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〔事 例〕Lさん(25 歳,男性,障害支援区分5)は,大学2年生の時,交通事故が原因で頸髄損傷(cervical cord injury)となった。現在は毎日,居宅介護を利用しながら,母親と生活している。
Lさんは四肢麻痺のため自分で体を動かすことができずに,多くの時間をベッドで過ごしている。リクライニング式車いすに移乗するときは,移乗リフトを使用している。Lさんは,母親の腰痛が悪化していることを知っているので,母親に介助を頼むことを遠慮している。そのため,介護福祉職が来たときに,リクライニング式車いすに乗せてもらっている。Lさんは車いすで座位になると,たびたび起立性低血圧で気分が悪くなる。
日中はマウススティックを使用して,パソコンで友人とメールのやり取りを楽しんでいる。最近はパソコン教室に週1回は通いたいと考えて,「長時間の外出時の移動の介護をお願いしたいがどうしたらよいか」と介護福祉職に相談した。
Lさんの現在の生活状況から,今後,発症する可能性が高いものとして,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. てんかん(epilepsy)
  2. 仮面様顔貌
  3. 構音障害
  4. 安静時振戦
  5. 褥瘡

【 正答:5 】

解説

  1. × てんかんは脳の神経細胞に突然発生する激しい電気的な興奮により繰り返す発作(てんかん発作)である。頸髄損傷では、脳の神経細胞に特段の症状はないため、今後、発症の可能性は低い。
  2. × 仮面様顔貌とは、顔の表情筋も微妙な動きが制限され、瞬きが少なくなり、顔の表情が乏しくなることをいい、パーキンソン病の3大特徴といわれる。
  3. × 構音障害は「正確な構音ができない状態」あるいは「語音をつくる過程の障害」である。四肢麻痺のLさんにはない障害である。
  4. × 安静時振戦とは、安静時に出現する振戦である。本人の意思とは関係なく手が震える。パーキンソン病と関係のある症状である。
  5. 〇 褥瘡とは、自分で体位変換できないLさんのように、体重で長い時間圧迫された皮膚の細胞に十分な酸素や栄養が行き渡らなくなるとできやすい。