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[ 事例 ]
Lさん(24歳、男性)は、小さい頃からスポーツ好きだった。特に球技が得意で、学生時代はサッカー選手だった。2年前に大学を卒業後、就職して2カ月後に交通事故で胸髄損傷(thoracicspinalcordinjury)を負い、両下肢が不全麻痺の状態になった。尿意はなかったが自己導尿が可能となっていた。障害手帳を取得したものの、家に引きこもって家族の介護を受けていた。1年前よりようやく生活介護事業所に通所できるようになった。通所当初から障害を受容できず、何事にも消極的で、他の利用者や職員とほとんどコミュニケーションをとらなかった。生活面も車いすへの移乗や移動は職員任せであった。時折、外を見ながら、涙ぐんでいるときがあった。ある日、送迎時の車の中で、Lさんは職員に「なぜこんなことになったのか、僕には仕事も、スポーツも、結婚も、もうない」とぽつりと言った。
Lさんは、車いすバスケットボールをすることにより、様々な活動に積極的に参加するようになった。半年後週2回の自立訓練(機能訓練)を始めて、現在では右足で体重が支えられるまでになった。そこでLさんは、両上肢を利用して車いすへの移乗が可能であったが、自分の足で車いすへの移乗ができることを希望し訓練を始めた。
この時点で、Lさんがベッドから車いすに自力で移乗する際に介助をするときの留意点として、適切なものを一つ選びなさい。
  1. 左側に車いすを置く
  2. 右足を前に出す
  3. 上体を垂直にする
  4. 勢いをつけて立ち上がる
  5. 右足の膝折れに注意する

【 正答:5 】