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〔事例〕
Jさん(女性)は,介護福祉士養成施設の学生である。Jさんは,希望していた障害児入所施設で実習をすることになった。この実習では,障害特性を理解して,介護実践の在り方を学ぶだけではなく,個別支援計画(介護計画)作成と実施,評価までの介護過程の展開を学ぶことになっていた。
Jさんは,対象となる利用者としてK君(15歳,男性)を担当することになった。K君は重度の脳性麻痺(cerebralpalsy)がある。K君が2歳の時に両親は離婚して,母親が一人でK君を育てていた。母子の生活は困窮していた。K君が9歳の時に,母親はK君を施設に入所させることを希望し,この施設に入所することになった。現在K君は,言語による意思の疎通は困難であり,座位が保持できる程度である。また,てんかん(epilepsy)の発作(強直間代発作)が時々みられるが,重積発作ではない。
Jさんは個別支援計画作成にあたって,昼食後にK君と向き合う時間を多くとった。ある日,K君に話しかけていると,突然両上下肢を硬直させ,がたがた震わせた後,意識を失ってしまった。慌てたJさんはすぐに,近くの職員に連絡をした。
K君の発作が落ち着いた後,実習指導者がJさんに,K君の発作時の対応について教える内容として,最も適切なものを1つ選びなさい。
  1. 大声で名前を呼ぶ。
  2. タオルを口にくわえさせる。
  3. 顔を横にして顎を上げる。
  4. 救急車を呼ぶ。
  5. からだを押さえて発作を止める。

【 正答:3 】

解説

  1. K君はてんかんの発作を起こしたと考えられる。大声で名前を呼んでも発作が収まることはない。てんかんの発作が起きた時には安静に寝かせることが重要である。
  2. 口を無理に開けてタオルをくわえさせると、口の中を傷つけたり、歯を折ってしまったり、窒息や嘔吐を誘発するなど逆効果となる。
  3. 適切である。気道を確保するとともに、身体を横に向け舌を噛む、嘔吐物での窒息を防ぎ、呼吸が元に戻るのを待つ。
  4. てんかん発作の痙攣の多くは5分以内に収まり、その後意識も回復してくる。5分経っても痙攣が収まらない場合などに、救急車を呼ぶようにする。
  5. てんかん発作が起きた時には安静に寝かせることが重要であり、からだを押さえる行為は適切ではない。