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第1問
記憶と学習に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
  1. 短期記憶とは、数日保持される記憶である。
  2. 記銘とは、情報を覚えることである。
  3. 意味記憶とは、自分に起こった出来事の記憶である。
  4. 道具的条件づけの代表例に「パブロフの犬」がある。
  5. 観察学習とは、自分の行動を反省することによる学習である。
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問題

答え

【  】

解説

問題

1960年代後半からアメリカで展開した自立生活運動に関する次の記述のうち、 適切なものを1つ選びなさい。

  1. 障害者自身の選択による自己決定の尊重を主張している。
  2. 障害者の自立生活は、施設や病院で実現されるとしている。
  3. 「ゆりかごから墓場まで」の実現に向けた制度設計を目指している。
  4. 障害者が機能回復を図ることを「自立」としている。
  5. 介護者を生活の主体者として捉えている。
答え

【 1,  】

解説

  1. 〇 選択肢の通り
  2. × 自立生活とは、どこに住むか、いかに住むか、自分で生活をまかなえるかを選択する自由をいう。それは自らが選ぶ近隣のコミュニティの中で生活することである。
  3. × 「ゆりかごから墓場まで」といわれる包括的な社会保障を確立したのはイギリスである。
  4. × 自立とは身体的な側面だけではなく、社会的、経済的および精神的な側面もある。
  5. × 生活の主体者は障害者自身である。

問題

Aさん(65歳、男性、要介護2)は、昨年、アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer's type)と診断された。妻は既に亡くなり、娘のBさん(35歳)は遠方に嫁いでいる。Aさんは、現在、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)で生活している。Aさんは介護福祉職に対して、「Bは頭もいいし、かわいいし、きっと妻に似たんだな」とよく話していた。
Bさんが面会に来た時、「誰だい。ご親切にありがとうございます」というAさんの声と、「私はあなたの娘のBよ、忘れちゃったの」「お父さん、しっかりしてよ」と怒鳴る Bさんの声が部屋から聞こえた。
介護福祉職がAさんへのアドボカシー(advocacy) の視点からBさんに行う対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. Aさんへの行動は間違っていると話す。
  2. Bさんに対するAさんの思いを話す。
  3. Aさんの成年後見制度の利用を勧める。
  4. Aさんとはしばらく面会しないように話す。
  5. Bさんの思いをAさんに伝えると話す。
答え

【 2,  】

解説

アボカドシーとは、自己の権利を表明することが困難な寝たきりの高齢者や、痴呆症の高齢者、障害者の代わりに、代理人が権利を代弁することをいいます。

  1. × Aさんは介護福祉職に対して、「Bは頭もいいし、かわいいし、きっと妻に似たんだな」とよく話していたとある。介護福祉職がふだんのAさんの思いを代弁しながら、アルツハイマー型認知症の症状の特徴や必要とされる対応についてアドバイスしていくことが求められる。
  2. 〇 Bさんに対するAさんの思いを話すことは、自らの思いを表明できないAさんを代弁する対応といえる。
  3. × 成年後見制度とは、認知症や知的障害、精神障害などにより、判断能力が十分でない人の生活と財産を守るために、家庭裁判所により成年後見人等を選任し、法律的に支援する制度である。Aさんの判断能力の程度は、事例からは読み取れず、また、Aさんと Bさんが成年後見制度の利用を希望しているかも不明である。安易に利用を勧めるのではなく、Aさんの希望や家庭状況などを踏まえながら情報提供していくとよい。
  4. × 面会を制限するのではなく、双方の心情を汲みながら介護福祉職が適切に対応すべきである。
  5. × Bさんの思いをAさんに伝えると話すことは、介護福祉職がAさんへのアドボカシーの視点からBさんに行う対応とはいえない。

問題

利用者との関係を構築するためのコミュニケーションの基本として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 聞き手に徹する。
  2. 声の高低や抑揚を一定に保つ。
  3. 身振りや手振りは最小限にする。
  4. 介護福祉職の主観を基準にする。
  5. 利用者の生活史を尊重する。
答え

【 5,  】

解説

  1. × ただ聞き手に徹するのではなく、傾聴することが大切である。傾聴とは、相手の話に耳を傾け、表情や態度を良く観察し、親身になって話を聴くと言う事であり、傾聴で大切なのは、共感・受容・支持である。
  2. × 声の高低や抑揚を一定に保つばかりでは一本調子になってしまい、利用者の知ってもらいたい、わかってもらいたいという気持ちには十分応えきれない。相手の気持ちに沿えるよう、適切に感情表出することが必要である。
  3. × 身振りや手振りは、介護福祉職が意図を正確に伝達したりするうえで必要となる。
  4. × 介護福祉職の主観を基準にしてしまうと、先入観や思い込みが生じてしまい、利用者が有する真のニーズがみえなくなる。
  5. 〇 選択肢の通り

問題

0さん(87歳、女性)は、介護老人保健施設に入所している。
最近、Cさんがレクリエーション活動を休むことが多くなったので、担当のD介護福祉職はCさんに話を聞いた。Cさんは、「参加したい気持ちはあるので、次回は参加します」と言いながらも、浮かない表情をしていた。D介護福祉職は、「自分の気持ちを我慢しなくてもいいですよ」 とCさんに言った。
この時のD介護福祉職の言葉かけに該当するバイステック(Biestek, F.)の7原則の内容として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 秘密保持
  2. 自己決定
  3. 非審判的態度
  4. 意図的な感情表出
  5. 個別化
答え

【 4,  】

解説

「参加したい気持ちはあるので、次回は参加します」と言いながらも、浮かない表情をしていたというCさんに、D介護福祉職は、「自分の気持ちを我慢しなくてもいいですよ」とCさんに伝えている。この言葉かけは、「意図的な感情表出」の原則に基づいており、利用者が自らの感情を自由に表現できるように促している。

問題

「2016年(平成28年)国民生活基礎調査」(厚生労働省)による世帯状況に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

  1. 「夫婦と未婚の子のみの世帯」、「単独世帯」、「夫婦のみの世帯」のうち、最も多い世帯構造は「夫婦のみの世帯」である。
  2. 「高齢者世帯」は全世帯の30%を上回っている。
  3. 世帯類型別にみると、「母子世帯」の割合は、5%を上回っている。
  4. 65歳以上の「単独世帯」では、男性よりも女性が多い。
  5. 65歳以上の男性の「単独世帯」における年齢構成では、男性は75~79歳が最も多い。
答え

【 4,  】

解説

  1. × 最も多い世帯構造は、「夫婦と未婚の子のみの世帯」である。
  2. × 「高齢者世帯」は全世帯の26. 6%である。
  3. × 世帯類型における「母子世帯」の割合は、1.4%である。
  4. 〇 選択肢の通り
  5. × 男性は、「65~69歳」が最も多い。

問題

現在の日本の雇用に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

  1. 終身雇用型の正規雇用はなくなった。
  2. 正規雇用も非正規雇用も、雇用保険の加入率に差はない。
  3. 65歳以上の者の就業率は2011年(平成23年)以降減少している。
  4. 非正規雇用の割合は、全雇用者数の3分の1を上回っている。
  5. パート・アルバイトの割合は、非正規雇用労働者数の30%を下回っている。
答え

【 4,  】

解説

  1. × 終身雇用型の正規雇用はまだ存在している。
  2. × 正規雇用に比べて非正規雇用の加入率は、大きく下回っている。
  3. × 65歳以上の者の就業率は、2011(平成23)年以降増加している。
  4. 〇 選択肢の通り
  5. × パート・アルバイトの割合は、30%を上回っている。

問題

地域包括ケアシステムを支える互助の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 所得保障を中心としたナショナルミニマム(national minimum)の確保
  2. 地域福祉向上のための住民の支え合い
  3. 市場サービスの購入
  4. 介護保険制度における介護サービスの利用
  5. 「高齢者虐待防止法」に基づく虐待への対応
答え

【 2,  】

解説

「自助・互助・共助・公助」からみた地域包括ケアシステム

【費用負担による区分】
「公助」は税による公の負担、「共助」は介護保険などリスクを共有する仲間(被保険者)の負担であり、「自助」に は「自分のことを自分でする」ことに加え、市場サービスの購入も含まれる。 これに対し、「互助」は相互に支え合っているという意味で「共助」と共通点があるが、費用負担が制度的に裏付けられていない自発的なもの。

  1. × 所得保障を中心としたナショナルミニマムの確保は、税による公の負担で生活保障を行う公助である。
  2. 〇 適切である。
  3. × 市場サービスの購入は、自助である。
  4. × 介護保険制度における介護サービスの利用は、共助である。
  5. × 「高齢者虐待防止法」に基づく虐待への対応は、公助である。

問題

日本国憲法第25条で定められている権利として、正しいものを1つ選びなさい。

  1. 幸福追求権
  2. 新しい人権
  3. 思想の自由
  4. 財産権
  5. 生存権
答え

【 5,  】

解説

日本国憲法 第25条
すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

問題

Eさん(64歳、男性)は、4年前に企業を定年退職して無職であり、専業主婦の妻と二人で年金生活をしている。他の家族の医療保険の被扶養者ではない。ある日、 Eさんは、自宅の庭掃除をしている時に転倒して、大腿骨を骨折(fracture) した。そのため病院で手術をすることになった。
次の制度のうち、医療費の支払いに適用できるものとして、正しいものを1つ選びなさい。

  1. 国民健康保険
  2. 介護保険
  3. 労働者災害補償保険
  4. 健康保険
  5. 後期高齢者医療
答え

【 1,  】

解説

  1. 〇 自営業者や無職の人などが利用する。
  2. × 介護保険の保険給付に医療費の支払いは含まれていない。
  3. × 労働者災害補償保険は、労働者を使用する事業に適用される。Eさんは無職であるため、労働者災害補償保険は該当しない。
  4. × 健康保険の被保険者は、事業所に使用される者であり、その被扶養者に対しても保険給付が行われる。無職であり、他の家族の医療保険の被扶養者でもないため、Eさんは該当しない
  5. × 後期高齢者医療の被保険者は、75歳以上の者および65歳以上75歳未満で一定の障害状態にあり後期高齢者医療広域連合の認定を受けた者である。Eさんは64歳であるため該当しない。

問題

介護保険法第1条に規定されている内容に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

  1. 高齢社会対策の基本理念や基本となる事項を定める。
  2. 福祉サービス利用者の利益の保護及び地域福祉の推進を図る。
  3. 介護が必要となった者等が尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営めるよう、保険給付を行う。
  4. 疾病、負傷若しくは死亡又は出産に関して保険給付を行う。
  5. 老人の福祉に関する原理を明らかにし、老人に対し、心身の健康の保持及び生活の安定のために必要な措置を講じる。
答え

【 3,  】

解説

介護保険法第1条
この法律は、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等により要介護状態となり、入浴、排せつ、食事等の介護、機能訓練並びに看護及び療養上の管理その他の医療を要する者等について、これらの者がその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行うため、国民の共同連帯の理念に基づき介護保険制度を設け、その行う保険給付等に関して必要な事項を定め、もって国民の保健医療の向上及び福祉の増進を図ることを目的とする。

問題

介護保険制度における地域ケア会議の目的として、適切なものを1つ選びなさい。

  1. 居宅サービス計画の作成
  2. 事業所の事業運営の推進
  3. 市町村介護保険事業計画の策定
  4. 個別ケースの課題分析等を行うことによる地域課題の把握
  5. 介護認定の審査判定
答え

【 4,  】

解説

  1. × 居宅サービス計画の作成を目的としているのは、サービス担当者会議である。
  2. × 事業所の事業運営の推進を目的としているのは、運営推進会議である。
  3. × 市町村介護保険事業計画の策定は、市町村が行う。
  4. 〇 適切である。
  5. × 介護認定の審査判定を目的としているのは、市町村の介護認定審査会である。

問題

「障害者差別解消法」に基づく対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 車いすを使用している障害のある人がバスに乗車する時に、介助を依頼された乗務員が身体障害者手帳の提示を求めて、乗車を許可した。
  2. 聴覚に障害のある人が市の窓口に来た時に、窓口担当者が手話通訳者と一緒に来るように伝えた。
  3. 視覚に障害のある人がレストランに一人で入った時に、店員が介助者と一緒に来るように求めた。
  4. 知的障害のある人が市役所の会議に出席した時に、本人の申出に応じて、わかりやすい言葉で書いた資料を、主催者が用意した。
  5. 精神障害のある人がアパートの賃貸契約をする時に、不動産業者が医師の診断書の提出を求めた。
答え

【 4,  】

解説

  1. × 乗車の際に身体障害者手帳の提示を求めることは、不当な差別的取り扱いとなる。
  2. × 手話通訳者と一緒に来るように伝えることは、不当な差別的取り扱いとなる。
  3. × レストランへの入店に際して、介助者と一緒に来るように求めることは、不当な差別的取り扱いとなる。
  4. 〇 わかりやすい言葉で書いた資料を用意することは、合理的配慮にあたる。
  5. × 宅建業者が、賃貸物件への入居を希望する障害者に対して精神障害等があることを理由に、賃貸人や家賃債務保証会社への交渉等、必要な調整を行うことなく仲介を断ってはならないとされており、医師の診断書を求めることは、不当な差別的取り扱いであると考えられる。

問題

「障害者総合支援法」における補装具として、正しいものを1つ選びなさい。

  1. 車いす
  2. 手すり
  3. スロープ
  4. 床ずれ防止用具
  5. 簡易浴槽
答え

【 1,  】

解説

補装具とは、「障害者等の身体機能を補完し、又は代替し、かつ、長期間に渡り継続して使用されるものその他の厚生労働省令で定める基準に該当するものとして、義肢、装具、車いすその他の厚生労働大臣が定めるもの」(障害者自立支援法第5条第19項)とある。

問題

特定健康診査に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

  1. 胸囲の検査が含まれる。
  2. 生活習慣病(life-style related disease)の検査が含まれる。
  3. がん検診が含まれる。
  4. 受診の後で、希望者には特定保健指導が行われる。
  5. 対象は75歳以上の者である。
答え

【 2,  】

解説

  1. × 胸囲は測定しない。身体測定の項目には、身長、体重、腹囲があり、肥満度の指標であるBMlを算出する。
  2. 〇 選択肢の通り
  3. × がん検診は含まれていない。
  4. × 特定保健指導は希望者ではなく、特定健康診査の結果により選定される。
  5. × 対象は40歳以上74歳以下の者である。

問題

Fさん(75歳、女性、要介護3)は訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用して、自宅(持ち家)で一人暮らしをしている。年金と貯金で生活してきたが、貯金もなくなって利用者負担額の支払いができないので、来月から訪問介護(ホームヘルプサービス)を断りたいとG訪問介護員(ホームヘルパー)に相談した。
G訪問介護員(ホームヘルパー)の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 所属する事業所に、来月から訪問介護(ホームヘルプサービス)の利用がなくなると伝える。
  2. 扶養義務者がいたら、援助をしてもらうように勧める。
  3. 生活保護制度の申請を勧める。
  4. 金融機関から借入れをするように勧める。
  5. 担当の介護支援専門員(ケアマネジャー)に検討を依頼する。
答え

【 5,  】

解説

  1. × Fさんの訴えをそのまま伝達するのではなく、訪問介護の利用なく生活することができるのかということも視野に入れて考える必要がある。
  2. × この時点における扶養義務者からの援助は、自立支援の視点より優先順位が低い。まずはFさんの自立生活の方法を模索する必要がある。
  3. × 生活保護制度の利用よりも、まずはほかの方法を検討する必要がある。
  4. × 収入が安定していないFさんに金融機関から借入れをするよう勧めることは不適切である。
  5. 〇 適切である。

問題

サービス付き高齢者向け住宅に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

  1. 各居住部分には、台所、水洗便所、収納設備、洗面設備及び浴室の設置が義務づけられている。
  2. 居室の面積基準は、15 m2である。
  3. 食事の提供が義務づけられている。
  4. 入居者は必要に応じて、介護保険サービスの利用ができる。
  5. 対象者は、単身高齢者に限られている。
答え

【 4,  】

解説

  1. × 台所、収納設備、浴室については、共用部分として共同で利用することも可能とされており、義務付けられていない。
  2. × 居室の面積は原則25m2と規定されている。
  3. × 食事の提供については、義務づけられていない。
  4. 〇 選択肢の通り
  5. × 単身高齢者に限られていない。

問題

2017年(平成29年)4月現在、経済連携協定(Economic Partnership Agreeー ment)に基づく介護福祉士候補者等の受入れに関する次の記述のうち、正しいものを1 つ選びなさい。

