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32 Aさん(97歳、女性)は、介護老人福祉施設に入所している。最近、衰弱が進んで水も飲めなくなり、「もう、逝ってもいいんだけどね」 とつぶやくことが増えた。 ある日、夜勤の介護福祉職がAさんの様子を確認しようとベッドに近づくと、Aさんが目を開けて、「お迎えはまだかしらね」と穏やかな顔で言った。
Aさんの発言に対する介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
  1. 何も考えずに早く寝た方がいいと就寝を促す。
  2. Aさんの手を握り、ゆっくりさする。
  3. そのような言葉を言ってはいけないと伝える。
  4. 明日、家族に連絡して来てもらうことを伝える。
  5. いつものことだと思って、声をかけずにそのまま部屋を出る。

【 正答:2 】

解説

  1. × Aさんは、介護福祉職に自身の気持ちを聞いてもらいたいという思いがあって発言したと考えられる。就寝を促すような対応は、Aさんの気持ちを無視した行為である。
  2. 〇 死期が迫っていることはAさん自身が感じ取っていると思われ、死に対する不安から、 不安定な状態に陥りやすい。そのような場合、言語によるかかわりだけでなく、手を握り、ゆっくりさするなどのスキンシップを用い、寄り添う対応をとることで不安の軽減につながる。
  3. × 死期が迫っていることを感じている人が沈黙せず、訴えかけるということは、話を聞いてもらいたい、受け止めてもらいたいという心情を表していると考えられる。そのような場合は、発言を否定するのではなく、受容・共感の姿勢をもって傾聴することが求められる。
  4. × 問題文からAさんが、家族に会いたいと希望しているかどうかが判断できない。
  5. × 選択肢1と同様