 解答:3 】

問題 48
嚥下機能の低下している人のおやつとして,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. ラスク
  2. もなか
  3. 焼き芋
  4. カステラ
  5. ゼリー

【 解答:5 】

問題 49
骨粗鬆症(osteoporosis)予防に必要なビタミンK(vitamin K)を多く含む食品として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 牛乳
  2. 豚肉
  3. にしん
  4. 納豆

【 解答:5 】

問題 50
Aさん(78 歳,女性)は,一人暮らしをしている。毎夕食の配食サービスと週2 回の訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用している。夏のある日,訪問介護員(ホームヘルパー)が訪ねると,唇が乾燥しており,昨日からの水分摂取はお茶を3 杯(450 ml 程度)ということであった。排尿回数も少なく,尿の色を尋ねるといつもより濃いと言っていた。
Aさんに勧める飲物として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 温めた牛乳
  2. 冷たいお茶
  3. バナナジュース
  4. 経口補水液
  5. 野菜ジュース

【 解答:4 】

問題 51
下肢筋力が低下して介護を必要とする人に適した浴室改修に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 浴室の入口は引き戸にする。
  2. 縦に長く浅めの洋式の浴槽にする。
  3. 浴槽の縁(エプロン部分)は厚みを20 cm にする。
  4. 床から浴槽の縁までの高さは20 cm にする。
  5. 浴室と脱衣室の段差は10 cm にする。

【 解答:1 】

問題 52
消化管ストーマを造設している人の入浴に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 排便のあった日だけ入浴する。
  2. 回腸ストーマの場合は,食後1 時間以内に入浴する。
  3. 装具を外して入浴できる。
  4. ストーマ(stoma)部分は,石鹸をつけず,こすりながら洗う。
  5. 公衆浴場の利用は避ける。

【 解答:3 】

問題 53
入浴時のヒートショックに関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 高血圧の人は,ヒートショックを起こしにくい。
  2. ヒートショックは,夏に起こりやすい。
  3. ヒートショック予防として,浴室・脱衣室と居室との温度差を小さくする。
  4. ヒートショック予防として,湯の温度設定は高めにする。
  5. ヒートショックは,入浴前に起こりやすい。

【 解答:3 】

問題 54
排泄介護に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. ベッドで尿器を使用する場合,ベッドの足元を上げる。
  2. 差し込み便器の開口部の中央に,仙骨が来るようにする。
  3. テープ止めタイプの紙おむつの中に,尿取りパッドを複数当てる。
  4. 自己導尿を行う場合,座位姿勢で行えるように支援する。
  5. トイレにL字手すりを設置する場合,横手すりは車いすの座面の高さに合わせる。

【 解答:4 】

問題 55
Bさん(86 歳,女性)は,介護老人福祉施設で生活している。脳梗塞(cerebral infarction)の後遺症で左片麻痺があり,最近は筋力の低下が目立っている。
Bさんは日中はポータブルトイレ,夜間は紙おむつを使用している。Bさんの使用しているポータブルトイレは木製の背もたれと肘かけがついているタイプである。
Bさんが,ポータブルトイレを使用するときの排泄介護に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. ポータブルトイレは,ベッドの左側の足元に置く。
  2. ポータブルトイレの足元に新聞紙を敷く。
  3. 座位が安定しないときは,背もたれに寄りかかるように座ってもらう。
  4. 排泄が終了したら,立ち上がる前に下着やズボンを大腿部まで上げておく。
  5. 使用したポータブルトイレの中の排泄物は,1日分をまとめて片づける。

【 解答:4 】

問題 56
悪質商法や詐欺の種類と介護福祉職が行う助言の組合せとして,適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 催眠商法 --- 友人と一緒なら販売会場まで出かけても構わないと助言する。
  2. 送りつけ商法 --- 注文した覚えのない商品は断り,受け取らないように助言する。
  3. 利殖商法 --- 「元本保証」と「金融庁への届出」の記載があれば信頼できると助言する。
  4. 振り込め詐欺 --- 公的機関や家族を名乗る電話には,一人で対処するように助言する。
  5. 点検商法 --- 業者を家の中に入れて,ていねいに断るように助言する。

【 解答:2 】

問題 57
繊維製品に以下の表示があるときの取扱いの留意点として,適切なものを1 つ選びなさい。

(注)いずれも家庭用品品質表示法に基づく洗濯に関する表示であり,同じ取扱い方法を意味している。左の表示は現行のものであり,2016 年(平成28 年)12 月から右の表示に改正されることになっている。

  1. しわになりやすいので,脱水は避ける。
  2. 色が落ちやすいので,単独で洗う。
  3. 手洗いする。
  4. 日陰のつり干しにする。
  5. 平干しにする。

【 解答:4 】

問題 58
Cさんは,関節リウマチ(rheumatoid arthritis)が徐々に進行している。何とか自力で寝返りをすることができるが,思うように関節が動かなくなってきている。体調に変動があるため1 日の過ごし方も不規則で昼夜逆転の生活が続いている。Cさんが夜間,安眠が得られるような介護福祉職の対応として,適切なものを1つ選びなさい。
  1. 早朝の散歩を勧める。
  2. 朝食は,とらないように勧める。
  3. 午後から,温水プールで運動をするように勧める。
  4. マットレスは,柔らかいものを勧める。
  5. 枕は,硬く高いものを勧める。

【 解答:3 】

問題 59
終末期で食欲が低下してきた利用者の食事介護に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 食事の回数を増やす。
  2. 1 回の食事量を増やす。
  3. 高カロリーの食事を用意する。
  4. 嗜好を重視する。
  5. 経管栄養を勧める。