  1. 介護福祉士候補者の受入れは、2002年度(平成14年度)から始まった。
  2. 対象となる国は、東南アジア6か国である。
  3. 介護福祉士候補者の受入れ施設の要件は、常勤介護職員の2割以上が介護福祉士であることである。
  4. 介護福祉士候補者の在留期間は、3年である。
  5. 介護福祉士として介護業務に従事する限り、日本に在留できる。
答え

【 5,  】

解説

  1. × 介護福祉士候補者の受入れは、2008年度(平成20年度)から始まった。
  2. × インドネシア、 フィリピン、ベトナムの3か国となっている。
  3. × 介護福祉士候補者の受入れ施設の要件は、常勤介護職員の4割以上が介護福祉士であることである。
  4. × 介護福祉士候補者の在留期間は、4年である。
  5. 〇 選択肢の通り

問題

社会福祉士及び介護福祉士法に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

  1. 介護に従事している者は、介護福祉士を名乗ることができる。
  2. 介護福祉士の業として、介護者に対する介護に関する指導が含まれる。
  3. 成年被後見人や被保佐人は、介護福祉士となることができる。
  4. 介護福祉士は信用失墜行為をした場合、罰則により1年以下の懲役または30万円以下の罰金に処せられる。
  5. 介護福祉士国家試験に合格した日から、介護福祉士を名乗ることができる。
答え

【 2,  】

解説

  1. × 社会福祉士及び介護福祉士法第42条第1項に「介護福祉士となる資格を有する者が介護福祉士になるには、介護福祉士登録簿に、氏名、生年月日、その他厚生労働省で定める事項の登録を受けなければならない」と規定されている。
  2. 〇 選択肢の通り
  3. × 介護福祉士となることはできない。
  4. × 信用失墜行為をした場合の罰則規定は、介護福祉士の「登録の取り消し、又は期間を定めて介護福祉士の名称の使用の停止を命ずることができる」 と規定されている。選択肢にある「1年以下の懲役または30万円以下の罰金」は、秘密保持義務に違反した場合の罰則規定である。
  5. × 選択肢1のとおり

問題

介護における自立に向けた支援に関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 機能回復訓練を中心に介護計画を作成すること
  2. 他者の支援を受けずに、自らの力で生活できる状態にすること
  3. 本人の意思よりも、介護者からみた自立を優先すること
  4. 介護を受けていても社会参加できるように支援すること
  5. 自分で着衣し終わるまで、何時間でも介護者が見守ること
答え

【 4,  】

解説

  1. × 介護における自立支援とは、必ずしも、機能回復を中心とするわけではない。
  2. × 他者からの支援を受けることを自分で決め、 支援を受けることで自分らしい生活を送ることにつながる場合もある。
  3. × 介護における自立支援では、本人の意思を尊重し、自己決定を促すことが大切になるため、介護者からみた自立を優先してはいけない。
  4. 〇 選択肢の通り
  5. × 利用者の着衣が終わるまで何時間でも待つのではなく、本人の意思を確認することが必要である。

問題

Hさん(75歳、女性)は、1か月前に介護老人福祉施設に入所した。脳梗塞 (cerebral infarction)の後遺症として、左片麻痺があり、認知症(dementia) と診断されている。看護師として長年勤め、退職時は看護部長であった。Hさんは日頃から、介護福祉職に苦情を言い、周りの利用者とのトラブルも絶えない。特に日中の入浴に関しては、拒否が強く、「私は仕事があるから、夜に一人でお風呂に入りたい」という訴えが続いている。
介護福祉職のHさんへの対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 施設長から、特別扱いはできないことを説明してもらう。
  2. 夜の、居室での全身清拭に変更する。
  3. Hさんの対応を、施設の看護職員に任せる。
  4. 家族から、既に退職していることを説明してもらう。
  5. Hさんの働いていた頃の話を詳しく聴く。
答え

【 5,  】

解説

  1. × Hさんの訴えを、「特別扱いをしてほしい」と解釈するのではなく、Hさんの訴えを傾聴し、Hさんの気持ちを理解しようとする姿勢で対応していくことが求められる。
  2. × Hさんは、入浴することを拒否しているわけではない。入浴を希望しているHさんに全身清拭をすることは、Hさんの希望に沿った支援とはいえない。
  3. × Hさんの対応を看護職員に任せるのではなく、Hさんの言葉を傾聴し、Hさんの望む日常生活を送れるように支援していく。
  4. × 認知症のHさんに、退職していることを説明し、納得してもらうことは困難と思われる。また、Hさんは、施設に入所して間もないため、新しい人間関係や環境に慣れずに不安定な状態であると考えられる。Hさんが新しい環境で少しでも安心して生活できるように、Hさんの訴えを傾聴し、共感する姿勢で支援することが求められる。
  5. 〇 Hさんの「私は仕事があるから、夜に一人でお風呂に入りたい」という訴えを踏まえ、 看護師として働いていた頃の話を傾聴し、Hさんの気持ちに寄り添うことが必要である。

問題

看護小規模多機能型居宅介護に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

  1. 居宅サービスに位置づけられている。
  2. 長期間の宿泊を目的としている。
  3. 管理者は医師とされている。
  4. 都道府県域でのサービス提供を行う。
  5. 看護と介護を一体的に提供する。
答え

【 5,  】

解説

  1. × 看護小規模多機能型居宅介護は、「訪問看護」と「小規模多機能型居宅介護」を組み合わせて提供する「複合型サービス」であり、地域密着型サービスに位置づけられている。
  2. × 看護小規模多機能型居宅介護は、利用者や家族の状態に合わせて、施設への「通い」 を中心に、短期間の「泊まり」、「訪問看護と訪問介護」を組み合わせたサービスを提供することを目的としている。長期間の宿泊を目的としているものではない。
  3. × 医師である必要はない。
  4. × 地域密着型サービスであるため、市町村域でのサービス提供を行う。
  5. 〇 選択肢の通り

問題

個人情報を使用するに当たり、本人や家族への説明と同意が不要となるケースとして、適切なものを1つ選びなさい。

  1. 意識消失とけいれん発作を起こした利用者の個人情報を救急隊員に提供する場合
  2. 指定介護事業者が、サービス担当者会議に利用者の個人情報を提供する場合
  3. 行事で撮影した利用者の顔写真を、施設の広報誌に使用する場合
  4. 転居先の施設の求めに応じて、利用者の個人情報を提供する場合
  5. 実習生が、利用者の個人情報を閲覧する場合
答え

【 1,  】

解説

個人情報保護法第23条第1項第2号
人の生命・身体・財産の保護のために必要であって、本人の同意を得ることが困難な場合は、例外的に本人の同意を得ずに個人情報を第三者に提供することが可能である。

問題

介護老人福祉施設における防災対策に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 消防法において、年1回以上の消火・避難訓練が義務づけられている。
  2. 大規模災害時には、災害派遣医療チーム(DMAT)の活動拠点本部になることが義務づけられている。
  3. 災害対策基本法に基づき、避難行動要支援者名簿の作成が、施設長に義務づけられている。
  4. 避難訓練は、混乱が想定される夜間は避ける。
  5. 施設が作成する非常災害対策計画の内容は、職員間で十分に共有する。
答え

【 5,  】

解説

  1. × 年2回以上の消火・避難訓練が義務づけられている。
  2. × 災害派遣医療チーム(DMAT)の活動拠点本部とは、災害拠点病院等から適当な場所を選定し、必要に応じて複数設置されるものであり、介護老人福祉施設が活動拠点本部になることが義務づけられているわけではない。
  3. × 避難行動要支援者名簿の作成は施設長ではなく、市町村長に義務づけられている。
  4. × 連絡体制を含めた夜間を想定した訓練および夜間の訓練を行う必要がある。
  5. 〇 選択肢の通り

問題

一人暮らしの認知症高齢者のJさんが、一昨日、訪問販売で高価な寝具を購入して、家族が困惑している。この家族への介護福祉職の対応として、最も適切なものを 1つ選びなさい。

  1. Jさんが他者と関わらないように助言する。
  2. 国民生活センターで、契約を解除してもらうように伝える。
  3. 施設入所を勧めて、消費者被害を繰り返さないようにする。
  4. クーリング・オフ制度を利用して、契約を解除できることを伝える。
  5. 自己破産制度を活用して、自己破産を勧める。
答え

【 4,  】

解説

  1. × 地域住民や他者との関わりは重要であり、他者と関わらないように助言することは適切ではない。
  2. × 現段階ではクーリング・オフ制度が利用できるため、適切ではない。
  3. × 高価な寝具を購入したというだけで、安易に施設入所を勧める対応は適切ではない。
  4. 〇 選択肢の通り
  5. × クーリング・オフ制度を活用すれば契約を解除することが可能なため、自己破産する必要はない。

問題

「育児・介護休業法」に基づく、休業や休暇などの取得に関する次の記述のうち、 適切なものを1つ選びなさい。

  1. 育児休業期間は、子が満3歳になるまでである。
  2. 子の小学校就学前まで短時間勤務制度を活用できる。
  3. 子が病気等をしたときは、3歳まで年に10日間の看護休暇を取得できる。
  4. 要介護状態にある家族の通院の付添いをするときは、介護休暇を取得できる。
  5. 介護休業とは、2か月以上要介護状態が続いている家族を介護するためのものである。
答え

【 4,  】

解説

  1. × 育児休業期間は、原則、子が1 歳に達するまでであるが、保育所などに入れない場合等、子の養育が困難になった場合には、最長2歳まで延長することができる。
  2. × 短時間勤務制度とは、3歳未満の子を養育する労働者が希望する場合、1日の所定労働時間を原則として6時間とすることを事業主に義務づける制度である。
  3. × 看護休暇とは、小学校就学の始期に達する前までの子を養育する労働者が、事業主に届けることで子の病気や負傷など看護のために、子1人につき1年間に5日(子が2人以上の場合は10日)を限度として休暇を取得できる制度である。
  4. 〇 介護休暇は、1年に最大5日間、介護対象が2人以上の場合は10日間取得できる制度であり、休暇の取得は1 日単位もしくは半日単位で取得することができる。
  5. × 介護休業とは、2週間以上の期間にわたり要介護状態が続いている家族を介護するために、対象家族1人につき通算して93 日まで休業可能であり、3回を上限として分割取得することができる。

問題

「ストレスチェック制度」に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

  1. ストレスチェックは会社の上司が実施する。
  2. ストレスチェックは、労働者数30人以上の事業者に義務づけられている。
  3. 労働者のメンタルヘルス不調の未然防止が主な目的である。
  4. 実施した結果は、事業者から労働者に対して通知することが義務づけられている。
  5. 各事業所で2年に一度実施することが規定されている。
答え

【 3,  】

解説

  1. × ストレスチェックは、事業所に指定された医師、保健師または厚生労働大臣が定める研修を修了した看護師もしくは精神保健福祉士が実施することになっている。
  2. × ストレスチェックは、労働者数50人以上の事業者に義務づけられている。
  3. 〇 選択肢の通り
  4. × ストレスチェックの実施結果は、検査を実施した医師、保健師等から直接本人に通知することになっている。
  5. × 各事業所で1年に一度実施することが規定されている。

問題

受容の説明に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 価値観を尊重する。
  2. 問題行動を否定する。
  3. 言い分に同調する。
  4. 感情を分析する。
  5. 否定的感情を抑圧する。
答え

【 1,  】

解説

受容とは、利用者のありのままの姿を無条件で受け入れることをいう。同調とは違うことに注意。

問題

コミュニケーションがより円滑になるように、開かれた質問をする目的として、 最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 初対面の利用者と会話を始めるときに緊張をほぐすきっかけをつくる。
  2. 話す気分になれなくて口数が少ない利用者と会話を続ける。
  3. 漠然としていて伝わらない利用者の考えを明確にする。
  4. 重度の認知症(dementia) でコミュニケーション能力が低下している利用者から情報を得る。
  5. 利用者の繰り返す同じ話を一旦止める。
答え

【 3,  】

解説

  1. × 天気や季節の話題等、返答しやすい閉じられた質問をすると、緊張をほぐすきっかけとなる。
  2. × 話す気分になれない利用者には、開かれた質問は負担になる。
  3. 〇 選択肢の通り
  4. × コミュニケーション能力が低下している利用者の場合、「はい」か「いいえ」で答えられる閉じられた質問を使うほうがよい。
  5. × 話をー方的に止めようとするより、同じ話を繰り返す理由を理解して、適切に対応することが求められる。

問題

Kさん(75歳、女性)は、脳梗塞(cerebral infarction)を発症して、1か月間入院した後、介護老人保健施設に入所した。Kさんは重度の運動性失語症(motor aphasia) のため、自分から話すことはなかった。
入所して2か月ほど過ぎた頃、Kさんは、少しずつ言葉が話せるようになった。ある日の午後2時頃、介護福祉職に向かって、「お茶、いや、違う、お、お、違う、ええと」 と話し始めたが、伝えたい言葉が見つからないようで、もどかしそうであった。
この時のKさんへの介護福祉職の言葉かけとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 「何を言いたいのでしょうか」
  2. 「もう1回繰り返してください」
  3. 「おやつの時間まで待ってください」
  4. 「何か飲みたいのですね。お水ですか?」
  5. 「言葉が出てきてよかったですね」
答え

【 4,  】

解説

  1. × Kさんを焦らせてしまったり、自尊心を傷つけたりしてしまうため、適切とはいえない。
  2. × 自発的に話すことが困難なKさんに、自分の言葉で話すように促す言葉かけは適切とはいえない。
  3. × 「おやつの時間まで待ってください」と一方的に指示する前に、Kさんは何を伝えたいのかを理解しようとすることが必要である。
  4. 〇 Kさんが返答しやすいように閉じられた質問を使っており、確認する方法も適切といえる。
  5. × 「言葉が出てきてよかったですね」は、伝えたい言葉が見つからず、もどかしそうなKさんに対する言葉かけとして適切とはいえない。

問題

抑うつ状態(depressive state)の利用者への介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 元気を出すように言う。
  2. 沈黙している理由を問いただす。
  3. 会話を促す。
  4. 気晴らしに散歩に誘う。
  5. 見守っていることを伝える。
答え

【 5,  】

解説

  1. × 抑うつ状態の人は、自分でも「このままではいけない」「何とかしなくては」と思いつつ、自分ではどうすることもできずに苦しんでいるため、元気を出すようにという励ましの言葉は利用者にプレッシャーを与えてしまう。元気を出そうとしても、自分では元気を出すことができない状態であることに理解を示し、共感やいたわりの気持ちを伝える必要がある。
  2. × 介護福祉職が沈黙している理由を問いただそうとすると、黙っていることを責められているようで、利用者はプレッシャーを感じてしまう。沈黙の状態が続いても、理由を問いただそうとしたり、 話すことを強制したりせずに、利用者を温かく見守ることが大切である。
  3. × 抑うつ状態の人は、人と会ったり、話をしたりすることも負担に感じるため、介護福祉職が無理に会話を促すことは適切ではない。
  4. × 抑うつ状態の人は、すべての活動における興味や喜びが減退する。気分転換や気晴らしを勧めるより、こころとからだを休めることができるように配慮することが大切である。
  5. 〇 見守っていることを伝えて、利用者に安心してもらうことが大切である。

問題

Lさん(75歳、女性)は、介護老人福祉施設に入所している。中等度のアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer's type)と診断されて、担当のM介護福祉職(男性)を、既に亡くなった自分の夫であると認識している。何か心配なことがあると、M介護福祉職を探しだして、「お父さん聞いて…」 と不安そうな表情で話してくる。
不安そうな表情で話すLさんへの、M介護福祉職の対応として、最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 女性職員に対応してもらうように伝える。
  2. 夫は既に亡くなっていることを伝える。
  3. Lさんの話に耳を傾ける。
  4. おしぼり畳みの軽作業を依頼する。
  5. 忙しくて手が離せないことを伝える。
答え

【 3,  】

解説

  1. × Lさんは、M介護福祉職のことを自分の夫と認識して頼っているのであって、女性職員の対応を求めているわけではない。
  2. × Lさんは、中等度のアルツハイマー型認知症があり、夫が既に亡くなっていることを伝えても効果は期待できないと考えられる。
  3. 〇 Lさんがどのような気持ちを抱いているのか、Lさんの感じている世界を知ることで具体的な対応を検討することが可能となる。また、Lさんの話にじっと耳を傾けることで、Lさんは受け入れてもらえたと感じ、安心できる。
  4. × Lさんが感じている不安の解消にはつながらない。
  5. × 忙しくて手が離せないことを伝えた場合、Lさんは、自分のことを受け入れてもらえないことを察し、不信感や怒りを抱く要因となる。

