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第1問
生活困窮者自立支援法に関する次の記述のうち,適切なものを1 つ選びなさい。
  1. 生活困窮者に対する自立支援策を強化して,その自立促進を図ることを目的としている。
  2. 必須事業として,就労準備支援事業がある。
  3. 任意事業として,自立相談支援事業がある。
  4. 住宅を確保する必要があると認められた場合には,生活保護法の住宅扶助が優先される。
  5. どのような事業でも,NPO法人等へ委託することはできない。
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問題

答え

【  】

解説

問題

Aさん(78 歳,女性)は介護老人福祉施設で生活している。脳血管障害(cerebrovascular disorder)による左片麻痺で,杖を使って歩行し,自力で移動していた。Aさんは,廊下や食堂でいつも職員や他の利用者に声をかけ,誰にでも気遣う人だった。ある日,食堂のいすに足が触れて転倒して,捻挫の痛みで歩くことができなくなり,車いすでの移動になった。捻挫は1週間ほどで完治したが,Aさんは歩くことを拒み,現在でも車いすでの移動を続けている。Aさんは徐々に口数も少なくなり,「歩くことが不安だ。周りに迷惑をかけてしまう」と言い,何に対しても消極的な様子がみられた。
Aさんに対する介護福祉職の関わりとして,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. Aさんは口数が少ない様子なので,できるだけ話しかけないように心がける。
  2. Aさんの自立を考えて,再び歩くことができるように何度も声をかける。
  3. 仲の良い利用者に,頑張って歩くように励ましてもらう。
  4. Aさんの担当の介護福祉職に,再び歩くように説得してもらう。
  5. 食堂のテーブルやいすの配置を見直して,一緒に歩いてみようと働きかける。
答え

【 5 】

解説

  1. × Aさんの不安を放置することとなり、不適切である。
  2. × Aさんの不安を解消するための提案を行わず、「歩くことができるように」との声かけは、根拠のない励ましとなり、Aさんに歩行を無理強いする恐れがある。同時に、事故の再発を放置することになる。
  3. × 2.の解説と同等である。
  4. × 2.の解説と同等である。
  5. 〇 転倒の原因を解消し、事故の再発を防止したうえで、Aさんに選択肢のような対応をすることは、根拠ある励ましであり、不安や遠慮を抱えているAさんに、介護福祉職が一緒に歩くことを申し出ることは、真の励みとなる。

問題

障害児・者に対して,ノーマライゼーション(normalization)の理念を実現するための方策として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 障害の原因となる疾病の完治を目指して治療すること
  2. 障害種別ごとに,同じ職業に就くことができるように訓練すること
  3. 障害児と障害者が一緒に施設で暮らすこと
  4. 普通の生活環境に近づけること
  5. 障害者の経済的水準を一定にすること
答え

【 4 】

解説

  1. × 「ノーマライゼーションは、障害のある者が障害のない者と同等に生活し活動する社会を目指す理念」であり、選択肢の内容はノーマライゼーションに含まれない。
  2. × ノーマライゼーションの理念にある「同等」の考え方は、「同一」とは異なる。
  3. × ノーマライゼーションの理念は、障害児と障害者が一緒に暮らすことを目指すものではなく、施設で暮らすことを目指すものでもない。
  4. 〇 適切である。
  5. × 経済的水準を一定にすることは、ノーマライゼーションの理念である「同等に生活し活動する社会」を目指すこととは異なる。

問題

自己開示に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 相手に自分のことを良く思ってもらうために行う。
  2. 初対面の人には,できるだけ多くの情報を開示しながら行う。
  3. 相手の情報を強制的に引き出すために行う。
  4. 良好な人間関係を築くために行う。
  5. ジョハリの窓(Johari Window)の「開放された部分」(open area)を狭くするために行う。
答え

【 4 】

解説

  1. × 自己開示とは、自分自身に関する情報を相手に伝えることであり、自分のことを良く思ってもらうためというよりも、お互いの理解を深めていくために行う。
  2. × 情報の開示は、相手との関係を考慮して行う。親しくなっていない相手に対して自己開示しすぎてしまうと、関係がうまくいかなくなってしまう場合がある。
  3. × 自己開示には信頼関係を構築していくという目的もある。お互い無理のない範囲での自己開示をしていくことが大切である。
  4. 〇 適切である。
  5. × ジョハリの窓の「解放された部分」とは、自分自身に関する情報の中で、自分も相手も理解している情報のことであり、「解放された部分」を広くしていくことが自己開示の目的である。

問題

Bさん(60 歳,男性)は,先天的に耳が聞こえないろう者である。ろう学校入学以後,同じ障害のある仲間とのコミュニケーションが心の支えになってきた。数年前に緑内障(glaucoma)を発症して視覚障害が残り,両眼とも外界の明暗が分かる程度の視力となった。
Bさんと円滑なコミュニケーションをとるときの手段として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 触手話
  2. 筆談
  3. 点字
  4. 透明文字盤
  5. 携帯用会話補助装置
答え

【 1 】

解説

  1. 〇 触手話とは、視覚と聴覚のどちらにも障害のある人が用いるコミュニケーション手段である。話し手は手話を使い、聞き手は話し手の手に触れる事でコミュニケーションをとっていく。
  2. × Bさんの視力は「外界の明暗がわかる程度の視力」なので、文字の識別は困難であると考えられる。
  3. × 以前は視力に問題のなかったBさんが点字を習得しているとは考えにくい。今後新たに点字を習得することは相当な負担を強いることになる。
  4. × 透明文字盤は、発声が困難な人が、透明なアクリル板などに印刷された文字を目で追いながら意思を伝達するためのコミュニケーションツールであり、Bさんの現在の視力では、キーボードの文字を識別するのは難しいと考えられる。
  5. × 携帯用会話補助装置はキーボードなどから文字を入力していく必要があり、Bさんの現在の視力では、キーボードの文字を識別するのは難しいと考えられる。

問題

健康長寿社会に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. WHO(世界保健機関)は,健康とは病気や障害がないことであると定義している。
  2. 健康寿命を延ばすために,ロコモティブシンドローム(運動器症候群)対策が重要である。
  3. 2010 年(平成 22 年)時点の日本における平均寿命と健康寿命の差は,男性が約 5年,女性が約 8 年である。
  4. 2014 年(平成 26 年)時点の日本におけるがん(cancer)の部位別にみた死亡者数は,男女ともに胃がん(gastric cancer)が最も多い。
  5. 「健康日本 21(第2次)」における飲酒に関する目標には,未成年者の飲酒防止は含まれていない。
    (注) 「健康日本 21(第2次)」とは,「21 世紀における第2次国民健康づくり運動」のことである。
答え

【 2 】

解説

  1. × 「健康とは、完全に、身体、精神、及び社会的によい(安寧な)状態であることを意味し、単に病気ではないとか、虚弱でないということではない」と定義されており、不適切である。
  2. 〇 ロコモティブシンドロームは、骨や関節、筋肉など運動器の衰えが原因で起こることから、その対策をすることは健康寿命を延ばすことにつながる。
  3. × 2010年の平均寿命と健康寿命の差は、男性が9.13年、女性が12.68年である。
  4. × 2014年のがんの部位別にみた死亡者数は、男性では肺がん、女性では大腸がんが一番多い。
  5. × 「健康日本21(第2次)」では、未成年者の飲酒を平成34年に0%にする目標を掲げている。

問題

Cさん(30 歳,女性)は介護老人福祉施設で常勤職員として働いている。出産を来月に控えて,産前 6 週間・産後 8 週間の予定で産休を取ることにした。
産休中のCさんの所得の喪失または減少を補塡するために,医療保険制度から支給されるものとして,適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 出産育児一時金
  2. 休業補償給付
  3. 傷病手当金
  4. 育児休業給付
  5. 出産手当金
答え

【 5 】

解説

  1. × 出産育児一時金は、医療保険制度の加入者が出産した場合、通常の出産では保険が適用されないことから出産費用を補うことを目的に保険者から支給される。所得補填が目的ではない。
  2. × 休業補償給付は、労働者が、業務上または通勤にかかわる負傷や疾病のために労働することができず賃金を受けていない場合に支給される。出産にかかわる支給ではない。
  3. × 傷病手当金は、業務外の病気やケガで療養が必要なために働けない場合に支給される。出産にかかわる支給ではない。
  4. × 育児休業給付は、育児休業中は給料が支払われないために、その補填を目的に雇用保険から支給される。医療保険制度からの支給ではない。
  5. 〇 出産手当金は、出産のために会社を休み、その間に給与の支払いを受けなかった場合に支給される。

問題

日本の社会保険制度に関する次の記述のうち,適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 加入は,個人が選択できる。
  2. 保険料だけで運営され,公費負担は行われない。
  3. 医療保険,年金保険,雇用保険,労災保険,介護保険の5つである。
  4. 給付の形態は,現金給付に限られる。
  5. 保険料は,加入者個人のリスクに見合った額になる。
答え

【 3 】

解説

  1. × 社会保険は、一定の要件に該当する場合には加入が義務付けられる強制保険であるため、個人が選択することはできない。
  2. × 保険料だけで運営されるわけではなく、公営負担もある。
  3. 〇 設問の通り
  4. × 給付形態には、現金給付だけではなく、現物給付(医療や介護等の専門的なサービスの提供、介護機器等の物品提供、住居の提供等)もある。
  5. × 例えば、医療保険は病気がちかどうかで保険料が決まるわけではなく、他の保険でも同じである。

問題

社会保障給付費に関する次の記述のうち,正しいものを1 つ選びなさい。

  1. サービス関連の給付費を除いて,1年間に給付される現金の総額である。
  2. 2000 年度(平成 12 年度)以降の給付費に占める介護対策の割合は増加傾向にある。
  3. 2013 年度(平成25年度)の給付費の総額は約 50 兆円である。
  4. 2013 年度(平成25年度)の給付費を制度別にみると,社会保険が約 7 割を占めている。
  5. 2013 年度(平成25年度)の「年金」「医療」「福 祉その他」の部門別割合は約5 対4 対1 である。
答え

【 2 】

解説

  1. × 社会保障給付費には、サービス関連の給付費も含まれる。
  2. 〇 設問の通り
  3. × 2013年の給付費の総額は、約110兆円である。
  4. × 2013年の給付費を制度別にみると、年金保険49.3%、医療保険32%であり、この2つの社会保険だけで81.3%になる。
  5. × 2013年の部門別割合は、年金49.3%、医療32%、福祉その他18.7%であり、約5対4対1ではない。

問題

介護保険制度における訪問介護(ホームヘルプサービス)のサービスに含まれるものとして,適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 理美容サービス
  2. 通帳と印鑑の預かり
  3. 生活等に関する相談・助言
  4. 庭の草むしり
  5. 訪問日以外の安否確認
答え

【 3 】

解説

設問の通り

問題

介護保険制度における保険者の役割として,正しいものを1 つ選びなさい。

  1. 居宅サービス事業者の指定
  2. 保険給付に関する事務
  3. 要介護認定の基準の設定
  4. 介護保険審査会の設置
  5. 介護支援専門員(ケアマネジャー)の登録
答え

【 2 】

解説

  1. × 介護保険制度における保険者は市町村及び特別区である。居宅サービス事業者の指定は都道府県の役割であり、保険者の役割ではない。
  2. 〇 設問の通り
  3. × 要介護認定の基準の設定は国の役割であり、保険者の役割ではない。
  4. × 介護保険審査会の設置及び運営は都道府県の役割であり、保険者の役割ではない。
  5. × 介護支援専門員の登録は都道府県の役割であり、保険者の役割ではない。

問題

指定介護老人福祉施設に配置が義務づけられている専門職として,正しいものを1 つ選びなさい。

  1. 介護支援専門員(ケアマネジャー)
  2. 主任介護支援専門員
  3. 訪問介護員(ホームヘルパー)
  4. サービス提供責任者
  5. 福祉用具専門相談員
答え

【 1 】

解説

  1. 〇 介護支援専門員は、常に入所者(利用者)からの相談に応じられるように常勤での配置が義務付けられている。
  2. × 主任介護支援専門員は、地域包括支援センターに配置が義務付けられている。
  3. × 訪問介護員は、訪問介護事業所に配置が義務付けられている。
  4. × サービス提供責任者は、一定数以上の利用者がいる訪問介護事業所に配置が義務付けられている。
  5. × 福祉用具専門相談員は、福祉用具貸与・販売を行う事業所に配置が義務付けられている。

問題

「障害者差別解消法」に関する次の記述のうち,適切なものを1 つ選びなさい。
(注) 「障害者差別解消法」とは,「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」のことである。

  1. 就労における具体的な差別を直接明示している。
  2. 個人による差別行為への罰則規定がある。
  3. 行政機関等と事業者に対して,不当な差別的取扱いを禁止している。
  4. 市町村は,障害者差別解消支援地域協議会を設置しなければならない。
  5. 障害者の差別に関する相談窓口として,相談支援事業所が指定されている。
答え

【 3 】

解説

  1. × 障害者差別解消法では、就労における具体的な差別を直接明示していない。
  2. × 個人による差別行為への罰則規定はない。
  3. 〇 設問の通り
  4. × 障害者差別解消法 第17条において、「国及び地方公共団体の機関であって、医療、介護、教育その他の障害者の自立と社会参加に関連する分野の事務に従事する者は、(中略)関係機関により構成される障害者差別解消支援地域協議会を組織することができる」とされており、設置しなければならないわけではない。
  5. × 障害者の差別に関する相談窓口は市町村であり。相談支援事業所ではない。

問題

Dさん(45 歳,男性)は脊髄損傷(spinal cord injury)による肢体不自由で,身体障害者手帳3級を所持している。同居家族の高齢化もあり,「障害者総合支援法」に基づくサービスを利用するために認定調査を受けたところ,障害支援区分 3と判定された。
Dさんが利用できるサービスとして,正しいものを1 つ選びなさい。
(注) 「障害者総合支援法」とは,「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。

  1. 療養介護
  2. 重度訪問介護
  3. 重度障害者等包括支援
  4. 短期入所
  5. 行動援護
答え

【 4 】

解説

  1. × 療養介護の対象者は、病院等への長期の入院による医療的ケアに加え、常時の介護を必要とする以下の障害者とされているため、Dさんは利用できない。
    1. 筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者等気管切開を伴う人工呼吸器による呼吸管理を行っているものであって、障害支援区分が区分6の者
    2. 筋ジストロフィー患者又は、重症心身障害者であって、障害程度区分が区分5以上の者
    3. 改正前の児童福祉法第43条に規定する重症心身障害児施設に入居した者又は、改正前の児童福祉法第7条第6項に規定する指定医療機関に入所した者であって、2012年4月1日以降指定療養介護事業所を利用する1.および2.以外の者
  2. × 重度訪問介護の対象者は、障害支援区分が区分4以上の重度の肢体不自由者又は知的障害もしくは精神障害により行動上著しい困難を有する障害者であって、常時介護を要する障害者とされている。障害者支援区分が3であるDさんは利用できない。
  3. × 重度障害者包括支援の対象者は、常時介護を要する障害者等であって、意思疎通を図ることに著しい支障があるもののうち、四肢の麻痺及び、寝たきり状態にある者並びに知的障害又は精神障害により行動上著しい困難を有するものである。具体的には障害支援区分が区分6以上の者であるため、Dさんは利用できない。
  4. 〇 短期入所の対象者は、福祉型(障害者支援施設等において実施)の場合は、(1)障害支援区分が区分1以上である障害者、(2)障害児に必要とされる支援の度合いに応じて厚生労働大臣が定める区分における区分1以上に該当する障害児である。また、医療型(病院、診療所、介護老人保健施設において実施)の場合は、遷延性意識障害児・者、筋萎縮性側索硬化症等の運動ニューロン疾患の分類に属する疾患を有するもの及び、重症心身障害児・者となっている。
  5. × 行動援護の対象者は、知的障害又は精神障害により行動上著しい困難を有する障害者等であって常時介護を要するもので、障害支援区分が区分3以上であり、障害支援区分の認定調査項目のうち行動関連項目等(12項目)の合計点数が10点以上(障害児にあってはこれに相当する支援の度合い)であるものであるため、Dさんは利用できない。

問題

「障害者総合支援法」の規定により,地方公共団体が設置する協議会の機能として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
(注) 「障害者総合支援法」とは,「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。

  1. 障害福祉計画の策定
  2. 相談支援事業所に対する評価
  3. 障害福祉サービス利用者の個別支援計画の策定
  4. 障害者からの苦情の解決
  5. 障害者等への支援体制に関する課題についての情報共有
答え