【 解答:4 】

問題 60
施設入所者の終末期から死後における家族への支援として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 付き添いやすい環境を整える。
  2. 在宅と比べて,家族への支援の必要性は乏しい。
  3. 状態が変化したときだけ家族に報告する。
  4. 家族が希望しても,死後の処置は職員で行う。
  5. 故人の思い出話は控える。

【 解答:1 】

問題 61
介護過程の目的に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 多職種がそれぞれ異なる最終目標を持つこと
  2. 1 回限りの介護をすること
  3. 利用者のニーズに応じた根拠のある個別ケアをすること
  4. 家族が望む利用者の生活を実現すること
  5. 介護福祉職の業務の効率を優先すること

【 解答:3 】

問題 62
介護福祉職の情報収集に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 情報は,多角的・継続的に収集する。
  2. 収集した情報は,取捨選択せずに記録する。
  3. 主観的情報は,計測器を用いて収集する。
  4. 利用者が発した言葉は,介護福祉職の主観を加えて記録する。
  5. プライバシーに関する情報は,集団面接で収集する。

【 解答:1 】

問題 63
「関連する情報の分析・統合を通じて,利用者の課題,ニーズ,強みを明らかにすること」を表す用語として,適切なものを1 つ選びなさい。
  1. チームアプローチ(team approach)
  2. アセスメント(assessment)
  3. モニタリング(monitoring)
  4. アウトリーチ(outreach)
  5. インテーク(intake)

【 解答:2 】

問題 64
Dさん(70 歳,女性)は,10 年前に人工肛門(ストーマ(stoma))を造設し,2 年前に脳出血(cerebral hemorrhage)を患って軽い右片麻痺が残った。最近,物忘れが目立ってきた。また,同居する娘の仕事が忙しくなってきた。
Dさんに関する情報のうち,ICF(International Classification of Functioning,Disability and Health:国際生活機能分類)の環境因子に該当するものとして,適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 70 歳の女性である。
  2. 人工肛門(ストーマ(stoma))を造設した。
  3. 軽い右片麻痺が残った。
  4. 物忘れが目立ってきた。
  5. 娘の仕事が忙しくなってきた。

【 解答:5 】

問題 65
Eさんは,アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)で認知症対応型共同生活介護(グループホーム)に入居している。今までできていた食後の歯磨きができなくなってきている。口臭が強くなってきたので,他の利用者が会話を避けている。孫からも「おばあちゃんのお口臭い」と言われ,寂しそうな表情をしているのを介護福祉職が見ている。
優先的に解決すべきEさんの生活課題として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 他者と積極的に会話ができるようになること
  2. 寂しさを取り除くために介護福祉職が励ますこと
  3. 気を遣わずに孫と話ができるようになること
  4. 口の中を清潔に保てるようになること
  5. 一人で歯磨きができるようになること

【 解答:4 】

問題 66
客観的情報の記録として,適切なものを1 つ選びなさい。
  1. タンスの中に食べこぼしのついた上着が入っていた。
  2. 妻とけんかしたことを後悔しているのではないか。
  3. ご飯が喉を通らないのは,愛犬がいなくなったからだと思う。
  4. いつも冷静なのに突然怒ったのでびっくりした。
  5. 一人でいる時間が長いので,こまめに声かけをすることにした。

【 解答:1 】

問題 67
次の事例を読んで答えなさい。
〔事 例〕
Fさん(70 歳,男性,要介護1 )は,認知症(dementia)を患う母と二人暮らしである。左片麻痺があり,杖があれば一人で歩行できる。現在は,小規模多機能型居宅介護を利用して在宅生活を送っている。昔から買物が好きで,今でも天気の良い日には,一人で杖をついて買物に出かけていく。
Fさんの小規模多機能型居宅介護における介護計画の長期目標は「安全に買物に出かける」,短期目標は「転倒しない」で,支援内容には「事業所内で手すりを使って起立訓練と歩行訓練を行う」と設定されて,順調に実施されている。
最近,近所の人から,Fさんがスーパーに向かう途中にある階段が上り切れず,よろけたり,困っている姿を見かけたという情報がたびたび聞かれるようになった。この件をG介護福祉職がFさんに確認すると,Fさんは「足元が少し不安なところがありますが,大丈夫です。いつもありがとうございます」と言い,目に涙を浮かべた。

Fさんの介護計画の評価に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 近所の人からの情報は,評価には不要である。
  2. 「安全に買物に出かける」という目標は達成した。
  3. 手すりを使った起立訓練と歩行訓練を見直す必要がある。
  4. 事業所内での訓練は順調なので,このまま継続する。
  5. Fさんの発言から満足していると評価した。

【 解答:3 】

問題 68
次の事例を読んで答えなさい。
〔事 例〕
Fさん(70 歳,男性,要介護1 )は,認知症(dementia)を患う母と二人暮らしである。左片麻痺があり,杖があれば一人で歩行できる。現在は,小規模多機能型居宅介護を利用して在宅生活を送っている。昔から買物が好きで,今でも天気の良い日には,一人で杖をついて買物に出かけていく。
Fさんの小規模多機能型居宅介護における介護計画の長期目標は「安全に買物に出かける」,短期目標は「転倒しない」で,支援内容には「事業所内で手すりを使って起立訓練と歩行訓練を行う」と設定されて,順調に実施されている。
最近,近所の人から,Fさんがスーパーに向かう途中にある階段が上り切れず,よろけたり,困っている姿を見かけたという情報がたびたび聞かれるようになった。この件をG介護福祉職がFさんに確認すると,Fさんは「足元が少し不安なところがありますが,大丈夫です。いつもありがとうございます」と言い,目に涙を浮かべた。