問題

32 Aさん(97歳、女性)は、介護老人福祉施設に入所している。最近、衰弱が進んで水も飲めなくなり、「もう、逝ってもいいんだけどね」 とつぶやくことが増えた。 ある日、夜勤の介護福祉職がAさんの様子を確認しようとベッドに近づくと、Aさんが目を開けて、「お迎えはまだかしらね」と穏やかな顔で言った。
Aさんの発言に対する介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 何も考えずに早く寝た方がいいと就寝を促す。
  2. Aさんの手を握り、ゆっくりさする。
  3. そのような言葉を言ってはいけないと伝える。
  4. 明日、家族に連絡して来てもらうことを伝える。
  5. いつものことだと思って、声をかけずにそのまま部屋を出る。
答え

【 2,  】

解説

  1. × Aさんは、介護福祉職に自身の気持ちを聞いてもらいたいという思いがあって発言したと考えられる。就寝を促すような対応は、Aさんの気持ちを無視した行為である。
  2. 〇 死期が迫っていることはAさん自身が感じ取っていると思われ、死に対する不安から、 不安定な状態に陥りやすい。そのような場合、言語によるかかわりだけでなく、手を握り、ゆっくりさするなどのスキンシップを用い、寄り添う対応をとることで不安の軽減につながる。
  3. × 死期が迫っていることを感じている人が沈黙せず、訴えかけるということは、話を聞いてもらいたい、受け止めてもらいたいという心情を表していると考えられる。そのような場合は、発言を否定するのではなく、受容・共感の姿勢をもって傾聴することが求められる。
  4. × 問題文からAさんが、家族に会いたいと希望しているかどうかが判断できない。
  5. × 選択肢1と同様

問題

介護業務の事故報告に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 口頭での報告は、結論を述べてから事故に至る経過を説明する。
  2. 事故報告書は、管理者以外は閲覧できないように保管する。
  3. 軽微な事故の場合は、後日報告する。
  4. 介護福祉職としての判断を除外して報告する。
  5. 記録した内容は、口頭での報告が不要である。
答え

【 1,  】

解説

  1. 〇 選択肢の通り
  2. × 事故報告書は、チーム全体で事故情報を共有するために使用されるものであるため、 管理者以外の職員も閲覧できるようにしておくことが求められる。
  3. × 軽微な事故の場合でも、報告は迅速に行うということを徹底することが大切である。
  4. × 報告の際には、客観的事実に加えて、そのことに対する介護福祉職としての判断を含めるように心がける。
  5. × 文書による記録だけでは、伝わりにくいこともあるので、口頭での報告をつけ加えることが求められる。

問題

ブレインストーミング(brainstorming) の原則に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 奇抜な意見を除いて、自由に意見を出す。
  2. 他人の意見が正しいかどうかをその場で判断する。
  3. 意見の質よりも、数多くの意見を出すことに価値を置く。
  4. 他人の意見を参考にしてはいけない。
  5. 他人の意見を自由に批判する。
答え

【 3,  】

解説

  1. × ブレインストーミングでは、単なる思い付きも大歓迎。「できる」「できない」といった現実的な制約や枠を一切はめずに行うことが基本である。
  2. × 他人の意見が正しいかどうかをその場で判断しないことがルールである。
  3. 〇 選択肢の通り
  4. × 他人の意見を参考にしてもよい。他人のアイデアから新たなアイデアを生み出す相乗効果を狙うのである。オリジナリティにはこだわらず、結合、改善させ、さらにアイデアを発展させる。
  5. × 自由な発想を出し合うことを大切にするため、他人の意見を批判しないというルールがある。

問題

Bさん(87歳、女性)は夫(90歳)と二人暮らしである。Bさんには持病があり、夫は脳梗塞(cerebral infarction )の後遺症による軽い右片麻痺で、訪問介護(ホー ムヘルプサービス)を利用している。Bさんと夫は苦労して手に入れた自宅に愛着を感じており、以前から、「死ぬならこの家で」 と話していた。ある日Bさんは、「この家で死にたいと思っていたけど、いつまで二人で暮らせるか・・・」 と打ち明けた。
話を聞いた訪問介護員(ホームヘルパー)がBさんにかける言葉として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 「ご夫婦二人で入居できる施設を探しましょう」
  2. 「便利な道具がいろいろありますから使ってみましょう」
  3. 「どなたかご家族と同居できるといいですね」
  4. 「いざとなれば病院に入院しましょう」
  5. 「何か心配なことがおありなんですね」
答え

【 5,  】

解説

  1. × Bさんは自宅に愛着を感じており、施設を探しているわけではない。
  2. × Bさんが夫の介護において、介護負担を訴えているわけではない。
  3. × Bさんが同居を望んでいるわけではない。
  4. × 「この家で死にたい」という希望があることから、入院を勧めることは適切とはいえない。
  5. 〇 不安に思っている原因を探るためにも適切な言葉かけである。

問題

介護老人福祉施設における居室の環境整備で留意すべき点として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 利用者が使い慣れた家具を置く。
  2. 居室のドアは開けたままにしておく。
  3. 時計は天井に近い壁に掛ける。
  4. 居室の温度は、介護福祉職の感覚に基づいて調整する。
  5. 多床室は、入口から室内が見通せるように家具を配置する。
答え

【 1,  】

解説

  1. 〇 高齢者は環境の変化に適応する力が低下するので、使い慣れた家具や備品を置くことは重要である。
  2. × プライバシーを守る必要がある。
  3. × 掛け時計は利用者の身体状況に合わせ、どこからでも見える、もしくは見やすい位置に掛けるとよい。
  4. × 居室の温度は、利用者の感覚に基づいて調整する。
  5. × 利用者の個性や使いやすさを尊重し、プライバシーが確保されるように配置することが大切である。

問題

利用者の自宅の清掃を行うときの注意点として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 玄関は乾燥した茶殻をまいて掃く。
  2. 窓ガラスは最初に乾いた雑巾で拭く。
  3. 畳は畳の目に沿って拭く。
  4. 浴室にカビ取り剤を散布するときは窓を閉める。
  5. はたきを使った掃除は低い所から始める。
答え

【 3,  】

解説

  1. × 玄関は湿った茶殻やちぎって濡らした新聞紙をまいて掃く。
  2. × 窓ガラスは最初に水や洗剤を含ませた雑巾で拭く。
  3. 〇 選択肢の通り
  4. × 浴室にカビ取り剤を散布するときは窓を開ける。
  5. × 低い所から始めると、高い所をはたいて落とした挨などが、また低い所に付いてしまう。

問題

ユニットケアを行う入居施設の「プライベート空間」に関する次の記述のうち、 適切なものを1つ選びなさい。

  1. 集団レクリエーションを行う空間である。
  2. 地域の人も利用できる喫茶コーナーを設ける空間である。
  3. 複数の利用者が集うことができる空間である。
  4. 利用者の居室を示す空間である。
  5. 面会者用の空間である。
答え

【 4,  】

解説

プライベート空間とは、入居者のプライベートが守られる個室である。

問題

Cさん(75歳、男性)は、頚椎症(cervical spondylosis)と診断された。手がしびれ、指先に力が入らない。しびれが強い左手に加えて、最近では、右手の症状が進行して、食後の歯磨きがうまくできなくなった。
Cさんが口腔の清潔を保つための介護福祉職の助言として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 歯間ブラシの使用を勧める。
  2. 歯ブラシをやめて、洗口液のうがいをするように勧める。
  3. 柄を太くした歯ブラシの使用を勧める。
  4. 口をすすぐときは、上を向くように勧める。
  5. 歯ブラシを歯肉に当てるように勧める。
答え

【 3,  】

解説

  1. × C さんのように細かい動作が行えない場合、歯肉を傷つけ出血を引き起こす可能性がある。
  2. × 歯磨きができないという記述はなく、歯ブラシを用いて歯磨きしたほうが清潔を保てる。
  3. 〇 指先に力が入らない人は、柄を太くすることで、持ちやすく、操作しやすくなる。
  4. × 口をすすぐときに上を向くと、首を後ろにそらすことになり、頚椎症と診断されたC さんの首の痛みやしびれが強くなるため、適切ではない。
  5. × 歯肉に歯ブラシを当てて磨くと歯肉を傷つけたり、出血する原因となる。

問題

保温効果を高めるための着衣に関する次の助言のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 衣類の間に薄手の衣類を重ねて着るように勧める。
  2. 一番上に通気性の高い衣類を着るように勧める。
  3. 一回り小さいサイズの衣類を着るように勧める。
  4. 肌に接する衣類は、防水性の高いものを着るように勧める。
  5. 袖幅の大きい衣類を着るように勧める。
答え

【 1,  】

解説

  1. 〇 薄手の衣類を重ねると空気の層ができ、体温で空気層を温めることができるため、保温効果が高まる。
  2. × 一番上に通気性の高い衣類を着ると、せっかく温まった空気が逃げてしまい保温効果が下がってしまう。
  3. × 一回り小さいサイズの衣類でからだにぴったりと密着すると、からだを締め付けるため血行が悪くなり逆効果となる。
  4. × 防水性の高い衣類は気密性が高く、からだと衣類の間に空気の層ができにくいため、 保温効果は低い。
  5. × 袖幅の大きい衣類は、からだと衣類の間の温かい空気を袖口から外へ逃がしてしまうことになるため、保温効果は低い。

問題

ベッドの端に座っている左片麻痺の利用者の、立ち上がりまでの基本的な介護として、適切なものを1つ選びなさい。

  1. 利用者の右側に立つ。
  2. 立ち上がる前に、深く座りなおすように促す。
  3. 利用者の右膝を支える。
  4. 利用者を真上に持ち上げる。
  5. 立ち上がった時に、利用者の右膝の裏が伸びていることを確認する。
答え

【 5,  】

解説

  1. × 利用者の患側(左片麻痺の場合は左)に立ち、介護を行う。
  2. × 立ち上がる前に、浅く座りなおすように促す。
  3. × 利用者の患側(左片麻痺の場合は左)を支える
  4. × 左片麻陣の利用者であれば、健側の右足等は動かすことができるため、利用者を真上に持ち上げる全介助は適切ではない。
  5. 〇 健側の膝が伸びていないと、立ち上がった時に足に力が入りにくく、不安定になる。

問題

屋外での車いすの介助方法として、適切なものを1つ選びなさい。

  1. 段差を上がるときは、キャスターを斜めに向ける。
  2. 段差を下がるときは、後ろ向きで後輪から下りる。
  3. 急な上り坂では、両腕の力で素早く進む。
  4. 急な下り坂では、前向きで進む。
  5. 砂利道では、後輪を持ち上げて進む。
答え

【 2,  】

解説

  1. × 段差を上がるときは、段差に対して直角に車いすを向ける。
  2. 〇 段差を下がるときに、前向きで下りると利用者が前に投げ出される危険がある。
  3. × 急な上り坂では、全身の力で進む。
  4. × 急な下り坂では、後ろ向きで進む。
  5. × 砂利道では、キャスターを持ち上げて進む。

問題

図はU駅のホームの見取図である。介護福祉職が視覚障害者と列車を待つときの位置として、適切なものを1つ選びなさい。

答え

【 5,  】

解説

電車を待つときは、図Dの線状ブロックより内側に立つ。ブロック上で立ち止まることはほかの視覚障害者の進行妨害となるため、ブロックを避けることが必要となる。

問題

食中毒(foodborne disease)の予防に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

  1. 生食用海産魚介類は、塩水で洗う。
  2. カレーやシチューは、常温で保存する。
  3. 生の肉を切った包丁とまな板は、すぐに洗って熱湯をかけておく。
  4. 豚肉は、中心部が50℃になるように1分間加熱する。
  5. 解凍した冷凍食品の残りは、再度冷凍して保管する。
答え

【 3,  】

解説

  1. × 生食用海産魚介類は、真水で洗う。
  2. × 力レーやシチューは小分けして急激に冷やし、冷凍保存する。
  3. 〇 選択肢の通り
  4. × 豚肉は、中心部が75℃に達した後、1分間加熱する。
  5. × 一度解凍した食品は、冷凍によって休眠していた細菌が目を覚ましてー気に増殖し、 食中毒を起こす毒素をつくることがある。再冷凍することは食中毒の危険を増大させることになる。

問題

嚥下障害がある利用者に提供する飲食物として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. レモンジュース
  2. だんご
  3. プリン
  4. 牛乳
  5. 紅茶
答え

【 3,  】

解説

  1. × レモンジュースのように、酸味が強い飲食物は、むせやすく誤嚥する可能性が高いため適切ではない。
  2. × だんごは、粘り気が強く喉や口腔内に残りやすい。
  3. 〇 適切である
  4. × 牛乳にはほんのりとろみがあり、嚥下障害の程度によってはそのままでも飲むことができるということもあるが、設問では「最も適切なもの」とあるため、正解とならない。
  5. × 紅茶などのサラサラした液体や粘度の低い食品は、嚥下反射が起こる前に気道に入ってしまう可能性もあり危険である。

問題

施設における介護福祉職と他職種との連携として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 食事時に咳込む利用者の嚥下機能の評価を、作業療法士に相談する。
  2. 寝たきりの利用者の仙骨部に発赤を見つけたときは、看護師に相談する。
  3. 体重減少が続いている利用者に気づいたときは、社会福祉士に相談する。
  4. 車いすでの食事時に姿勢が崩れてしまう利用者に気づいたときは、言語聴覚士に相談する。
  5. 嚥下困難のある利用者に提供する食事内容を、歯科衛生士に相談する。
答え

【 2,  】

解説

  1. × 嚥下機能の評価は、言語聴覚士(ST)、歯科医師に相談する。
  2. 〇 選択肢の通り
  3. × 体重減少が続いている利用者に気づいたときは、管理栄養士、看護師に相談する。
  4. × 車いすでの食事時に姿勢が崩れてしまう利用者に気づいたときは、理学療法士(PT)に相談する。
  5. × 嚥下困難のある利用者に提供する食事内容は、管理栄養士、栄養士に相談する。

問題

糖尿病(diabetes mellitus)のある利用者の入浴時に、特に注意して観察すべき皮膚の部位として、適切なものを1つ選びなさい。

答え

【 5,  】

解説

糖尿病で神経障害が発症している場合、足指壊疽を生じ切断に至ることがある。

問題

おむつで排泄を行っている利用者の陰部の清拭に関する次の記述のうち 適切Iなものを1つ選びなさい。

  1. 排便がなければ、殿部の清拭は省略できる。
  2. 女性では、会陰から肛門に向かって拭く。
  3. 本人の希望がなければ、実施しなくてよい。
  4. 男性の清拭の回数は、女性よりも少なくてよい。
  5. 週2回入浴を実施していれば、毎日行わなくてよい。
答え

【 2,  】

解説

  1. × 排便がなくても、殿部の清拭は行う。
  2. 〇 選択肢の通り
  3. × おむつで排泄を行っている利用者は、羞恥心から陰部清拭の依頼をためらったりすることがある。本人の希望がないからといって実施しないのではなく、利用者の尊厳の保持やプライバシーを保護し、安心して希望を伝えられるように支援することが必要である。
  4. × 回数に違いはない。
  5. × 陰部清拭は、尿道や肌門周囲に付着した排泄物や汗などの分泌物といった汚れを取り除くだけでなく、皮膚や粘膜の防衛機能を保ち、新陳代謝を促進させる効果がある。汗は生活していくなかで毎日かくものである。週2回入浴を実施していれば、毎日、陰部清拭を行わなくてよいわけではない。

問題

排便のメカニズムに基づく排泄の介護として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. トイレまでの歩行は、胃・結腸反射を誘発するために有効である。
  2. 食後の臥床は、腸内の蠕動蓮動の亢進に有効である。
  3. トイレ誘導は、便意を催してから30分後が有効である。
  4. 腹部マッサージは、下行結腸、横行結腸、上行結腸の順に行うことが有効である。
  5. 便座に座って足底を床につけた前傾姿勢は、腹圧を高めるために有効である。
答え

【 5,  】

解説

  1. × 胃・結腸反射とは、食事することにより結腸の嬬動運動が起こる反射のことであり、歩行とは関係がない。
  2. × 蠕動運動の亢進には、 適度な運動、水分の摂取、食物繊維の摂取、排便習慣をつける等が有効であり、食後の臥床は関係がない。
  3. × トイレ誘導は、便意を催した時点で誘導を行う。
  4. × 小腸から運ばれた消化物は、上行結腸→横行結腸→下行結腸→S状結腸の順に進んでいくため、 それに沿ってなぞると便秘の予防に有効である。
  5. 〇 選択肢の通り

