次の事例を読んで答えなさい。〔事 例〕
Aさん(70 歳,女性)は,20 年前に2 型糖尿病(diabetes mellitus, type2)を発症して, 8 年前から血糖値の自己測定とインスリン(insulin)の自己注射を朝食前に行っている。4 年前から変形性膝関節症(knee osteoarthritis)が悪化して車いすの生活となり,自宅での生活が少しずつ困難になった。要介護3 と認定されて,2年前に介護老人福祉施設に入所した。入所後も,血糖値の自己測定とインスリン(insulin)の自己注射は介護福祉職の見守りのもとに行っていて,空腹時血糖値は120~150 mg/dl でコントロールされていた。
ある日の夜中に数回にわたって下痢便が見られ,起床時には嘔吐し,腹痛と発熱が見られた。
朝食前に介護福祉職がAさんの様子を観察すると,冷や汗,動悸,めまいなどの症状はなく,血糖値は130 mg/dl であった。Aさんは,嘔気,腹痛があり食欲がないと訴えた。
看護職に報告するまでの間に,介護福祉職がAさんに説明する内容として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
- インスリン(insulin)の量を増やして,自己注射をする。
- インスリン(insulin)の量を減らして,自己注射をする。
- インスリン(insulin)の自己注射をして,朝食を食べる。
- インスリン(insulin)の自己注射をしないで,朝食を食べる。
- インスリン(insulin)の自己注射をしないで,朝食を食べない。
【 正答:5 】
解説
Aさんは、空腹時血糖値が130 mg/dl、嘔気、腹痛があり、食欲がないと訴えていることから、朝食は食べないで速やかに医療職に連絡する。介護福祉職の判断だけでインスリン注射をさせてはならない。