Fさんの状況を受けて,関係職員が集まり,カンファレンス(conference)を開催することになった。
このカンファレンス(conference)に参加したG介護福祉職の発言に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. Fさんの日頃の移動の様子について,具体的に説明した。
  2. Fさんが感情的になるので,気持ちは聞かないようにしていると説明した。
  3. 介護保険を使って通所リハビリテーションを併用することを提案した。
  4. スーパーに向かうときの様子は多くの情報があるので,Fさんにはそれ以上尋ねる必要がないと説明した。
  5. 母親の支援について,話し合うことを提案した。

【 解答:1 】

問題 69
エリクソン(Erikson, E.)の発達段階説に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 誕生から1 歳頃までは,自分の行動のコントロールを身につける段階である。
  2. 3 歳頃から6 歳頃までは,自発的行動を通して主体性の感覚を学ぶ段階である。
  3. 12 歳頃から20 歳頃までは,勤勉性を身につける段階である。
  4. 20 歳頃から30 歳頃までは,心身共に自分らしさを身につける段階である。
  5. 30 歳頃から60 歳頃までは,社会全体や他者への信頼感を持つ段階である。

【 解答:2 】

問題 70
加齢に伴う筋肉の変化に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 70 歳代までは,筋肉量は維持される。
  2. タンパク質をとることは,筋肉量の維持に有効である。
  3. 高齢期になってからの運動は,筋肉量の増加には無効である。
  4. 筋肉量の減少の主要な原因は,悪性腫瘍(malignant tumor)の合併である。
  5. 筋肉量の減少は,下肢よりも上肢の方が顕著である。

【 解答:2 】

問題 71
Aさん(70 歳,男性)は,65 歳で定年退職した後,学生時代の旧友のほか,地域のボランティアサークルで知り合った新しい仲間と親交を深めてきた。しかし,サークルでトラブルが起きるようになって,1,2年前からはサークルへの参加が徐々に減り,安心できる旧友とばかり頻繁につきあうようになった。Aさん自身はこの生活に満足している。
Aさんの生活への適応状況を説明する理論として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 活動理論
  2. 離脱理論
  3. 社会情動的選択理論
  4. 愛着理論
  5. 心の理論

【 解答:3 】

問題 72
加齢の影響を強く受ける記憶として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 個人の生活の中で生じる出来事や体験に関する記憶
  2. 学習や経験によって獲得された知識の記憶
  3. スポーツなど,自分の体で覚える記憶
  4. 過去の社会的事件など,自分の体験とは直接関わらない記憶
  5. 人の顔や風景など,自覚せずに残されている記憶

【 解答:1 】

問題 73
めまいや立ちくらみが時々ある高齢者への介護福祉職の対応として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 勢いをつけて立ち上がることを勧める。
  2. 首を左右に振る体操をすることを勧める。
  3. 降圧薬の服用を勧める。
  4. 抗不安薬の服用を勧める。
  5. 転んでもけがをしないように部屋を片づけることを勧める。

【 解答:5 】

問題 74
Bさん(82 歳,男性)は,脳梗塞(cerebral infarction)の既往があり,右片麻痺がある。以前から食事中にむせることがあった。半年前には,肺炎(pneumonia)で入院したこともある。昨日から元気がなく,食欲もなくて普段の半分も食べられない。呼吸数は1 分間に24 回,体温は37.4 ℃だった。
Bさんに起こっていることとして,最も可能性の高いものを1 つ選びなさい。
  1. 脳梗塞(cerebral infarction)の再発
  2. 急性腸炎(acute colitis)
  3. 感冒(common cold)
  4. 誤嚥性肺炎(aspiration pneumonia)
  5. 胃潰瘍(gastric ulcer)

【 解答:4 】

問題 75
変形性膝関節症(knee osteoarthritis)と診断された高齢者への介護福祉職の助言として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 膝を冷やす。
  2. 正座をする。
  3. 杖を使う。
  4. 体重を増やす。
  5. 階段の昇り降りの運動をする。

【 解答:3 】

問題 76
在宅医療に関する次の記述のうち,正しいものを1 つ選びなさい。
  1. 主治医は,地域医療支援病院の医師でなければならない。
  2. 保健所は,在宅医療を受ける患者の支援を行わない。
  3. 在宅での静脈注射は,医師でなければ実施できない。
  4. 在宅での悪性腫瘍患者に対する緩和ケアは,保険診療の対象外である。
  5. 在宅療養支援診療所は,24 時間往診が可能な体制を確保しなければならない。

【 解答:5 】

問題 77
回想法に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 記憶力の改善が最も期待できるのは,中等度の認知症(dementia)の人である。
  2. 認知症(dementia)の人に豊かな情動をもたらすことが期待できる。
  3. 過去の苦痛や困難な体験を思い出す手がかりを準備すると効果的である。
  4. 毎回異なる場所で行うと効果的である。
  5. 回想法に参加した家族介護者は,発症前を思い出してつらくなることが多い。