問題

直腸性便秘のある高齢者の介護として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 排便時は隣に立って見守る。
  2. 市販の下剤を毎日勧める。
  3. 日中の活動を控えるように勧める。
  4. 朝食後、トイレに誘導する。
  5. 食物繊維は控えるように勧める。
答え

【 4,  】

解説

  1. × 排便は、利用者の尊厳とプライバシーに深くかかわる生活行為であり、できるだけ他人に頼りたくない、見られたくないものである。排便時は、介護福祉職は利用者から離れ、排便終了後、利用者にナースコールを押してもらう等の対応をとる。
  2. × 下剤に頼るのではなく、適度な運動、食事内容の検討、規則的な排便習慣をつける支援を試みることが大切になる。
  3. × 適度な運動は、便秘の予防につながる。
  4. 〇 食後は、胃・結腸反射によって蠕動運動が起こる。また、朝は副交感神経が優位になっており、蠕動運動が活発になる。そのため、朝食後、トイレに誘導し排便習慣をつけるよう支援することは便秘予防には適切である。
  5. × 食物繊維が多いものを摂取すると、腸壁の神経を刺激することにより嬬動運動が活発になり便通が促進される。

問題

消化管ストーマを造設している人の生活支援に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 排泄物がパウチの3分の1から2分の1程度たまったら処理するように助言する。
  2. ベルトでウエストを締める服を選ぶように助言する。
  3. ラジオ体操は控えるように助言する。
  4. 回腸ストーマのある人は水分摂取は控えるように助言する。
  5. れんこんやごぼうを多くとるように助言する。
答え

【 1,  】

解説

  1. 〇 選択肢の通り
  2. × ベルトでウエストを締めつけると、消化管ストーマを圧迫してしまう。
  3. × 適度な運動を行うことは重要である。
  4. × 回腸ストーマを造設している人は、水分を吸収するはたらきのある大腸を消化物が通らないため、水様便が持続的に排池されるため、脱水状態や電解質異常を起こしやすい。十分な水分摂取を心がける必要がある。
  5. × 消化の悪いれんこんやごぼうを多く摂取すると、 摂取した物が未消化のままでストーマを塞ぐこともあるので注意が必要である。

問題

季節や行事と、食事の組合せとして、最もふさわしいものを1つ選びなさい。

  1. 節分 --- お節料理
  2. 桃の節句(ひな祭り) --- 柏餅
  3. 七タ --- 七草粥
  4. 土用の丑の日 --- うなぎのかば焼き
  5. 冬至 --- ちまき
答え

【 4,  】

解説

解答の通り

問題

疾病のために食事制限がある利用者の食生活に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 人工透析をしている利用者には、生野菜を勧める。
  2. 高血圧の利用者には、 1日の塩分摂取量を10g以下にする。
  3. 骨粗鬆症(osteoporosis) の利用者には、豆類を勧める。
  4. 糖尿病(diabetes mellitus)の利用者には、朝食に1日のエネルギー量の半分を配分する。
  5. 肝疾患(liver disease)の利用者には、低カロリー、低たんぱくの食事を勧める。
答え

【 3,  】

解説

  1. × 人工透析を受ける利用者の食事は、腎臓機能の負担軽減のために力リウムや水分の制限が必要となる。生野菜や生の果実には、力リウムが多く含まれているので、控えたほうがよい。
  2. × 1日10gの塩分量は、血圧に問題のない一般の人の塩分摂取量の目安である。高血圧と診断されている人の場合の塩分量は、1日6~7g程度に抑えなければならない。
  3. 〇 骨粗鬆症の発症は、女性ホルモンの減少と関係があり、豆類に多く含まれるイソフラボンは女性ホルモンに似た構造をもっていることから、豆類を摂取することは骨粗鬆症の改善につながる。
  4. × 1日3回の食事のエネルギーバランスを考え、摂取量を配分する必要がある。
  5. × 肝疾患の食事療法は、全身の栄養状態をよくするために吸収のよい高力口リー、良質な高たんぱく食を摂取することが必要である。

問題

エンゲル係数について相談を受けた介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 住居費について一緒に考える。
  2. 食料費の内容について一緒に考える。
  3. 光熱水道費の内容について一緒に考える。
  4. 交際費の内容について一緒に考える。
  5. 教養娯楽費の内容について一緒に考える。
答え

【 2,  】

解説

家計全体の食料費に占める割合を算出したものが、エンゲル係数である。

問題

洗濯に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. ほころびや破れがあるものは、修理してから洗濯する。
  2. 色が移るのを防ぐために、素材の違うものは分けて洗濯する。
  3. 嘔吐物で汚れたカシミヤのセーターは、塩素系漂白剤につけてから洗濯する。
  4. ファスナーは開けた状態で洗濯する。
  5. マジックテープは、はずした状態で洗濯する。
答え

【 1,  】

解説

  1. 〇 ほころびや破れのある状態のまま洗濯をすると、ほころびや破れを広げてしまう可能性が高い。
  2. × 色移りを防ぐためには、白いものと色のあるものを分けて洗濯する。
  3. × 塩素系漂白剤の使用は、力シミヤの繊維を傷めてしまうので、毛、絹に対応する過炭酸水素系の漂白剤を使用して消毒後、ウール用洗剤で手洗いすることが望ましい。
  4. × ファスナーを開けた状態で洗濯をしてしまうと、衣類の型崩れを起こしたり、フアスナーがほかの衣類を傷つけたり、また、フアスナーそのものを傷めてしまう原因となる。
  5. × マジックテープをはずした状態で洗濯をすると、マジックテープに糸くずが付着してマジックテープの密着機能が低下したり、マジックテープの片方がほかの衣類に密着し衣類を損傷させることもある。

問題

昼夜逆転している利用者への介護に関する次の記述のうち、最も適切なものを 1つ選びなさい。

  1. 食べたい時に、食事をするように促す。
  2. 1時間以上、昼寝をするように促す。
  3. タ方に、散歩をするように促す。
  4. 寝る直前に熱いお風呂に入るように促す。
  5. 眠くなるまで、テレビを見て過ごすように促す。
答え

【 3,  】

解説

  1. × 食事時間はある程度決めて規則正しい生活リズムを整えていくことが望ましい。
  2. × 1時間以上の昼寝は、夜に眠れなくなり、結果的に昼夜逆転を引き起こしてしまうことになる。
  3. 〇 夜間のスムーズな入眠のためには、適度な疲労感と精神面での安定・安心感が必要である。
  4. × 寝る直前の熱いお風呂での入浴は、交感神経が刺激され、覚醒を促すことになり逆効果となる。
  5. × 睡眠直前までテレビを見続けていると、視覚からの映像と光による脳細胞への刺激が続き、脳の覚醒レベルが上がった状態になる。

問題

パーキンソン病(Parkinson disease)(ホーエン・ヤール重症度分類ステージ3) の高齢者の寝室環境に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. ベッドは介護者に合わせた高さにする。
  2. ベッドに手すりをつける。
  3. マットレスは体が沈みこむものを選ぶ。
  4. ベッドサイドの床にクッション性のあるマツトを敷く。
  5. 枕は頭部前屈になるような高さにする。
答え

【 2,  】

解説

  1. × ベッドの高さは高齢者に合わせる。
  2. 〇 選択肢の通り
  3. × マットレスは体が沈みこまないものがよい
  4. × 一部分に敷いたマットはそれ自体が段差となりつまずきやすく、さらにクッション性のあるものは不安定で危険である。
  5. × 姿勢反射障害の症状が現れると、背は丸まり姿勢は前傾になりやすくなる。頸部前屈になるような枕の高さは、前傾姿勢を助長することになり望ましくない。

問題

Dさん(75歳、女性)は、以前は散歩が好きで、毎日、1時間ぐらい近所を歩いていた。最近、心不全(heart failure)が進行して歩行がゆっくりとなり、散歩も出かけず、窓のそばに座って過ごすことが多くなった。食事は、すぐおなかがいっぱいになるからと、6回に分けて食べている。夜、「横になると呼吸が苦しい時があり、眠れていない」 という言葉が聞かれるようになった。
Dさんへの安眠の支援に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 寝る前に、肩までつかって入浴する。
  2. 寝る30分前に、少量の食事を摂取する。
  3. 以前のように、毎日1時間の散歩を再開する。
  4. 就寝時は、セミファーラー位にする。
  5. 朝、目覚めた時にカーテンを開ける。
答え

【 4,  】

解説

  1. × 心不全のあるDさんが、肩までお湯につかると、水圧により血液が心臓のほうにしぼり出され、働きの悪い心臓に大量の血液が流れて、心臓の負荷が大きくなる。
  2. × 安眠の支援をするうえで大切なことは、寝る前に適度に体温を下げることである。食事を摂ると、消化のためにからだの深部体温が上昇してしまう。
  3. × 心不全が進行しているDさんが、以前のように、毎日1時間の散歩を再開することは病状を悪化させる可能性があり危険である。
  4. 〇 セミフアーラー位とは、ベッドの頭部を30度挙上した体位である。軽く上体を起こすことによって、横隔膜が下がり呼吸面積が広がる。これにより肺の伸展が容易になり呼吸がしやすくなる。
  5. × カーテンを開けるだけでなく、カーテンを開け、日光を浴びるよう支援しなければならない。

問題

終末期にある利用者を施設で看取る家族への支援として、最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 毎日面会に来るように促す。
  2. 家族が利用者のためにできることを提案する。
  3. 積極的な情報提供は控える。
  4. 感情を表出しないように助言する。
  5. パブリックスペースを用意する。
答え

【 2,  】

解説

  1. × 毎日の面会がお互いにとって望ましいとは限らない。
  2. 〇 終末期にある利用者を前にすると、家族は何をしてよいのか戸惑うこともある。
  3. × 積極的な情報提供が、家族の意思の決定を尊重することにつながる。
  4. × 家族がその時々の感情を表現することは、少しずつ気持ちを整理し、大切な人の死を受け入れていくうえで必要なプロセスである。
  5. × パブリックスペースとは、誰もが共有することのできる開放的な場所のことをいう。誰にも気兼ねなく過ごすことのできるプライベートな環境を整え、利用者に思いや感謝を伝えることが、看取りを終えたとき家族のこころのよりどころや安定につながる。

問題

施設において、介護福祉職の行う死後の処置として、適切なものを1つ選びなさい。

  1. 義歯ははずす。
  2. 衣服は施設が指定したものを用いる。
  3. 着物の場合は右前に合わせる。
  4. 着物の場合は帯紐を縦結びにする。
  5. 死後の処置は、死後3時間経過してから行う。
答え

【 4,  】

解説

  1. × 義歯は可能な限り装着し生前の顔貌に近づけることが大切である。
  2. × 衣服は家族の希望のものや、本人が生前に準備をしていたものを用いる。
  3. × 着物の場合は、通常と反対の左前に合わせる。
  4. 〇 選択肢の通り
  5. × 医師による死亡診断が行われ、家族との対面をすませた後は、速やかに死後の処置を始めることが望ましい。

問題

介護過程の目的に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 疾病の診断資料として活用する。
  2. 職種間の専門性の違いを明確にする。
  3. 介護福祉職の業務負担を軽減する。
  4. 利用者の自己実現を支援する。
  5. 家族の希望や思いを代弁する。
答え

【 4,  】

解説

  1. × 介護過程とは、利用者が生活をしていく上で、介護上の問題を把握するために行う過程(プロセス)をいう。
  2. × 専門性の違いを明確にするのではなく、多職種連携を図ることが望まれている。
  3. × 介護過程は、利用者の自己実現を目指して実践されるものである。介護福祉職の業務負担を軽減することが目的ではない。
  4. 〇 選択肢の通り
  5. × 利用者の希望や思いを実現させることが介護過程の目的である。

問題

利用者のアセスメント(assessment) に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 利用者本人の希望に沿った情報を収集する。
  2. 家族のニーズを優先させながら情報を収集する。
  3. 介護福祉の知識を活用して情報を解釈する。
  4. 生活課題を明確にした後で情報を関連づける。
  5. 利用者の情報を整理した後で要望を聞く。
答え

【 3,  】

解説

  1. × 利用者本人の希望に沿った情報も主観的情報として大切となるが、客観的な情報収集を含め、多角的・継続的に利用者理解に努めることが求められる。
  2. × 利用者のニーズを優先的に把握する。
  3. 〇 選択肢の通り
  4. × 必要な情報を正しく把握し、整理したうえで、利用者の生活課題を明確にする必要がある。
  5. × 要望を含め必要な情報を収集した後に、情報の整理を行う。

問題

介護計画の立案に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 以前の介護計画は考慮せずに立案する。
  2. 現実的で実践可能な内容にする。
  3. 介護福祉職の望む利用者像を目指す。
  4. 本人や家族の希望と乖離してもよい。
  5. 安全性よりも効果を優先する。
答え

【 2,  】

解説

  1. × 以前に実施した介護計画の状況や効果も踏まえ、現状ではどのような援助が必要なのか考慮し介護計画を立案する必要がある。
  2. 〇 選択肢の通り
  3. × 介護福祉職の望む利用者像を介護計画の立案に反映することは、利用者に押しつけの介護となってしまう。
  4. × 利用者や家族の希望に沿った計画にしなければならない。
  5. × 効果よりも安全性が優先される。

問題

介護記録に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 事実はありのままに記録する。
  2. 鉛筆で記録する。
  3. 数日後に記録する。
  4. 介護福祉職の感情を記録する。
  5. 他職種との関わりを除外して記録する。
答え

【 1,  】

解説

  1. 〇 選択肢の通り
  2. × 鉛筆では改ざんされる恐れがあり、適切ではない。
  3. × 記憶が鮮明なうちに書く。
  4. × 介護福祉職の感情や主観などが混在するような記述は記録として望ましくない。
  5. × 他職種が提供するサービスの実施状況やその効果などの情報も、他職種間で共有されるべき大切な情報である。

問題

介護過程の評価に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 介護計画の内容に対する介護福祉職の満足度を評価する。
  2. 支援の実施状況に関する情報を整理して、評価する。
  3. 複数ある短期目標は集約して評価する。
  4. 実施後に評価基準を定めて評価する。
  5. 家族が多角的な視点から評価する。
答え

【 2,  】

解説

  1. × 介護過程の評価とは、利用者に対するサービス提供の効果や実施状況、計画内容の適切性などについて確認することであり、介護福祉職の満足度を評価するものではない。
  2. 〇 選択肢の通り
  3. × それぞれの短期目標に対して評価を行う必要がある。
  4. × 評価基準は、介護計画の立案時に定める。
  5. × 介護サービスを提供した介護福祉職が多角的な視点から評価する。

問題

Eさんは認知症対応型共同生活介護(グループホーム)に入居している。廊下を頻繁に歩き、他の利用者の部屋に入ってはトラブルになりかけている。介護福祉職が声をかけると、「私には行くところがある」 と怒鳴る。
Eさんのアセスメント(assessment) に関する次の記述のうち、最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 怒鳴られた介護福祉職の気持ちを情報として活用する。
  2. 「廊下を頻繁に歩かないこと」を生活課題に設定する。
  3. 他の利用者とトラブルになりかけている情報は不要と判断する。
  4. 「私には行くところがある」という言葉を解釈する。
  5. 言動から短気な性格だと考えて分析する。
答え

【 4,  】

解説

  1. × 怒鳴られた介護福祉職の気持ちではなく、「私には行くところがある」と怒鳴ったEさんの気持ちを主観的情報として活用する。
  2. × 生活課題とは、利用者のニーズを実現するために解決しなければならないことである。
  3. × 他の利用者とトラブルになりかけているという客観的情報にも配慮しながらアセスメントを行うことが必要である。
  4. 〇 適切である。
  5. × 一場面の言動から短気だと考えることは適切ではない。

問題

Fさん(75歳、女性)は、アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer's type)である。家族の介護負担が増加して、3日前から介護老人保健施設に入所している。入所前から、トイレに間に合わずに尿失禁をしてしまうことがあるため、昼夜、リハビリパンツを使用している。歩行は自立している。夜間、トイレに起きているが、その後、眠っていることが確認されている。
Fさんの尿失禁の改善を目標に収集する情報として、最も優先度の高いものを1つ選びなさい。

  1. 介護負担となっている家族背景
  2. 施設生活に対する不安
  3. 夜間の中途覚醒状況
  4. トイレに行く時間帯
  5. 歩行に必要な下肢筋力
答え

【 4,  】

解説

  1. × 尿失禁の改善に関する情報としては優先度が低い。
  2. × 問題文には施設生活に対する不安に関する記述がなく、さらに、Fさんは入所前から尿失禁があることから、最も優先度が高いとはいえない。
  3. × 中途覚醒とは、夜中にたびたび目が覚めて熟睡できない状態をいい、問題文に「夜間、トイレに起きているが、その後、眠っている」とあることから、優先度は低い。
  4. 〇 介護老人保健施設に入所したばかりのFさんの尿失禁の改善のために収集する情報として、Fさんの排泄リズムを知ることは重要である。
  5. × 問題文に「歩行は自立している」とあることから、歩行に必要な下肢筋力はあると考えられる。