【 5 】

解説

  1. × 障害者総合支援法の規定により、地方公共団体が設置する協議会の機能は、「障害者の支援の体制整備を図ること」と定められており、障害福祉計画の策定ではない。
  2. × 相談支援事業所に対する評価は、協議会の機能ではない。
  3. × 障害福祉サービス利用者の個別支援計画の策定を行うのは、サービス管理責任者である。
  4. × 障害者からの苦情の解決は、都道府県の運営適正化委員会等が行う。協議会の機能ではない。
  5. 〇 設問の通り

問題

Eさん(88 歳,女性)は,一人暮らしで親族はいない。収入は年金と所有するアパートの家賃である。介護保険の訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用している。最近,認知症(dementia)が進んで,家賃の管理ができなくなった。
家賃の管理に関する訪問介護事業所の対応として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. アパートの管理を不動産屋に委託するように,Eさんに助言する。
  2. 日常生活自立支援事業の活用を,Eさんに助言する。
  3. 訪問介護事業所が家賃の集金等を行う。
  4. 成年後見制度の活用を,担当の介護支援専門員(ケアマネジャー)に提案する。
  5. 隣の人に見守りを依頼する。
答え

【 4 】

解説

この事例では、「Eさんの認知症が進んで、家賃の管理ができない」「家賃の適切な管理が必要」ということがポイントになる。

  1. × 一般的にアパートの管理を不動産屋に委託する例は多いが、Eさんはすでに認知症が進んでおり、不動産屋に委託する契約自体の締結が困難だと考えられる。
  2. × 日常生活自立支援事業は、日常的な預貯金の出し入れや支払いなどの支援は行うが、家賃の管理は行わない。また、事業内容をある程度理解したうえで利用契約を結ぶ必要があることから、その点でも利用は困難である。
  3. × 訪問介護事業所の業務ではない。
  4. 〇 成年後見制度を利用すれば、成年後見人が契約の代行や、金銭の管理もできることから適切である。
  5. × 本人の了解が得られ、かつ、隣の人が信用できる人だということがわかっていれば、見守りを依頼すること自体間違っていないが、「家賃の適切な管理」が必要とされていることから、適切ではない。

問題

生活困窮者自立支援法に関する次の記述のうち,適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 生活困窮者に対する自立支援策を強化して,その自立促進を図ることを目的としている。
  2. 必須事業として,就労準備支援事業がある。
  3. 任意事業として,自立相談支援事業がある。
  4. 住宅を確保する必要があると認められた場合には,生活保護法の住宅扶助が優先される。
  5. どのような事業でも,NPO法人等へ委託することはできない。
答え

【 1 】

解説

  1. 〇 設問の通り
  2. × 就労準備支援事業は任意事業である。
  3. × 自立相談支援事業は必須事業である。
  4. × 住居の確保が必要な場合、一時生活支援事業として、一定期間の宿泊場所の提供等が生活困窮者自立支援法に基づいて行われる。生活保護法に基づく住宅扶助は優先されない。
  5. × 適切な場合は、NPO法人等へ委託することができる。

問題

「福祉関係三審議会合同企画分科会」が提出した「今後の社会福祉のあり方について(意見具申)」(1989 年(平成元年)3 月)の内容で,介護保険法の理念・仕組み等につながる事項として,適切なものを1 つ選びなさい。
(注) 「福祉関係三審議会合同企画分科会」の三審議会とは,中央社会福祉審議会,身体障害者福祉審議会,中央児童福祉審議会のことである。

  1. 社会福祉事業に対する規制強化
  2. 市町村の役割重視
  3. 施設福祉サービスの法定化
  4. 就労支援策の創設
  5. 福祉文化の創造
答え

【 2 】

解説

  1. × 意見具申が提出された1989年当時は、ゴールドプランが策定されるなど、サービスの拡大が必要とされており規制を緩和する方向で検討されていた。規制強化は逆である。
  2. 〇 意見具申は「住民に最も密着した基礎的地方公共団体である市町村をその主体とすることが適当である。」として、市町村の役割重視を打ち出した。
  3. × 施設福祉サービスは意見具申が提出される前から法定化されていた。意見具申で法定化されたのはそれまで法定化されていなかった在宅福祉サービスである。
  4. × 就労支援について取り上げていない。
  5. × 福祉文化の創造という言葉は、2002年に厚生労働省の社会保障審議会福祉部会がまとめた「市町村地域福祉計画及び都道府県地域福祉支援計画策定指針の在り方について(一人ひとりの地域住民への訴え)」の中で使われている。意見具申では使われていない。

問題

「高齢者虐待調査結果」に関する次の記述のうち,適切なものを1 つ選びなさい。
(注) 「高齢者虐待調査結果」とは,「2014 年度(平成26 年度)高齢者虐待の防止,高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査結果」(厚生労働省)のことである。

  1. 被虐待高齢者と虐待を行った養護者(虐待者)との同居・別居の状況は,「虐待者とのみ同居」が最も多い。
  2. 被虐待高齢者からみた虐待を行った養護者(虐待者)の続柄は,「夫」が最も多い。
  3. 被虐待高齢者と虐待を行った養護者(虐待者)の家族形態は,「子夫婦と同居」が最も多い。
  4. 養介護施設従事者等による虐待についての相談・通報者は,「家族・親族」が最も多い。
  5. 養介護施設従事者等による虐待の事実が認められた施設・事業所の種別は,「有料老人ホーム」が最も多い。
答え

【 1 】

解説

  1. 〇 設問の通り
  2. × 「息子」が最も多い。
  3. × 「未婚の子と同居」が最も多い。
  4. × 「当該施設職員」が最も多い。
  5. × 「特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)」が最も多い。

問題

利用者の生活の質(QOL)を高めるための介護福祉職のあり方として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. ADL(Activities of Daily Living:日常生活動作)の維持・向上を最優先にする。
  2. どの利用者に対しても同じ方法で介護する。
  3. 利用者の精神的側面は考慮しなくてもよい。
  4. 終末期の介護では,利用者の私物は早めに処分する。
  5. 利用者のニーズや生活環境を総合的にみて,介護の方針を検討する。
答え

【 5 】

解説

  1. × ADLの維持・向上は大切なことではあるが、最優先とは限らない。
  2. × 同じ方法で介護することは利用者一人ひとりの個性や希望を無視することになり適切ではない。
  3. × 精神的側面も考慮しなければならない。
  4. × 私物を早めに処分すれば本人や家族の意欲を失わせることになり適切ではない。
  5. 〇 設問の通り

問題

Fさん(80 歳,男性)は,パーキンソン病(Parkinson disease)である。不安定ではあるが,歩行ができる。振戦があり,長い時間座位を保つことが難しい。
Fさんに対する介護福祉職のリスクマネジメントとして,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 歩行を始めるときは,リズムをとれるように一声かける。
  2. 移動はいつも車いすを使い,ベルトで体を固定する。
  3. お茶は湯飲みにたっぷり注いで出す。
  4. 浴槽につかっている間は,浴室から離れる。
  5. いすから立ち上がるときは,顎を前に出して,体幹を伸展させる。
答え

【 1 】

解説

  1. 〇 パーキンソン病では、動作のはじめや途中で手足がすくんでしまうすくみ現象がみられ、歩行時に転倒するリスクがある。そのため、歩行を始めるときはリズムをとれるように一声かけ、すくみ足を軽減することでスムーズな一歩が踏み出せるようになる。
  2. × 不安定ながら歩行ができることから、いつも車いすを使うのではなく、必要に応じて杖や歩行器などの歩行補助具を使用する。これによって、歩行時の転倒予防につながる。
  3. × パーキンソン病では、1秒間に4~6回程度のリズムで触れ動く手や指の震えがみられる。お茶を湯のみにたっぷり注いで出すことは、飲むときにこぼしてしまう原因となり、熱いお茶であれば火傷をするリスクがある。
  4. × 長い時間座位を保つことが難しいため、浴槽に使っている間にバランスを崩す可能性がある。パーキンソン病では、姿勢を立て直す反射が障害(姿勢反射障害)されるため、浴槽内で溺れ、最悪の場合は溺死するリスクがある。
  5. × 通常、椅子から立ち上がる時は、顎を引いて体幹を屈曲(前屈)しなければならない。顎を前に出して体幹を伸展させることは、立ち上がりが行いにくいだけではなく、動作中にバランスを崩して転倒するリスクがある。

問題

リハビリテーションに関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 障害が固定してから開始する訓練のことである。
  2. 福祉用具を使用せずに,身体的自立を目指すことである。
  3. リハビリテーションには,名誉の回復の意味がある。
  4. レクリエーションとリハビリテーションは,対極の概念である。
  5. 施設サービスに限定されている。
答え

【 3 】

解説

  1. × 医学的リハビリテーションでは、障害が発生したのち、できるだけ早い時期にリハビリテーションを行う。
  2. × 社会的リハビリテーションは、住宅や地域の環境整備、各種介護サービス、福祉用具などの支援を行い、社会参加をできるだけ可能にする。必要に応じて福祉用具を使用し、社会的バリアを減少させることも重要である。
  3. 〇 リハビリテーションとは、疾患やケガによって失ったものを再び元の状態に戻すことである。さらに、人として本来あるべき姿に回復することであり、全人間的復権を意味している。それに加えて、古くは「更生」、「名誉回復」などの復権という意味が含まれている。
  4. × レクリエーションは、身体機能の向上を促すだけではなく、生きがいのある生活やより良い人間関係の構築などの効果がある。つまり、リハビリテーションと対極の概念ではない。
  5. × リハビリテーションは、病院・施設(急性期、回復期、維持期)、在宅(訪問リハビリテーション)、通所リハビリテーション、通所介護、短期入所療養介護)などで行われる。

問題

災害時,避難所での高齢者への介護福祉職の対応として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 疲労防止のために,日中も臥床して過ごすように勧める。
  2. 避難所内の調和を乱さないように,「個」よりも「全体」に配慮する。
  3. 杖で歩行している人も,避難所内では車いすを使ってもらう。
  4. トイレの数が確保できないので,水分を控えるように助言する。
  5. 深部静脈血栓症(deep vein thrombosis)(いわゆるエコノミークラス症候群)の 予防のために,運動をすることを勧める。
答え

【 5 】

解説

  1. × 日中も臥床して過ごせば、機能が低下し、寝たきりなどの原因となる。
  2. × 高齢者の場合は、病気を抱えていたり心身の不調を起こしたりしやすいことから、避難所の中であっても「個」に配慮する必要がある。
  3. × 杖で歩ける人に車いすを使ってもらうことは、「できることをさせない」ことである。避難所だからといってそのような必要はない。
  4. × 水分を控えることは脱水症状等の体の変調を起こしやすくなる。
  5. 〇 設問の通り

問題

ユニット型指定地域密着型介護老人福祉施設に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 家族や友人などが,気軽に宿泊できるように配慮する。
  2. 昼間は,2ユニットごとに常勤1 名の介護職員を配置する。
  3. 食事は,施設が決めた時間内に食べ終わるように介護する。
  4. 利用者数は,災害などの事情があっても,定員数以内とする。
  5. 多様な娯楽設備を備えて,外出しなくても施設内で生活を完結できるようにする。
答え

【 1 】

解説

  1. 〇 在宅復帰の支援も事業目的の1つになっていることから、家族や友人との関係を維持することが重要である。
  2. × 昼間は1ユニットごとに常勤1名の介護職員または、看護職員の配置が必要である。
  3. × 自立を支援する観点からの介護が必要なことから、本人のペースに合わせることを基本とすべきである。
  4. × 災害などのやむを得ない事情があれば定員数を超えて利用させてもよいこととなっている。
  5. × 地域密着型サービスの意義は、施設内で生活が完結するのではなく、施設の外に出て地域社会と密接にかかわりながら暮らすことにある。

問題

指定認知症対応型通所介護のサービスに関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 利用者は,65 歳以上で認知症(dementia)のあるものに限られる。
  2. 家族が送迎を行うことが原則である。
  3. 認知症対応型通所介護計画は,精神科医が作成する。
  4. 利用者は,原則として事業所のある市町村の住民である。
  5. サービス提供時間は, 8 時間を上限とする。
答え

【 4 】

解説

  1. × 第2号被保険者(40歳以上65歳未満)でも、特定疾病が原因で要介護になった場合には、介護保険サービスを利用できる。「初老期における認知症」が特定疾病に該当することから、65歳未満でも利用者になる可能性がある。
  2. × 送迎は、家族ではなく施設が行うことが原則である。
  3. × 認知症対応型通所介護計画は管理者が作成する。
  4. 〇 設問の通り
  5. × 介護報酬の算定基準には、「7時間以上9時間未満」との区分があり、延長加算も算定できることから、適切ではない。

問題

「身体拘束ゼロへの手引き」(2001 年(平成13 年)厚生労働省)の身体拘束の内容に関する次の記述のうち,適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 自分で降りられないように,ベッドの四方を柵で囲むことは,禁止行為とされている。
  2. 切迫性と非代替性と永続性の3 つの要件を満たせば,身体拘束は認められる。
  3. 本人の同意なく,やむを得ずおむつを着用させることは,禁止行為とされている。
  4. 事前に利用者や家族に説明があれば,実際に身体拘束を行うときの説明手続きは省略できる。
  5. やむを得ず身体拘束をした場合は,そのたびに保険者に報告する義務がある。
答え

【 1 】

解説

  1. 〇 設問の通り
  2. × 身体拘束が認められるのは、「切迫性」「非代替制」「一時性」の三要件を満たした場合である。
  3. × 禁止行為とされていない。
  4. × 実際に身体拘束を行う場合は、あらためて説明をしなければならない。
  5. × やむを得ず身体拘束をした場合、記録をする義務が事業者に課せられているが、そのたびに保険者に報告する義務は課せられていない。

問題

介護福祉職の腰痛予防に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 介護中の姿勢は中腰を基本とする。
  2. 1 年ごとに定期健診を受ける。
  3. 勤務時間内は,全員が一律にコルセットを着用する。
  4. 静的ストレッチングが効果的である。
  5. 移乗や移動の支援は,利用者を抱えて行う。
答え

【 4 】

解説

  1. × 中腰は腰に負担がかかり避ける必要がある。
  2. × 介護職は腰痛健康診断を年に2回受けるよう求められている。
  3. × 一律にコルセットをする必要はない。
  4. 〇 静的ストレッチングは、筋肉への負担が少なく、安全に筋疲労の回復が図れることから、腰痛予防として適切である。
  5. × 利用者を抱えれば腰に対する負荷が増えることから、適切ではない。

問題

コミュニケーション技術の基本に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 言葉だけではなく,表情やしぐさにも注意しながら聞く。
  2. 理解できない話には,反応をせずに沈黙する。
  3. 利用者の発言が正しいかどうかを,評価しながら聞く。
  4. 介護福祉職が多く発言する方が,良い関係が構築できる。
  5. 利用者と家族の意見が異なるときは,家族の意見を優先する。
答え

【 1 】

解説

  1. 〇 表情やしぐさにも話し手の気持ちがあらわれるので注意が必要である。
  2. × 「相手の話をきちんと聞いています」ということを伝えるためには、沈黙ではなく頷きや相づちが大切である。
  3. × 評価するのではなく、受容する。
  4. × 利用者が自分の気持ちや考えを開示できるように、介護職はできるだけ聞き手に回る。
  5. × 利用者の話を傾聴し、必要があれば家族に対して利用者の気持ちや考えを代弁していくことも必要である。

問題

Gさん(38 歳,女性)は,筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)で,居宅介護を利用して,排泄と入浴の支援を受けながら,日中は車いすで過ごしている。同居の母親も要介護4で,訪問介護(ホームヘルプサービス)と通所介護(デイサービス)を利用しており,定年退職した父親が家事と二人の介護をしている。
ある日,H介護福祉職の前でGさんが,「最近,父親が体調不良でつらそうで…」「私が一人暮らしをした方が父も楽になるんだけど,だめだと言うし…」と言った。
Gさんに共感を示すH介護福祉職の対応として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 父親の気持ちを想像してみるように助言する。
  2. Gさんの話に応えながら,気持ちを確認する。
  3. 障害者の一人暮らしに関する情報を提供する。
  4. これからの生活について,自己決定を促す。
  5. 前向きな話題を出して,Gさんの気持ちを切り替えてもらう。
答え

【 2 】

解説

  1. × 父親の気持ちを想像してもらうことと、Gさんに共感することとは異なる。
  2. 〇 Gさんの話を受容しながら、気持ちを理解していくことが共感的態度である。
  3. × 情報を提供するよりも、Gさんの話を傾聴し、気持ちを理解していくことが必要な段階である。
  4. × Gさん自身の生活について決定を促す前に、Gさんの気持ちや考えを理解していくことが必要である。
  5. × 急な話題転換は、傾聴していないと理解されてしまう可能性がある。まずはGさんの話を受容し、傾聴していくことが必要である。

