Aさん(85 歳,男性)は,介護予防通所介護(デイサービス)を利用し始めた。重度の加齢性難聴(presbycusis)がある。これまで補聴器を使った経験はない。コミュニケーション意欲は高く,介護福祉職とやり取りすることを好む。認知症(dementia)はない。介護福祉職がAさんと日常のやり取りを始めるときの,コミュニケーション方法として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
- Aさんはイラストを多用したコミュニケーションノートを使う。
- Aさんは挿耳型補聴器を1 日じゅう使う。
- Aさんも介護福祉職も五十音表の文字盤を使う。
- Aさんは話し,介護福祉職は筆談と併せて発話も行う。
- Aさんは携帯用会話補助装置を使い,介護福祉職は話す。
【 正答:4 】
解説
Aさんには重度の加齢性難聴があるが、コミュニケーション意欲が高く介護福祉職とのやり取りを好み、補聴器を使った経験はないことから、できる限り補助装置などを使わず、直接やり取りを行うことが適切である。イラストを多用したコミュニケーションノートは、手軽だが、コミュニケーション意欲が高いAさんとのやり取りでは、かえってコミュニケーションの円滑さに欠ける恐れがある。
筆談と発話を併用することが耳や脳に適度な刺激を与えて効果的といえる。