問題

Gさん(66歳、女性)は、1年前に脳梗塞(cerebral infarction) を発症して片麻痺になった。在宅復帰を目指し、介護老人保健施設に入所して、「家に帰れるように頑張らなくちゃ」 と熱心に立位訓練に取り組んでいた。しかし、同居していた孫が3日前に訪れてから、「体調が悪い」と言って、閉じこもり、食事は半分も食べなくなった。 傾聴ボランティアがGさんの居室を訪れると、「訓練しても帰るところがない」と泣いて話したという。
Gさんに対する介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 食事量を評価して、栄養指導を行う。
  2. 立位訓練を評価して、回復状況を把握する。
  3. 家族と調整して、退所後の住まいを整える。
  4. サービス担当者会議に孫を招集する。
  5. 傾聴ボランティアの情報を基に、本人の生活ニーズを確認する。
答え

【 5,  】

解説

  1. × 食事量の評価と栄養指導は、管理栄養士の役割である。
  2. × 立位訓練の評価と回復状況の把握は、理学療法士の役割である。
  3. × Gさんは傾聴ボランティアに対し、「訓練しても帰るところがない」と泣いて話したとあることから、介護福祉職が退所後の住まいを整える対応は適切ではない。
  4. × 介護福祉職は、まず傾聴や共感をもって意図的にかかわる必要がある。サービス担当者会議を開き、孫を召集する対応は適切ではない。
  5. 〇 適切である。

問題

生理的老化の学説に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

  1. エラー破局説では、加齢によって臓器や器官が機能低下することで老化が生じると考える。
  2. 消耗説では、活性酸素による細胞の損傷で老化が生じると考える。
  3. フリーラジカル説では、加齢による臓器や器官の萎縮や縮小に対して、それを補う再生機能が低下することで老化が生じると考える。
  4. 機能衰退説では、細胞内のDNAが損傷することで老化が生じると考える。
  5. 老化プログラム説では、人の細胞分裂の回数があらかじめ決まっていることで老化が生じると考える。
答え

【 5,  】

解説

  1. × 機能衰退説に関する記述である。
  2. × フリーラジカル説に関する記述である。
  3. × 消耗説に関する記述である。
  4. × エラー破局説に関する記述である。
  5. 〇 選択肢の通り

問題

キューブラー・ロス(Kubler-Ross, E.)が提唱した死の受容過程における「取り引き」 に該当するものとして、適切なものを1つ選びなさい。

  1. 死ぬのがなぜ自分なのかと怒る。
  2. 自分が死ぬことはないと思う。
  3. つらい治療を我慢して受けるので助けてほしいと願う。
  4. 安らかな気持ちで死を受け入れる。
  5. もう助からないと思って絶望する。
答え

【 3,  】

解説

  1. × 第2段階の「怒り」である。
  2. × 第1段階の「否認と孤立」である。
  3. 〇 選択肢の通り
  4. × 第5段階の「受容」である。
  5. × 第4段階の「抑うつ」である。

問題

老化に伴う身体の変化に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

  1. 骨密度が上昇する。
  2. 唾液の分泌量が増加する。
  3. 肺活量が増加する。
  4. 貧血になりやすい。
  5. 皮膚の表面が湿潤化する。
答え

【 4,  】

解説

  1. × 骨密度が低下する。
  2. × 分泌量が減少し、粘性は増強する。
  3. × 肺活量が低下する。
  4. 〇 選択肢の通り
  5. × 皮膚が乾燥しやすい状態となる。

問題

老化に伴う感覚や知覚の変化に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

  1. 「1時(いちじ)」と「7時(しちじ)」のような似た音を聞き取ることが難しくなる。
  2. 暗さに目が慣れる能力よりも、まぶしさに目が慣れる能力が低下する。
  3. 味覚の低下は個人差が少ない。
  4. 高音域よりも、低音域の音が聞こえにくくなる。
  5. 通常の明るさよりも、薄暗い方がよく物が見える。
答え

【 1,  】

解説

  1. 〇 選択肢の通り
  2. × まぶしさに目が慣れる能力よりも、暗さに目が慣れる能力が低下する。
  3. × 味覚の低下は個人差が大きい。
  4. × 低音域より高音域の音が聞こえにくくなる感音性難聴が多い
  5. × 網膜の光の感度が低下し、通常よりも暗く見えるため、物を見る際は通常より明るい照度が必要となる。

問題

Aさん(86歳、男性)は、介護老人福祉施設に入所している。2か月前に転倒骨折で入院し、歩行訓練を経て施設に戻ってきたばかりである。施設では、転倒の危険性に配慮して、車いすを使用している。Aさんが車いすから立ち上がろうとするたびに、 介護福祉職が、「危ないから座っていてくださいね」と声をかけるようにした。その結果、 Aさんは、入院以前よりも口数が少なくなり、元気がなくなった。Aさんは、家族や施設の職員、他の入所者との関係は良好である。
Aさんの現在の心理的状態をマズロー(Maslow, A. H.)の欲求階層説に基づいて説明した次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 生理的欲求が充足されていない状態である。
  2. 安全欲求が充足されていない状態である。
  3. 承認欲求が充足されていない状態である0
  4. 所属・愛情欲求が充足されていない状態である。
  5. 自己実現欲求が充足されている状態である。
答え

【 3,  】

解説

  1. × 生理的欲求とは、人が生きていくための基本的・本能的な欲求のことを指し、睡眠欲、食欲、性欲などのことである。Aさんは、施設入所中のため生理的欲求は充足されていると考えられる。
  2. × 安全欲求とは、安全・安心な暮らしを求める欲求のことを指し、家族や施設の職員、他の入所者とも良好な人間関係を築いていることから、安全欲求は充足されていると考えられる。
  3. 〇 承認欲求とは、他者から尊敬されたい、認められたいと願う欲求のことを指します。この欲求が満たされないと、劣等感や無力感に襲われると言われています。また承認欲求には、自分で自分を承認することも含まれます。これは「自信」をつけたいという欲求です。
  4. × 所属・愛情欲求とは、仲間を求め、集団に溶け込みたいという欲求のことを指し、社会的欲求ともいわれる。Aさんは良好な人間関係を築き、集団に溶け込めているため、所属・愛情欲求は充足されていると考えられる。
  5. × 自己実現欲求とは、自分自身をさらに成長させようとする欲求のことを指し、承認欲求がある程度満たされると、「あるべき自分になりたい」という欲求が生まれます。Aさんにとって、施設での生活は思い通りではなく、承認欲求が満たされていないと推測されるため、自己実現欲求も充足されていないといえる。

問題

嚥下障害に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

  1. 歩く時に胸が痛くなる。
  2. 食事の時にむせる。
  3. 食後に上腹部痛が生じる。
  4. 立ち上がった時に目の前が暗くなる。
  5. 咳をした時に痰に血が混じる。
答え

【 2,  】

解説

  1. × 胸の痛みの多くは呼吸器系、 循環器系の障害であり、嚥下運動に直接関係のない器官系での障害である。
  2. 〇 適切である。
  3. × 食後に上腹部痛が生じるとあり、嚥下障害とは考えられない。
  4. × 立ちくらみは嚥下障害とは関係がない。
  5. × 血痰は嚥下障害と関係がない。

問題

パーキンソン病(Parkinson disease)の症状として、適切なものを1つ選びなさい。

  1. 後屈した姿勢
  2. 大股な歩行
  3. 血圧の上昇
  4. 頻回な下痢
  5. 無表情
答え

【 5,  】

解説

  1. × パーキンソン病の特徴的な姿勢は、前屈した姿勢である。
  2. × パーキンソン病の歩行障害では、足が前に出にくいすくみ足や、足を引きずるように歩くすり足、小刻み歩行になるのが特徴である。
  3. × パーキンソン病の自律神経症状の一つに起立性低血圧が含まれる。
  4. × パーキンソン病の自律神経症状の一つに便秘が含まれる。
  5. 〇 仮面様顔貌と呼び、パーキンソン病の代表的な症状の1つである。

問題

Bさん(75歳、男性)は半年前から尿が出にくくなり、時間がかかるようになった。2日前から風邪気味で、昨夜、飲酒後に市販の風邪薬を服用したところ尿が出なくなった。そのため、今朝になって病院を受診して導尿してもらった。
Bさんの日常生活上の注意点として、適切なものを1つ選びなさい。

  1. 下半身の保温を心がける。
  2. 毎日、飲酒をする。
  3. いすに座る時間を長くする。
  4. 排尿の回数を減らす。
  5. 飲水を控えるようにする。
答え

【 1,  】

解説

  1. 〇 下半身の保温に努め、臓器や筋肉の緊張を緩め、 排尿しやすい状態にしなければならない。
  2. × Bさんは、飲酒後に風邪薬を服用したところ尿が出なくなったとあり、肥大した前立腺が膀胱出口を圧迫することで排尿障害を生じる前立腺肥大症の可能性がある。飲酒によって、臓器の肥大を生じさせるため、前立腺肥大症の患者は飲酒を控えるべきである。
  3. × 座位姿勢は、重力により下腹部以下の臓器がうっ血し、臓器の肥大が生じやすい。そのため、いすに座る時問を長くすると排尿障害を助長する危険がある。
  4. × Bさんには、 尿排出障害の所見が認められるため、排尿の回数を増やして体内環境を整えるような対応が必要となる。
  5. × 飲水を控えることで脱水症状を招く危険がある。

問題

認知症(dementia) の人への基本的な関わりとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. いすから立ち上がろうとする人に、「座っていてください」と言う。
  2. トイレで排泄したいと言う人に、「今のおむつは機能が良いので、おむつの中にしてもすっきりします」と言う。
  3. 息子の居場所を心配する人に、「息子さんは会社で働いていますから、安心してください」 と言う。
  4. 家に帰りたいと言う人に、「施設で楽しく過ごしましょう」と言う。
  5. 自分は何もわからなくなってしまったと悲しむ人に、「認知症(dementia) になった人は、皆さん同じです」 と言う。
答え

【 3,  】

解説

  1. × いすから立ち上がろうとする理由をアセスメントせずに座ることを要求することは、利用者本位の原則に反している。
  2. × おむつを使用している人でも、 トイレでの排泄を希望する場合には、可能な限りトイレでの排泄を試みるべきである。
  3. 〇 適切である。
  4. × 「家に帰りたい」理由をアセスメントせずに、「施設で楽しく過ごしましょう」と言うことは、利用者の自由な感情の表現を制止するものであり、不適切である。
  5. × 「認知症になった人は、皆さん同じです」という発言は、個別性の理解、尊厳の保持などの原則やケアの倫理に反するため、不適切である。

問題

初期のアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer's type)における認知機能障害の特徴として、適切なものを1つ選びなさい。

  1. 時間に関する見当識障害は認められない。
  2. エピソード記憶が障害される。
  3. 手続き記憶が障害される。
  4. 記憶障害の進行は急速に進む。
  5. 若い頃のことを忘れてしまう。
答え

【 2,  】

解説

  1. × 見当識障害では、時間→場所→人物の順に障害される。
  2. 〇 エピソード記憶の障害は、認知症の記憶障害の特徴である。
  3. × 手続き記憶は、自転車の乗り方や包丁の扱い方など、一度獲得した技能などであり、認知症の影響は受けにくい。
  4. × 記憶障害の進行速度はゆっくりである。
  5. × 若い頃のことに関する記憶は、長期記憶として保持され、 認知症が重度になるまで影響を受けることは少ない。

問題

前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia)の特徴として、適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 物忘れの自覚
  2. 幻視
  3. 抑うつ
  4. 急速な進行
  5. 常同行動
答え

【 5,  】

解説

  1. × 前頭側頭型認知症の患者は、自分が病気であるという自覚がないのが特徴であり、物忘れが目立たないため認知症を疑わないこともある。
  2. × 幻視はレビー小体型認知症の特徴である。
  3. × 前頭側頭型認知症の特徴に、自発性の低下、感情の麻痺があり、抑うつになることは少ない。
  4. × 急速に症状が進行することはない。
  5. 〇 同じ行動を繰り返す「常同行動」が特徴である。例えば、毎日同じ時間に同じ道順で散歩する、同じメニューを作る、なくなるまで食べ続ける、決まった時間に決まった行動を取らないと気がすまない(時刻表的な生活)、手を叩くなどがみられる。

問題

Cさん(70歳、女性)は息子(35歳)と二人暮らしをしている。息子の話によると、1年前から時々夜中に、「知らない人が窓のそばに立っている」などと言うことがある。また、ここ3か月で歩くのが遅くなり、歩幅が狭くなった。家事は続けているが、 最近探し物が目立ち、料理の作り方がわからないことがある。病院で検査を受けたが、 頭部MRIでは脳梗塞(cerebral infarction) や脳出血(cerebral hemorrhage)の指摘はなかった。
Cさんの状況から、最も可能性の高いものを1つ選びなさい。

  1. 正常圧水頭症(normal pressure hydrocephalus)
  2. レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies)
  3. 慢性硬膜下血腫(chronic sub dural hematoma)
  4. 血管性認知症(vascular dementia)
  5. うつ病(depression)
答え

【 2,  】

解説

  1. × 正常圧水頭症は、CTやMRIなどで、脳の脳室という部分が大きくなっているかなどで確認でき、MRIで指摘されていないため、可能性は低い。
  2. 〇 「知らない人が窓のそばに立っている」という幻視は、レビー小体型認知症の特徴である。
  3. × MRIで指摘されていないため、可能性は低い。
  4. × 血管性認知症は、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害に関連した認知症であり、MRIで指摘されていないため、可能性は低い。
  5. × Cさんは、記憶障害や、幻視が起きており、うつ病の特徴ではないため、可能性は低い。

問題

認知機能の評価に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

  1. 長谷川式認知症スケールで認知症(dementia) の診断が可能である。
  2. FAST (Functional Assessment Staging)は、血管性認知症(vascular dementia)の重症度判定に用いる。
  3. IADL (Instrumental Activities of Daily Living:手段的日常生活動作)のアセスメント (assessment) は、軽度の認知症(dementia) において有用である。
  4. MMSE (Mini-Mental State Examination)は、日常生活の行動観察から知能を評価する検査である。
  5. 言語機能が障害されると、認知症(dementia) の重症度評価はできなくなる。
答え

【 3,  】

解説

  1. × 長谷川式認知症スケールは、認知症の簡易スクリーニング検査であり、これだけで認知症の診断を下すことは難しい。
  2. × FASTは、アルツハイマー型認知症の経過を評価するのに用いられる。
  3. 〇 軽度の認知症は、IADLのミスが目立つようになるため、IADLのアセスメントを行うことが有用である。
  4. × MMSEは、時間や場所に関する見当識、計算、文の復唱等の11項目に答えることで評価する検査である。
  5. × 認知症の重症度評価に用いられるものとして、FASTや認知症高齢者の日常生活自立度判定基準があげられる。FASTや認知症高齢者の日常生活自立度判定基準は観察式の評価尺度であるため、言語機能が障害されても評価が可能である。

問題

血管性認知症(vascular dementia)の危険因子として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 認知症(dementia) の家族歴
  2. 甲状腺機能低下症(hypothyroidism)
  3. 頭部外傷の既往
  4. メタボリックシンドローム(metabolic syndrome)
  5. ダウン症候群(Down's syndrome)
答え

【 4,  】

解説

血管性認知症は、脳の血管障害によって起こるため、脳の血管に動脈硬化を起こすメタボリックシンドローム、 糖尿病が危険因子としてあげられる。

問題

認知症(dementia) の人への日常生活上の支援に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

  1. 次に何をすればよいか判断できない人には、ヒントを伝えて一人で考えてもらう。
  2. 通所介護(デイサービス)を利用する曜日がわからない人には、施設への入所を勧める。
  3. 自分が今どこにいるのかわからない人には、そのたびに場所を伝える。
  4. 着衣失行のある人には、着脱のたびに介護福祉職が代わりに行う。
  5. 数分前の出来事を思い出せない人には、昔の思い出を聞かないようにする。
答え

【 3,  】

解説

  1. × 何をすればよいかを簡潔に伝えることで行動できるように支援する。
  2. × 力レンダーに印をつけるなどの工夫をし、自ら行動できるように支援する。
  3. 〇 適切である。
  4. × 失行は脳の機能障害によるものであり、手足の機能は保たれているため、着衣の方法を示し自分の力で着脱ができるように支援する。
  5. × 最近の出来事は忘れていても過去のことはよく覚えているので、むしろ過去の楽しい思い出などを聞く機会をもつことが重要である。

