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〔事 例〕Mさん(19 歳,男性)は,染色体の異常による疾患で知的障害がある。特別支援学校の卒業後,自立した生活を目指して,両親から離れて,共同生活援助(グループホーム)を利用している。日中は,一定期間(おおむね 24 か月を標準とする)必要な訓練を受けることのできる日中活動のサービスを利用して,生産活動の訓練,職場体験の機会の提供などを受けている。
Mさんは,毎朝,このグループホームから駅まで歩いて,電車で日中活動の場所まで通っている。Mさんは,楽しそうに生き生きと訓練に励んでいる。
Mさんの知的障害の起因疾患として,正しいものを1 つ選びなさい。
  1. 脊髄小脳変性症(spinocerebellar degeneration)
  2. 脳出血(cerebral hemorrhage)
  3. 筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)
  4. ダウン症候群(Down’s syndrome)
  5. 脊柱管狭窄症(spinal stenosis)

【 正答:4 】

解説

  1. × 脊髄小脳変性症は運動に関係した脊髄や小脳の神経が編成する難病である。知的障害の起因疾患ではない。
  2. × 脳出血では、急に頭痛や吐き気・嘔吐、左右片側の麻痺などが現れる。麻痺は次第に進行し、それとともに意識が低下して昏睡に至ることもある。知的障害の起因疾患ではない。
  3. × 筋萎縮性側索硬化症は、筋肉を動かし、かつ運動をつかさどる神経だけが障害を受ける疾病である。脳から「手足を動かせ」という命令が伝わらなくなることにより、手足、のど、舌の筋肉や呼吸に必要な筋肉がだんだんやせて力がなくなっていく病気である。知的障害の起因疾患ではない。
  4. 〇 ダウン症候群は、染色体異常により知的障害を起因する障害である。
  5. × 脊柱管狭窄症は、頸椎、胸椎、腰椎の広範囲にわたり、脊柱管が狭くなり、脊髄神経の障害を引き起こす病気である。頸椎の病変からは、手のしびれ、使いにくさ、下肢のしびれやつっぱり、歩行障害、頻尿などの症状が生じ、胸椎からはこのうち、手以外の部位の症状、腰椎の病変からは、立ち上がったときや歩いた時の下肢の痛みやしびれが生じる。知的障害の起因疾患ではない。