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〔事 例〕Lさん(25 歳,男性,障害支援区分5)は,大学2年生の時,交通事故が原因で頸髄損傷(cervical cord injury)となった。現在は毎日,居宅介護を利用しながら,母親と生活している。
Lさんは四肢麻痺のため自分で体を動かすことができずに,多くの時間をベッドで過ごしている。リクライニング式車いすに移乗するときは,移乗リフトを使用している。Lさんは,母親の腰痛が悪化していることを知っているので,母親に介助を頼むことを遠慮している。そのため,介護福祉職が来たときに,リクライニング式車いすに乗せてもらっている。Lさんは車いすで座位になると,たびたび起立性低血圧で気分が悪くなる。
日中はマウススティックを使用して,パソコンで友人とメールのやり取りを楽しんでいる。最近はパソコン教室に週1回は通いたいと考えて,「長時間の外出時の移動の介護をお願いしたいがどうしたらよいか」と介護福祉職に相談した。
介護福祉職は,Lさんがパソコン教室に通うことができるように,相談支援専門員にサービス等利用計画の変更を相談したいと考えている。Lさんが利用できるサービスとして,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 同行援護
  2. 行動援護
  3. 重度訪問介護
  4. 自立訓練事業
  5. 成年後見制度利用支援事業

【 正答:3 】

解説

  1. × 同行援護とは、「視覚障害により、移動に著しい困難を有する障害者等につき、外出時において、当該障害者等に同行し、移動に必要な情報を提供するとともに、移動の援護その他の厚生労働省令で定める便宜を供与すること」とされているため、視覚障害のないLさんは利用できない。
  2. × 行動援護は、知的障害者や精神障害者で行動する際に、強度行動障害(パニックなど)を生じ得る危険のある人が利用するサービスである。
  3. 〇 重度訪問介護とは、重度の肢体不自由者又は、重度の知的障害もしくは精神障害により行動上著しい困難を有する障害者であり、常時介護を要する方を対象に、生活全般にわたる援助並びに外出時における移動中の介護を総合的に行うものである。
  4. × 自立訓練事業は、身体障害を有する障害者を対象に、理学療法、作業療法その他必要なリハビリテーション、生活等に関する相談及び助言その他の必要な支援を行うものであるため、パソコン教室へ通いたいという問題文の趣旨からすると選択肢3.の方が適切であると考えられる。
  5. × 成年後見制度利用支援事業は、経済的理由等で成年後見制度の利用を躊躇することのないように、成年後見制度の利用にかかる費用の全部、または一部を補助する事業である。