エラーを防ぐため、ブラウザの戻る機能ではなく、『問題へ戻る』ボタンで戻ってください。
【事 例】
Gさん(75 歳,男性)は,妻と穏やかに暮らしていた。ドライブが趣味で,妻が買い物に行くときは送り迎えをした。妻の買い物がない日には,いつも近くのUコミュニティセンターで,仲間たちと囲碁や将棋をしていた。そんなGさんが,半年前からUコミュニティセンターに行かない日が多くなり,家の中をうろうろしたり,妻に買い物に行く時間を何度も確認し,車の鍵を探しまわることが多くなった。2 か月ほど前,買い物の後で家に帰る道が分からなくなり,同じ道を行ったり来たりしているので,妻が,「次の路地に入ってください」と言うと,「分かっとる」と大声を出した。家に到着すると,「今年は免許更新の年だ」と言った。心配した妻が,かかりつけのH医師にGさんの診察を依頼した。アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)と診断され,その後,要介護1 と認定された。現在,訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用し,妻は訪問介護員(ホームヘルパー)がいる間に買い物に出かけている。
妻は交通事故を心配して,1日も早く車の運転をやめさせたいと考えている。現在のGさんの状況について,訪問介護員(ホームヘルパー)の妻に対する助言として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 車の鍵を隠すことを勧める。
  2. Gさんに断りなく車を処分することを勧める。
  3. 「免許更新期間は過ぎました」とGさんに言うように勧める。
  4. 近くの警察署に相談することを勧める。
  5. 「あなたの運転は怖いから乗りません」とGさんに言うように勧める。

【 正答:4 】

解説

道路交通法の改正によって、一定の病気症状があり、車の運転に支障を及ぼす可能性のあるものが、免許の取得や更新時に病状を虚偽申告した場合に罰則が設けられた。また、病気の症状がある患者の診断結果を公安委員会に届け出ることができるようになった。さらに、交通事故を起こした運転者が一定の病気に該当すると疑われる場合は、専門医の診断による取消処分を待たずに、暫定的な免許の停止措置ができるようになった。運転免許センターなどでは、認知症等に関する運転免許の相談を受け付けており、警察署に相談をすることが適切である。