エラーを防ぐため、ブラウザの戻る機能ではなく、『問題へ戻る』ボタンで戻ってください。
次の事例を読んで答えなさい。
〔事 例〕
Cさん(87歳、女性)は、「財布がなくなった、誰かに盗られた」と訴えるようになった。 夫が盗られていないことを説明しても受け入れなかった。心配した夫に連れられて受診すると、アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer's type)と診断された。その後、認知症(dementia) の進行に伴って夫の介護負担が増えたので、通所介護(デイサー ビス)を利用することになった。
ある日、介護福祉職が入浴介助をしている時、Cさんの体に複数のあざを見つけたため、 介護支援専門員(ケアマネジャー)に報告した。介護支援専門員(ケアマネジャー)から連絡を受けた地域包括支援センターの職員がCさんと夫に確認したところ、夫による暴力が原因であることがわかった。夫の介護負担が軽くなるように、短期入所生活介護(ショー トステイ)の利用を勧めたが、夫は拒否した。その後も、虐待は改善されなかった。そこで、市町村のやむを得ない事由による措置により施設に入所することになった。
入所後まもなく、夜間に施設内を歩き回るCさんの様子が見られた。介護福祉職が声をかけると、「トイレの場所がわからない」と話した。日中はトイレで排泄を行い、下着を汚すことはなかった。
Cさんに対する夜間の排泄の支援として、最も適切なものを1つ選びなさい。
  1. 定時にトイレ誘導を行う。
  2. トイレの入口を明るくする。
  3. 水分を控えるように話をする。
  4. 紙おむつの使用を勧める。
  5. ポータブルトイレを居室に置く。

【 正答:2 】

解説

  1. × 夜間に定時でCさんを起こしてトイレ誘導を行うことは睡眠障害や日中の活動への影響も考えられることから適切ではない。
  2. 〇 入所後まもない時期であることと、夜間であることから、トイレがどこにあるのかがわからなかったと考えられる。日中はトイレで正常に排泄動作が行えていることから、 トイレの入口を明るくして、トイレの場所がわかるようにすることでCさんの排泄を自立した状態に保てる。
  3. × 水分を控えることで脱水症状の危険性が高まり、適切ではない。
  4. × 紙おむつの使用は、Cさんの自尊心等への配慮の視点から適切ではない。
  5. × Cさんが日中はトイレで排泄を行い下着も汚していないことを考えれば、排泄に必要な身体機能は維持できているため、ポータブルトイレの設置は最も適切な支援とはいえない。