問題

在職中に若年性認知症(dementia with early onset)になった人の家族に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 子ども世代に与える心理的な影響が大きい。
  2. 子どもが若年性認知症(dementia with early onset)になる可能性が高い。
  3. 身体的機能に問題が認められないので、家族の介護負担は少ない。
  4. 家族の気づきによって早期発見されることが多い。
  5. 本人への病名の告知は家族が行う。
答え

【 1,  】

解説

  1. 〇 若年性認知症の人は在職中である可能性が高い。社会に限らず家庭においても重要な役割を担っているため、子ども世代に与える心理的影響は大きい。
  2. × 若年性認知症のうち、遺伝的な要因のために家族間で多発している家族性アルツハイマー型認知症は、アルツハイマー型認知症の5%以下であり、子どもが若年性認知症になる可能性は低い。
  3. × 身体的機能の問題は少ないが、徘徊の距離が長いといった問題もあり、家族の介護負担が少ないわけではない。
  4. × 在職中であるため、同居の家族より職場の人に気づかれることが多い。
  5. × 本人への病名の告知は、基本的に医師が行う。

問題

Dさん(75歳、男性)は、介護福祉職のEさんの近所に3年前に引っ越してきた。Dさんは引っ越してきた時から一人暮らしである。最近、Dさんは、「米が盗まれてしまって、タ飯が作れなくて困っている。米を貸してほしい」と、タ方、Eさんの家をたびたび訪ねるようになった。Dさんの家族は海外赴任中の息子家族だけだと、以前D さんから話を聞いたことがある。Eさんは息子と一度も会ったことはない。
EさんがDさんについて相談する機関として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 福祉事務所
  2. 地域活動支援センター
  3. 居宅介護支援事業所
  4. 認知症疾患医療センター
  5. 地域包括支援センター
答え

【 5,  】

解説

  1. × 福祉事務所は、福祉六法(生活保護法、児童福祉法、母子及び寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法及び知的障害者福祉法)に定める援護、育成又は更生の措置に関する事務を司る社会福祉行政機関である。
  2. × 地域活動支援センターは、障害者総合支援法に基づいた施設である。地域において自立した日常生活・社会生活を営むことができるように、通所にて創作的活動や生産活動の機会を提供し、社会との交流の促進を図るとともに、日常生活に必要な便宜の供与を適切かつ効果的に行う施設である。
  3. × 居宅介護支援事業所は、要介護認定を受けた人が介護サービスを利用する時に、介護支援専門員(ケアマネジャー)がケアプラン(居宅サービス計画)を作成する事業所である。
  4. × 認知症疾患医療センターは、かかりつけ医や地域包括支援センター等からの紹介を受けて、認知症に関する専門的な診断や治療などを行う医療機関である。認知症が疑われる段階でEさんが相談する機関として適切ではない。
  5. 〇 地域包括支援センターの主な業務の1つである包括的支援事業に、認知症総合支援事業がある。この認知症総合支援事業は、認知症初期集中支援チームの関与による認知症の早期診断、早期対応や地域支援推進員による相談対応などを行うものであり、Dさんについて相談する機関として適切である。

問題

認知症(dementia) の利用者Fさんは、施設外へ出て行って一人で帰れないことを繰り返している。Fさんへの予防的対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. Fさんが出て行こうとするたびに、制止する。
  2. Fさんの視線の高さに合わせて、出入口に「通行止め」と書いた札を貼る。
  3. Fさんに「ここがあなたの家です」と、繰り返し説明する。
  4. Fさんと一緒にスタッフも出かけて、戻るように指示する。
  5. Fさんの日常の様子を観察した上で、出て行く理由や目的を検討する。
答え

【 5,  】

解説

  1. × Fさんは一人で帰れないことを繰り返していることから、常同行動があると考えられ、制止を呼びかけても、Fさんが制止する可能性は低い。
  2. × 認知症により、正確に読むことができない、あるいはやりたいことを抑制することができないといった可能性もある。
  3. × 施設が自分の家ではないことを認識しているからこそ、施設外へ出て行くと考えられる。
  4. × 一緒にスタッフが出かけることも時には必要であるが、事後的対応であるため、予防的対応としては最も適切ではない。
  5. 〇 Fさんが施設を出て行く理由や目的を検討することで、施設を出る以外にその目的を達成する方法を考えることができる。

問題

ICF (International Classification of Functioning. Disability and Health :国際生活機能分類)の社会モデルに関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 障害は、個人の問題である。
  2. 障害は、病気・外傷などから直接的に生じる。
  3. 障害は、専門職による個別的な治療で解決する。
  4. 障害は、環境によって作り出されるものである。
  5. 障害への対処では、個人のよりよい適応と行動変容が目標とされる。
答え

【 4,  】

解説

  1. × 社会モデルでは、障害は、個人を取り巻く社会的環境によってつくり出されるとしている。
  2. × 選択肢は、医学モデルの考え方である。
  3. × 選択肢は、医学モデルの考え方である。
  4. 〇 適切である。
  5. × 個人を対象とした変容ではなく、個人を取り巻く環境の変容を目標とする。

問題

障害福祉計画において、ノーマライゼーション(normalization) の理念に沿って設定されている成果目標として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 利用する交通機関の整備
  2. ADL (Activities of Daily Living】日常生活動作)の自立
  3. 身体機能の回復による社会復帰
  4. 疾病や障害の管理
  5. 福祉施設の入所者の地域生活への移行
答え

【 5,  】

解説

ノーマライゼーションとは、障害者も、健常者と同様の生活が出来る様に支援するべき、という考え方である。2018(平成30)年度から2020(平成32)年度までの第5期障害福祉計画期間では、成果目標として、福祉施設の入所者の地域生活への移行、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築(項目の見直し)、地域生活支援拠点等の整備、福祉施設から一般就労への移行等、障害児支援の提供体制の整備等が設定されている。

問題

「ソーシャルインクルージョン(social inclusion)」を説明する内容として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 本人の利益のために、本人に代わって意思決定をすること
  2. 全人間的復権のこと
  3. 共に生き、支え合うこと
  4. 障害者の「強さ」に着目して支援すること
  5. 権利擁護や代弁をする活動のこと
答え

【 3,  】

解説

「全ての人々を孤独や孤立,排除や摩擦から援護し,健康で文化的な生活の実現につなげるよう,社会の構成員として包み支え合う」ことをソーシャルインクルージョンとしている。

問題

高次脳機能障害(higher brain dysfunction) の主な症状の1つである社会的行動障害に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

  1. 自分で計画を立てて物事を実行することができない。
  2. 2つのことを同時にしようとして混乱する。
  3. 新しいことを覚えられなくて何度も人に聞く。
  4. ちょっとしたことで感情を爆発させる。
  5. 人に指示をしてもらわないと動けない。
答え

【 4,  】

解説

  1. × 選択肢は、遂行機能障害である。
  2. × 選択肢は、注意障害である。
  3. × 選択肢は、記憶障害である。
  4. 〇 適切である。
  5. × 選択肢は、遂行機能障害である。

問題

自閉症(autism) の特性に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 対人関係の形成に障害がある。
  2. 読む、書く、計算することが苦手である。
  3. 知的機能の発達に遅れがみられる。
  4. 集中力がない。
  5. 思考の流れに関連性や統一性がない。
答え

【 1,  】

解説

  1. 〇 相手と目を合わせられない、相手の気持ちを推測できない、その場の空気が読めないなどが具体的な特徴として現れる。
  2. × 読む、書く、計算することが苦手なのは学習障害(LD)である。
  3. × 自閉症では知的機能の発達に遅れがみられるとは限らない。
  4. × 自閉症では、興味・関心のある事柄に対して常同的または反復的な行動を伴うことが多く、きわめて限定され執着する強い集中力をみせることがある。
  5. × 自閉症の人は、ある一定の行動をとる傾向があり、毎日同じ場所で、同じ時間に同じ行動をすることがある。

問題

G君(12歳、男性)は現在、小学校に通学している。小さい頃から、集中力が乏しい、じっとしていられない、順番が待てないなどの症状が指摘されていた。また、 このような行動に対して友人や周囲の大人から注意を受けることが多く、自信が持てないでいた。心配した母親は、紹介を受けて発達障害者支援センターに相談することにした。
G君に対する支援方法の助言として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 一度に多くの指示を伝える。
  2. 他者との交流を回避する。
  3. 集中できる環境をつくる。
  4. 比喩を用いた会話を促す。
  5. 視覚に強い刺激を与える。
答え

【 3,  】

解説

  1. × 一度に多くの指示を伝えることは、G君の混乱をまねき、行動に移しにくい。指示は、 具体的に短く伝えるほうが理解しやすい。
  2. × G君の行動の特徴からADHD(注意欠如・多動性障害)である可能性が高く、ADHDの人は、衝動性があるため、不適切な発言や行動を起こしてしまうものの、社会性は保持されている。したがって、他者との交流を回避することは望ましくない。
  3. 〇 音や声に敏感に反応し、刺激にすぐ興味が移るなど気が散りやすいため、目的や課題に集中できる環境をつくることが望ましい。
  4. × 比喩を用いた会話はADHDの人にとって理解しにくく、気も散りやすくなる。より具体的な会話のほうがわかりやすい。
  5. × 視覚的刺激で落ち着かなくなる場合もあるため、刺激を軽減するほうが望ましい。

問題

言語機能障害を来す難病として、最も可能性の高いものを1つ選びなさい。

  1. 潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis)
  2. 悪性関節リウマチ(malignant rheumatoid arthritis)
  3. 後縦靭帯骨化症(ossification of posterior longitudinal ligament)
  4. クローン病(Crohn disease)
  5. 脊髄小脳変性症(spinocerebellar degeneration)
答え

【 5,  】

解説

  1. × 潰瘍性大腸炎は、下血を伴うことが多い下痢と、頻回に起こる腹痛が特徴である。
  2. × 既存の関節リウマチに、血管炎をはじめとする関節外症状を認め、難治性又は重症な臨床病態を伴う場合に、悪性関節リウマチといい、言語機能障害を来すことはない。
  3. × 後縦靱帯骨化症は、首筋や肩甲骨周辺・指先の痛みやしびれがあり、症状が進行すると、次第に痛みやしびれの範囲が拡がり、脚のしびれや感覚障害、足が思うように動かない等の運動障害、両手の細かい作業が困難となる手指の巧緻運動障害などが出現するが、言語機能障害を来すことはない。
  4. × クローン病は、大腸および小腸の粘膜に慢性の炎症または潰瘍を引き起こす原因不明の指定難病である。若年者に多くみられ、腹痛や下痢、血便、体重減少などが生じる。
  5. 〇 脊髄小脳変性症は、小脳に何らかの病変が起きることにより、起立時や歩行時のふらつきや手のふるえ、話すときに口や舌がもつれ、ろれつが回らない等の言語機能障害を含む運動失調が症状として現れる。

問題

適応機制の1つである「退行」に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

  1. 認めたくない欲求を心の中に抑え込もうとする。
  2. 欲求を価値の高い行為に置き換える。
  3. 適当な理由をつけて、自分を正当化しようとする。
  4. 発達の未熟な段階に後戻りして、自分を守ろうとする。
  5. 苦しくつらい現実から逃げることで、一時的に心の安定を求める。
答え

【 4,  】

解説

  1. × 選択肢は抑圧である。
  2. × 選択肢は昇華である。
  3. × 選択肢は合理化である。
  4. 〇 正しい
  5. × 選択肢は逃避である。

問題

相談支援専門員の業務として、適切なものを1つ選びなさい。

  1. 障害支援区分の審査判定を行う。
  2. 就労に必要な能力を高める訓練を行う。
  3. サービス等利用計画を作成する。
  4. 個別支援計画を作成する。
  5. 外出時の移動介護を行う。
答え

【 3,  】

解説

  1. × 障害支援区分の審査判定は、市町村審査会が行う。
  2. × 就労に必要な能力を高める訓練は、就労移行支援で提供される。
  3. 〇 適切である。
  4. × 個別支援計画は、利用者に対して障害福祉サービスを提供する指定障害福祉サービス事業者によって作成されるものであり、相談支援専門員の独自の業務ではない。
  5. × 外出時の移動介護は、介護福祉士をはじめ居宅介護職員初任者研修修了者等が行う。

問題

Hさん(女性)は、長男J君(3歳)が通園中の保育所の保育士から、「J君は言語などの発達に遅れがあるようだ」 と伝えられた。子どもの将来に不安を感じたHさんは、知り合いの介護福祉職に相談した。
介護福祉職がHさんに対して行うアドバイスとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 子どもの発達の状態を見守る。
  2. 児童発達支援センターに相談する。
  3. 児童相談所の判定を受ける。
  4. 障害児保育の申請を行う。
  5. 居宅介護事業所を紹介する。
答え

【 2,  】

解説

  1. × 見守るだけでは、現在Hさんが抱える子どもの将来の不安を解決できない。早期診断・早期療育により、療育の長期効果や保護者の育てにくさによるストレスにも対応でき、児童と適切な関係を築くことができる。
  2. 〇 児童発達支援センターとは、身近な地域の通所利用障害児への療育やその家族に対する支援を行うとともに、その専門機能を活かし、地域の障害児やその家族の相談支援、 障害児を預かる施設への援助・助言を行う地域の児童発達の中核的な支援施設である。
  3. × 児童相談所の判定とは、相談のあった事例の総合的理解を図るため、診断をもとに、各診断担当者等の協議により行う総合診断である。今回は、言語の発達に関する相談段階であるため、適切ではない。
  4. × 障害児保育とは、認可保育所等で実施される保育の必要な心身に障害のある子どもの保育のことである。この事例では、通園中の保育所の保育士から情報提供があっただけで、障害があると診断されたわけではないため、適切ではない。
  5. × 介護や家事支援が課題ではないため、適切ではない。

問題

記憶と学習に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

  1. 短期記憶とは、数日保持される記憶である。
  2. 記銘とは、情報を覚えることである。
  3. 意味記憶とは、自分に起こった出来事の記憶である。
  4. 道具的条件づけの代表例に「パブロフの犬」がある。
  5. 観察学習とは、自分の行動を反省することによる学習である。
答え

【 2,  】

解説

  1. × 短期記憶とは、数十秒から数十分という短時間保持される記憶である。
  2. 〇 記憶の第一段階で、経験内容を覚えこみ、定着させることであり、感覚記憶にー時的にとどまっていることや、短期記憶に情報が維持されていることを記銘とはいわない。
  3. × 意味記憶とは、長期記憶のうち、言葉の意味や知識、概念に関する記憶。「1年は12か月である」といった知識や情報の記憶である。自分に起こった出来事の記憶はエピソード記憶と呼ばれる。
  4. × 「パブロフの犬」は、古典的条件づけの代表的な実験例である。
  5. × 観察学習とは、他者の行動を観察することで生じた学習のことである。

問題

Kさん(91歳、男性、要介護1)は、65歳の娘と二人暮らしである。訪問介護員(ホームヘルパー)が週2回通っている。もともと頑固で怒りやすい性格だが、ある日、訪問介護員(ホームヘルパー)が茶碗を割ったのをきっかけに怒りを爆発させて、 この訪問介護員(ホームヘルパー)を代えるように娘に主張した。それは難しいと娘が説明したところ、「もういい、他人には自分の気持ちを理解できるはずがないから、どうせ代わっても今と変わりはない」 と話を打ち切ってしまった。
この会話でKさんにみられた適応機制として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 抑圧
  2. 合理化
  3. 反動形成
  4. 昇華
  5. 投影
答え

【 2,  】

解説

  1. × 抑圧とは、自分の安定を脅かすような不満や葛藤などの原因となる欲求や動機を無意識の世界に押しやることである。
  2. 〇 合理化とは、葛藤や不安を解消するために、もっともらしい理由や口実を付けることで正当化しようとすることである。
  3. × 反動形成とは、本来の欲求や衝動とは反対の行動や態度を示すことである。
  4. × 昇華とは、そのままの形では社会的に容認されない欲求を、社会的に容認される形で充足させることである。
  5. × 投影とは、自己の中に存在する認めがたい葛藤や不安の原因を、他社や外部の者に転化する。

問題

血管系に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

  1. リンパ管には血液が流れている。
  2. 末梢動脈には逆流を予防するための弁がある。
  3. 左心室から出た血液は大静脈へ流れる。
  4. 肺動脈には静脈血が流れている。
  5. 下肢の静脈は体表から拍動を触れる。
答え

