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次の事例を読んで答えなさい。
〔事 例〕
N市に住んでいるDさん(64歳、男性)は38歳の時にバイクで事故を起こして、第6頸髄節まで機能残存の頸髄損傷(cervical cord injury)となった。上肢の筋力向上と可動域の確保のためにリハビリテーションを行ったが、手関節は拘縮して、スプーンを握ることはできなかった。また、夏になると障害の特性から体調が悪くなることを自覚していた。 施設への入所も考えたが、家族と共に暮らすことを選んで、N市の居宅介護、重度訪問介護、地域生活支援事業の移動支援等の障害福祉のサービスを利用して生活していた。
最近、Dさんは元気がなく沈んだ様子である。心配したE介護福祉職が、「最近、元気がないようですが、何か心配事でもあるのですか」とDさんに聞いた。Dさんは、[65歳になると介護保険のサービスに移行して、障害福祉のサービスが利用できなくなるのではないか」、特に、「趣味の映画を映画館で見るための移動支援のサービスを利用できなくなるのではないか」 と心配していた。
Dさんの夏の体調悪化を予防する対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
  1. 冷房設備のある部屋で過ごすように勧める。
  2. 清潔な空気を入れるように、時々換気することを勧める。
  3. 気温が上昇したら、なるべくベッドで休息することを勧める。
  4. 日中仮眠をとることを勧める。
  5. 食べやすいものを食べることを勧める。

【 正答:1 】

解説

  1. 〇 頸髄損傷となった人の症状の1つに、発汗障害がある。そのため、室温の調節をすることが重要であり、夏の体調悪化を予防するために冷房設備のある部屋で過ごすことは効果的である。
  2. × 換気は夏の体調悪化を予防するということに特化した支援ではなく、年間を通して必要となる支援であるため、最も適切であるとはいえない。
  3. × 発汗障害に対して、ベッドで休息するというだけでは適切な支援とはいえない。
  4. × 日中仮眠をとることによって、夜間の睡眠の質に影響を及ぼす可能性もある。
  5. × 頸髄損傷となった人の症状の1つに、排便・排尿障害がある。単に食べやすいものを食べることを勧めるだけでは、結果として排便や排尿に悪影響を及ぼす可能性もあるため、適切ではない。