問題

重度の失語症(aphasia)のある人とのコミュニケーションの方法として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 五十音表を見せて,指でさしてもらう。
  2. 口を大きく開けて,声を出すように促す。
  3. 重度障害者用意思伝達装置を使う。
  4. 単語をひらがなで書いてもらう。
  5. いくつかの絵の中から選んで,指でさしてもらう。
答え

【 5 】

解説

  1. × 重度の失語症者の場合、文字の識別が困難な場合もある。
  2. × 発生に対する本人の気持ちを確認する必要がある。声を出すことを好まない人もいるので注意が必要である。
  3. × 重度障害者用意思伝達装置は、発語や発生が困難な重度の身体障害者が使用するコミュニケーションツールである。
  4. × ひらがなであっても文字の識別自体が困難な場合もある。
  5. 〇 「聴く」「話す」「読む」「書く」といった言語機能全般にわたる障害の人に対しては、絵や具体的なものを利用してコミュニケーションをとっていく方法もある。

問題

中程度の老人性難聴(presbycusis)のある人とのコミュニケーションに関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 補聴器には短期間で慣れると説明する。
  2. 認知症(dementia)がある場合は,補聴器の使用を避ける。
  3. 話し手の口元に注目するように促す。
  4. 耳元で,できるだけ大きな声で話す。
  5. 後ろから近づいて,静かに話しかける。
答え

【 3 】

解説

  1. × 補聴器に慣れるまでの期間には個人差がある。短期間で慣れるとは限らない。
  2. × 認知症であっても補聴器の使用は可能である。
  3. 〇 話し手に注目してもらうことで、音声に加えて口の動きや表情などもコミュニケーション手段とすることができる。
  4. × 声を大きくするだけでは、高齢者が理解できないこともある。声を大きくする必要があっても、相手に応じて必要な大きさで話す。
  5. × 気づいてもらえない可能性や、高齢者を驚かせてしまう可能性がある。

問題

介護記録をもとにまとめた事例を,地域での多職種による事例検討会で報告する場合の個人情報の取扱いとして,適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 家族情報は匿名化しない。
  2. 利用者の音声や映像は同意なしに使用できる。
  3. 利用者の氏名や住所は匿名化する。
  4. 介護記録のデータは匿名化せずに,電子メールで送受信する。
  5. 介護記録のデータを保存するときは,誰でも修正ができるようにパスワードは使用しない。
答え

【 3 】

解説

  1. × 実際の支援チームが行う以外の検討会では、家族や本人が特定できないよう匿名化する必要がある。
  2. × 利用者の音声や映像を使用する場合は、本人(必要があればその家族)の了解を得てから使用する。
  3. 〇 利用者の氏名や住所は個人情報なので、取り扱いには細心の注意を払う。
  4. × 電子メールは送信ミスや不特定多数の人の目に触れてしまう可能性がある。電子メールを使用する必要がある場合は、データを匿名化する。
  5. × 介護記録のデータを修正するのは、基本的には記録した人である。また、データを保存する際には、パスワードを使用し、個人情報の保護に努める。

問題

ヒヤリ・ハット報告書に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 口頭で報告したことは,報告書に記載しなくてもよい。
  2. 報告者の責任を追及することを目的とする。
  3. 介護事故の状況を報告する。
  4. 管理者以外の職員の目にふれないように保管する。
  5. 事故報告書とは分けて記載する。
答え

【 5 】

解説

  1. × 口頭だけではなく文章で記録し、関係者が情報を共有できるようにする。
  2. × ヒヤリハット報告書の目的は、事故につながる可能性のある出来事を記録・共有し、事故を未然に防ぐことである。
  3. × 介護事故の状況は事故報告書で行う。
  4. × 管理者だけでなく関係する職員全員で情報を共有することが、事故を未然に防ぐことにつながる。
  5. 〇 設問の通り

問題

〔事 例〕
Jさん(78 歳,女性)は,軽度の認知症(dementia)がある。K訪問介護員(ホームヘルパー)が訪問した時,Jさんは,K訪問介護員(ホームヘルパー)が前日に準備した夕食を食べていなかった。
Jさんは,不安そうな表情で昨日から食卓にある料理を指さして,「これは私が食べていいの?」「これは誰のもの?」と,K訪問介護員(ホームヘルパー)に尋ねてきた。冷蔵庫の中のお茶を飲んでいただけで,他には何も食べていない様子だった。
食卓にある料理はJさんのものだと説明した後,Jさんに対するK訪問介護員(ホームヘルパー)の声かけとして,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 「なぜ食べなかったのですか」
  2. 「食べなければだめですよ」
  3. 「無理してでも食べてください」
  4. 「一緒に作って食べましょう」
  5. 「1日に3食は食べましょう」
答え

【 4 】

解説

  1. × 食べない理由を追及するよりも、Jさんが安心して食事ができるような声かけを行っていく。
  2. × K訪問介護員が意識していなくても、「だめ」という言葉を聞いたJさんが「否定された」「怒られた」と感じてしまう可能性がある。
  3. × 無理やり食べさせるような声かけはしないようにする。
  4. 〇 Jさんを安心させるような声かけである。
  5. × 食事の食べ方を指導するのではなく、Jさんが安心して食事ができるような働きかけを行っていく。

問題

〔事 例〕
Jさん(78 歳,女性)は,軽度の認知症(dementia)がある。K訪問介護員(ホームヘルパー)が訪問した時,Jさんは,K訪問介護員(ホームヘルパー)が前日に準備した夕食を食べていなかった。
Jさんは,不安そうな表情で昨日から食卓にある料理を指さして,「これは私が食べていいの?」「これは誰のもの?」と,K訪問介護員(ホームヘルパー)に尋ねてきた。冷蔵庫の中のお茶を飲んでいただけで,他には何も食べていない様子だった。
Jさんについてのケアカンファレンス(care conference)に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. K訪問介護員(ホームヘルパー)はJさんに対する自分の感想を発言した。
  2. K訪問介護員(ホームヘルパー)は支援状況を報告して,参加者に意見を求めた。
  3. 施設入所の時期について話し合った。
  4. 支援する関係者が全員参加したので,議事録は作成しなかった。
  5. 途中退席した参加者には,口頭で結果を伝えた。
答え

【 2 】

解説

  1. × ケアカンファレンスの目的は、Jさんに対するより良いケアを行っていくことである。そのためにK訪問介護員が行うことは、感想ではなく客観的な事実を報告し、参加者の意見を求めることである。
  2. 〇 設問の通り
  3. × 軽度の認知症であるJさんが在宅で安全かつ快適に生活できるように話し合うことが必要な段階である。
  4. × ケアカンファレンスでは、必ず議事録を作成する。
  5. × 途中退席した参加者には議事録を読んでもらうようにする。

問題

自立支援の説明として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 対象者は,介護保険の要介護3以上の人に限られること
  2. 対象者は,意思表示のできる人に限られること
  3. ADL(Activities of Daily Living:日常生活動作)を回復すること
  4. 経済的自立を目指すこと
  5. 自己選択・自己決定を支援すること
答え

【 5 】

解説

  1. × 介護福祉士は、すべての利用者に対して、自立支援の考え方で介護をするべきである。対象者を限定する必要はない。
  2. × 上記解説と同じ
  3. × 自立支援は身体的な自立に限ったことではないため、自立支援の説明としては不適切である。
  4. × 自立支援は経済的な自立に限ったことではないため、自立支援の説明としては不適切である。
  5. 〇 利用者の自立を支援する際は、まず利用者の自己選択・自己決定が支援されるべきである。利用者の自己選択・自己決定がなければ、利用者の自立支援は成り立たないことから、自立支援の説明としては適切である。

問題

屋内での転倒を防ぐための安全対策として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 夜間目覚めたときにつける照明は,光源が直接見えるようにする。
  2. コード類は動線上に這わせる。
  3. 玄関マットやバスマットは滑り止めのついたものを使う。
  4. 本人の室内の移動を減らす。
  5. 履物はスリッパにする。
答え

【 3 】

解説

  1. × 夜間に目覚めたときに、光源が直接見える照明は、明るいが眩しさを感じて正確な判断ができない可能性があり危険である。また、トイレなどの移動中に転倒することがないように、足元を照らし、手すりの位置やドアの位置、段差の有無を確認できるような照明の工夫が必要である。
  2. × 室内には様々な配線があるが、動線上に配置しない配慮が必要である。コード類につまずいて転倒する危険がある。コード類はまとめて家具の裏側には這わせたり、動かないように固定する。
  3. 〇 玄関マットやバスマットに乗ったときに、マットが滑って移動し、転倒する事故が起こる可能性がある。
  4. × 室内の転倒防止のために、本人の移動を減らすのは間違いである。足の筋力が衰えると転倒につながることもある。
  5. × スリッパは転倒防止の履物として適さない。スリッパは簡単に履くことができる反面脱げやすく、つまずく原因になることもある。足先から踵までしっかり密着しているシューズのような室内履きであれば、足の保護の役割も果たす。

問題

片麻痺で立位歩行が可能な人が,洋式便器から立ち上がるときに利用する手すりとして,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 便器の先端から20~30 cm 後方の,健側がわの壁に設置された縦手すり
  2. 便器の先端から20~30 cm 前方の,健側がわの壁に設置された縦手すり
  3. 便器の先端から20~30 cm 後方の,患側がわの壁に設置された縦手すり
  4. 便器の先端から20~30 cm 前方の,患側がわの壁に設置された縦手すり
  5. 便器周囲に設置された肘かけ状の簡易手すり
答え

【 2 】

解説

  1. × 片麻痺をもつ利用者の健側がわ側の壁に設置するところはよいが、便器の先端から20~30cm後方では立ち上がる際に、力が入りづらい。
  2. 〇 健側がわであり、便器の先端から20~30cm前方であれば、手すりを使用して、身体を引き寄せ、立ち上がることが可能になる。
  3. × 片麻痺の利用者の患側がわに手すりを設置しても、利用者は手すりを使用しにくい。
  4. × 上記解説と同じ
  5. × 肘かけ状の簡易手すりでは、立ち上がる際に力が入りづらく、また、簡易のため不安定な状況であり、適切ではない。

問題

図は,扉を閉めた部屋の窓の位置を表している。効果的な換気を行うために開ける窓として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
(注) 窓の大きさや高さはすべて同じものである。天井の高さは同じである。家具は何もない。周囲に建物はない。

  1. Aだけ開ける。
  2. BとCを開ける。
  3. Eだけ開ける。
  4. AとDを開ける。
  5. AとEを開ける。
答え

【 4 】

解説

換気は、窓を2箇所以上開けて空気の入り口と出口を作ることが大切である。さらに、遠くの窓と反対の位置の窓を開けて、空気の流れを作り出すことが大切であるので、AとDの窓を開けるのが正しい。

問題

介護福祉職が行う爪切りに関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 爪は十分に乾燥させてから切る。
  2. 周囲の皮膚に腫れや傷がある場合は,少しずつ切る。
  3. 手の爪は,手首を持って動かないようにして切る。
  4. 爪の先端の白い部分を1mm ぐらい残して切る。
  5. 爪やすりは,中央から端に向かってかける。
答え

【 4 】

解説

  1. × 爪切りは爪が乾燥しているときより、入浴後など、爪が柔らかくなっているときに切るのが良い。
  2. × 介護福祉士は、爪や爪の周囲の皮膚に異常がなく、かつ糖尿病などの疾患に伴う専門的な管理が必要ではない場合に限り、爪切りを行うことができる。爪の周囲の皮膚に腫れや傷がある場合は、医療職に連絡する必要がある。
  3. × 手の爪を切る際、手首を持っても指先が動いたりするため、注意が必要である。
  4. 〇 設問の通り
  5. × 爪やすりは、爪の端から中央に向かってかける。

問題

義歯の取扱いに関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 上顎用の総義歯は,義歯の後方を下げるようにしてはずす。
  2. 水を入れた専用のボールの中でブラッシングする。
  3. ブラッシングするときは,柔らかめの歯ブラシを用いる。
  4. 保管容器に,義歯の半分がつかる程度の水を入れて保管する。
  5. 総義歯を装着するときは,回転させずにまっすぐ口腔内に入れる。
答え

【 1 】

解説

  1. 〇 上顎用の総義歯を外す場合は、義歯の後方を下げることで、そこから空気が入り、外しやすくなる。
  2. × 義歯は流水で洗う。その際、落下による義歯の破損等に注意して、ボール等を使用して洗うとよい。
  3. × 義歯用の歯ブラシを使用し、流水で洗うとよい。義歯用の歯ブラシは硬めにできている。
  4. × 保管は、義歯が半分ではなく、義歯の全体が水につかるようにするとよい。義歯の変形やひび割れを防止するためである。
  5. × 総義歯を装着する場合は、義歯を回転させて口腔内に半分程度入れ、その後義歯を戻し、残りの部分を入れるとよい。

問題

L さん(86 歳, 女性)は, アルツハイマー型認知症(dementia of theAlzheimer’s type)があり,通所介護(デイサービス)に通っている。最近,季節外れの服を着ていることが多くなった。夏のある日,通所介護(デイサービス)の介護福祉職が迎えに行くと,厚手の上着を着て汗をかきながら玄関で待っていた。
介護福祉職のLさんへの対応として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 「車を待たせているので早く着替えましょう」と,着替えを促す。
  2. 鏡を見せて,間違いを指摘する。
  3. 「今は夏ですよ」と,季節を伝える。
  4. 服装にはふれず,そのまま本人の行動を尊重する。
  5. 「汗をかいていますね。上着を脱ぎませんか」と,働きかける。
答え

【 5 】

解説

  1. × 「車を待たせている」「早く着替える」という表現は、介護福祉職の都合であり、Lさんに対する介護にはなっていない。認知症の利用者に対して、急かした介護は不適切である。
  2. × 間違いを指摘することで、Lさんは責められ、否定されたという印象をもってしまうため、適切とはいえない。
  3. × 上記解説と同じ
  4. × Lさんは発汗している状態であり、服装にふれないことは、脱水の危険を高めてしまうため、適切ではない。
  5. 〇 Lさんの間違いではなく、汗をかいているという事実に対して、声かけし、対応するべきである。

問題

実行機能障害のある利用者への更衣の介護として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 季節に合う衣類を介護福祉職が選ぶ。
  2. 利用者の好みよりも機能性を重視する。
  3. 必要な衣類をまとめて渡す。
  4. 隣で,洋服を着る動作を示す。
  5. 着る順番を紙に書いて渡す。
答え

【 4 】

解説

  1. × 利用者本位ではなく、介護者本位になっている。衣類の選択を介護福祉職がすることは適切とはいえない。
  2. × 上記解説と同じ
  3. × 衣類をまとめて渡しても、それをどのような順番で、どのように着ればよいのかがわからないため、適切な介護にはなっていない。
  4. 〇 設問からはどの程度の実行機能障害なのかはわからない。実行機能障害のある利用者への介護は、動作一つひとつに対して、丁寧に声かけしたり、やって見せたりすることが重要である。
  5. × 着る順序を紙に書いただけでは、途中でわからなくなってしまう危険がある。

問題

頸髄損傷(cervical cord injury)(第6頸髄節まで機能残存)の利用者が自分で更衣できるようにするための介護福祉職の助言として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. かぶりの衣類より,前あきの衣類を勧める。
  2. ズボンの更衣は座位で行うように勧める。
  3. ファスナーはボタンに変えるように勧める。
  4. 靴下にループをつけるように勧める。
  5. 上衣の着脱は仰臥位で行うように勧める。
答え

【 4 】

解説

  1. × 利用者が自分で更衣(上衣)できるようにするためには、かぶりの衣類の方がよい。
  2. × 利用者が自分で更衣(ズボン)できるようにするためには、仰臥位で更衣するように勧める方が良い。
  3. × 利用者が自分で更衣できるようにするためには、ボタンよりファスナーの方がよい。
  4. 〇 靴下の履き口にループをつけることで、ループに指をかけ、履きやすくなる。
  5. × 利用者が自分で更衣(上衣)できるようにするためには、ベッドをギャッジアップし、背もたれがある状態で更衣するとよい。

問題

Mさん(89 歳,女性)は,加齢に伴う両下肢の筋力低下がある。立位保持ができなくて,日中ベッドで臥床して過ごすことが多い。ベッドから車いすへの移乗は一部介助が必要であるが,車いすは自分で操作できる。
Mさんの上肢を活用した移乗介護に使用する福祉用具として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. スライディングボード
  2. スライディングシート(マット)
  3. 回転移動盤
  4. 介助型車いす
  5. 移動用リフト
答え

【 1 】

解説

  1. 〇 Mさんの上肢を活用しつつ、移乗ができる福祉用具である。
  2. × スライディングシートは基本的にベッド上の上方移動の際に使用するものであり、ベッドから車いすの移乗には不適切である。
  3. × 回転移動盤は、立位後、方向転換が困難な場合に活用するものであり、立位保持ができないMさんにとっては不適切である。
  4. × 介助型車椅子は移乗の福祉用具ではない。
  5. × 移動用リフトでは、Mさんの上肢を活用した移乗ができない。

