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Fさん(80 歳,男性)は,パーキンソン病(Parkinson disease)である。不安定ではあるが,歩行ができる。振戦があり,長い時間座位を保つことが難しい。
Fさんに対する介護福祉職のリスクマネジメントとして,最も適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 歩行を始めるときは,リズムをとれるように一声かける。
  2. 移動はいつも車いすを使い,ベルトで体を固定する。
  3. お茶は湯飲みにたっぷり注いで出す。
  4. 浴槽につかっている間は,浴室から離れる。
  5. いすから立ち上がるときは,顎を前に出して,体幹を伸展させる。

【 正答:1 】

解説

  1. 〇 パーキンソン病では、動作のはじめや途中で手足がすくんでしまうすくみ現象がみられ、歩行時に転倒するリスクがある。そのため、歩行を始めるときはリズムをとれるように一声かけ、すくみ足を軽減することでスムーズな一歩が踏み出せるようになる。
  2. × 不安定ながら歩行ができることから、いつも車いすを使うのではなく、必要に応じて杖や歩行器などの歩行補助具を使用する。これによって、歩行時の転倒予防につながる。
  3. × パーキンソン病では、1秒間に4~6回程度のリズムで触れ動く手や指の震えがみられる。お茶を湯のみにたっぷり注いで出すことは、飲むときにこぼしてしまう原因となり、熱いお茶であれば火傷をするリスクがある。
  4. × 長い時間座位を保つことが難しいため、浴槽に使っている間にバランスを崩す可能性がある。パーキンソン病では、姿勢を立て直す反射が障害(姿勢反射障害)されるため、浴槽内で溺れ、最悪の場合は溺死するリスクがある。
  5. × 通常、椅子から立ち上がる時は、顎を引いて体幹を屈曲(前屈)しなければならない。顎を前に出して体幹を伸展させることは、立ち上がりが行いにくいだけではなく、動作中にバランスを崩して転倒するリスクがある。