次の事例を読んで,答えなさい。〔事例〕
Kさん(75歳,女性)は,小学校教諭を定年退職した後,しばらく趣味やボランティア活動を楽しんでいたが,認知症(dementia)を発症し,介護老人福祉施設に入所した。見当識障害や記憶力低下がみられた。入所後,初めて息子夫婦が面会に来た。Kさんは息子に向かって,「ここで,国語を教えているの」と嬉しそうに語った。息子夫婦は面会を終えて,介護福祉職のところに相談したいとやって来た。困惑したような表情の息子から,「母が,学校で教えていると言った時,どうしたらよいでしょうか」と質問があった。
Kさんの病状は進み,自分から話すことはほとんどなくなり,こちらの問いかけにも応えたり応えなかったり,という状況になった。 このようなKさんとコミュニケーションをとる方法として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 沈黙を守る。
- 表情を一定に保つ。
- 開かれた質問を使う。
- ボディタッチを増やす。
- コミュニケーションノートを使う。
【 正答:4 】
解説
- 沈黙を守ることは現状では。適切ではない。
- 表情を一定に保つと、介護福祉職の感情が伝わらないため、適切ではない。
- 自分から話すことがほとんどなくなっているKさんに、自由に答える質問である開かれた質問は適切ではない。
- 適切である。優しく触れることで、共感やいたわりの気持ちを伝えることができる。
- 認知症が進み、認知能力が低下しているKさんとコミュニケーションをとる方法としては適切ではない。