問題

右片麻痺の利用者を仰臥位から左側臥位にする場合の体位変換の方法として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 左側へ水平に移動する。
  2. 両上肢は体幹に沿わせて置く。
  3. 両下肢は伸ばす。
  4. 枕を左側に寄せる。
  5. 肩と膝を同時に倒す。
答え

【 4 】

解説

  1. × 右片麻痺の利用者を左側臥位にする場合に、左側へ水平移動すると、左側臥位になろうとした際、ベッドから転落してしまう危険が生じる。
  2. × 利用者の身体はできる限り小さくまとめ、ベッドと身体の接触面は少ないほうが良い。
  3. × 両膝を立てて側臥位になりやすい姿勢をとることや、両膝を立てることが困難であれば、両膝を組み、できる限り身体を小さくまとめるとよい。
  4. 〇 枕を左側に寄せることで、側臥位になっても安楽な状態で休むことができる。
  5. × 同時ではなく、どちらかを先に倒すことで、側臥位になりやすくなる。

問題

ロフストランドクラッチ(Lofstrand crutch)の握りの高さを決める身体部位の位置として,正しいものを1 つ選びなさい。

  1. 臍部
  2. 腋窩部
  3. 大転子部
  4. 肘関節部
  5. 腸骨部
答え

【 3 】

解説

ロフストランドクラッチは、握り部分とカフとよばれる上腕部を支える部分で身体を支える杖である。設問ではカフではなく、握りの高さを決める身体部位を問われており、基本的には通常の握りの部分と同様である。したがって、大転子部の高さが正しい握りの高さである。

問題

左片麻痺で杖を使用している利用者の階段昇降時の介護として,正しいものを1 つ選びなさい。

  1. 上がるときは,患側の足から出すように促す。
  2. 上がるときは,利用者の左後方に立つ。
  3. 健側の上肢を支える。
  4. 下りるときは,健側の足から出すように促す。
  5. 下りるときは,利用者の右後方に立つ。
答え

【 2 】

解説

  1. × 上がる時は、杖(もしくは手すり)、健側の足、患側の足の順である。
  2. 〇 設問の通り
  3. × 健側は動く側の上肢であり、転倒の危険性が少ないため、支えは必要ない。
  4. × 下りるときは、杖(もしくは手すり)、患側の足、健側の足の順である。
  5. × 下りるときは、転倒の注意を払い、利用者の患側(左)の前方に位置する。

問題

要介護度が高く,日中もベッド上で過ごしている利用者の廃用症候群(disuse syndrome)の予防として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 安静を保ち臥位で過ごしてもらう。
  2. 4時間ごとに体位変換を行う。
  3. ADL(Activities of Daily Living:日常生活動作)は全介助で行う。
  4. 個別レクリエーションを取り入れる。
  5. 一人で過ごせる環境をつくる。
答え

【 4 】

解説

  1. × 安静を保ち、臥位で過ごしてもらっても、廃用症候群の予防にはならない。
  2. × 4時間ごとの体位交換では褥瘡の危険がある。基本的には2時間を超えない範囲で体位交換を行う。ただし、粘弾性フォームマットレスや上敷二層式エアマットレスなどを使用する場合は、4時間を超えない範囲で行ってもよいとされている。
  3. × 要介護度が高く、ベッド上で過ごしていても、全介助と決めつけず、利用者のできる生活を探し、介助することが廃用症候群の予防につながる。
  4. 〇 ベッド上であっても個別レクリエーションを活用し、活動性のある生活を送ることで、廃用症候群の予防に努めるべきである。
  5. × 日中ベッド上で過ごしている利用者に対して、一人で過ごせる環境を作っても活動性は上がらず、廃用症候群の予防にはならない。

問題

加齢に伴う身体機能の変化に対応した食事として,適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 味覚の低下に対しては,塩分や糖分を多く用いる。
  2. 消化吸収機能の低下に対しては,炭水化物を中心とした食事を基本とする。
  3. 唾液分泌の低下に対しては,パンを主食にする。
  4. 咀嚼力の低下に対しては,肉料理を控える。
  5. 腸の蠕動運動の低下に対しては,乳酸菌を含む食品を積極的に取り入れる。
答え

【 5 】

解説

  1. × 味覚は、舌の表面にある味蕾という器官の働きにより感知するが、加齢とともに味蕾の数が減少して味覚の低下につながる。特に塩分に対して感受性が低下する。塩分や糖分を多く摂取すると高血圧をはじめとする生活習慣病の引き金になるので注意する。
  2. × 加齢の影響で消化吸収機能の低下が起こり、各器官の働きも衰えるうえに、高齢者においては、食欲の減退も起こると低栄養が心配される。炭水化物は比較的摂取しやすい食品であるので、不足しがちなたんぱく質やカルシウムの摂取が大切である。
  3. × 加齢に伴い消化液の分泌は減少し、唾液の分泌も少なくなる。唾液は食べ物をまとまりやすくして食道の入り口に運び、嚥下を助けるが、唾液の分泌が減少した高齢者には、水分が少なく嚥下しにくいパンは主食には適さない。
  4. × 咀嚼力の低下は、加齢による歯の喪失との関連が深く、舌の運動機能低下や唾液分泌量の低下も影響する。義歯をうまく使い咀嚼力の衰えを補い、肉はたんぱく質を多く含む食品で必須アミノ酸の栄養源となるので控えるのではなく、薄切り肉やひき肉を利用し、柔らかく調理する工夫をして料理に加える。
  5. 〇 加齢により各器官の筋力が弱まるが、腸の蠕動運動も低下する。蠕動運動を活発にする乳酸菌や食物繊維を含む食品は積極的に摂取するとよい。

問題

生活習慣病(life-style related disease)の予防に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 糖尿病(diabetes mellitus)の予防として,たんぱく質の摂取量を増やす。
  2. 高血圧症(hypertension)の予防として,カリウム(K)の少ない食品を摂取する。
  3. 高コレステロール血症(hypercholesterolemia)の予防として,食物繊維を多く含む食品を摂取する。
  4. 骨粗鬆症(osteoporosis)の予防として,ビタミンK(vitamin K)の少ない食品を摂取する。
  5. 虚血性心疾患(ischemic heart disease)の予防として,起床後すぐの水分摂取は控える。
答え

【 3 】

解説

  1. × 糖尿病の予防では、炭水化物・たんぱく質・脂質・ビタミン・無機質の各栄養素をバランスよく摂取して、1つの栄養素に偏ることがないように注意する。1日の摂取カロリーを適量に保つことが望ましく、全体の糖質量を管理することも大切である。
  2. × 高血圧症の予防では、塩分(ナトリウム)の摂取を控えることが大切である。カリウムの摂取は体内の余分なナトリウムを体外に排泄する働きがあり、血圧を下げる効果があるので十分な必要量を摂取する。
  3. 〇 水溶性食物繊維はコレステロールを減らし、不溶性食物繊維は便通を良くして体外に有害物質を排出する効果がある。
  4. × 骨粗鬆症は骨量が減少して起こる状態であり、ビタミンKは骨基質の合成に重要な栄養素である。
  5. × 虚血性心疾患とは、心臓の冠動脈が狭窄または、閉鎖して起こる。狭心症や急性心筋梗塞などの総称で、予防として体内に水分が不足しないように心がける。起床後すぐに喉が渇く前に水分摂取し水分補給する方が良い。

問題

入浴介護に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 入浴前の血圧が平常時より高くても,自覚症状がなければ入浴を勧める。
  2. プライバシーを保護するために,皮膚の観察はしない。
  3. 湯温は,介護福祉職が直接肌で触れて確認する。
  4. 浴槽への出入りにシャワーチェアーを用いるときは,浴槽より低い位置に調整する。
  5. 片麻痺の利用者の場合は,麻痺側から浴槽に入る。
答え

【 3 】

解説

  1. × 平常時より血圧が高ければ、自覚症状の有無にかかわらず、様子観察をした方がよい。
  2. × プライバシーの保護と皮膚の観察は別問題であり、皮膚の観察をしないことは不適切な介助である。
  3. 〇 直接肌で確認した後、利用者にも確認してもらう。
  4. × 浴槽の出入りにシャワーチェアーを用いる際は、浴槽と同じ高さのシャワーチェアーにするとよい。
  5. × 片麻痺の利用者の場合は、健側がわから温度を確かめながら浴槽に入る。

問題

Aさんは,寝たきり状態の夫を家で介護している。Aさんは,尿器を使って排泄介助を行っている。Aさんの夜間の介護負担を軽くするものとして,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 差し込み便器
  2. 自動排泄処理装置
  3. ポータブルトイレ
  4. おむつ
  5. 肘かけ状の簡易手すり
答え

【 2 】

解説

  1. × 基本的には、男性の差し込み便器の使用は、大便に使用するものであり、排尿には使用しない。また、差し込み便器では、Aさんが寝たきりの夫に差し込み便器を入れたり、片付けたりといった介助が発生するため、介護負担は軽くならない。
  2. 〇 自動排泄処理装置は、寝たきりの夫が排尿した際、センサーが感知して尿が吸引されるもので、Aさんの夜間の介護負担を軽減できる。
  3. × 寝たきりの夫に対するポータブルトイレの使用では、介護負担の軽減にはならない。
  4. × おむつを使用しても、おむつの交換の手間があり、介護負担の軽減にはならない。
  5. × 寝たきりの夫に対する肘かけ状の簡易手すりでは、介護負担の軽減にはならない。

問題

腸管出血性大腸菌で下痢が続いている利用者のおむつ交換をするときの留意点として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 汚れたおむつをビニール袋に入れて,袋の口を固く縛る。
  2. 汚れたシーツには,アルコールを噴霧する。
  3. 手洗いは,洗面器にためた水で行う。
  4. 殿部の汚れは,トイレットペーパーで拭けばよい。
  5. 専用の手袋を繰り返して使用する。
答え

【 1 】

解説

  1. 〇 感染が拡大しないように、ビニール袋に入れて、固く縛る必要がある。
  2. × 汚れたシーツには、アルコールを噴霧せず、シーツを交換する。
  3. × 手洗いは洗面器にためた水ではなく、清潔な流水で洗い流す。
  4. × 下痢で殿部が汚れている場合は、微温湯を流しながら、温かい清拭を使用して、清潔を保つ。
  5. × 排せつ介助は、使い捨ての手袋で実施する。

問題

弛緩性便秘の利用者に提供する食べ物として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. ごぼうの煮物
  2. 白身魚の煮つけ
  3. おかゆ
  4. ゆで卵
  5. 焼き肉
答え

【 1 】

解説

弛緩性便秘とは、腸の蠕動運動が弱くなっているということであり、筋力低下や運動不足、食物繊維量や水分量の不足などが原因である。したがって、腸の蠕動運動を促進する食べ物が適切であり、ごぼうの煮物となる。

問題

Bさん(78 歳,女性)は要支援2で,一人暮らしである。変形性膝関節症(knee osteoarthritis)が進んで,歩行に時間がかかるようになった。Bさんは調理が好きで,時間がかかっても近所の商店街に歩いて出かけて自分で食材を選んで作りたいと考えている。それを知った別居の長男は,Bさんの買物に行く負担を軽くする方法はないかと考えて,地域包括支援センターに相談した。
Bさんがこれからも買物や調理を継続していくための助言として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 買物代行サービスの利用を勧める。
  2. ネットスーパーの利用を勧める。
  3. 電動車いすの利用を勧める。
  4. シルバーカーの利用を勧める。
  5. 台所を車いす対応にリフォームすることを勧める。
答え

【 4 】

解説

  1. × 自分で食材を選ぶことができず、Bさんの活動性が低下し、心身状態の機能が維持できない。
  2. × 上記解説と同じ
  3. × Bさんの活動性が低下し、心身状態の機能が維持できない。
  4. 〇 Bさんはこれからも自分のペースで歩行し、買い物に行くことができ、自分で食材を選ぶことができる。
  5. × Bさんの活動性が低下し、心身状態の機能が維持できない。

問題

1か月の実収入が 12 万円の高齢者世帯で,消費支出が 14 万円,非消費支出が2万円の場合,可処分所得として,正しいものを1 つ選びなさい。

  1. 8 万円
  2. 10 万円
  3. 12 万円
  4. 14 万円
  5. 16 万円
答え

【 2 】

解説

可処分所得とは、実収入から非消費支出を引いた残りの金額であり、手取り額に相当する。問題文では、実収入が12万円で非消費支出が2万円であるから、12-2=10万円となる。

問題

和食の基本的な配膳の位置として,正しいものを1 つ選びなさい。
(注) 右利きの場合である。

  1. A汁物 B副菜 C副菜 D主菜
  2. A主菜 B汁物 C副菜 D副菜
  3. A主菜 B副菜 C副菜 D汁物
  4. A副菜 B副菜 C主菜 D汁物
  5. A副菜 B主菜 C副菜 D汁物
答え

【 5 】

解説

和食の一汁三菜の配膳図である。一般に、Bは主菜(焼き物・揚げ物・刺身などおかずの中で主となるもの)、Dが汁物(味噌汁や吸い物)、Aが副菜、Cは副々菜(小鉢など)となる。

問題

安眠を促す生活習慣に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 就寝直前に入浴する。
  2. 夜食をとる。
  3. 就寝前に,軽いストレッチを行う。
  4. 就寝前に,温かいコーヒーや紅茶を飲む。
  5. 多量に飲酒する。
答え

【 3 】

解説

  1. × 身体の深部(内部)体温が下がると眠くなり、安眠につながる。入浴するとリラックス効果で副交感神経が働き、体の表面の血行が良くなり、やがて放熱により深部体温が下がる。しかし、就寝直前での入浴は放熱に時間がかかり、深部体温がすぐに下がらない。
  2. × 夜食をとると、睡眠中も消化のために胃が働き続けるためになかなか寝つけない。
  3. 〇 就寝前に軽いストレッチを行うと、リラックス効果で副交感神経が働き快眠につながる。
  4. × 温かいコーヒーや紅茶に含まれるカフェインは、神経を興奮させてアドレナリンの分泌を促すため、脳が興奮状態になり、なかなか寝つけない。
  5. × アルコールは寝つきを良くするが、多量に飲酒をするとアルコールを分解するために身体が活発になり、交感神経を刺激して浅い眠りになって、睡眠の質を下げる。またアルコールには利尿作用もあるため、夜間に目が覚めることにもつながる。

問題

概日リズム(サーカディアンリズム(circadian rhythm))を回復させるための介護福祉職の関わりとして,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 早朝に,高強度運動を行うように勧める。
  2. 起床後はカーテンを開けて,日光を浴びるように勧める。
  3. 夕食に,トリプトファン(tryptophan)を含む食事を提供する。
  4. 就寝前に,テレビを見たり,パソコンを使ったりすることを勧める。
  5. 平日の睡眠時間が短いときには,休日の「寝だめ」を勧める。
答え

【 2 】

解説

概日リズム(サーカディアンリズム)とは、いわゆる体内時計(体内リズム)のことであり、地球の1日である24時間というリズムではなく、25時間前後を1日の周期としていることがわかっている。24時間のリズムに同調させようとすると、太陽の光や時計、食事や運動習慣が重要になってくる。

問題

終末期ケアに関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 家族の悲嘆に対するケアは,終末期ケアとともに行う。
  2. 緩和ケアとは,身体的苦痛を取り除くことである。
  3. 口腔ケアは控える。
  4. 看取りの場を決めるのは,医師である。
  5. 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)利用者の終末期ケアは,病院で行う。
答え

【 1 】

解説

  1. 〇 設問の通り
  2. × 緩和ケアとは、身体的苦痛だけではなく、精神的苦痛や霊的(スピリチュアル)な苦痛も和らげるケアである。
  3. × 終末期でも口腔ケアは必要不可欠である。
  4. × 看取りの場を決定するのは医師ではなく、本人である。本人自らが決定することが困難な場合は、家族が行う。
  5. × 認知症対応型共同生活介護だからといって、終末期は病院で行うという決まりはなく、本人や家族の意思を尊重して決める。

問題

介護過程におけるアセスメント(assessment)の目的として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. より多くの情報の収集
  2. 介護福祉職の技能の向上
  3. 生活課題の明確化
  4. ICF(International Classification of Functioning, Disability and Health:国際生活機能分類)の視点による情報の分類
  5. 1 つの場面に焦点を当てた観察
答え