【 4,  】

解説

  1. × リンパ管には、リンパ液が流れている。
  2. × 逆流を予防するための弁があるのは、末梢静脈である。
  3. × 左心室から出た血液は大動脈に流れる。
  4. 〇 選択肢の通り
  5. × 下肢の体表で拍動を触れるのは、動脈である。

問題

眼の症状とそれに関連が強い疾患の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 眼球が痛くなる --- 加齢黄斑変性症(age-related macular degeneration)
  2. 近いところが見えにくい --- 緑内障(glaucoma)
  3. 結膜が充血する --- 流行性角結膜炎(epidemic keratoconjunctivitis)
  4. 硝子体が白くなる --- 白内障(cataract)
  5. 目やにが増える --- 糖尿病性網膜症(diabetic retinopathy)
答え

【 3,  】

解説

  1. × 加齢黄斑変性症のでは、主な症状は、ゆがんでみえる(変視症)、見ようとするものの中心が欠けて見えない(中心暗点)である。
  2. × 緑内障は、視野が狭くなる疾患である。
  3. 〇 適切である。
  4. × 白内障で白くなるのは、水晶体である。
  5. × 糖尿病性網膜症は、網膜に出血や白斑などが現れる。

問題

生体で生じる化学反応について、酵素は重要な役割を担っている。酵素を構成する主要成分として、正しいものを1つ選びなさい。

  1. タンパク質
  2. 糖質
  3. 脂質
  4. ビタミン類
  5. 無機質(ミネラル(mineral))
答え

【 1,  】

解説

解答の通り

問題

Lさん(84歳、男性、要介護4)は、自宅で妻と暮らしている。数日前から妻が体調を崩しているため、短期入所生活介護(ショートステイ)を利用することになった。利用初日に、介護福祉職が身体の確認をするために着替えを行ったところ、Lさんの腋窩と腹部に赤い丘疹が見られ、一部に小水疱を伴っていた。強いかゆみを訴えており、手指間には灰白色の線が見られる。
Lさんに考えられる皮膚疾患について、集団生活を送る上で最も注意すべき優先度の高いものを1つ選びなさい。

  1. 皮脂欠乏性湿疹(asteatotic eczema)
  2. 疥癬 (scabies)
  3. 白癬(tinea)
  4. 蕁麻疹(urticaria)
  5. 帯状疱疹(herpes zoster)
答え

【 2,  】

解説

  1. × 皮脂欠乏性湿疹は、皮膚表面を覆う皮脂が加齢により極端に減ることで皮膚がひび割れ、表皮が剥がれて、かゆみを伴うが、感染性の疾患ではない。
  2. 〇 疥癬はヒゼンダニというダニの一種が皮膚に寄生して発症する感染性の皮膚疾患である。好発部位は、皮膚と皮膚が触れ合うところ、主に腋窩、指間部、陰部であり、そこから顔面を除く全身に広がっていく。粟粒大の紅色丘疹が発生し、その中心に小水疱や小膿疱ができ、やがて結節(皮膚が盛り上がってできたふし)となる。手関節や指間には疥癬トンネルといわれる灰白色の線が見られる。かゆみが強く、特に夜間、就寝時に増強する。
  3. × 白癖は、真菌(かび)のー種である白癬菌が角質層下に寄生して発症する、感染性の皮膚疾患であり、全身に発症する。体部白癬の症状は、かゆみもあり、まれに小丘疹や小水疱が見られるが、発疹の特徴は輪状の紅斑である。
  4. × 蕁麻疹は、発症初期からかゆみを伴う疾患であり、皮膚のー部に膨疹(皮膚が平たく盛り上がる発疹)が出現し数時間から24時間以内に消失するが繰り返し出現することも多い。
  5. × 帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスにより発症する。発疹は発赤の強い小水疱で、 胸腹部の神経走行に沿って帯を巻いたように発症する。しかし、知覚神経節領域に発症するため、症状はかゆみではなく、疼痛である。

問題

排便に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

  1. 寝たきりになると下痢になりやすい。
  2. 麻薬性鎮痛剤の使用中は便秘になりやすい。
  3. うつ病(depression) では下痢になりやすい。
  4. ウイルス感染では便秘になりやすい。
  5. 腸閉塞(intestinal obstruction)では下痢になりやすい。
答え

【 2,  】

解説

  1. × 寝たきりになると、腸が緩んだ状態になり、腸の老廃物の移動が遅れる弛緩性便秘を引き起こしやすい。
  2. 〇 麻薬性鎮痛剤の副作用によって、腸蠕動は抑制され、弛緩性便秘や腸閉塞を起こしやすくなる。
  3. × うつ病になると身体の自律神経が低下する。そのため、腸管の神経伝達などの機能が弱まり便秘になりやすい。
  4. × ウイルス感染では、便秘より下痢症状を引き起こす可能性が高い。
  5. × 腸閉塞は、腹痛、嘔吐、腹部膨満、排便・排ガス停止が主症状である。

問題

次の症状のうち、膀胱炎(cystitis) で最も起こりやすいものを1つ選びなさい。

  1. 発熱
  2. 乏尿
  3. 残尿
  4. 腰痛
  5. 排尿時痛
答え

【 5,  】

解説

膀胱炎・尿道炎を代表する下部尿路感染症では、排尿時痛が特徴である。

問題

体内時計を1日24時間の周期に修正する最も強力な因子として、正しいものを1つ選びなさい。

  1. 日光
  2. 食事
  3. 運動
  4. 仕事
  5. 入浴
答え

【 1,  】

解説

日光は体内時計の周期を修正する最も大きな因子である。人間の体内時計はおよそ 25時間であり、毎朝起きて日光を浴びることで、体内時計を「1日24時間の周期」にリセットさせる。

問題

「睡眠の時間は十分にとれているが、ぐっすり眠れた感じがしない状態」に当てはまる不眠症(insomnia) として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 入眠障害
  2. 中途覚醒
  3. 熟眠障害
  4. 早朝覚醒
  5. 時差症候群(jet lag syndrome)
答え

【 3,  】

解説

  1. × 入眠障害とは、床に入ってもなかなか寝つけずに、眠るまで30-60分以上かかる状態が慢性的に続くことである。
  2. × 中途覚醒は不眠症の一種であり、眠りについた後で何度も目覚める状態である。
  3. 〇 熟眠障害は、睡眠の時間を長くとっているにもかかわらず、眠りが浅く、よく眠ったという満足感が得られない症状のことである。
  4. × 早朝覚醒は、早朝に目が覚めてしまい、 それ以降眠れなくなる症状のことである。
  5. × 時差症候群は、日常の居住地から時差のある遠隔地へ移動した際に、移動先の概日リズムに合わせられず生じる心身の不調のことである。

問題

Mさん(85歳、女性)は、認知症(dementia) と診断されている。数日前に介護老人保健施設に入所した。毎日、タ方から夜間にかけて怒りっぽくなり、担当の職員に大声をあげている。物忘れや徘徊もみられる。
Mさんの現在の状態として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 過眠症(hypersomnia)
  2. レム睡眠行動障害(REM sleep behavior disorder)
  3. パニック障害(panic disorder)
  4. 幻覚
  5. タ暮れ症候群
答え

【 5,  】

解説

  1. × 過眠症とは、夜眠っているにもかかわらず、日中に強い眠気が生じ起きているのが困難になる状態である。
  2. × レム睡眠行動障害とは、睡眠中に夢の内容の行動化を伴う。レム睡眠中にもかかわらず、骨格筋弛緩のメカニズムが破綻し、夢の中の行動がそのまま現れる。また、夢の内容は、非常に鮮明だが、不快な夢や暴力的な夢が多いといわれている。
  3. × パニック障害は動悸、発汗、頻脈、ふるえ、息苦しさなどが突然襲い、このままでは死ぬかもしれないという不安や恐怖感が生まれる症状である。
  4. × 幻覚は、実際にはそこに存在しないのに、あたかも実在するかのように感じる症状である。幻覚には、幻視・幻聴・幻臭等もある。
  5. 〇 タ暮れ症候群は、タ方頃になると落ち着かずそわそわしたり、少しのことに声を荒げたり、徘徊、攻撃、興奮などの行動がみられることである。

問題

臨終期の身体の様子に関する記述として、適切なものを1つ選びなさい。

  1. 手足は温かい。
  2. 浮腫の出現は少ない。
  3. 喉からゴロゴロする音が聞かれる。
  4. 尿量は増加する。
  5. 呼吸のリズムは規則的である。
答え

【 3,  】

解説

  1. × 臨終期は心臓のはたらきが弱まるので、全身に血液を送る力が弱くなり、手足は冷たい。
  2. × 臨終期は全身の循環機能が低下するなど、浮腫が生じやすくなる。
  3. 〇 臨終期には自分で咳をしてたまった分泌物を出すことができないため、呼吸のたびに喉からゴロゴ口というような音が聞かれる。
  4. × 尿は血液が腎臓でろ過されることで生成される。臨終期は心臓のはたらきが弱まるので、腎臓に送られる血液量も減少し、尿量も減少する。
  5. × 呼吸の間隔や深さが乱れてくることが多い。

問題

医療行為としての喀痰吸引等を行うための指示書に関する次の記述のうち、 正しいものを1つ選びなさい。

  1. 医師が作成する。
  2. 介護支援専門員(ケアマネジャー)が作成する。
  3. 看護師が作成する。
  4. 有効期限は3年である。
  5. 指示内容の実施は、介護福祉士に限定される。
答え

【 1,  】

解説

  1. 〇 選択肢の通り
  2. × 医師が作成する。
  3. × 医師が作成する。
  4. × 有効期限は6か月とされている。
  5. × 介護福祉士のほか、「喀痰吸引等研修」を修了し、都道府県知事に認定された介護職員等も実施することができる。

問題

パルスオキシメータ(pulse oximeter)での測定に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

  1. 呼吸回数を測定できる。
  2. 体温を測定できる。
  3. 静脈血の酸素飽和度を反映している。
  4. 末梢の血液循環が悪くても正確な値が出る。
  5. 健康な人の基準値は95~100%である。
答え

【 5,  】

解説

  1. × 呼吸回数は目視や聴診で測定する。
  2. × 体温は体温計で測定する。
  3. × パルスオキシメータは、動脈血の酸素飽和度を反映している。
  4. × 測定部の冷感や血行が十分にない状態や爪のマニキュアなどで測定部が遮断される、測定時の体動などがある場合は、正確な数値が出ない。
  5. 〇 選択肢の通り

問題

喀痰吸引を必要とする利用者に対する生活支援として、適切なものを1つ選びなさい。

  1. 口腔内の乾燥を保つ。
  2. 室内の空気を清浄に保つ。
  3. 室内の湿度を30%以下に保つ。
  4. 水分摂取を控える。
  5. 仰臥位から側臥位への体位変換を控える。
答え

【 2,  】

解説

  1. × 乾燥を防ぐことが大切である。
  2. 〇 喀痰吸引を必要とする人は、空気中の塵や埃、細菌やウイルスなどの異物を吸い込んだときに、体外に排出する力が弱い。
  3. × 湿度が低くなることで痰の粘性が増し、気道に停滞しやすく排出しにくくなる。スムーズな喀痰吸引を行うために、40~60%の適度な湿度が必要となる。
  4. × 痰は湿度と同様、体内の水分量とも連動している。水分量が低下すると痰は粘性を増す。そのため、適度な水分補給を行い、体内の水分量のバランスをとることが大切である。
  5. × 仰臥位では、重力により背側に痰がたまり、排出しにくい状態となる。そのため、体位を変えることで痰を移動させ、出しやすくする。

問題

介護福祉士が喀痰吸引を指示に従って実施したが、1回の吸引で痰が取り切れなかった。再度、吸引を行うときの対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 呼吸が落ち着いたことを確認する。
  2. 吸引時間を延長する。
  3. 吸引圧を高くする。
  4. 太い吸引チューブに変更する。
  5. 痰がたまっていそうな部位にしばらく吸引チューブをとどめる。
答え

【 1,  】

解説

  1. 〇 喀痰吸引は、吸引の刺激からむせや自発的に呼吸を止めてしまうなど、利用者への負担が大きい。そのため、呼吸が落ち着いたことを確認してから、再度行うことが大切である。
  2. × 医師の指示どおりの吸引時間で行う。
  3. × 医師の指示どおりの吸引圧で行う。
  4. × 吸引チューブの太さは、介護福祉士の判断で変更することはできない。吸引チューブの太さの検討が必要な場合は、医師や看護職に報告・相談を行う。
  5. × 吸引チューブをとどめておくと、粘膜への吸い付きが起こり、粘膜の損傷や出血の原因となる。

問題

Aさん(85歳)は、胃ろうを造設している。介護福祉士は、栄養剤を注入する前にAさんの排尿を促して、排尿があったのを確認した後に注入を開始した。注入する栄養剤は体温に近い温度で用意して、注入中の体位は角度10度の仰臥位で行った。栄養剤の量と注入の速度は、指示のとおりに行った。注入中に、Aさんが嘔吐した。
嘔吐の原因として、最も可能性の高いものを1つ選びなさい。

  1. 注入前の排尿
  2. 栄養剤の温度
  3. 注入中の体位
  4. 栄養剤の量
  5. 注入の速度
答え

【 3,  】

解説

Aさんの注入中の体位が角度10度の仰臥位であることが、嘔吐の原因と考えられる。仰臥位に近い状態で注入すると、消化する方向に逆らい栄養剤が逆流し、嘔吐する危険性がある。注入は上半身を挙げた半座位(30度~45度挙上)や座位で行うことが望ましい。

問題

次の事例を読んで答えなさい。

〔事 例〕
Bさん(72歳、女性)は1か月前に脳出血(cerebral hemorrhage)で倒れて、不全麻痺は残ったが、自力でベッドから車いすに移乗できるまでに回復した。食事や排泄はベッドから離れて行えるようになり、在宅で生活することになった。Bさんは長女と同居しているが、長女は働いていて日中不在なので、介護保険の訪問介護(ホームヘルプサービス) を利用することになった。
Bさんは日中はベッド上での生活が主体である。車いすの左側のブレーキをかけ忘れることや、左側の物に気づかずに衝突してしまうことがある。また、食事の時にお膳の左側の食べ残しが目立ち、屋内の生活にも何らかの介助が必要である。
Bさんの症状として、正しいものを1つ選びなさい。

  1. 全般性注意障害
  2. 失行
  3. 見当識障害
  4. 実行機能障害
  5. 左半側空間無視
答え

【 5,  】

解説

  1. × 全般性注意障害は、集中困難・注意散漫や、注意の持続・継続が困難な状態である。Bさんは左側の一方向に限定して出現していることから、適切ではない。
  2. × 失行とは、身体機能上は可能なはずの動作ができないことをいう。
  3. × 見当識障害とは、以前に得た知識が認知できなくなり、時間や空間・場所・人などを把握することができないことをいう。
  4. × 実行機能障害とは、計画を立て、段取りや手順に従って行動することができないことをいう。
  5. 〇 左半側空間無視は、本人から見て左側が見えているにもかかわらず認知できない障害であり、Bさんの症状として、適切である。

問題

次の事例を読んで答えなさい。

〔事 例〕
Bさん(72歳、女性)は1か月前に脳出血(cerebral hemorrhage)で倒れて、不全麻痺は残ったが、自力でベッドから車いすに移乗できるまでに回復した。食事や排泄はベッドから離れて行えるようになり、在宅で生活することになった。Bさんは長女と同居しているが、長女は働いていて日中不在なので、介護保険の訪問介護(ホームヘルプサービス) を利用することになった。
Bさんは日中はベッド上での生活が主体である。車いすの左側のブレーキをかけ忘れることや、左側の物に気づかずに衝突してしまうことがある。また、食事の時にお膳の左側の食べ残しが目立ち、屋内の生活にも何らかの介助が必要である。
Bさんの状態に該当する障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)の判定として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. ランクA1
  2. ランクA2
  3. ランクB1
  4. ランクB2
  5. ランクC1
答え

【 3,  】

解説

Bさんは日中はベッド上での生活が主体であるが、食事や排泄はベッドから離れて行える状態であり、ランクB1が適切である。

問題

次の事例を読んで答えなさい。

〔事 例〕
Bさん(72歳、女性)は1か月前に脳出血(cerebral hemorrhage)で倒れて、不全麻痺は残ったが、自力でベッドから車いすに移乗できるまでに回復した。食事や排泄はベッドから離れて行えるようになり、在宅で生活することになった。Bさんは長女と同居しているが、長女は働いていて日中不在なので、介護保険の訪問介護(ホームヘルプサービス) を利用することになった。
Bさんは日中はベッド上での生活が主体である。車いすの左側のブレーキをかけ忘れることや、左側の物に気づかずに衝突してしまうことがある。また、食事の時にお膳の左側の食べ残しが目立ち、屋内の生活にも何らかの介助が必要である。
ある朝、訪問介護員(ホームヘルパー)が訪問すると、Bさんが寝室の床に倒れていた。
訪問介護員(ホームヘルパー)が最初に取るべき行動として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 床から抱き起こす。
  2. 家族に連絡をする。
  3. 救急車を呼ぶ。
  4. 意識を確認する。
  5. 主治医に連絡する。
答え

