〔事例〕
Dさん(59歳、女性)は30年前に関節リウマチ(rheumatoidarthritis)を発症して、現在、障害者支援施設に入所している。
Dさんは、朝は手の動きが悪く痛みがあるが、午後、痛みが少ないときは関節を動かす運動を行っている。足の痛みで歩くのが難しく車いすを使用しているが、最近は手の痛みが強くなり、自分で操作することが難しい。また、食欲がなく、この1か月間で体重が2kg減っている。夜中に目が覚めてしまうこともある。
Dさんは、「ここ数日、朝だけでなく1日中、何もしないのに手足の痛みが強くなってきた」と訴えている。日常生活で、Dさんが当面留意すべきこととして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 前あきの衣類より、かぶりの衣類を選ぶ。
- ベッドのマットレスは、柔らかいものを使用する。
- 関節を動かす運動を控える。
- できるだけ低いいすを使う。
- 頸部が屈曲位になるように、高めの枕を使用する。
【 正答:3 】
解説
- かぶりの衣類は、多くの関節を使用するため、 負担が大きくなる。前あきの衣類のほうが関節の使用が最小限となり負担が少なくなるため適している。
- ベッドのマツトレスが柔らかすぎると関節を支持できないため、からだが沈み込まない硬めのものが望ましい。
- 適切である
- 低いいすを使用すると大きな動作が必要となり、関節に負担がかかり、立位や座位などの動作に影響が出る。
- 関節リウマチは、頚部が屈曲するような姿勢は負担となるため、高めの枕の使用は避けるようにする。標準の枕よりも低めのものが望ましいとされている。