次の事例を読んで,答えなさい。〔事例〕
Gさん(84歳,女性)は,8年前に経済的な理由から養護老人ホームに入所した。
Gさんは,「自分のことは,自分でやりたい」といつも話しており,毎朝の体操が日課であった。施設のプログラムである健康体操にも他の利用者と楽しみながら毎週参加していた。
しかし,最近は,足がすくんだようになり,始めの一歩をうまく出せず,歩行に不安を抱えるようになった。
Gさんは,物忘れなどの症状が以前からみられていたこと,また他の症状もみられるようになったことから,医師の診察を受けたところ,レビー小体型認知症(dementiawithLewybodies)と診断された。
Gさんは,居室の前にあるトイレに行くとき,転倒してけがをするのではないかと不安になっている。Gさんが入所している施設は,N県から介護保険サービス事業者の指定を受けている。この施設で生活を続けたいというGさんの意向を受けて,本人を交えて施設職員と介護支援専門員(ケアマネジャー)が支援の内容を検討した。
Gさんの意向を踏まえた介護保険サービスとして,正しいものを1つ選びなさい。
- 看護小規模多機能型居宅介護
- 小規模多機能型居宅介護
- 短期入所療養介護
- 特定施設入居者生活介護
- 認知症対応型共同生活介護
【 正答:4 】
解説
- 看護小規模多機能型居宅介護とは、がん末期患者の看取りを含む在宅生活の継続や退院直後の在宅生活へのスムーズな移行などのニーズに対応するサービスである。
- 小規模多機能型居宅介護は、在宅生活をしている利用者に対して、通いを中心に、訪問や泊まりを組み合わせた多機能なサービスを提供している。
- 短期入所療養介護は、介護老人保健施設などに短期間入所し、看護、医学的な管理のもとで生活の支援を行うサービスである。
- 適切である。特定施設入居者生活介護とは、特定施設に入居している要介護者に対して、生活上の支援を行うサービスである。この施設で生活を続けたいというGさんの意向を踏まえたサービスである。
- 認知症対応型共同生活介護とは、居住系サービスとして位置づけられるサービスであり、認知症で介護を必要とする利用者に対して、家庭的な環境と地域との交流のもとで生活上の支援をするものである。