【 解答:2 】

問題 78
厚生労働省が,2012 年(平成24 年)8 月に公表した「認知症高齢者数について」における,「認知症高齢者の日常生活自立度」Ⅱ以上の認知症高齢者の居場所別内訳(2010 年(平成22 年)9 月末現在)で,人数が最も多い居場所を1 つ選びなさい。
  1. 居宅
  2. 介護老人福祉施設
  3. 介護老人保健施設・介護療養型医療施設
  4. グループホーム
  5. 医療機関

【 解答:1 】

問題 79
Cさん(89 歳,女性)はアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’stype)で,1年前から料理の手順を間違えたり,家計の管理や買物が難しい状態であった。1 か月前から大声をあげるようになった。季節に合った衣服を選べなくなったが,家族が準備すれば適切に着ることはできる。排泄は自立している。
Cさんのアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)のFunctionalAssessment Staging(FAST)の分類として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 年齢相応
  2. 境界状態
  3. 軽度
  4. 中等度
  5. やや高度

【 解答:4 】

問題 80
Dさん(80 歳,男性)は一人暮らしで,生活は自立していた。毎朝近所の公園でラジオ体操に参加していたが,2か月ほど前から,物忘れとぼうっとする様子が見られるようになった。また,歩行が不安定となり,最近では尿意を我慢できず失禁がある。
Dさんの状態として,最も可能性の高いものを1 つ選びなさい。
  1. 軽度認知障害(mild cognitive impairment)
  2. アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)
  3. 正常圧水頭症(normal pressure hydrocephalus)
  4. 前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia)
  5. 血管性認知症(vascular dementia)

【 解答:3 】

問題 81
認知症(dementia)の原因となる疾患の特徴として,最も適切なものを1つ選びなさい。
  1. アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)では,早期から尿失禁が認められる。
  2. アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)では,巣症状は見られない。
  3. レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies)では,人格が大きく変化する。
  4. レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies)では,運動機能障害は見られない。
  5. クロイツフェルト・ヤコブ病(Creutzfeldt-Jakob disease)では,進行が速く, 1年以内の死亡例も多い。

【 解答:5 】

問題 82
外科的手術で治療が可能な認知症(dementia)として,正しいものを1 つ選びなさい。
  1. 血管性認知症(vascular dementia)
  2. クロイツフェルト・ヤコブ病(Creutzfeldt-Jakob disease)
  3. 前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia)
  4. レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies)
  5. 慢性硬膜下血腫(chronic subdural hematoma)

【 解答:5 】

問題 83
行動・心理症状(BPSD)に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
  1. 徘徊は,認知症(dementia)であれば誰にでも起こる。
  2. もの盗られ妄想は,記憶障害とは関係がない。
  3. 幻視に関して,本人の訴えの内容ははっきりしない。
  4. 興奮は,ケアの方法によって生じることがある。
  5. 混乱は,重度の認知症(dementia)の人には見られない。

【 解答:4 】

問題 84
Eさん(88 歳,女性)は,血管性認知症(vascular dementia)で左片麻痺がある。穏やかな性格である。認知症対応型共同生活介護(グループホーム)に入居し,グループホームでの役目として,食事前の挨拶を担当している。しかし,夏の暑さが続いたとき,食事前の挨拶の後「こんなことはやらせないで」と理由もなく急に泣きだすことがあった。介護福祉職が受容的な態度で接していると,Eさんは笑顔で「ご苦労様」と介護福祉職に声をかけるようになった。
このようなEさんについて考えられることとして,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 睡眠不足による感情の変化
  2. 認知症(dementia)の急激な進行
  3. 感情失禁の症状
  4. 暑さによる中核症状の悪化
  5. 職員の対応に対する怒り

【 解答:3 】

問題 85
初期の認知症(dementia)で,家賃の支払を忘れて,家主から督促されることが多くなった人に対する支援者として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 民生委員
  2. 訪問介護員(ホームヘルパー)
  3. 訪問看護師
  4. 日常生活自立支援事業の専門員
  5. 通所介護(デイサービス)の介護福祉職

【 解答:4 】

問題 86
在職中に若年性認知症(dementia with early onset)になった人とその家族の支援に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 支援の主な対象は,介護負担が集中する子ども世代である。
  2. 高齢者の認知症(dementia)と対応に違いはないことを家族に説明する。
  3. 雇用保険制度や障害福祉サービス等を組み合わせて利用できるように支援する。
  4. 本人の年齢に関係なく,初回の面談で介護保険の利用を勧める。
  5. 本人が退職して治療に専念できるように支援する。

【 解答:3 】

問題 87
障害者の権利に関する条約で,国際条約上初めて取り上げられた概念として,正しいものを1 つ選びなさい。
  1. 完全参加と平等
  2. ノーマライゼーション(normalization)
  3. 障害の予防
  4. 共生社会
  5. 合理的配慮

【 解答:5 】

問題 88
以下の疾患や状態のうち,図で示した装具を使用するものとして,正しいものを1 つ選びなさい。
  1. 閉塞性動脈硬化症(arteriosclerosis obliterans)
  2. 腓骨神経麻痺(peroneal nerve paralysis)
  3. 変形性膝関節症(knee osteoarthritis)
  4. パーキンソン病(Parkinson disease)
  5. 下腿切断(lower extremity amputation)

【 解答:2 】

問題 89
高次脳機能障害(higher brain dysfunction)の注意障害に関する次の記述のうち,正しいものを1 つ選びなさい。
  1. 同時に2 つ以上のことに気配りできない。
  2. 突然興奮したり,怒りだしたりする。
  3. 日常生活を計画して実行できない。
  4. 物の置き場所を忘れる。
  5. 1 つのことにこだわって他のことができない。

