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〔事 例〕
Kさん(88 歳,男性)は,妻(82 歳)と二人暮らしであった。5年前にアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)と診断された。1年ほど前から,会話がかみ合わなくなった。離れて暮らす一人息子のこともわからなくなり,「会社に行く」と外出して行方不明になることがあった。そのため,自宅での介護が困難で,半年前に認知症対応型共同生活介護(グループホーム)に入居した。入居時は表情が険しく精神的に不安定で徘徊がたびたびみられた。しかし,事業所内で取り組んでいた回想法に参加すると,徘徊はみられなくなってきた。
ある日の午後,「痛い,痛い」と繰り返しながら足を叩いて,床に座り込む様子が見られた。
Kさんが痛みを訴えて床に座り込んだ時点で,介護福祉職がとる対応として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. いつからどのように痛いのか,詳しく質問する。
  2. 全身の状態を観察する。
  3. 嘔気の有無を質問する。
  4. 叩いている部位に湿布を貼る。
  5. ベッド上で安静にしてもらう。

【 正答:2 】

解説

  1. × Kさんは会話がかみ合わない状態であるため、Kさんに痛みについて質問するのは適切な対応ではない。
  2. 〇 Kさんは会話がかみ合わない状態であるため、介護福祉職が全身を観察し、痛みの原因を把握する必要がある。
  3. × 転倒し頭を打つと嘔気の症状が出ることがあるが、Kさんは会話がかみ合わない状態であるため、嘔気の有無を質問することは適切な対応ではない。
  4. × 痛みの原因を確認せずに湿布を貼ることは適切な対応ではない。
  5. × 痛みの原因を把握したうえで、ベッド上で安静にするのかを判断する必要がある。