介護老人福祉施設で暮らすFさん(88歳、男性)は、1年前に脳梗塞(cerebralnfarction)を患い、軽度の右片麻痺があるが週に1回書道を楽しんでいる。
この書道サークルは、地域ボランティアの手伝いによって運営されており、Fさんとボランティアとの関係も良好である。Fさんは暇をみつけては同室のGさんに書道を勧めていたが、Gさんは乗り気ではない。Fさんの性格は職人気質であり、書道に関しては自分流のやり方にこだわりがある。過去には書道教室の先生をしており、また個展を開いた経験もある。
最近、認知症(dementia)の症状が現れ、部屋に閉じこもるようになり、活動に参加しても時折、半紙の前で動きが止まり、いらいらするようになった。
- 書道に関する思い出話をしながら、書道の援助を行う。
- 手の動きが止まったら、墨が乾く前に書くように声をかける。
- 活動中に席を離れたら、すぐ活動に戻るように促す。
- 他の利用者と同じ墨や半紙を用意する。
- 書道よりも脳に刺激のあるゲームを勧める。