次の事例を読んで答えなさい。〔事 例〕
Bさん(72歳、女性)は1か月前に脳出血(cerebral hemorrhage)で倒れて、不全麻痺は残ったが、自力でベッドから車いすに移乗できるまでに回復した。食事や排泄はベッドから離れて行えるようになり、在宅で生活することになった。Bさんは長女と同居しているが、長女は働いていて日中不在なので、介護保険の訪問介護(ホームヘルプサービス) を利用することになった。
Bさんは日中はベッド上での生活が主体である。車いすの左側のブレーキをかけ忘れることや、左側の物に気づかずに衝突してしまうことがある。また、食事の時にお膳の左側の食べ残しが目立ち、屋内の生活にも何らかの介助が必要である。
Bさんの症状として、正しいものを1つ選びなさい。
- 全般性注意障害
- 失行
- 見当識障害
- 実行機能障害
- 左半側空間無視
【 正答:5
】
解説
- × 全般性注意障害は、集中困難・注意散漫や、注意の持続・継続が困難な状態である。Bさんは左側の一方向に限定して出現していることから、適切ではない。
- × 失行とは、身体機能上は可能なはずの動作ができないことをいう。
- × 見当識障害とは、以前に得た知識が認知できなくなり、時間や空間・場所・人などを把握することができないことをいう。
- × 実行機能障害とは、計画を立て、段取りや手順に従って行動することができないことをいう。
- 〇 左半側空間無視は、本人から見て左側が見えているにもかかわらず認知できない障害であり、Bさんの症状として、適切である。