Bさん(60 歳,男性)は,先天的に耳が聞こえないろう者である。ろう学校入学以後,同じ障害のある仲間とのコミュニケーションが心の支えになってきた。数年前に緑内障(glaucoma)を発症して視覚障害が残り,両眼とも外界の明暗が分かる程度の視力となった。
Bさんと円滑なコミュニケーションをとるときの手段として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
- 触手話
- 筆談
- 点字
- 透明文字盤
- 携帯用会話補助装置
【 正答:1 】
解説
- 〇 触手話とは、視覚と聴覚のどちらにも障害のある人が用いるコミュニケーション手段である。話し手は手話を使い、聞き手は話し手の手に触れる事でコミュニケーションをとっていく。
- × Bさんの視力は「外界の明暗がわかる程度の視力」なので、文字の識別は困難であると考えられる。
- × 以前は視力に問題のなかったBさんが点字を習得しているとは考えにくい。今後新たに点字を習得することは相当な負担を強いることになる。
- × 透明文字盤は、発声が困難な人が、透明なアクリル板などに印刷された文字を目で追いながら意思を伝達するためのコミュニケーションツールであり、Bさんの現在の視力では、キーボードの文字を識別するのは難しいと考えられる。
- × 携帯用会話補助装置はキーボードなどから文字を入力していく必要があり、Bさんの現在の視力では、キーボードの文字を識別するのは難しいと考えられる。