【 解答:1 】

問題 90
ダウン症候群(Down’s syndrome)の症状として,最も頻度の高いものを1 つ選びなさい。
  1. 難聴
  2. 筋緊張の亢進
  3. 高次脳機能障害
  4. 片麻痺
  5. 腎障害

【 解答:1 】

問題 91
自閉症スペクトラム障害(autism spectrum disorder)のある人への対応として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. こだわり行動に対しては,介入しない。
  2. 不適切な行動をとっているときは,強く制止する。
  3. 予定の変更があるときは,メモや絵を使って,予告する。
  4. 情報を伝えるときには,一度に多くの情報を提供する。
  5. パニックを引き起こす事柄を克服できるような訓練をする。

【 解答:3 】

問題 92
嚥下障害を引き起こす難病として,適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis)
  2. 悪性関節リウマチ(malignant rheumatoid arthritis)
  3. 筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)
  4. クローン病(Crohn disease)
  5. 広範脊柱管狭窄症(extended spinal stenosis)

【 解答:3 】

問題 93
すくみ足の症状が見られる疾患として,正しいものを1 つ選びなさい。
  1. パーキンソン病(Parkinson disease)
  2. 脊髄小脳変性症(spinocerebellar degeneration)
  3. デュシェンヌ型筋ジストロフィー症(Duchenne muscular dystrophy)
  4. 脳性麻痺(cerebral palsy)
  5. 脊髄損傷(spinal cord injury)

【 解答:1 】

問題 94
呼吸機能障害のある人が日常生活で工夫すべきこととして,適切なものを1 つ選びなさい。
  1. かぶり式の上着を着る。
  2. 湯船には肩までつかる。
  3. 食事の回数を減らす。
  4. 洋式便器を使用する。
  5. すばやく歩く。

【 解答:4 】

問題 95
「障害者総合支援法」に基づく地域生活支援事業の内容として,適切なものを1 つ選びなさい。
(注)「障害者総合支援法」とは,「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。
  1. 自己判断能力が制限されている人の行動を支援する。
  2. 常に介護が必要な人に,創作的活動の機会を提供する。
  3. 就労を希望する人に,必要な訓練を行う。
  4. 円滑に外出できるように,移動を支援する。
  5. 自立した日常生活ができるように,必要な訓練を行う。

【 解答:4 】

問題 96
Fさん(47 歳,男性)は,重度の知的障害(障害支援区分3 )があり,母親の世話を受けながら自宅で暮らしている。母親が高齢になったこともあって,Fさんは,障害福祉サービスを利用して,介護福祉職と一緒に病院へ通院することになった。
Fさんが利用する障害福祉サービスとして,正しいものを1 つ選びなさい。
  1. 行動援護
  2. 同行援護
  3. 生活介護
  4. 療養介護
  5. 自立訓練

【 解答:1 】

問題 97
Gさん(84 歳,女性)は,訪問介護(ホームヘルプサービス)を受けながら自宅で一人で生活していた。2 か月前,在宅中に大雨による土砂崩れで自宅の半分が埋まってしまったので,介護老人保健施設に入所した。入所後のGさんはイライラすることが多くなり,入眠障害が見られるようになった。また,夜間に突然覚醒し,大声で介護福祉職を呼ぶことがたびたびあった。
現在のGさんの状態を表す用語として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 退行
  2. 見当識障害
  3. フラストレーション(frustration)
  4. アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)
  5. 心的外傷後ストレス障害(posttraumatic stress disorder:PTSD)

【 解答:5 】

問題 98
マズロー(Maslow, A.H.)の欲求階層説における最上層の欲求を表現する発言として,適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 「おなかがすいたので食事をしたい」
  2. 「会社で上司から認められたい」
  3. 「心の中を打ち明けられる親友がほしい」
  4. 「平和な社会をつくりたい」
  5. 「家族の待つ家に帰りたい」

【 解答:4 】

問題 99
口腔の清潔が保てなくなる原因として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 過食
  2. 口内炎(stomatitis)
  3. 唾液の増加
  4. 歯垢の除去
  5. 咳反射の亢進

【 解答:2 】

問題 100
「日常生活動作(Activities of Daily Living:ADL)」に分類されるものとして,正しいものを1 つ選びなさい。
(注)「日常生活動作(Activities of Daily Living:ADL)」は,基本的ADL(BasicActivities of Daily Living:BADL)と言われることがある。
  1. 買物
  2. 料理
  3. 洗濯
  4. 乗り物利用
  5. 入浴

【 解答:5 】

問題 101
廃用症候群(disuse syndrome)で起こる可能性のある病態とその対策の組合せとして,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 筋萎縮---日光浴
  2. 関節拘縮---運動制限
  3. 深部静脈血栓症(deep vein thrombosis)---離床
  4. 褥瘡---安静
  5. せん妄(delirium)---入院

【 解答:3 】

問題 102
1 g 当たりのエネルギー発生量が最も多い栄養素として,正しいものを1つ選びなさい。
  1. たんぱく質
  2. 糖質
  3. 脂質
  4. ビタミン(vitamin)
  5. 無機質(ミネラル(mineral))

【 解答:3 】

問題 103
脱水に伴う症状として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 浮腫
  2. 活動性の低下
  3. 低体温
  4. 多尿
  5. 皮膚の湿潤

【 解答:2 】

問題 104
38~41度の湯温での入浴が身体に与える影響として,適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 血圧の上昇
  2. 心拍数の増加
  3. 膀胱の弛緩
  4. 消化機能の亢進
  5. 筋緊張の亢進

