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【事 例】
Lさん(45 歳,男性)は30 歳の頃,統合失調症(schizophrenia)と診断された。両親と弟がいるが,関係が悪く,現在は両親の家の近くにアパートの一室を借りて住んでいる。精神状態が悪くなると,誰かが襲ってくると思い込み,部屋から一歩も出ることができなくなる。その結果,部屋の中はゴミがいっぱいで,Lさんが寝る場所以外はゴミで埋められていた。心配した母親は相談支援専門員に状況を話した。相談支援専門員が,Lさんに障害支援区分の認定を受けてもらったところ,区分3 と判定された。A訪問介護員が派遣されることになった。LさんはA訪問介護員が部屋に入ることは受け入れたが,家事の支援は受け入れなかった。A訪問介護員は粘り強くLさんの話を聞き,「Lさんのいる場所と私がいる場所ぐらいは作りたい」と伝えた。その結果,Lさんと一緒にゴミを少し片づけることができた。A訪問介護員は,Lさんの定期的な通院にも付き添うことができるようになった。Lさんは服薬もしっかりとするようになってきた。
精神状態が悪くなったときのLさんの症状として,正しいものを1 つ選びなさい。
  1. 幻覚
  2. 妄想
  3. せん妄(delirium)
  4. 思考途絶
  5. 感情鈍麻

【 正答:2 】

解説

  1. × 幻覚とは、実際にないものが感覚として感じられることである。
  2. 〇 妄想とは、明らかに誤った内容だが信じ込んでしまうことである。Lさんの場合は、「襲われる」といった迫害妄想である。
  3. × せん妄とは、意識混濁に加えて幻覚や錯覚がみられるような状態である。
  4. × 思考途絶とは、思考が突然止まってしまう状態をいう。
  5. × 感情鈍麻とは、喜怒哀楽や愛憎好悪などといった感情が鈍る状態をいう。