【 3 】

解説

  1. × より多くの情報を持つことで利用者像をつかみやすくなるが、得た情報を取捨選択し、課題(問題)解決のために情報の意味を考えて理解するという整理の段階である。
  2. × 介護過程の展開を実践していくことで介護福祉職の技能の向上につながることはあるが、介護過程の意義・目的は、利用者の生活の質の向上である。
  3. 〇 情報収集、情報の整理・分類、情報の分析によって、課題の明確化ができる。
  4. × ICFの視点で情報収集、情報を分類することによって、課題が明確になりやすくなるが、情報を分類すること自体がアセスメントの目的ではない。
  5. × 多角的視点による観察が基本である。1場面の情報のみを観察しただけではアセスメントにならない。

問題

介護計画の目標設定に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. アセスメント(assessment)と切り離して考える。
  2. 利用者と話し合いながらつくる。
  3. ケアプランとの整合性は確認しなくてよい。
  4. 家族が望む生活を長期目標にする。
  5. 目標を記述するときの主語は介護福祉職にする。
答え

【 2 】

解説

  1. ×アセスメントをして課題が明確になってから計画立案に移る。したがって、切り離して考えることは適切ではない。
  2. 〇 介護計画は、利用者の意見を尊重しながら利用者と一緒に作っていくことが望ましい。
  3. × 今回の設問は、介護保険制度下による介護支援専門員が立案する介護サービス計画をケアプランと表現している。整合性を確認したうえでケアが行われることが望ましい。
  4. × 介護の対象者は利用者である。したがって、長期目標も本人が望む生活を掲げる。
  5. × 介護過程の展開は利用者主体が基本である。したがって、主語は利用者にする。

問題

Cさんはアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)で,介護老人福祉施設に入所している。仲の良かったDさんが,1週間前に経済的な理由で別の階の多床室に移動した。Cさんは,寂しそうな表情で廊下を歩き回り,Dさんを探しながら,他の利用者の部屋に入っていく。Dさんも「Cさんに会いたい」と介護福祉職に話している。
Cさんの生活課題として,最も優先すべきものを1 つ選びなさい。

  1. Dさんの居室移動を理解すること
  2. 廊下を自由に歩き回れるようになること
  3. 新しい友人をつくること
  4. 自分の部屋で落ち着いて過ごせること
  5. Dさんとの交友関係を保てること
答え

【 5 】

解説

  1. × アルツハイマー型認知症は、判断力の低下により物事を理解することが困難になりやすいことから、Dさんの居室移動を理解できるアプローチが最も優先される生活課題であるとはいえない。
  2. × 歩き回っている目的は、Dさんを探しているという理由もあっての行動である。よって生活課題として最も優先すべきものが廊下を自由に歩き回れるようになることであるとはいえない。
  3. × 設問は、フロアが変わったことによる生活課題の一つとして揚げられるだろうが、Dさんの現時点の様子から新しい友人を作ることが優先すべき事項であるとは考えにくい。
  4. × 自室で落ち着いて過ごすことも大切な生活課題ではあるが、今回の事例は、仲の良かったDさんを探し他の利用者の部屋に入ってしまうことが課題であるため、課題を解決するための優先事項とはならない。
  5. 〇 設問の通り

問題

介護過程における主観的情報に該当するものとして,正しいものを1 つ選びなさい。

  1. 疾病に関する主治医の意見
  2. 家族から聞いた利用者の生活歴
  3. 介護福祉職が感じたこと
  4. 利用者の発言
  5. 認知機能検査の得点
答え

【 3,4 】

解説

  1. × 主治医の意見は主観的情報にならない。
  2. × 家族からの情報は主観的情報にならない。
  3. 〇 介護福祉職が感じたことは、知識を持って表現されることが前提となるが、主観的情報にもなりえる。
  4. 〇 利用者によって表現されたありのままの言動が、主観的な情報となる。
  5. × 結果が数字で表現されるため、客観的情報となる。

問題

介護実践のプロセスをSOAP方式で記録する場合,Pに該当するものとして,適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 利用者の生活全般のニーズ
  2. 介護福祉職が判断したこと
  3. 実施に対する利用者の反応
  4. 介護福祉職が観察したこと
  5. 介護福祉職が行う今後の介護計画
答え

【 5 】

解説

SOAP(ソープ)記録とは、問題志向システム(POS)の一部の経過記録の書き方を指す。S:主観的情報、O:客観的情報、A:アセスメント、P:計画のことである。

  1. × ニーズは主観的、客観的情報で入手できる。したがって、SOに該当する。
  2. × Aに該当する。
  3. × Sに該当する。
  4. × Oに該当する。
  5. 〇 設問の通り

問題

介護計画の修正を行うことを利用者に説明した。利用者の同意が得られた後に,介護福祉職間で共通認識をもつために行うこととして,適切なものを1 つ選びなさい。

  1. インフォームドコンセント(informed consent)
  2. スクリーニング(screening)
  3. モニタリング(monitoring)
  4. カンファレンス(conference)
  5. インテーク(intake)
答え

【 4 】

解説

  1. × インフォームドコンセントとは、利用者にケア内容を説明し、同意を得ることをいう。
  2. × スクリーニングとは、一般的にある目的をもって選別をするときに使われる用語である。ケアマネジメント過程では、ご本人やご家族からの困りごと、現在の状況や障害の程度などを尋ね、その結果を3種類に分類する方法をいう。
  3. × モニタリングとは、計画・実行しながら得られた結果や実行中のその時々の利用者の様子・現状を観察し、満足度を確認したり、計画内容が適切であるか、目標の達成具合はどうか等について評価することをいう。
  4. 〇 カンファレンスとは会議をさす。専門職同士の協働によって利用者の生活を支えることから、共通認識を持つためにカンファレンスを行い同じ目標をもって支援を行うことが望ましい。
  5. × インテークとは、ケースワークの最初の段階で初回面接ともいう。相談を受けながら、何を求めているのか、何が必要か等、専門職の視点からニーズを見極めるために行われる面接ともいえる。

問題

〔事 例〕
Eさん(67 歳,女性,要介護3 )は,1 年前,くも膜下出血(subarachnoid hemorrhage)で倒れて,左ひだりかたまひ片麻痺,体幹機能の低下が残った。排はいせつくんれん泄訓練を目的として介護老人保健施設に入所した。入所時のEさんは,不自由でも,右手でベッド柵を掴つかんで起き上がることやベッドの端に座ることはできたが,立位保持はできなかった。おむつを着用しているが,「おむつは嫌」と自分の気持ちを訴えていた。医師は着脱と拭く行為には介助が必要だが,車いすから便座に移ることは可能であると判断した。F介護福祉職はアセスメント(assessment)を行い,本人の思いを考慮して介護計画の短期目標を,「車いすから便座に移り排はいせつ泄する」と設定して,評価日は1 か月後とした。理学療法士と連携して,トイレで移乗のための立位訓練を始めた。
ICF(International Classification of Functioning, Disability and Health:国際生活機能分類)に基いて情報を分類する場合,Eさんの「能力」(できる活動)に該当するものとして,適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 右手でベッド柵を握る動作
  2. ベッド上での座位の保持
  3. 手すりを使っての立位の保持
  4. 「おむつは嫌」という気持ちの表出
  5. 車いすから便座への移乗
答え

【 5 】

解説

普段の生活で「している活動」と、適切な支援・訓練によって「できる活動」は違う点に注意する。

  1. × している活動である。
  2. × している活動である。
  3. × 立位保持はできなかったとあるため、できない活動である。
  4. × 本人が訴えているため、している活動である。
  5. 〇 医師の判断もあり、できる活動として捉えられる。

問題

〔事 例〕
Eさん(67 歳,女性,要介護3 )は,1 年前,くも膜下出血(subarachnoid hemorrhage)で倒れて,左ひだりかたまひ片麻痺,体幹機能の低下が残った。排はいせつくんれん泄訓練を目的として介護老人保健施設に入所した。入所時のEさんは,不自由でも,右手でベッド柵を掴つかんで起き上がることやベッドの端に座ることはできたが,立位保持はできなかった。おむつを着用しているが,「おむつは嫌」と自分の気持ちを訴えていた。医師は着脱と拭く行為には介助が必要だが,車いすから便座に移ることは可能であると判断した。F介護福祉職はアセスメント(assessment)を行い,本人の思いを考慮して介護計画の短期目標を,「車いすから便座に移り排はいせつ泄する」と設定して,評価日は1 か月後とした。理学療法士と連携して,トイレで移乗のための立位訓練を始めた。
2 週間が過ぎた頃,思うような成果が出なくて,Eさんは嫌気がさしてきた。複数の介護福祉職からEさんの訓練拒否が報告されるようになった。F介護福祉職がEさんに理由を尋ねると,「あまり人の世話になりたくない。みんなに迷惑がかかるのでおむつのままでいいわ」と言った。
Eさんのニーズとして,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 移乗訓練をやめること
  2. トイレで排泄ができること
  3. 左片麻痺をなくすこと
  4. おむつに戻すこと
  5. 早く家に帰ること
答え

【 2 】

解説

  1. × 事例に「トイレでの以上のための立位訓練を始めた」とあり、トイレでの排泄を希望されていると考えられる。本人の気持ちに沿っているようで沿っておらず、「医師は着脱と拭く行為には介助が必要だが、車いすから便座に移ることは可能であると判断した」という客観的情報を活かしきれていない。
  2. 〇 便座への移乗訓練も必要であるが、解決すべき課題は、トイレで排泄を済ませられるようになることである。座位保持できる身体機能であることから、現時点の状況下であるなら、トイレ排泄への支援と移乗の訓練を分けることが望ましい。
  3. × 麻痺の進行も防ぎたいが、今回の設問では麻痺の状態をなくす支援がEさんの真のニーズであるとは考えにくい。
  4. × おむつを着用しているが、「おむつは嫌」と自分の気持ちを訴えていた。この情報と医師による客観的に判断された情報、介護福祉職が本人の思いを考慮してアセスメントをしたにもかかわらず、本人の意向だからとおむつに戻してしまっては、利用者の心身の重度化が心配である。
  5. × 家に帰って生活することが望みであることは推測できる。そのためにはまずは、在宅復帰に向けた支援を検討していく方向性を持ちつつ、現時点の課題を導き出し着実に成果が出るように支援する必要がある。思うように成果が出ないことに障害の需要がしきれていないことなど心理的な面の支援も必要である。

問題

エリクソン(Erikson, E.)の発達段階説において,青年期の発達課題として,正しいものを1 つ選びなさい。

  1. 生殖性の獲得
  2. 信頼感の獲得
  3. 同一性の獲得
  4. 自発性の獲得
  5. 親密性の獲得
答え

【 3 】

解説

  1. × 次世代を育てることに関心を持つ生殖性の獲得は成人の発達課題である。
  2. × 乳児期に主に授乳関係を通じて獲得されるのが信頼感とされている。
  3. 〇 性欲が表面化し自己概念が形成され、自己が確立することを同一性の獲得といい、青年期に起きるとされる。
  4. × エリクソンの発達課題にはない。
  5. × 前成人期である。他者と親密な関係を持てるようになる。

問題

年齢規定に関する次の記述のうち,正しいものを1 つ選びなさい。

  1. 老人福祉法では,原則として70 歳以上の者を施策の対象としている。
  2. 介護保険法では,50 歳から第2 号被保険者になる。
  3. 高齢者の医療の確保に関する法律の後期高齢者医療制度は,60 歳以上の者を対象としている。
  4. 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律では,事業主に,雇用している高年齢者が希望するときは,75 歳まで継続雇用することを義務づけている。
  5. 道路交通法では,運転免許証の更新を受けようとする75 歳以上の者に,認知機能検査を義務づけている。
答え

【 5 】

解説

  1. × 原則として65歳以上を対象としている。
  2. × 介護保険の第2号被保険者は40~65歳未満の医療保険加入者である。
  3. × 後期高齢者は75歳以上である。
  4. × 65歳までである。
  5. 〇 75歳以上では講習予備検査(認知機能検査)を受けなければならない。

問題

高齢者の薬物代謝に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 消化管からの薬剤の吸収力は低下する。
  2. 肝臓での薬剤の代謝に要する時間が短縮する。
  3. 腎臓からの薬物排泄量は増加する。
  4. 脂溶性薬剤の蓄積は起こりにくくなる。
  5. 複数の薬剤間の相互作用が起こりやすい。
答え

【 5 】

解説

  1. × 薬物の吸収は年齢の影響が少ないと考えられている。
  2. × 薬物の代謝は低下する可能性が高い。
  3. × 腎機能の低下とともに排泄しにくくなる。
  4. × 高齢者は体脂肪が多くなり、蓄積が起こりやすくなる。
  5. 〇 多くの薬剤を投与される機会が増え、相互作用の問題が起きやすくなる。

問題

老化に伴う知的機能の変化に関する次の記述のうち,適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 目から入る感覚記憶は低下しやすい。
  2. からだで覚えた手続き記憶は忘れにくい。
  3. 昨日の出来事などのエピソード記憶は忘れにくい。
  4. 計算などの流動性知能は低下しにくい。
  5. 経験や学習で得られた結晶性知能は低下しやすい。
答え

【 2 】

解説

  1. × 視覚や聴覚などの感覚の低下に伴い、記憶も低下する可能性があるが、視覚による感覚記憶が低下しやすいということはない。
  2. 〇 設問の通り
  3. × 出来事、特に最近の出来事に関する記憶(エピソード記憶)は忘れやすい。
  4. × 計算能力は低下する。
  5. × 結晶性知能は低下しにくい。

問題

加齢に伴う身体機能の低下を感じている高齢者の心理に関する次の記述のうち,正しいものを1 つ選びなさい。

  1. 身体機能の低下に対する不安や悲しみを,自分が経験しているのではなく,友人のことだと考えることで心理的安定を図ろうとすることを,抑圧という。
  2. 受け身的で,子どものように振る舞うことで心理的安定を図ろうとすることを,投影という。
  3. 身体機能の低下の代わりに,認知的な活動での優越感を持つことで心理的安定を図ろうとすることを,補償という。
  4. 身体機能を使う場面を避けて,ひきこもることで心理的安定を図ろうとすることを,退行という。
  5. 身体機能の低下に対する不安や悲しみを,無意識的に抑えることで心理的に安定を図ろうとすることを,逃避という。
答え

【 3 】

解説

  1. × 投射という。
  2. × 退行という。
  3. 〇 劣等感を持つ事柄に対し、他の活動で優越感を持ち克服しようとすることである。
  4. × 逃避という。
  5. × 抑圧という。

問題

甲状腺機能低下症(hypothyroidism)の症状として,適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 浮腫
  2. 下痢
  3. 動悸
  4. いらいら感
  5. 手の震え
答え

【 1 】

解説

  1. 〇 全身の浮腫(むくみ)をきたすことがある。
  2. × 下痢は、甲状腺機能亢進症で認められる症状である。
  3. × 動悸は、甲状腺機能亢進症で認められる症状である。
  4. × いらいら感は、甲状腺機能亢進症で認められる症状である。
  5. × 手の震えは、甲状腺機能亢進症で認められる症状である。

問題

めまいとその症状に関する次の記述のうち,適切なものを1 つ選びなさい。

  1. メニエール病(Meniere disease)では,立ちくらみが起こる。
  2. 良性発作性頭位めまい症(benign paroxysmal positional vertigo)では,回転感がある。
  3. 低血圧によるめまいは,耳鳴りを伴う。
  4. 不整脈によるめまいは,頭痛を伴う。
  5. 脳梗塞(cerebral infarction)では,めまいは起こらない。
答え

【 2 】

解説

  1. × 回転性のめまい、耳鳴り、聴力低下などが起きる。
  2. 〇 頭の位置によって症状が起き、瞬間的に目が回るような感覚を覚える。
  3. × 立ちくらみが多い。
  4. × 片頭痛にめまいを伴うことがある。
  5. × 麻痺などに加え様々なめまいを伴うことがある。

問題

Aさん(79 歳,女性)は,介護老人福祉施設で生活している。糖尿病(diabetesmellitus)でインスリン治療が必要で,1日に一度,昼食後に自己注射をしていて,併せて毎食直前に血糖を下げる薬を内服している。医師からは血糖のコントロール状態は良好であると言われている。ある日,Aさんの医療機関の受診が長びいた。
B介護福祉職がAさんに遅めの昼食をとってもらう準備をしていると,Aさんが「頭がふらふらする」と訴えた。冷や汗もかいているようである。
B介護福祉職によるAさんへの対応として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 昼食をとらずに,すぐにベッドで休んでもらう。
  2. 昼食前の内服薬をすぐに飲んでもらう。
  3. すぐに看護師に血糖を測定してもらう。
  4. すぐにインスリン(insulin)を自己注射してもらう。
  5. 様子を見る。
答え