【 解答:4 】

問題 105
小腸の一部として,正しいものを1 つ選びなさい。
  1. 盲腸
  2. 空腸
  3. S状結腸
  4. 上行結腸
  5. 直腸

【 解答:2 】

問題 106
尿意を感じて我慢できずに失禁してしまう排尿障害として,正しいものを1 つ選びなさい。
  1. 切迫性尿失禁
  2. 腹圧性尿失禁
  3. 溢流性尿失禁
  4. 反射性尿失禁
  5. 完全尿失禁

【 解答:1 】

問題 107
睡眠を促進するホルモン(hormone)として,正しいものを1 つ選びなさい。
  1. バソプレッシン(vasopressin)
  2. エストロゲン(estrogen)
  3. メラトニン(melatonin)
  4. インスリン(insulin)
  5. コルチゾール(cortisol)

【 解答:3 】

問題 108
Hさん(92 歳,女性)は,老衰が進行して寝たきり状態にある。ここ1 か月間経口摂取はごく少量で著しくやせて,肺炎(pneumonia)も併発している。かかりつけの医師から家族に対して予後は1 週間以内だろうという説明があり,このまま自宅で看取る方針が家族との間で合意された。
介護福祉職がサービスを提供しているとき,Hさんが急変した場合に第一に相談すべき連絡先として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. かかりつけ医
  2. 警察
  3. 消防署
  4. 介護支援専門員(ケアマネジャー)
  5. サービス提供責任者

【 解答:1 】

問題 109
次の事例を読んで答えなさい。
〔事 例〕
Jさん(56 歳,男性)は,脳梗塞(cerebral infarction)の後遺症で,左片麻痺と高次脳機能障害(higher brain dysfunction)があるために,障害者支援施設に入所して,車いすでの生活をしている。Jさんは,現在の施設に作業活動がないことを不満に思っていて,たびたび,妻に「職業訓練や収入を得ることが目的ではなく,のんびりと楽しみながら作業がしたい」と話している。妻はどうしたらよいのか分からず介護福祉職に相談した。介護福祉職は,Jさんが利用できるプログラムについて検討した。
その結果,Jさんに合った創作的活動を取り入れたプログラムを実施することになった。

Jさんが利用している日中のサービスとして,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 重度訪問介護
  2. 就労移行支援
  3. 居宅介護
  4. 就労継続支援A型
  5. 生活介護

【 解答:5 】

問題 110
次の事例を読んで答えなさい。
〔事 例〕
Jさん(56 歳,男性)は,脳梗塞(cerebral infarction)の後遺症で,左片麻痺と高次脳機能障害(higher brain dysfunction)があるために,障害者支援施設に入所して,車いすでの生活をしている。Jさんは,現在の施設に作業活動がないことを不満に思っていて,たびたび,妻に「職業訓練や収入を得ることが目的ではなく,のんびりと楽しみながら作業がしたい」と話している。妻はどうしたらよいのか分からず介護福祉職に相談した。介護福祉職は,Jさんが利用できるプログラムについて検討した。
その結果,Jさんに合った創作的活動を取り入れたプログラムを実施することになった。

Jさんは,創作的活動に参加したが,その作業手順が複雑になると,何からやればよいのか分からなくなって,計画的に作業を進めることができない。
作業をしているときのJさんの状態として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 遂行機能障害
  2. 半側空間無視
  3. 構音障害
  4. 知的障害
  5. 記憶障害

【 解答:1 】

問題 111
次の事例を読んで答えなさい。
〔事 例〕
Jさん(56 歳,男性)は,脳梗塞(cerebral infarction)の後遺症で,左片麻痺と高次脳機能障害(higher brain dysfunction)があるために,障害者支援施設に入所して,車いすでの生活をしている。Jさんは,現在の施設に作業活動がないことを不満に思っていて,たびたび,妻に「職業訓練や収入を得ることが目的ではなく,のんびりと楽しみながら作業がしたい」と話している。妻はどうしたらよいのか分からず介護福祉職に相談した。介護福祉職は,Jさんが利用できるプログラムについて検討した。
その結果,Jさんに合った創作的活動を取り入れたプログラムを実施することになった。

Jさんは昼食の時に上着を汚したので,居室で着替えようとしていた。Jさんは,上着を手にしたまま,どうすればよいのか分からなくなった。
このときのJさんへの介護福祉職の対応として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 着替えていないことを注意する。
  2. 着替えるまで待つ。
  3. 着替えができない理由を聞く。
  4. 着替えの動作のきっかけをつくる。
  5. 着替えの手順を細かく指示する。

【 解答:4 】

問題 112
次の事例を読んで答えなさい。
〔事 例〕
K君( 7 歳,男性)は,3歳の時に不随意運動型(アテトーゼ型(athetosis))脳性麻痺(cerebral palsy)と診断された。頸部や体幹をねじらせたり,反らせたり,上肢が伸展する運動が自分の意志とは関係なく起こってしまう不随意運動型特有の症状が現れていた。時々,筋肉の緊張が強くなり,体幹や上肢の不随意運動が大きくなることもあった。知的障害は見られず,車いすを使って,近所の小学校へ通学していた。登校・下校のときだけ母親が付き添って,教室内では車いすを何とか自分で操作して過ごしていた。言葉は努力性の発語で,聞き取りにくく,同級生と意思疎通が困難なことがしばしばあったが,慣れ親しんだ友達との会話は可能であった。

