エラーを防ぐため、ブラウザの戻る機能ではなく、『問題へ戻る』ボタンで戻ってください。
次の事例を読んで,答えなさい。
〔事例〕
Jさん(71歳,男性)は20歳から造園業を営んでいた。2か月前に脚立から転落して,右大腿骨頸部骨折(femoralneckfracture)で入院した。骨折部位は順調に回復し,下肢機能訓練により伺歩行も可能であると診断されている。しかし,訓練への参加は消極的であり,入院中は車いすで過ごしていた。退院後は自宅で過ごしたいという希望から,下肢筋力に対する機能訓練で5日前に介護老人保健施設に入所した。
入所後のJさんは,日中のほとんどをベッド上でテレビを見て過ごしている。泄排に関する移乗を依頼する以外に職員に話しかけることはなく,食事をしていても他者との会話はみられない。Jさんの表情が穏やかなときに歩行訓練に参加を促すが,「ああ,うん…」と言うだけで訓練に参加していない。
面会に来た妻によると,Jさんは,「施設で訓練しても歩けるようになるはずはない」と話していたということだった。また,妻は,「仕事が大好きで,仕事ができないことに相当落ち込んでいるようだ」と話した。
在宅復帰を目指すJさんに対する短期目標を,「外出することができる(1週間)」とした。短期目標に基づく支援内容として,最も適切なものを1つ選びなさい。
  1. 車いすで20~30分過ごしてもらう。
  2. 歩行器の使用を促す。
  3. 下肢を1日1回外転する。
  4. トイレへの移乗訓練を行う。
  5. 骨折部位の回復を確認する。

【 正答:1 】

解説

  1. 適切である。Jさんは、順調に回復しており、下肢機能訓練により杖歩行も可能であると診断されているが、訓練への参加が消極的であり、日中のほとんどをベッド上で過ごしている。まずは、車いすで20分~30分過ごしてもらい、段階的に取り組むことが必要である。
  2. 1.の解説と同じ。いきなり歩行器の使用を促すのではなく、段階的に取り組むことが必要である。
  3. 「外出することができる」という目標に対して、下肢を1日1回外転することは適切ではない。
  4. 「外出することができる」という目標に付随することとして外出先での排泄なども考慮する必要はあるが、最も適切なことではない。
  5. 骨折部位の回復を確認するのではなく、下肢筋力の状況を確認する必要がある。