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〔事 例〕Mさん(19 歳,男性)は,染色体の異常による疾患で知的障害がある。特別支援学校の卒業後,自立した生活を目指して,両親から離れて,共同生活援助(グループホーム)を利用している。日中は,一定期間(おおむね 24 か月を標準とする)必要な訓練を受けることのできる日中活動のサービスを利用して,生産活動の訓練,職場体験の機会の提供などを受けている。
Mさんは,毎朝,このグループホームから駅まで歩いて,電車で日中活動の場所まで通っている。Mさんは,楽しそうに生き生きと訓練に励んでいる。
ある朝,介護福祉士であるA世話人がMさんの部屋をのぞくと,グループホームを出る時間を過ぎていたが,まだ寝ていた。「今日は行かないの」と尋ねると,「日中活動がつまらないから行かない」と言いながら,布団をかぶってしまった。
A世話人のMさんへの対応に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 両親に連絡して,日中活動に行くように話してもらう。
  2. 日中活動の楽しさについて話し合う。
  3. 日中活動の重要性について話し合う。
  4. 日中活動がつまらないと思う理由について話し合う。
  5. 気分転換に映画を見に行くことを勧める。

【 正答:4 】

解説

  1. × 特別支援学校の卒業後、自立した生活を目指して両親から離れ、共同生活援助を利用していることを考えると、両親に連絡をして、日中活動に行くように話をしてもらうことは適切ではない。
  2. × Mさんは日中活動として就労移行支援のサービスを利用し、就労を目指している。日中活動の楽しさについて話し合うことは、良い点を確認する作業であり、日中活動に行くことを促すことにはなるが、就労することを希望するならば、いつも楽しいことばかりとは限らないということも理解しなければならない。
  3. × Mさんは、日中活動の重要性については、すでに理解している可能性もある。何より、活動自体がつまらないと思っているため、こと話し合いでは解決にはつながらない。
  4. 〇 Mさん本人が、日中活動がつまらないと思う理由や、どのようなことなら興味を持てるかといったことを一緒に考えることが必要である。
  5. × 就労移行支援事業は、就労を目的とし、契約に基づいて活動を行っているものである。「日中活動がつまらないから行かない」という理由から気分転換に映画を見に行っても問題の解決にはつながらない。