K君の状態に適した車いすとして,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 普通型車いす
  2. 電動普通型車いす
  3. 片手駆動式普通型車いす
  4. 手動リフト式普通型車いす
  5. リクライニング・ティルト式普通型車いす

【 解答:5 】

問題 113
次の事例を読んで答えなさい。
〔事 例〕
K君( 7 歳,男性)は,3歳の時に不随意運動型(アテトーゼ型(athetosis))脳性麻痺(cerebral palsy)と診断された。頸部や体幹をねじらせたり,反らせたり,上肢が伸展する運動が自分の意志とは関係なく起こってしまう不随意運動型特有の症状が現れていた。時々,筋肉の緊張が強くなり,体幹や上肢の不随意運動が大きくなることもあった。知的障害は見られず,車いすを使って,近所の小学校へ通学していた。登校・下校のときだけ母親が付き添って,教室内では車いすを何とか自分で操作して過ごしていた。言葉は努力性の発語で,聞き取りにくく,同級生と意思疎通が困難なことがしばしばあったが,慣れ親しんだ友達との会話は可能であった。

K君の小学校の夏休みが近づいた。母親は夏休み中にK君が人との交流を持てる場所がないか,K君が幼少の時から介護方法について相談していた介護福祉士であるL相談支援専門員に相談した。
L相談支援専門員が提案するサービスとして,適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 移動支援事業
  2. 福祉型障害児入所施設
  3. 保育所等訪問支援事業
  4. 放課後等デイサービス
  5. 医療型障害児入所施設

【 解答:4 】

問題 114
次の事例を読んで答えなさい。
〔事 例〕
K君( 7 歳,男性)は,3歳の時に不随意運動型(アテトーゼ型(athetosis))脳性麻痺(cerebral palsy)と診断された。頸部や体幹をねじらせたり,反らせたり,上肢が伸展する運動が自分の意志とは関係なく起こってしまう不随意運動型特有の症状が現れていた。時々,筋肉の緊張が強くなり,体幹や上肢の不随意運動が大きくなることもあった。知的障害は見られず,車いすを使って,近所の小学校へ通学していた。登校・下校のときだけ母親が付き添って,教室内では車いすを何とか自分で操作して過ごしていた。言葉は努力性の発語で,聞き取りにくく,同級生と意思疎通が困難なことがしばしばあったが,慣れ親しんだ友達との会話は可能であった。

K君は2 年生になった。4 月にクラス替えで,新しい同級生が多くなり,K君の言葉が分からないという理由で関係がうまくいかなくなった。そのため,K君の筋肉の緊張は今までよりも強くなり,不随意運動も大きくなった。給食の時に食べ物をうまく口に運べなくて,担任の先生が介助する場面が増えてきた。担任の先生から,この状況を聞いた母親は心配になって,K君の学校での食事について,L相談支援専門員に相談をした。
L相談支援専門員の助言として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. クラスの同級生と会話をしながら食事をする。
  2. 自助具を使用して自力で食べる。
  3. リラックスできる環境を作って,自力で食事ができるように支援する。
  4. 途中まで自力で食べてもらって,その後は介助する。
  5. 仲の良い友達を選んで,食事介助をしてもらう。

【 解答:3 】

問題 115
次の事例を読んで答えなさい。
〔事 例〕
Mさん(71 歳,女性)は,仕事を持つ息子と二人で生活している。最近,鍋を焦がすことがあったり,買物をして家に帰れなくなったりすることがあった。心配した息子が受診させたところ,アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)と診断された。要介護認定で要介護1 となり,訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用することになった。
Mさんは,訪問介護員(ホームヘルパー)と息子以外の人との接触はなく,テレビの前で過ごしていることが多い。心配した息子は,通所介護(デイサービス)を勧めたが,一人で通うことが不安で,利用を拒んでいた。このままだと認知症(dementia)が悪化するのではないかと息子の不安が大きくなっていた。

息子は,Mさんが少しでも多く外出して,人と話すような機会を設けたいと考えて,訪問介護員(ホームヘルパー)に相談した。次のうち,Mさんが息子と一緒に利用できるものとして,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 認知症カフェ
  2. 生活支援ハウス
  3. 地域活動支援センター
  4. 通所リハビリテーション
  5. 就労継続支援B型

【 解答:1 】

問題 116
次の事例を読んで答えなさい。
〔事 例〕
Mさん(71 歳,女性)は,仕事を持つ息子と二人で生活している。最近,鍋を焦がすことがあったり,買物をして家に帰れなくなったりすることがあった。心配した息子が受診させたところ,アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)と診断された。要介護認定で要介護1 となり,訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用することになった。
Mさんは,訪問介護員(ホームヘルパー)と息子以外の人との接触はなく,テレビの前で過ごしていることが多い。心配した息子は,通所介護(デイサービス)を勧めたが,一人で通うことが不安で,利用を拒んでいた。このままだと認知症(dementia)が悪化するのではないかと息子の不安が大きくなっていた。

Mさんは,訪問介護員(ホームヘルパー)と一緒に調理していたが,最近,途中で動作が止まってしまうことがあった。
調理の途中で,動作が止まってしまうMさんへの支援として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 本人が調理動作を行うまで待つ。
  2. 本人に代わって調理を行う。
  3. ジェスチャーを使って調理動作のヒントを出す。
  4. 調理動作が楽にできる自助具を用意する。
  5. 調理動作の手順書を渡して覚えてもらう。