【 3 】

解説

  1. × 低血糖の可能性があり、食事は必要である。
  2. × 服薬によりさらに低血糖が悪化する。
  3. 〇 他の原因を除外するために低血糖を確認する必要がある。
  4. × インスリン注射で低血糖は悪化する。
  5. × 低血糖が進むと意識障害となり、放置すると脳の障害まで進む可能性があり危険である。

問題

介護保険法における認知症対応型共同生活介護(グループホーム)に関する次の記述のうち,適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 地域住民と関わる機会は少ない。
  2. 家庭的な雰囲気によって,症状の安定が図られる。
  3. 1 ユニットの入所者は10 名までである。
  4. 機能訓練は行わない。
  5. 施設が決めた一律の日課によって,生活の維持が図られる。
答え

【 2 】

解説

  1. × 住み慣れた地域で、近隣の住民とのかかわりを持ちながら生活している。
  2. 〇 設問の通り
  3. × 1ユニットの入所者は9名以下である。
  4. × 介護保険法に機能訓練を行うことが明記されている。
  5. × 一人ひとりの生活リズムに合わせた支援をすることにより、生活の維持が図られる。

問題

失行に関する次の記述のうち,正しいものを1 つ選びなさい。

  1. 四肢が麻痺した状態である。
  2. 目的に沿った動作ができない状態である。
  3. 言葉を理解できない状態である。
  4. 気力や自発性が低下した状態である。
  5. 目の前のものが何であるかを,認識できない状態である。
答え

【 2 】

解説

  1. × 失行では運動障害はみられない。四肢麻痺は、両側上下肢にみられる運動麻痺で、脳血管障害、上部頸髄損傷などでみられる。
  2. 〇 失行は、運動障害がなく、行うべき動作や行為をわかっていても、目的に沿って運動を遂行できない状態である。
  3. × 言葉を理解できないのは失語である。
  4. × 気力や自発性の低下は意思発動性の障害でうつ病などでみられる。
  5. × ある感覚を通して対象物を認知できないのは失認である。

問題

うつ病(depression)に伴って認められる仮性認知症(pseudodementia)の特徴として,適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 朝方に比べて夕方に悪くなることが多い。
  2. 本人が病識に乏しいことが多い。
  3. 記憶障害に比べて判断障害を認めることが多い。
  4. 症状が急速に進行することが多い。
  5. 食欲は保たれていることが多い。
答え

【 4 】

解説

  1. × うつ病では朝方から午前中に悪いことが多い。
  2. × 真の認知症と比較し病識があるので自己の認知障害に悩む。
  3. × 注意力がなく、集中困難や思考制止などのため、記憶や知的機能が表面上著しく障害されて見える。記憶障害の方が多い。
  4. 〇 うつ病では経過は緩徐だが、仮性認知症では急速に進行する。
  5. × 食欲も障害されてくる。

問題

軽度のアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)に認められる症状や日常生活上の障害として,最も可能性の高いものを1 つ選びなさい。

  1. 小刻み歩行
  2. 嚥下障害
  3. 尿失禁
  4. 炊事の自立困難
  5. 入浴の自立困難
答え

【 4 】

解説

  1. × 小刻み歩行は、歩幅が狭く膝を上げずにつま先や足裏全体でちょこちょこ歩く。パーキンソン病などの錐体外路症状の障害で起こる。
  2. × 嚥下障害をきたす疾患は、脳血管障害が最も多く、神経変性疾患でもみられる。
  3. × 尿失禁は、認知障害が進行するとみられる疾患で、例えば、正常圧水頭症は、尿失禁、歩行障害、認知症状を呈する。
  4. 〇 遂行機能障害がアルツハイマー型認知症の軽症から出現する。
  5. × 進行すると、入浴も介助なしでは危険である。

問題

血管性認知症(vascular dementia)の症状や特徴に関する次の記述のうち,適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 男性と比較して女性に多く認められる。
  2. ゆっくりと少しずつ進行する。
  3. 人格変化を認めることが多い。
  4. 初期にめまいを自覚することがある。
  5. 85 歳以上で多く認められる。
答え

【 4 】

解説

  1. × 男性の生活習慣などが影響し男性に多い。
  2. × 全体としては緩徐であるが、脳血管に梗塞や出血が生じるたびに段階状に悪化する。
  3. × 人格は比較的保たれている。
  4. 〇 脳血管障害(脳梗塞など)に起因するめまいはよくみられる。
  5. × アルツハイマー型認知症などと比較すると比較的若年でも見られる。

問題

若年性認知症(dementia with early onset)に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 前期高齢者が発症する認知症(dementia)である。
  2. 後期高齢者の認知症(dementia)と比べて進行は緩やかである。
  3. 家族の心理的負担は少ない。
  4. 若年性認知症(dementia with early onset)に特化した社会的支援が充実している。
  5. 若年性アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type with earlyonset)では神経症状を認めることが多い。
答え

【 5 】

解説

  1. × 65歳未満で発症する場合を若年性認知症という。前期高齢者とは65歳以上75歳未満である。
  2. × 進行は比較的速い。
  3. × 働き盛りの発症であるので、収入や将来の不安など、家族の負担は重いことが多い。
  4. × まだまだ社会的支援は充実していない。
  5. 〇 アルツハイマー型とともに脳血管性認知症の比率が高く、いずれも神経症状を認める。

問題

アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)の薬物療法に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 病気の進行を完全に止めることができる。
  2. 軽度のアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)に対して有効ではない。
  3. 行動・心理症状(BPSD)に対して効果が認められていない。
  4. 病期によって投与量が変わることはない。
  5. 副作用として,パーキンソン症候群が現れることがある。
答え

【 5 】

解説

  1. × 病気の進行を遅くする効果しかない。
  2. × 病初期に薬物の効果は認められる。
  3. × 初期に効果が認められることもある。
  4. × 少量から開始し、原則として増量する。
  5. 〇 設問の通り

問題

Cさん(80 歳,女性)は,軽度のアルツハイマー型認知症(dementia of theAlzheimer’s type)と診断され,訪問介護(ホームヘルプサービス)を受けて自宅で一人暮らしをしている。几帳面な性格で,大切な物はタンスの中にしまっている。
最近物忘れが多くなってきた。
ある日,訪問介護員(ホームヘルパー)が訪ねると,Cさんが,「泥棒に通帳を盗まれた」と興奮して訴えてきた。部屋はきれいな状態であった。
訪問介護員(ホームヘルパー)のCさんへの対応として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 保管場所を忘れたのだろうと伝える。
  2. 気分を変えるために話題を変える。
  3. 一緒に通帳を探すことを提案する。
  4. 認知症(dementia)が進んできたための症状であることを伝える。
  5. 通帳の保管場所を忘れないように保管場所に目印をつけてもらう。
答え

【 3 】

解説

  1. × 否定的、批判的な態度はCさんをさらに興奮させてしまう恐れがある。
  2. × Cさんの不安や心配事の目先を変える対応方法ではあるが、まずはCさんの話に耳を傾けることが大切である。
  3. 〇 Cさんの訴えを受容し、一緒に通帳を探すことは適切な対応である。
  4. × できなくなったことを指摘したり、行動が不適切だったと本人を責めたりすることは、本人のプライドを傷つけてしまうことになるため適切ではない。
  5. × 記憶障害により「物取られ妄想」がみられることがある。まずはCさんの興奮が落ち着くように対応することが大切である。

問題

認知症(dementia)の人の支援者の役割に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 民生委員は,担当地域の認知症(dementia)の人に関わる情報を収集して,専門的支援機関につなげる。
  2. 認知症(dementia)の人の主治医を,認知症(dementia)に関わる地域医療体制を構築する上での中核にする。
  3. 認知症看護認定看護師は,認知症(dementia)の種類と病期を特定して,必要な薬剤を処方する。
  4. 認知症サポート医が,認知症サポーター養成講座の講師を務めることとされている。
  5. 介護支援専門員(ケアマネジャー)は,担当する認知症(dementia)の人の要介護認定を行う。
答え

【 1 】

解説

  1. 〇 設問の通り
  2. × 認知症に関わる地域医療体制を構築する上での中核を担うのは、認知症サポート医である。
  3. × 看護師には薬剤の処方権はない。かかりつけ医が認知症の種類と病期を特定して、必要な薬剤の処方をする。
  4. × キャラバン・メイドが、認知症サポーター養成講座の講師を務める。
  5. × 要介護認定を行うのは市町村である。

問題

認知症(dementia)の妻を介護している夫から,「死別した妻の父親と間違えられてつらい」と相談されたときの介護福祉職の対応として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 妻が間違えないようになることは難しいと説明して,諦めるように伝える。
  2. 間違いを訂正すればするほど,妻の反発や興奮を引き起こすことを説明する。
  3. 認知症(dementia)の人によくみられることで,他の家族も同じ思いであることを伝える。
  4. 間違えられるつらさをよく聴いて,誤認を否定せずに,いつもどおりの態度で接するように勧める。
  5. 夫がうつ状態であることの可能性を説明して,夫自身の精神科の受診を勧める。
答え

【 4 】

解説

  1. × 夫が認知症の症状について理解することは大切であるが、認知症の症状なのであきらめるように伝えることは適切ではない。
  2. × 原因や対応策を伝えることも必要ではあるが、まずは夫のつらい気持ちに寄り添うことが大切である。
  3. × 孤立しがちな介護者にとって、同じ立場の人との交流を通して気持ちが楽になることがある。他の家族も同じ思いであることを伝えるのではなく、家族会を紹介するなど、つらい気持ちに寄り添った支援が大切である。
  4. 〇 夫のつらい気持ちを受容し、介護福祉職に理解してもらえていると感じてもらえるように対応することが大切である。
  5. × 夫の話をよく聞いたうえで、夫にどのような支援が必要か判断することが大切である。

問題

Dさん(30 歳,女性)は,脳性麻痺(cerebral palsy)で下肢の運動機能障害があり,電動車いすを使用している。Dさんは,自己決定・自己責任による生活をしたいと考えて,一人暮らしを始めた。週に一度ピアカウンセリング(peercounseling)のボランティアをして,友人と一緒に趣味の映画鑑賞に出かけることを楽しみにしている。
Dさんに関する次の記述のうち,ICF(International Classification of Functioning,Disability and Health:国際生活機能分類)の「環境因子」に分類されるものとして,適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 下肢の運動機能障害があること
  2. 電動車いすを使用していること
  3. ボランティアをしていること
  4. 仲の良い友人がいること
  5. 映画鑑賞が趣味であること
答え

【 4 】

解説

  1. × 「心身機能」に該当する。
  2. × ICFの「環境因子」には、(1)生産品と用具、(2)自然環境と人間がもたらした環境変化、(3)支援と関係、(4)態度、(5)サービス・制度・政策がある。「電動車いすを使用している」ということは、「活動」と考えることができるが、もう一つ、「環境因子」の(1)生産品と用具に該当すると考えることもできる。しかし、問題文では適切なものを一つ選べとなっているので、選択肢4の仲の良い友人がいることを「環境因子」とするならば、電動車いすを使用していることは「活動」と回答することを問題作成者は想定していると考えられる。
  3. × ボランティアをしていることは「活動」である。
  4. 〇 仲の良い友人がいることは「環境因子」(3)支持と関係に該当する。
  5. × 映画鑑賞が趣味であることは「活動」である。

問題

老人性難聴(presbycusis)の特徴として,正しいものを1 つ選びなさい。

  1. 伝音性難聴に分類される。
  2. 高音域から始まる。
  3. 語音明瞭度は高くなる。
  4. ウイルス感染で生じる。
  5. 症状は急激に進行する。
答え

【 2 】

解説

  1. × 難聴には、主に感音性難聴と伝音性難聴があり、耳のどこに障害が発生したかで区別される。伝音性難聴は、外耳と呼ばれる部分、中耳と呼ばれる部分、どちらかが何らかの原因により、悪化すると発生する難聴である。老人性難聴の原因は加齢であるため、伝音性難聴ではない。
  2. 〇 老人性難聴の特徴として、高音域から聞き取りにくくなることが知られている。
  3. × 語音明瞭度が高くなるわけではない。
  4. × 老人性難聴はウイルス感染で生じるわけではない。
  5. × 老人性難聴の症状は緩やかに進行する。

問題

うつ病(depression)で活動性が低下している利用者への介護福祉職の対応として,適切なものを1 つ選びなさい。

  1. にぎやかな場所に誘う。
  2. 自殺念慮を打ち明けられても,無関心でいる。
  3. 訴えに対して,受容的に接する。
  4. 話が途切れないように,次から次へと話しかける。
  5. 早く元気になるように,励ます。
答え

【 3 】

解説

  1. × うつ病で活動性が低下している利用者が、にぎやかな場所に誘われても人との交流に苦痛を感じ、自分の居場所として落ち着かない可能性がある。
  2. × うつ病の特徴には自殺念慮がある。介護福祉職は、自殺念慮を打ち明けられた場合には自殺を企てないように注意深く見守るなど、適切に対応する。
  3. 〇 訴えに対して、受容的に接することにより、うつ病の人の情緒が安定につながる。
  4. × 話が途切れないように、次から次へと話しかけることは、追い立てられるようで情緒不安定になる可能性がある。
  5. × 早く元気になるように、励まされることは、「頑張らなければいけないが、それができない」と考え自己評価が低くなり、余計にうつ病を重症化させる可能性がある。

問題

広汎性発達障害(pervasive developmental disorder)の特性として,適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 特定のものに対するこだわりが強い。
  2. 相手の意図を正確に読み取る。
  3. 幻覚や妄想が現れる。
  4. 麻痺性構音障害を生じる。
  5. 協調して作業することが得意である。
答え

【 1 】

解説

  1. 〇 設問の通り
  2. × 広汎性発達障害の場合、相手の意図を正確に読み取ることは難しい。
  3. × 広汎性発達障害の特性に幻覚や妄想はない。
  4. × 麻痺性構音障害が生じるのは、口腔が麻痺している場合である。
  5. × 広汎性発達障害の場合、相手の気持ちを察しながら強調して作業することは不得意である。

問題

筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)にみられる特徴的な障害として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 知的障害
  2. 呼吸障害
  3. 眼球運動障害
  4. 膀胱直腸障害
  5. 感覚障害
答え

【 2 】

解説

  1. × ALSは、大脳や脊髄などの運動に関わる神経が障害され、様々な症状がみられる。具体的には、筋委縮と筋力低下、球麻痺(舌萎縮、言語障害、嚥下障害)、深部腱反射亢進、病的反射出現などである。しかし、知的障害はみられない。
  2. 〇 ALSの末期では呼吸筋の麻痺によって呼吸障害がみられる。
  3. × ALSでは、眼球運動障害、膀胱直腸障害、感覚障害、褥瘡はみられない。そのため、この4つの症状は「陰性4徴候」と呼ばれる。
  4. × 3.の解説と同じ
  5. × 3.の解説と同じ

問題

障害受容過程の「ショック期」に関する次の記述のうち,適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 現実を実感することが難しい。
  2. 抑うつ反応を示す。
  3. 自らの努力が必要だと気づく。
  4. 他人に感情をぶつける。
  5. 障害を受け止めることができる。
答え

【 1 】

解説

  1. 〇 障害受容過程は、5つの経過を順にたどるとされている。具体的には「ショック期」から始まり、「否認期」「混乱期」「解決への努力期」「受容期」という順である。「ショック期」では、現実を実感することが難しく、無感動がみられたり、身体的な危機と心理的な落ち着きが共存していたりする時期といわれる。
  2. × 「混乱期」では、現実を否認できなくなり、内向的反応(抑うつ、自責、自殺企図)や外向的反応(責任転嫁、怒り、恨み)を示す。
  3. × 「解決への努力期」では、再起に向けて自らの努力が必要だと気付き、前向きな努力が主となる時期である。
  4. × 他人に感情をぶつけるのは葛藤の表れでもあり、「混乱期」にみられる外向的反応である。
  5. × 「受容期」では、障害を受け止めることができ、障害はその人の全体のごく一部に過ぎず、障害があるからといって自身の価値は全く損なわれていないことを理解する時期である。

問題

下図の自助具を使用する疾患として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. パーキンソン病(Parkinson disease)
  2. 腰髄損傷(lumbar spinal cord injury)
  3. 関節リウマチ(rheumatoid arthritis)
  4. 糖尿病(diabetes mellitus)
  5. クローン病(Crohn disease)
答え

