【事 例】
Jさん(80 歳,女性)は3 年前にレビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies)と診断され,要介護3 と認定された。次第に徘徊することが多くなって,夫(88 歳)が介護することは難しくなり,現在は認知症対応型共同生活介護(グループホーム)を利用している。Jさんは,「先生が怖い顔をしてあっちから歩いてくる」など,実際にはないことを口にしていた。Jさんはグループホームから出て行き,Vコンビニエンスストアで発見されたことが1 回ある。家族の了解を得て,GPS追跡機をJさんの身に着けてもらうことにした。また,地域のネットワークを活用して,Jさんが発見されたVコンビニエンスストアの店員,地域の民生委員,自治会,老人クラブなどに呼びかけ,一人で歩いているJさんを見かけたときは,グループホームに連絡を入れてもらうようにした。一方で,介護福祉職は,Jさんが外出したいときには,付き添って外出していた。
Jさんに見られる症状として,正しいものを1 つ選びなさい。
- 感情失禁
- 奇異行動
- 無動
- 無言
- 幻視
【 正答:5 】
解説
- × 感情失禁とは、些細なことで大喜びしたり激怒するなど感情をコントロールすることができない状態をいう。
- × 奇異行動とは、規制を発したり、異常な行動をすることである。
- × 無動とは、動きが遅くなったり、少なくなったりする状態をいう。
- × 無言とは、構音障害や失語症ではないのに、全くしゃべらない状態をいう。
- 〇 幻視とは、実際にはないものが、あるように見えることであり、Jさんが「先生が怖い顔をしてあっちから歩いてくる」というのが幻視である。