【 解答:3 】

問題 117
次の事例を読んで答えなさい。
〔事 例〕
Mさん(71 歳,女性)は,仕事を持つ息子と二人で生活している。最近,鍋を焦がすことがあったり,買物をして家に帰れなくなったりすることがあった。心配した息子が受診させたところ,アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)と診断された。要介護認定で要介護1 となり,訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用することになった。
Mさんは,訪問介護員(ホームヘルパー)と息子以外の人との接触はなく,テレビの前で過ごしていることが多い。心配した息子は,通所介護(デイサービス)を勧めたが,一人で通うことが不安で,利用を拒んでいた。このままだと認知症(dementia)が悪化するのではないかと息子の不安が大きくなっていた。

息子は,Mさんへの適切な支援方法について訪問介護員(ホームヘルパー)に相談した。
息子に対する訪問介護員(ホームヘルパー)の助言として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. Mさんを認知症対応型共同生活介護(グループホーム)へ入居させるように勧める。
  2. Mさんに買物をさせないようにする。
  3. Mさんと一緒にテレビを見るように勧める。
  4. Mさんが失敗したらそのたびに指摘する。
  5. Mさんのできることを見つけて,一緒に行うように勧める。

【 解答:5 】

問題 118
次の事例を読んで答えなさい。
〔事 例〕
Aさん(70 歳,女性)は,20 年前に2 型糖尿病(diabetes mellitus, type2)を発症して, 8 年前から血糖値の自己測定とインスリン(insulin)の自己注射を朝食前に行っている。4 年前から変形性膝関節症(knee osteoarthritis)が悪化して車いすの生活となり,自宅での生活が少しずつ困難になった。要介護3 と認定されて,2年前に介護老人福祉施設に入所した。入所後も,血糖値の自己測定とインスリン(insulin)の自己注射は介護福祉職の見守りのもとに行っていて,空腹時血糖値は120~150 mg/dl でコントロールされていた。
ある日の夜中に数回にわたって下痢便が見られ,起床時には嘔吐し,腹痛と発熱が見られた。

Aさんに確認すると,2日前に知人と外出して貝を生で食べたことが分かった。その後も嘔吐,腹痛が止まらないので,ノロウイルス(Norovirus)の感染が疑われた。
原因が分かるまでの間,施設内感染の対策で,Aさんの吐物を拭き取るときに用いるものとして,正しいものを1 つ選びなさい。

  1. ぬるま湯
  2. 消毒用エタノール溶液
  3. ベンザルコニウム塩化物溶液
  4. 次亜塩素酸ナトリウム溶液
  5. クロルヘキシジングルコン酸塩溶液

【 解答:4 】

問題 119
次の事例を読んで答えなさい。
〔事 例〕
Aさん(70 歳,女性)は,20 年前に2 型糖尿病(diabetes mellitus, type2)を発症して, 8 年前から血糖値の自己測定とインスリン(insulin)の自己注射を朝食前に行っている。4 年前から変形性膝関節症(knee osteoarthritis)が悪化して車いすの生活となり,自宅での生活が少しずつ困難になった。要介護3 と認定されて,2年前に介護老人福祉施設に入所した。入所後も,血糖値の自己測定とインスリン(insulin)の自己注射は介護福祉職の見守りのもとに行っていて,空腹時血糖値は120~150 mg/dl でコントロールされていた。
ある日の夜中に数回にわたって下痢便が見られ,起床時には嘔吐し,腹痛と発熱が見られた。

朝食前に介護福祉職がAさんの様子を観察すると,冷や汗,動悸,めまいなどの症状はなく,血糖値は130 mg/dl であった。Aさんは,嘔気,腹痛があり食欲がないと訴えた。
看護職に報告するまでの間に,介護福祉職がAさんに説明する内容として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. インスリン(insulin)の量を増やして,自己注射をする。
  2. インスリン(insulin)の量を減らして,自己注射をする。
  3. インスリン(insulin)の自己注射をして,朝食を食べる。
  4. インスリン(insulin)の自己注射をしないで,朝食を食べる。
  5. インスリン(insulin)の自己注射をしないで,朝食を食べない。

【 解答:5 】

問題 120
次の事例を読んで答えなさい。
〔事 例〕
Aさん(70 歳,女性)は,20 年前に2 型糖尿病(diabetes mellitus, type2)を発症して, 8 年前から血糖値の自己測定とインスリン(insulin)の自己注射を朝食前に行っている。4 年前から変形性膝関節症(knee osteoarthritis)が悪化して車いすの生活となり,自宅での生活が少しずつ困難になった。要介護3 と認定されて,2年前に介護老人福祉施設に入所した。入所後も,血糖値の自己測定とインスリン(insulin)の自己注射は介護福祉職の見守りのもとに行っていて,空腹時血糖値は120~150 mg/dl でコントロールされていた。
ある日の夜中に数回にわたって下痢便が見られ,起床時には嘔吐し,腹痛と発熱が見られた。

Aさんの症状は,治療を受けて1 週間ほどで回復した。しかし,その後,ぼんやりとした表情で過ごすことが多くなり,何事にもやる気がない様子で,「つらいから死にたい」と口にすることが多くなった。
Aさんの訴えに対する介護福祉職の応答として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 「つらいことは考えない方がいいですね」
  2. 「死にたいぐらい,つらいのですね」
  3. 「死にたいと言うと,つらい気持ちが強くなりますね」
  4. 「死にたいと言うと,周りの人もつらくなりますね」
  5. 「つらいことよりも楽しいことを考えるといいですね」

【 解答:2 】

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