Lさん(30歳,女性)は,パートタイムで仕事をしながら,自宅で母の介護をしてきた。ある日,母の訪問介護(ホームヘルプサービス)で訪れたM訪問介護員(ホームヘルパー)に対して,Lさんは,「寝ている間に頭の中に機械が埋め込まれて,行動を監視されている」と興奮気味に訴えた。
このときのM訪問介護員(ホームヘルパー)の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- それは現実のことではないと説明する。
- 気にしなくてもよいと話をそらす。
- Lさんの訴えを肯定も否定もせずに聞く。
- 監視されているのは間違いないと肯定する。
- Lさんの感情に合わせて興奮気味に接する。
【 正答:3 】
解説
Lさんは、統合失調症の症状である妄想と考えられる。
妄想とみられる症状に対して、否定しても本人は認めないことが多く、訂正することは困難である。また、否定することでかえって刺激し、不安をあおりかねない。反対に肯定した場合、その妄想をさらに強くしてしまう恐れがある。
一般的な妄想に対する対応としては、肯定も否定もせず、中立的な態度で関わることが大切である。