【 3 】

解説

  1. × パーキンソン病は、中脳黒質部のドーパミン細胞の変性によっておこる疾患であり、ほとんどは40歳以降の中高年者に発症する。その症状は様々であり、具体的には、安静時振戦、固縮、無動・寡動、姿勢反射障害が特徴的にみられる。一般に、上肢の関節可動域が狭くなって腕が上がりにくいことは少ないので、パーキンソン病の自助具として適しているとはいいにくい。
  2. × 腰髄損傷では、対麻痺(両下肢の麻痺)が起こる。上肢機能は正常に保たれるため、長柄のくしは必要ない。
  3. 〇 関節リウマチは、手足の関節の炎症と破壊を主な症状とする自己免疫疾患であり、40~50歳代の女性に多く発症する。症状の進行に伴って日常生活に支障をきたし、整容動作が困難になる。図に示されている道具は「長柄のくし」であり、腕が上がりにくい(上肢の可動域が狭くなっている)場合でも整髪が可能となる。
  4. × 糖尿病は、膵臓から分泌される絶対的なインスリン欠乏とインスリン分泌障害を伴うインスリン抵抗性(2型糖尿病)に分類される。その症状は、口渇、多尿、意図しない体重減少、易疲労感、意識障害などである。通常長柄のくしは必要ない。
  5. × クローン病は、腸の全層に非連続性・非特異性の炎症をきたす肉芽腫性炎症性疾患である。その症状は、発熱、慢性の下痢などである。通常長柄のくしは必要ない。

問題

ホーエン・ヤール重症度分類でステージ3 にあるパーキンソン病(Parkinsondisease)の人の日常生活の留意点として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 履物はサンダルを使用する。
  2. 誤嚥に気をつける。
  3. 安静にして過ごす。
  4. 薬を飲み忘れた場合は,次に2 回分服用する。
  5. 食物繊維の多い食べ物は避ける。
答え

【 2 】

解説

  1. × 履物にサンダルを使用することは、歩行などの動作時に転倒のリスクがあるため避けなければならない。
  2. 〇 ホーエン・ヤール重症度分類は、ステージⅠ~Ⅴの5段階である。ステージ3は「姿勢反射障害の初期徴候がみられバランスが不安定になる。しかし、身体機能は軽度~中等度に低下するが、労働可能で、日常生活活動に介助は不必要な状態」である。パーキンソン病は誤嚥が多くみられるため、誤嚥による肺炎(誤嚥性肺炎)に留意しなければならない。
  3. × 安静にして過ごすのではなく、パーキンソン病では、生活リズムを崩さず規則正しい生活を送ることが重要である。
  4. × 薬を飲み忘れた場合、次に2回分服用することにはリスクがある。薬効の裏には少なからず副作用があるため、薬の用量や服薬時間をしっかりと遵守しなければならない。
  5. × パーキンソン病では、自律神経症状として便秘がみられる。そのため、食物繊維の多い食べ物を摂取すると便秘の改善につながる。

問題

リハビリテーションに関わる医療職の役割として,適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 作業療法士は,日常生活動作訓練を行う。
  2. 義肢装具士は,立位訓練を行う。
  3. 理学療法士は,短下肢装具の製作を行う。
  4. 臨床検査技師は,失語症(aphasia)の評価を行う。
  5. 言語聴覚士は,心理的な問題について面接を行う。
答え

【 1 】

解説

  1. 〇 設問の通り
  2. × 立位訓練を行うのは、理学療法士の役割である。
  3. × 短下肢装具の製作を行うのは、義肢装具士の役割である。
  4. × 失語症の評価を行うのは、言語聴覚士である。
  5. × 心理的な問題について面接を行うのは、臨床心理士の役割である。

問題

Eさん(31 歳,女性)は,Fちゃん(5歳)と二人暮らしである。自宅で仕事をしながら,重症心身障害のあるFちゃんを介護している。Fちゃんの食事は刻み食で,介助が必要である。昼も夜も2 ~3時間おきに痰の吸引を行わなければならない。Eさんの平均睡眠時間は4 時間である。Eさんは,「眠れなくて疲れが取れない」と訴えている。
Eさんへの介護福祉職の助言として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 痰の吸引の技術を高めるために講習を受ける。
  2. 障害基礎年金を申請する。
  3. 介護に専念するために仕事を辞める。
  4. 刻み食をやめて流動食にする。
  5. レスパイトケア(respite care)を利用する。
答え

【 5 】

解説

  1. × 痰の吸引の技術を高めても数時間おきに痰の吸引を行う状況は変わらない。
  2. × 障害基礎年金の申請は満20歳を過ぎなければならない。Fちゃんは5歳であるため申請はできない。
  3. × Eさんの介護の疲れが主訴であり、仕事を辞めても根本的な解決にはならない。
  4. × 刻み食をやめて流動食にしても、主訴の解決には至らない。
  5. 〇 介護者が休息をとるためのレスバイトケアを利用することは適切である。

問題

脳の中で記憶をつかさどる部位として,正しいものを1 つ選びなさい。

  1. 延髄
  2. 海馬
  3. 視床
  4. 松果体
  5. 小脳
答え

【 2 】

解説

  1. × 延髄は呼吸や循環器など生命の維持に必要な機能を担っている。
  2. 〇 設問の通り
  3. × 視床は視覚や聴覚と関係した器官である。
  4. × 松果体は概日リズムを調整するホルモンを分泌する器官である。
  5. × 小脳は運動機能を調整する役割を担っている。

問題

副交感神経の作用として,正しいものを1 つ選びなさい。

  1. 気道の弛緩
  2. 血糖値の上昇
  3. 消化の促進
  4. 心拍数の増加
  5. 瞳孔の散大
答え

【 3 】

解説

  1. × 気道の弛緩は、交感神経の働きによるものである。
  2. × 血糖値の上昇は、交感神経の働きによるものである。
  3. 〇 設問の通り
  4. × 心拍数の増加は、交感神経の働きによるものである。
  5. × 瞳孔の散大は、交感神経の働きによるものである。

問題

身体の症状とその原因となる疾患の組合せのうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 爪の白濁・肥厚---白癬(tinea)
  2. 皮膚の黄染---腎疾患(renal disease)
  3. 水晶体の白濁---緑内障(glaucoma)
  4. 舌苔--- 脳梗塞(cerebral infarction)
  5. 鼻出血 ---糖尿病(diabetes mellitus)
答え

【 1 】

解説

  1. 〇 設問の通り
  2. × 皮膚の黄染がみられるのは、肝疾患である。
  3. × 水晶体の白濁がみられるのは、白内障である。
  4. × 舌苔は、糖尿病や内分泌・代謝系疾患で起こりやすい。
  5. × 鼻出血は、花粉症やアレルギー性鼻炎、高血圧症などで起きやすい。

問題

立位姿勢を維持するための筋肉(抗重力筋)として,正しいものを1 つ選びなさい。

  1. 大腿四頭筋
  2. 胸鎖乳突筋
  3. 僧帽筋
  4. 三角筋
  5. 大胸筋
答え

【 1 】

解説

  1. 〇 設問の通り
  2. × 胸鎖乳突筋は、首を前側から支える大きな筋肉である。
  3. × 僧帽筋は、後頭部から背中の正中線に沿って始まり、左右の鎖骨・肩甲骨に終わるひし形の筋肉で、肩の運動に関与している。
  4. × 三角筋は、肩関節を大きく覆うようについている筋肉で、収縮すると上肢が上がる。
  5. × 大胸筋は、胸板を形成する筋の表層部にある最も大きな筋肉である。

問題

骨の強化に役立つこととして,適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 日光を避ける。
  2. 食物繊維を多く摂取する。
  3. ビタミンE(vitamin E)を摂取する。
  4. 適度な運動をする。
  5. 炭水化物を制限する。
答え

【 4 】

解説

  1. × 日光を浴びることで骨を強化するためのビタミンDを吸収しやすくなる。
  2. × 食物繊維の摂取は骨の強化に大きな影響を与えない。
  3. × ビタミンDを摂取することで、カルシウムの吸収を助ける。
  4. 〇 設問の通り
  5. × 塩分・脂肪・糖分の過剰な取りすぎに注意し、バランスの良い食事を摂取し、体重の増加を防ぎ、適度な運動を継続することで骨の強化に努める。

問題

身長151 cm,体重39 kg,寝たきりで侵襲がない70 歳の女性の基礎代謝量が980 kcal と算出された。1 日の必要エネルギー量は,基礎代謝量に活動係数とストレス係数を掛けることによって算出できる。
この女性の1 日の必要エネルギー量を算出して,最も近い数値を1 つ選びなさい。

  1. 600 kcal
  2. 900 kcal
  3. 1,200 kcal
  4. 1,500 kcal
  5. 1,800 kcal
答え

【 3 】

解説

計算式は、「必要エネルギー量=基礎代謝量×活動係数×ストレス係数」である。
問題では、基礎代謝量980kcal×寝たきり(臥床生活)活動係数1.2×侵襲なしストレス係数1.0=1,176kcalであるため、一番近い1,200kcalが正解となる。

問題

摂食・嚥下のプロセスで,軟口蓋が挙上して鼻腔と咽頭部が閉じ,次に喉頭が挙上して喉頭蓋が閉じ,食塊が食道に運ばれる時期として,正しいものを1 つ選びなさい。

  1. 先行期
  2. 準備期
  3. 口腔期
  4. 咽頭期
  5. 食道期
答え

【 4 】

解説

  1. × 先行期は、食事を認識する時期で、認知期ともいう。
  2. × 準備期は、咀嚼し、食塊を形成する時期である。
  3. × 口腔期は、食塊を咽頭へ送り込む時期である。
  4. 〇 設問の通り
  5. × 食堂期は、食塊が食堂を通過して胃に送り込まれる時期である。

問題

皮膚に関する次の記述のうち,正しいものを1 つ選びなさい。

  1. 皮膚の表面は弱アルカリ性に保たれている。
  2. 皮膚から1 日に約500~600 ml の不感蒸泄がある。
  3. 汗腺が最も多く分布しているのは額である。
  4. 体温が低下すると,汗腺が活性化する。
  5. 高齢期になると,皮脂の分泌が増加する。
答え

【 2 】

解説

  1. × 皮膚の表面は、弱酸性に保たれている。
  2. 〇 設問の通り
  3. × エクリン汗腺は手掌足底、腋窩に多く分布し、アポクリン汗腺は腋窩、乳輪、臍部、外陰部である。
  4. × 体温が上昇すると、汗腺が活性化する。
  5. × 高齢期になると、皮脂の分泌は次第に減少する。

問題

感染を起こしていない皮膚の創傷治癒を促す方法として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 乾燥
  2. 消毒
  3. マッサージ
  4. 湿潤
  5. 加圧
答え

【 4 】

解説

  1. × 創面を乾燥させることは、肉芽が死んでしまい表皮細胞が移動できないため、修復にならない。
  2. × 消毒は、細菌を殺すが人体に害を与え、痛みが増すこともある。皮膚をよく洗いふき取ることや、貼付剤を貼りかえるなどをする。
  3. × 皮膚は、過剰な力やマッサージなどの摩擦に弱いため回復力も弱まる。
  4. 〇 浸出液が創傷部位を常に覆って適切な湿潤環境を保つことで皮膚の再生を促す。
  5. × 皮膚に圧力が加わると、皮膚に栄養や酸素を供給している毛細血管を圧迫してしまい、組織は壊死してしまう可能性がある。

問題

Gさん(81 歳,女性)は日常生活は自立していて,活発に活動していたが,最近外出することが少なくなった。理由を尋ねると,「くしゃみや咳をしたときに,尿が漏れてしまうことが多くなったから」ということだった。
Gさんの失禁の原因として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 神経疾患
  2. 骨盤底筋群の機能低下
  3. 水分のとりすぎ
  4. 膀胱過敏
  5. 精神的な影響
答え

【 2 】

解説

  1. × 神経疾患が原因で起こるのは、切迫性尿失禁であり、今回の事例は腹圧性尿失禁である。
  2. 〇 くしゃみや咳をした時に起こるのは腹圧性尿失禁で、女性に多く骨盤底筋群の収縮力が弱くなることが原因で起こる。
  3. × 尿失禁するからと水分摂取量を控えることで、血管内に血栓を生じやすくなり、脳梗塞などを引き起こす危険性がある。
  4. × 膀胱過敏は、膀胱に尿をためる機能障害であり、不安や心身症などがあると少しの刺激でも膀胱が過敏に尿意を感じ、膀胱に尿が溜まっていないうちに排尿することがある。今回の原因としては、2.の方が適切である。
  5. × 上記解説と同じ

問題

高齢者の睡眠の特徴として,正しいものを1 つ選びなさい。

  1. 夜間の睡眠時間が長くなる。
  2. 眠りが深くなる。
  3. 早朝覚醒が少なくなる。
  4. 中途覚醒が多くなる。
  5. レム睡眠の時間が増える。
答え

【 4 】

解説

  1. × 夜間の睡眠時間は短くなる。
  2. × 眠りが浅くなる。
  3. × 高齢者の睡眠は浅くなるため、早朝覚醒は多くなる。
  4. 〇 睡眠が浅くなることに加え、腎機能の変化により、夜間のトイレに行く回数が増えることもあり、中途覚醒が多くなる。
  5. × 加齢により、深いノンレム睡眠が減り、浅いノンレム睡眠が増えるため、途中で目が覚めたり、朝早く目が覚めたりするようになる。

問題

終末期に関する用語の説明として,適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 尊厳死とは,薬物などを用いて意図的に死期を早めて死に至ることである。
  2. 積極的安楽死とは,自然な状態で死に至ることである。
  3. 脳死とは,自発呼吸は保たれているが意識がなく昏睡状態にあることである。
  4. グリーフケア(grief care)とは,判断能力が失われたときに本人に代わって決定を行う代理人を指定することである。
  5. 事前指示書とは,意思疎通が困難になったときのために,希望する医療ケアを記載した書類のことである。
答え

【 5 】

解説

  1. × 尊厳死とは、人間が人間の尊厳を保って自然な状態で死に至ることであり、設問文が尊厳死の定義ではない。
  2. × 積極的安楽死とは、苦痛から解放することを目的に薬物などを用いて意図的に死期を早めて死に至ることである。
  3. × 脳死とは、意識だけでなく、呼吸・循環機能の調節など、脳幹を含む脳全体の機能が失われた状態のことである。
  4. × グリーフケアとは、身近な人との死別を経験し、悲嘆に暮れる人を傍で支援することで、悲しみから立ち直れるようにすることである。
  5. 〇 設問の通り

問題

介護福祉士の業であって,医師の指示の下に行われる喀痰吸引等を規定した法律として,正しいものを1 つ選びなさい。

  1. 社会福祉士及び介護福祉士法
  2. 社会福祉法
  3. 介護保険法
  4. 医師法
  5. 保健師助産師看護師法
答え

【 1 】

解説

  1. 〇 設問の通り
  2. × 社会福祉法は、日本の社会福祉の目的・理念・原則と対象者別の各社会福祉関連法に規定されている福祉サービスに共通する基本的事項を規定している。
  3. × 介護保険法には介護福祉士の行う医療行為のサービス内容の記載はない。
  4. × 医師法は医師について規定する法律である。
  5. × 保健師助産師看護師法は、看護師などについて規定する法律である。

問題

Hさん(90 歳,男性)は,介護老人福祉施設に入所中である。呼吸困難はない。ある日,Hさんがベッドに臥床しているときに,痰が口腔内にたまってきたので,介護福祉士は医師の指示どおりに痰の吸引を行うことにした。
このときのHさんの姿勢として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 頭部を肺よりも低くした姿勢
  2. 仰臥位で顎を引いた姿勢
  3. 腹臥位で頭部を横にした姿勢
  4. ベッドに腰かけた姿勢
  5. 上半身を10~30 度挙上した姿勢
答え

【 5 】

解説

  1. × 頭部を肺よりも低くした姿勢は、保持しにくい姿勢で苦痛である。
  2. × 仰臥位で顎を引いた姿勢では、気道の確保が難しく、痰の吸引を行いにくいため、粘膜を傷つけ出血させてしまう可能性がある。
  3. × 腹臥位で頭部を横にした姿勢は、嘔気・嘔吐時に取る姿勢である。
  4. × 自力で排痰を試みる場合はベッドに腰かけた姿勢でよいが、吸引をする場合は、上半身を10~30度挙上した方が吸引しやすい。
  5. 〇 上半身を挙上しなければ、口腔内の痰が喉に落ち込んでしまい、吸引できなくなる可能性がある。

問題

介護福祉士が鼻腔内の吸引を行うときに,吸引チューブを挿入できる範囲の限度として,正しいものを1 つ選びなさい。

答え

【 1 】

解説

設問の通り。介護職の鼻腔内吸引の条件は、咽頭の手前までの部位である。

問題

経管栄養に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 栄養剤の栄養素は,胃から吸収される。
  2. 栄養剤の注入速度が速いと,下痢を起こすことがある。
  3. 経管栄養によって,口腔内の細菌は減少する。
  4. 経管栄養で,誤嚥を起こすことはない。
  5. 食道への栄養剤の逆流が生じることはない。
答え

