次の事例を読んで答えなさい。〔事 例〕
Aさん(70 歳,女性)は,20 年前に2 型糖尿病(diabetes mellitus, type2)を発症して, 8 年前から血糖値の自己測定とインスリン(insulin)の自己注射を朝食前に行っている。4 年前から変形性膝関節症(knee osteoarthritis)が悪化して車いすの生活となり,自宅での生活が少しずつ困難になった。要介護3 と認定されて,2年前に介護老人福祉施設に入所した。入所後も,血糖値の自己測定とインスリン(insulin)の自己注射は介護福祉職の見守りのもとに行っていて,空腹時血糖値は120~150 mg/dl でコントロールされていた。
ある日の夜中に数回にわたって下痢便が見られ,起床時には嘔吐し,腹痛と発熱が見られた。
Aさんに確認すると,2日前に知人と外出して貝を生で食べたことが分かった。その後も嘔吐,腹痛が止まらないので,ノロウイルス(Norovirus)の感染が疑われた。
原因が分かるまでの間,施設内感染の対策で,Aさんの吐物を拭き取るときに用いるものとして,正しいものを1 つ選びなさい。
- ぬるま湯
- 消毒用エタノール溶液
- ベンザルコニウム塩化物溶液
- 次亜塩素酸ナトリウム溶液
- クロルヘキシジングルコン酸塩溶液
【 正答:4 】
解説
嘔吐物の処理は、処理する人自身と周りの人への感染の拡大を防止することが重要である。ノロウイルスに感染した疑いがあることから、塩素系消毒剤(次亜塩素酸ナトリウム溶液)を消毒液として用いる。