〔事 例〕
Jさん(78 歳,女性)は,軽度の認知症(dementia)がある。K訪問介護員(ホームヘルパー)が訪問した時,Jさんは,K訪問介護員(ホームヘルパー)が前日に準備した夕食を食べていなかった。
Jさんは,不安そうな表情で昨日から食卓にある料理を指さして,「これは私が食べていいの?」「これは誰のもの?」と,K訪問介護員(ホームヘルパー)に尋ねてきた。冷蔵庫の中のお茶を飲んでいただけで,他には何も食べていない様子だった。
食卓にある料理はJさんのものだと説明した後,Jさんに対するK訪問介護員(ホームヘルパー)の声かけとして,最も適切なものを1 つ選びなさい。
- 「なぜ食べなかったのですか」
- 「食べなければだめですよ」
- 「無理してでも食べてください」
- 「一緒に作って食べましょう」
- 「1日に3食は食べましょう」
【 正答:4 】
解説
- × 食べない理由を追及するよりも、Jさんが安心して食事ができるような声かけを行っていく。
- × K訪問介護員が意識していなくても、「だめ」という言葉を聞いたJさんが「否定された」「怒られた」と感じてしまう可能性がある。
- × 無理やり食べさせるような声かけはしないようにする。
- 〇 Jさんを安心させるような声かけである。
- × 食事の食べ方を指導するのではなく、Jさんが安心して食事ができるような働きかけを行っていく。