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【事 例】
Lさん(45 歳,男性)は30 歳の頃,統合失調症(schizophrenia)と診断された。両親と弟がいるが,関係が悪く,現在は両親の家の近くにアパートの一室を借りて住んでいる。精神状態が悪くなると,誰かが襲ってくると思い込み,部屋から一歩も出ることができなくなる。その結果,部屋の中はゴミがいっぱいで,Lさんが寝る場所以外はゴミで埋められていた。心配した母親は相談支援専門員に状況を話した。相談支援専門員が,Lさんに障害支援区分の認定を受けてもらったところ,区分3 と判定された。A訪問介護員が派遣されることになった。LさんはA訪問介護員が部屋に入ることは受け入れたが,家事の支援は受け入れなかった。A訪問介護員は粘り強くLさんの話を聞き,「Lさんのいる場所と私がいる場所ぐらいは作りたい」と伝えた。その結果,Lさんと一緒にゴミを少し片づけることができた。A訪問介護員は,Lさんの定期的な通院にも付き添うことができるようになった。Lさんは服薬もしっかりとするようになってきた。
LさんとA訪問介護員との信頼関係ができ,部屋の中もきれいに片づいた。Lさんはこの後の生活についての漠然とした不安をA訪問介護員に相談するようになった。Lさんを交えた支援会議の前に,担当の相談支援専門員とサービス提供責任者,A訪問介護員が会議を開いた。A訪問介護員が提案する内容として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 両親と話し合い,一緒に住むこと
  2. 仕事を見つけるために,公共職業安定所(ハローワーク)に行くこと
  3. 地域活動支援センターの利用
  4. 共同生活援助(グループホーム)の利用
  5. 継続的な服薬管理のための短期間の入院

【 正答:3 】

解説

  1. × Lさんは、両親、弟の関係が悪く、アパートに住んでおり、両親と済むという提案は不適切である。
  2. × Lさんは、ゴミを少し片付けることができた状態であり、仕事を始められる状態ではない。
  3. 〇 地域活動支援センターとは、障害によって働くことが困難な障害者の日中の活動をサポートする福祉施設であり、Lさんが受けられるサービスとして最も適切である。
  4. × Lさんは、A訪問介護員が部屋に入ることは受け入れたが、家事の支援は受け入れなかったとあることから、共同生活援助の利用は不適切である。
  5. × Lさんは、服薬もしっかりとするようになってきたとあることから、継続的な服薬管理のための短期間の入院は、不要である。