次の事例を読んで答えなさい。〔事 例〕
Jさん(56 歳,男性)は,脳梗塞(cerebral infarction)の後遺症で,左片麻痺と高次脳機能障害(higher brain dysfunction)があるために,障害者支援施設に入所して,車いすでの生活をしている。Jさんは,現在の施設に作業活動がないことを不満に思っていて,たびたび,妻に「職業訓練や収入を得ることが目的ではなく,のんびりと楽しみながら作業がしたい」と話している。妻はどうしたらよいのか分からず介護福祉職に相談した。介護福祉職は,Jさんが利用できるプログラムについて検討した。
その結果,Jさんに合った創作的活動を取り入れたプログラムを実施することになった。
Jさんは,創作的活動に参加したが,その作業手順が複雑になると,何からやればよいのか分からなくなって,計画的に作業を進めることができない。
作業をしているときのJさんの状態として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
- 遂行機能障害
- 半側空間無視
- 構音障害
- 知的障害
- 記憶障害
【 正答:1 】
解説
- 〇 遂行機能障害は高次脳機能障害の一つであり、この機能が障害されると、効率よく仕事ができないといった症状がみられる。
- × 半側空間無視は、半側からの視覚、聴覚、触覚等の刺激を認識できなくなるものである。
- × 構音障害とは、正しく言葉が発音されない言語障害のことである。
- × 知的障害とは、知的能力の発達が全般的に遅れた水準にとどまっている状態のことである。
- × 記憶障害とは、体験した出来事や過去についての記憶が抜け落ちてしまう障害のことである。