【 4,  】

解説

状況に限らず、倒れている人を発見した場合に最初にすべきことは、意識の確認である。

問題

次の事例を読んで答えなさい。

〔事 例〕
Cさん(87歳、女性)は、「財布がなくなった、誰かに盗られた」と訴えるようになった。 夫が盗られていないことを説明しても受け入れなかった。心配した夫に連れられて受診すると、アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer's type)と診断された。その後、認知症(dementia) の進行に伴って夫の介護負担が増えたので、通所介護(デイサー ビス)を利用することになった。
ある日、介護福祉職が入浴介助をしている時、Cさんの体に複数のあざを見つけたため、 介護支援専門員(ケアマネジャー)に報告した。介護支援専門員(ケアマネジャー)から連絡を受けた地域包括支援センターの職員がCさんと夫に確認したところ、夫による暴力が原因であることがわかった。夫の介護負担が軽くなるように、短期入所生活介護(ショー トステイ)の利用を勧めたが、夫は拒否した。その後も、虐待は改善されなかった。そこで、市町村のやむを得ない事由による措置により施設に入所することになった。
入所後まもなく、夜間に施設内を歩き回るCさんの様子が見られた。介護福祉職が声をかけると、「トイレの場所がわからない」と話した。日中はトイレで排泄を行い、下着を汚すことはなかった。
通所介護(デイサービス)を利用する前のCさんにみられた認知症(dementia) の症状として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 幻覚
  2. 抑うつ
  3. 見当識障害
  4. 失認
  5. 妄想
答え

【 5,  】

解説

  1. × 幻覚は、実際には存在しない人や物が見える幻視と、実際には聞こえていない音や声が聞こえる幻聴が特徴である。
  2. × 抑うつは、憂うつな気分や行動・思考の低下が認められる。
  3. × 見当識障害とは、以前に得た知識が認知できなくなり、時間や空間・場所・人などを把握することができないことをいう。
  4. × 失認は、感覚機能には障害がないものの、対象を認知できない状態をいう。
  5. 〇 「財布がなくなった、誰かに盗られた」という訴えは、妄想の症状である。

問題

次の事例を読んで答えなさい。

〔事 例〕
Cさん(87歳、女性)は、「財布がなくなった、誰かに盗られた」と訴えるようになった。 夫が盗られていないことを説明しても受け入れなかった。心配した夫に連れられて受診すると、アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer's type)と診断された。その後、認知症(dementia) の進行に伴って夫の介護負担が増えたので、通所介護(デイサー ビス)を利用することになった。
ある日、介護福祉職が入浴介助をしている時、Cさんの体に複数のあざを見つけたため、 介護支援専門員(ケアマネジャー)に報告した。介護支援専門員(ケアマネジャー)から連絡を受けた地域包括支援センターの職員がCさんと夫に確認したところ、夫による暴力が原因であることがわかった。夫の介護負担が軽くなるように、短期入所生活介護(ショー トステイ)の利用を勧めたが、夫は拒否した。その後も、虐待は改善されなかった。そこで、市町村のやむを得ない事由による措置により施設に入所することになった。
入所後まもなく、夜間に施設内を歩き回るCさんの様子が見られた。介護福祉職が声をかけると、「トイレの場所がわからない」と話した。日中はトイレで排泄を行い、下着を汚すことはなかった。
Cさんが施設に入所する根拠となっている法律として、正しいものを1つ選びなさい。

  1. 介護保険法
  2. 生活保護法
  3. 老人福祉法
  4. 社会福祉法
  5. 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律
答え

【 3,  】

解説

  1. × 介護保険法は、介護老人福祉施設等の施設サービスや訪問介護(ホームヘルプサービス) 等の居宅サービスなどを規定している。
  2. × 生活保護法は、国が生活に困窮するすべての国民に必要な保護を行い、最低限度の生活を保障するための制度である。
  3. 〇 市町村は、やむを得ない事由により居宅において養護を受けることが困難な者の施設入所を委託することができると明記されている。
  4. × 社会福祉法は、社会福祉事業や地域福祉推進のためのシステムを規定している。人権擁護の視点からは、日常生活自立支援事業などを規定しているが、 高齢者虐待による措置入所は規定していない。
  5. × 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律は、精神障害者の福祉の増進を目指した法律である。

問題

次の事例を読んで答えなさい。

〔事 例〕
Cさん(87歳、女性)は、「財布がなくなった、誰かに盗られた」と訴えるようになった。 夫が盗られていないことを説明しても受け入れなかった。心配した夫に連れられて受診すると、アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer's type)と診断された。その後、認知症(dementia) の進行に伴って夫の介護負担が増えたので、通所介護(デイサー ビス)を利用することになった。
ある日、介護福祉職が入浴介助をしている時、Cさんの体に複数のあざを見つけたため、 介護支援専門員(ケアマネジャー)に報告した。介護支援専門員(ケアマネジャー)から連絡を受けた地域包括支援センターの職員がCさんと夫に確認したところ、夫による暴力が原因であることがわかった。夫の介護負担が軽くなるように、短期入所生活介護(ショー トステイ)の利用を勧めたが、夫は拒否した。その後も、虐待は改善されなかった。そこで、市町村のやむを得ない事由による措置により施設に入所することになった。
入所後まもなく、夜間に施設内を歩き回るCさんの様子が見られた。介護福祉職が声をかけると、「トイレの場所がわからない」と話した。日中はトイレで排泄を行い、下着を汚すことはなかった。
Cさんに対する夜間の排泄の支援として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 定時にトイレ誘導を行う。
  2. トイレの入口を明るくする。
  3. 水分を控えるように話をする。
  4. 紙おむつの使用を勧める。
  5. ポータブルトイレを居室に置く。
答え

【 2,  】

解説

  1. × 夜間に定時でCさんを起こしてトイレ誘導を行うことは睡眠障害や日中の活動への影響も考えられることから適切ではない。
  2. 〇 入所後まもない時期であることと、夜間であることから、トイレがどこにあるのかがわからなかったと考えられる。日中はトイレで正常に排泄動作が行えていることから、 トイレの入口を明るくして、トイレの場所がわかるようにすることでCさんの排泄を自立した状態に保てる。
  3. × 水分を控えることで脱水症状の危険性が高まり、適切ではない。
  4. × 紙おむつの使用は、Cさんの自尊心等への配慮の視点から適切ではない。
  5. × Cさんが日中はトイレで排泄を行い下着も汚していないことを考えれば、排泄に必要な身体機能は維持できているため、ポータブルトイレの設置は最も適切な支援とはいえない。

問題

次の事例を読んで答えなさい。

〔事 例〕
N市に住んでいるDさん(64歳、男性)は38歳の時にバイクで事故を起こして、第6頸髄節まで機能残存の頸髄損傷(cervical cord injury)となった。上肢の筋力向上と可動域の確保のためにリハビリテーションを行ったが、手関節は拘縮して、スプーンを握ることはできなかった。また、夏になると障害の特性から体調が悪くなることを自覚していた。 施設への入所も考えたが、家族と共に暮らすことを選んで、N市の居宅介護、重度訪問介護、地域生活支援事業の移動支援等の障害福祉のサービスを利用して生活していた。
最近、Dさんは元気がなく沈んだ様子である。心配したE介護福祉職が、「最近、元気がないようですが、何か心配事でもあるのですか」とDさんに聞いた。Dさんは、[65歳になると介護保険のサービスに移行して、障害福祉のサービスが利用できなくなるのではないか」、特に、「趣味の映画を映画館で見るための移動支援のサービスを利用できなくなるのではないか」 と心配していた。
Dさんの夏の体調悪化を予防する対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 冷房設備のある部屋で過ごすように勧める。
  2. 清潔な空気を入れるように、時々換気することを勧める。
  3. 気温が上昇したら、なるべくベッドで休息することを勧める。
  4. 日中仮眠をとることを勧める。
  5. 食べやすいものを食べることを勧める。
答え

【 1,  】

解説

  1. 〇 頸髄損傷となった人の症状の1つに、発汗障害がある。そのため、室温の調節をすることが重要であり、夏の体調悪化を予防するために冷房設備のある部屋で過ごすことは効果的である。
  2. × 換気は夏の体調悪化を予防するということに特化した支援ではなく、年間を通して必要となる支援であるため、最も適切であるとはいえない。
  3. × 発汗障害に対して、ベッドで休息するというだけでは適切な支援とはいえない。
  4. × 日中仮眠をとることによって、夜間の睡眠の質に影響を及ぼす可能性もある。
  5. × 頸髄損傷となった人の症状の1つに、排便・排尿障害がある。単に食べやすいものを食べることを勧めるだけでは、結果として排便や排尿に悪影響を及ぼす可能性もあるため、適切ではない。

問題

次の事例を読んで答えなさい。

〔事 例〕
N市に住んでいるDさん(64歳、男性)は38歳の時にバイクで事故を起こして、第6頸髄節まで機能残存の頸髄損傷(cervical cord injury)となった。上肢の筋力向上と可動域の確保のためにリハビリテーションを行ったが、手関節は拘縮して、スプーンを握ることはできなかった。また、夏になると障害の特性から体調が悪くなることを自覚していた。 施設への入所も考えたが、家族と共に暮らすことを選んで、N市の居宅介護、重度訪問介護、地域生活支援事業の移動支援等の障害福祉のサービスを利用して生活していた。
最近、Dさんは元気がなく沈んだ様子である。心配したE介護福祉職が、「最近、元気がないようですが、何か心配事でもあるのですか」とDさんに聞いた。Dさんは、[65歳になると介護保険のサービスに移行して、障害福祉のサービスが利用できなくなるのではないか」、特に、「趣味の映画を映画館で見るための移動支援のサービスを利用できなくなるのではないか」 と心配していた。
入浴時にかけ湯をする際、Dさんがお湯の温度を感じられる部位として、正しいものを1つ選びなさい。

  1. A
  2. B
  3. C
  4. D
  5. E
答え

【 1,  】

解説

頚髄は、首の部分に存在し、頚髄が損傷されると首から下の筋肉が麻痺したり、感覚を失う。

問題

次の事例を読んで答えなさい。

〔事 例〕
N市に住んでいるDさん(64歳、男性)は38歳の時にバイクで事故を起こして、第6頸髄節まで機能残存の頸髄損傷(cervical cord injury)となった。上肢の筋力向上と可動域の確保のためにリハビリテーションを行ったが、手関節は拘縮して、スプーンを握ることはできなかった。また、夏になると障害の特性から体調が悪くなることを自覚していた。 施設への入所も考えたが、家族と共に暮らすことを選んで、N市の居宅介護、重度訪問介護、地域生活支援事業の移動支援等の障害福祉のサービスを利用して生活していた。
最近、Dさんは元気がなく沈んだ様子である。心配したE介護福祉職が、「最近、元気がないようですが、何か心配事でもあるのですか」とDさんに聞いた。Dさんは、[65歳になると介護保険のサービスに移行して、障害福祉のサービスが利用できなくなるのではないか」、特に、「趣味の映画を映画館で見るための移動支援のサービスを利用できなくなるのではないか」 と心配していた。
E介護福祉職は相談支援専門員にDさんの移動支援の利用について相談した。
相談支援専門員がDさんに伝える内容として、適切なものを1つ選びなさい。

  1. 利用している居宅介護事業所の管理者の判断で利用できる。
  2. 相談支援専門員の判断で利用できる。
  3. 医師の判断で利用できる。
  4. N市の判断で利用できる。
  5. 介護支援専門員(ケアマネジャー)の判断で利用できる。
答え

【 4,  】

解説

移動支援は、市町村地域生活支援事業の必須事業として位置づけられているものであり、市町村地域生活支援事業は市町村が実施している事業である。

問題

次の事例を読んで答えなさい。

〔事 例〕
Fさん(21歳、男性、身体障害者手帳1級)は、大学1年生(18歳)の時に通学中の交通事故により両大腿切断術を受けた。その後、Fさんは19歳の時に大学を中退して、就労の社会経験がないまま、20歳の時に障害者支援施設に入所した。
現在、訓練中は両足に義足を装着し、2本の杖を使用して歩行できる状態である。また、 自動車の運転免許取得に向けて取り組み、社会復帰を目指している。訓練以外では車いすを使用しており、日常生活は自立している。
Fさんが、所得保障のために利用している制度として、正しいものを1つ選びなさい。

  1. 傷病補償年金
  2. 障害基礎年金
  3. 障害厚生年金
  4. 特別児童扶養手当
  5. 特別障害給付金
答え

【 2,  】

解説

  1. × 傷病補償年金は、業務災害に対して給付される労働者災害補償保険の保険給付の1つである。
  2. 〇 障害基礎年金は、国民年金の期間中に、病気やけがが発症して障害の状態になった場合に受給できる年金である。また、国民年金の加入年齢は、原則20歳以上60歳未満である。20歳未満で障害の状態となった場合は、本人の所得制限を条件に、20歳になってから障害基礎年金を受給できる。
  3. × 障害厚生年金は、一般の会社員などの被用者が加入する厚生年金の期間中に、病気やけがを発症して障害の状態になった場合に受給できる年金である。
  4. × 特別児童扶養手当とは、20歳未満で精神または身体に障害を有する児童を家庭で監護、養育している保護者や養育者へ給付される扶養手当である。
  5. × 特別障害給付金とは、国民年金加入が任意であった時代に任意加入対象者(厚生年金・共済組合などの加入者の配偶者もしくは学生)であって、任意加入していなかった期間に障害の原因となった傷病が発症したことにより、障害者基礎年金、障害者厚生年金、 障害者共済年金の受給資格を満たしていない人に対して、福祉的措置としてとられている制度である。

問題

次の事例を読んで答えなさい。

〔事 例〕
Fさん(21歳、男性、身体障害者手帳1級)は、大学1年生(18歳)の時に通学中の交通事故により両大腿切断術を受けた。その後、Fさんは19歳の時に大学を中退して、就労の社会経験がないまま、20歳の時に障害者支援施設に入所した。
現在、訓練中は両足に義足を装着し、2本の杖を使用して歩行できる状態である。また、 自動車の運転免許取得に向けて取り組み、社会復帰を目指している。訓練以外では車いすを使用しており、日常生活は自立している。
Fさんは、運転免許を取得して自家用車を購入することにした。
全国一律に利用できる制度で、Fさんが自家用車利用に関して経済的負担を軽減できるものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. ドライブレコーダーの購入費
  2. ガソリンの代金
  3. 自動ブレーキ装置の購入費
  4. 有料道路(高速自動車国道)の通行料金
  5. ガソリンスタンドでの洗車料金
答え

【 4,  】

解説

  1. × 自家用車を対象とする制度ではない。
  2. × 自治体によってはガソリンに関する助成金制度もあるが、全国一律とはいえない。
  3. × 自治体によっては自動ブレーキ装置の購入費に関する助成金制度もあるが、全国一律とはいえない。
  4. 〇 「身体障害者が自ら運転する」または「重度の身体障害者もしくは重度の知的障害者が同乗し、障害者本人以外が運転する場合」に、事前に登録された自動車1台に対して割引を実施する制度がある。
  5. × 自家用車を対象とする制度ではない。

問題

次の事例を読んで答えなさい。

〔事 例〕
Fさん(21歳、男性、身体障害者手帳1級)は、大学1年生(18歳)の時に通学中の交通事故により両大腿切断術を受けた。その後、Fさんは19歳の時に大学を中退して、就労の社会経験がないまま、20歳の時に障害者支援施設に入所した。
現在、訓練中は両足に義足を装着し、2本の杖を使用して歩行できる状態である。また、 自動車の運転免許取得に向けて取り組み、社会復帰を目指している。訓練以外では車いすを使用しており、日常生活は自立している。
Fさんは、車いすに長時間乗ったままで過ごさないように留意している。 その理由として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 関節の拘縮予防
  2. 骨の変形予防
  3. 神経麻痺の予防
  4. 腱の断裂予防
  5. 筋組織の壊死予防
答え

【 1,  】

解説

長時間の座位は、股関節の拘縮の原因となり動作に制限が発生してしまう可能性がある。

科目別問題を解いている場合は表示されません。