〔事例〕
Jさん(20歳、男性)は、中度の知的障害を伴う自閉症(autism)があり、2か月前から就労継続支援B型事業所を利用している。Jさんは、日常生活に関することは自分の感情を伝えることができるが、他者の感情を読み取ることや抽象的な言葉の理解は苦手である。また、社会的な善悪に照らして自分の言動を判断することが難しい。
ある日、事業所で作業中にJさんが興奮して他の利用者を叩いた。介護福祉職は二人を引き離し、Jさんを個室に連れて行って対応した。
作業終了後、同居している家族にJさんの出来事を伝えた。家族はJさんに、「どうしてそんなことをするの。いつもだめなことばかりして」とイライラした口調で叱った。
Jさんを個室に連れて行ったときの、介護福祉職のJさんに対する最初の言葉かけとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 「人を叩くのは許されません」
- 「相手の気持ちを想像しましょう」
- 「自分のしたことを反省しましょう」
- 「ここで話をしましょう」
- 「なぜ叩いてしまったのですか」
【 正答:4 】
解説
自閉症のある人は、急な変化に適応することが苦手である。個室に連れて行かれたJさんが不安になってしまわないように、これから何をするのかを伝えることが大切である。