【 2 】

解説

  1. × 栄養剤の栄養素は、胃で消化し、小腸から吸引される。
  2. 〇 設問の通り
  3. × 経管栄養によって、口から食事をとらないことにより、唾液を分泌する機会が減る。分泌量も減ることから自浄作用が低下してしまうため、口腔内の細菌が繁殖しやすい。
  4. × 経管栄養時・注入後の体位や嘔吐により、誤嚥を起こしやすい。
  5. × 経管栄養時・注入後の体位により、食堂への栄養剤の逆流が生じ誤嚥を起こしやすい。

問題

経鼻経管栄養を行っている利用者に対して,栄養剤を流す前に経鼻経管栄養チューブの確認をすると,固定テープがはずれて,鼻腔の入口付近でチューブが10 cm 抜けていた。
このときの介護福祉士の対応として,適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 抜けた部分を元に戻す。
  2. チューブを鼻から抜く。
  3. 胃内に挿入されているかどうかを,気泡音で確認する。
  4. そのまま注入を開始する。
  5. 注入は行わずに,看護職に状況を報告する。
答え

【 5 】

解説

  1. × すぐに看護職に連絡し、対応をお願いする。10cm抜けていることを確認した際に、経鼻胃管を元に戻さずに、むせ込みや嘔気・嘔吐はないか、口腔内に経鼻胃管がループ状に抜け出ていないか観察した内容を伝える。
  2. × 介護職には経鼻胃管の取り扱いはできないため、すぐに看護職に連絡し、対応をお願いする。
  3. × 経鼻胃管が正しく胃内に挿入されているかどうか確認するのは、医師か看護師である。
  4. × 誤嚥を誘発させることになり危険である。10cm抜けている状態で、栄養剤の注入を開始してしまうことは、経鼻胃管の先が胃内ではなく、気管内または気管の入口付近まで抜け出ている可能性がある。
  5. 〇 設問の通り

問題

〔事 例〕
Jさん(80 歳,男性,要介護2)は,2年前に脳梗塞(cerebral infarction)を起こして,左片麻痺になった。Jさんは,自宅で妻(80 歳)と過ごしたいと訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用して,二人で暮らしていた。
Jさんは,数か月前に肺炎(pneumonia)を起こして入院した。炎症症状は消失したが,MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)を保菌した状態で退院した。
退院後のJさんは,なんとか立位がとれる状態である。排泄は,ポータブルトイレを利用して,妻が介助している。尿意はあり,1日の尿の回数も正常である。しかし,日が経つにつれて,妻には日に何回も行う立ち上がりや,ズボンや下着の上げ下ろしの介助は負担になり,時間がかかってJさんが失禁してしまうことも増えてきた。
妻は,JさんがMRSAの保菌者であることを気にしていた。
妻が日常生活で留意する点として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. Jさんの食器は別にして洗浄する。
  2. 手洗いと手指の消毒を行う。
  3. 介助するときは,使い捨ての予防着を着用する。
  4. Jさんの衣類は別にして洗濯する。
  5. ポータブルトイレは,10%の次亜塩素酸ナトリウム溶液で消毒する。
答え

【 2 】

解説

MRSA自体は通常存在する菌であり、健康な人が保菌しても直ちに発症することはない。というMRSAに対する正しい知識と共に、医療専門職ではない妻が日常生活でできることは何かを考えることがポイントである。

  1. × 食器を別にして洗浄する必要はない。
  2. 〇 手洗いと手指の消毒は、妻が日常生活の中でもできることであり、適切である。
  3. × 予防着を着用する必要はない。
  4. × 衣類を別にして洗濯する必要はない。
  5. × 次亜塩素酸ナトリウム溶液を使用する場合は0.1%程度でよいとされており、また他の洗剤と混ぜると有毒ガスが発生する場合もある。妻が日常生活の中で行うこととしては適切ではない。なお、MRSAは消毒液に対する抵抗性が弱いので、ポータブルトイレはアルコールによる清拭消毒でも有効である。

問題

〔事 例〕
Jさん(80 歳,男性,要介護2)は,2年前に脳梗塞(cerebral infarction)を起こして,左片麻痺になった。Jさんは,自宅で妻(80 歳)と過ごしたいと訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用して,二人で暮らしていた。
Jさんは,数か月前に肺炎(pneumonia)を起こして入院した。炎症症状は消失したが,MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)を保菌した状態で退院した。
退院後のJさんは,なんとか立位がとれる状態である。排泄は,ポータブルトイレを利用して,妻が介助している。尿意はあり,1日の尿の回数も正常である。しかし,日が経つにつれて,妻には日に何回も行う立ち上がりや,ズボンや下着の上げ下ろしの介助は負担になり,時間がかかってJさんが失禁してしまうことも増えてきた。
Jさんに該当する排尿障害として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 溢流性尿失禁
  2. 腹圧性尿失禁
  3. 反射性尿失禁
  4. 切迫性尿失禁
  5. 機能性尿失禁
答え

【 5 】

解説

  1. × 溢流性尿失禁は、排出障害が基礎疾患としてあり、尿閉状態となって尿が漏れる。Jさんにそのような基礎疾患はない。
  2. × 腹圧性尿失禁は、咳やくしゃみをしたり、重いものを持ち上げたりしたときに起こる。Jさんにそのような症状はない。
  3. × 反射性尿失禁は、尿意を感じないのに尿が漏れたり、膀胱に刺激が加わったりすると反射的に尿が漏れてしまう。Jさんには尿意があり、刺激で漏れてしまうわけではないため、適切ではない。
  4. × 切迫性尿失禁は、急に尿がしたくなり我慢できずに漏れてしまう。Jさんにそのような症状はみられず、時間がかかったときに失禁してしまうとあるので適切ではない。
  5. 〇 Jさんに排尿機能の障害はみられず、身体機能の低下に伴って失禁が生じるようになっている。

問題

〔事 例〕
Jさん(80 歳,男性,要介護2)は,2年前に脳梗塞(cerebral infarction)を起こして,左片麻痺になった。Jさんは,自宅で妻(80 歳)と過ごしたいと訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用して,二人で暮らしていた。
Jさんは,数か月前に肺炎(pneumonia)を起こして入院した。炎症症状は消失したが,MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)を保菌した状態で退院した。
退院後のJさんは,なんとか立位がとれる状態である。排泄は,ポータブルトイレを利用して,妻が介助している。尿意はあり,1日の尿の回数も正常である。しかし,日が経つにつれて,妻には日に何回も行う立ち上がりや,ズボンや下着の上げ下ろしの介助は負担になり,時間がかかってJさんが失禁してしまうことも増えてきた。
妻の介護負担は増してきている。妻は自分も高齢なことから,介助ができなくなったときにどうすればいいのか心配になってきた。通ったり,泊まれたり,自分の体調不良時にも自宅を訪問してくれるサービスを利用したいと考えている。妻の希望に沿ったサービスとして,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 通所介護(デイサービス)
  2. 短期入所療養介護
  3. 小規模多機能型居宅介護
  4. 地域密着型特定施設入居者生活介護
  5. 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
答え

【 3 】

解説

  1. × 通所介護は通いのみであり、適切ではない。
  2. × 短期入所療養介護は泊りのみであり、適切ではない。
  3. 〇 適切である。
  4. × 地域密着型特定施設入居生活介護は、生活の拠点を施設に移すことになり、適切ではない。
  5. × 上記解説と同じ

問題

〔事 例〕
Kさん(88 歳,男性)は,妻(82 歳)と二人暮らしであった。5年前にアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)と診断された。1年ほど前から,会話がかみ合わなくなった。離れて暮らす一人息子のこともわからなくなり,「会社に行く」と外出して行方不明になることがあった。そのため,自宅での介護が困難で,半年前に認知症対応型共同生活介護(グループホーム)に入居した。入居時は表情が険しく精神的に不安定で徘徊がたびたびみられた。しかし,事業所内で取り組んでいた回想法に参加すると,徘徊はみられなくなってきた。
ある日の午後,「痛い,痛い」と繰り返しながら足を叩いて,床に座り込む様子が見られた。
Kさんが痛みを訴えて床に座り込んだ時点で,介護福祉職がとる対応として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. いつからどのように痛いのか,詳しく質問する。
  2. 全身の状態を観察する。
  3. 嘔気の有無を質問する。
  4. 叩いている部位に湿布を貼る。
  5. ベッド上で安静にしてもらう。
答え

【 2 】

解説

  1. × Kさんは会話がかみ合わない状態であるため、Kさんに痛みについて質問するのは適切な対応ではない。
  2. 〇 Kさんは会話がかみ合わない状態であるため、介護福祉職が全身を観察し、痛みの原因を把握する必要がある。
  3. × 転倒し頭を打つと嘔気の症状が出ることがあるが、Kさんは会話がかみ合わない状態であるため、嘔気の有無を質問することは適切な対応ではない。
  4. × 痛みの原因を確認せずに湿布を貼ることは適切な対応ではない。
  5. × 痛みの原因を把握したうえで、ベッド上で安静にするのかを判断する必要がある。

問題

〔事 例〕
Kさん(88 歳,男性)は,妻(82 歳)と二人暮らしであった。5年前にアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)と診断された。1年ほど前から,会話がかみ合わなくなった。離れて暮らす一人息子のこともわからなくなり,「会社に行く」と外出して行方不明になることがあった。そのため,自宅での介護が困難で,半年前に認知症対応型共同生活介護(グループホーム)に入居した。入居時は表情が険しく精神的に不安定で徘徊がたびたびみられた。しかし,事業所内で取り組んでいた回想法に参加すると,徘徊はみられなくなってきた。
ある日の午後,「痛い,痛い」と繰り返しながら足を叩いて,床に座り込む様子が見られた。
Kさんが痛みを訴えてから数日後の入浴時に,Kさんの右頸部から背部にかけて帯状の水疱を伴う発赤疹が確認された。病院を受診すると, 帯状疱疹(herpes zoster)と診断された。
介護福祉職がKさんのからだの清潔を保つための方法として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 冷たい水で清拭をする。
  2. 乾布清拭をする。
  3. ぬるめのお湯でシャワー浴をする。
  4. 熱めのお湯で入浴をする。
  5. アルコールで清拭をする。
答え

【 3 】

解説

  1. × 帯状疱疹は痛みを伴う皮膚病である。冷やすと痛みが強くなる恐れがあるため適切ではない。
  2. × 乾布清拭は摩擦による皮膚への刺激が大きいため適切ではない。
  3. 〇 帯状疱疹はウイルスが原因であるため、刺激が少ない方法で患部を清潔に保つことが大切である。
  4. × 熱めのお湯は皮膚への負担が大きいため適切ではない。
  5. × アルコールは肌への刺激が強いため適切ではない。

問題

〔事 例〕
Kさん(88 歳,男性)は,妻(82 歳)と二人暮らしであった。5年前にアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)と診断された。1年ほど前から,会話がかみ合わなくなった。離れて暮らす一人息子のこともわからなくなり,「会社に行く」と外出して行方不明になることがあった。そのため,自宅での介護が困難で,半年前に認知症対応型共同生活介護(グループホーム)に入居した。入居時は表情が険しく精神的に不安定で徘徊がたびたびみられた。しかし,事業所内で取り組んでいた回想法に参加すると,徘徊はみられなくなってきた。
ある日の午後,「痛い,痛い」と繰り返しながら足を叩いて,床に座り込む様子が見られた。
病院を受診した日の夜中にKさんが,「仕事に行かないと怒られる」と興奮した口調で部屋から出てきた。介護福祉職がKさんの不安な思いを受け止めると,入眠した。しかし,30 分後に再び,「会社に行く」と興奮する様子が見られた。
興奮しているKさんへの介護福祉職の対応として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 会社は休みだと言う。
  2. 早く寝るようにと言う。
  3. 怒られることはないと言う。
  4. 仕事をしていた時の話をする。
  5. 息子の話をする。
答え

【 4 】

解説

  1. × Kさんの言動に対して、否定的な発言をすることは適切ではない。
  2. × Kさんの話を聞こうともせず、無理やり止めさせようとすると、さらに興奮してしまうため適切ではない。
  3. × Kさんの不安な気持ちを受け止める対応が大切であり、まずはKさんの話を受容する。
  4. 〇 仕事をしていた時の話をすることで、Kさんの気持ちが落ち着くように対応することは適切である。
  5. × Kさんの言動に関係のない話題に変えるのではなく、Kさんの気持ちが落ち着くような方向に話題を変えていくことが大切である。

問題

〔事 例〕Lさん(25 歳,男性,障害支援区分5)は,大学2年生の時,交通事故が原因で頸髄損傷(cervical cord injury)となった。現在は毎日,居宅介護を利用しながら,母親と生活している。
Lさんは四肢麻痺のため自分で体を動かすことができずに,多くの時間をベッドで過ごしている。リクライニング式車いすに移乗するときは,移乗リフトを使用している。Lさんは,母親の腰痛が悪化していることを知っているので,母親に介助を頼むことを遠慮している。そのため,介護福祉職が来たときに,リクライニング式車いすに乗せてもらっている。Lさんは車いすで座位になると,たびたび起立性低血圧で気分が悪くなる。
日中はマウススティックを使用して,パソコンで友人とメールのやり取りを楽しんでいる。最近はパソコン教室に週1回は通いたいと考えて,「長時間の外出時の移動の介護をお願いしたいがどうしたらよいか」と介護福祉職に相談した。
Lさんの現在の生活状況から,今後,発症する可能性が高いものとして,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. てんかん(epilepsy)
  2. 仮面様顔貌
  3. 構音障害
  4. 安静時振戦
  5. 褥瘡
答え

【 5 】

解説

  1. × てんかんは脳の神経細胞に突然発生する激しい電気的な興奮により繰り返す発作(てんかん発作)である。頸髄損傷では、脳の神経細胞に特段の症状はないため、今後、発症の可能性は低い。
  2. × 仮面様顔貌とは、顔の表情筋も微妙な動きが制限され、瞬きが少なくなり、顔の表情が乏しくなることをいい、パーキンソン病の3大特徴といわれる。
  3. × 構音障害は「正確な構音ができない状態」あるいは「語音をつくる過程の障害」である。四肢麻痺のLさんにはない障害である。
  4. × 安静時振戦とは、安静時に出現する振戦である。本人の意思とは関係なく手が震える。パーキンソン病と関係のある症状である。
  5. 〇 褥瘡とは、自分で体位変換できないLさんのように、体重で長い時間圧迫された皮膚の細胞に十分な酸素や栄養が行き渡らなくなるとできやすい。

問題

〔事 例〕Lさん(25 歳,男性,障害支援区分5)は,大学2年生の時,交通事故が原因で頸髄損傷(cervical cord injury)となった。現在は毎日,居宅介護を利用しながら,母親と生活している。
Lさんは四肢麻痺のため自分で体を動かすことができずに,多くの時間をベッドで過ごしている。リクライニング式車いすに移乗するときは,移乗リフトを使用している。Lさんは,母親の腰痛が悪化していることを知っているので,母親に介助を頼むことを遠慮している。そのため,介護福祉職が来たときに,リクライニング式車いすに乗せてもらっている。Lさんは車いすで座位になると,たびたび起立性低血圧で気分が悪くなる。
日中はマウススティックを使用して,パソコンで友人とメールのやり取りを楽しんでいる。最近はパソコン教室に週1回は通いたいと考えて,「長時間の外出時の移動の介護をお願いしたいがどうしたらよいか」と介護福祉職に相談した。
Lさんがリクライニング式車いすで起立性低血圧を起こしたときの介護福祉職の対応として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 背もたれを倒す。
  2. 頭部を冷やす。
  3. 体温を測る。
  4. 衣服を調節する。
  5. ベッドへ移乗する。
答え

【 1 】

解説

  1. 〇 起立性低血圧は、寝た状態や座位から急に立ち上がったときに血圧が下がり、ふらつきやめまい、易疲労感(疲れやすい)、動悸、視野のかすみ、眼前暗黒感、時には失神などを伴う。対応方法は、正常な血圧に戻すためにリクライニング式車いすの背もたれを倒すことである。
  2. × 起立性低血圧の原因は血圧であるため、頭部を冷やす必要はない。
  3. × 起立性低血圧は、体温の上昇とは関係ないので、体温を測る必要はない。
  4. × 起立性低血圧は、血圧の低下が原因のため、衣類を調節する必要はない。
  5. × まずは背もたれを倒す。その後、ベッドへの移乗を行ってもよい。

問題

〔事 例〕Lさん(25 歳,男性,障害支援区分5)は,大学2年生の時,交通事故が原因で頸髄損傷(cervical cord injury)となった。現在は毎日,居宅介護を利用しながら,母親と生活している。
Lさんは四肢麻痺のため自分で体を動かすことができずに,多くの時間をベッドで過ごしている。リクライニング式車いすに移乗するときは,移乗リフトを使用している。Lさんは,母親の腰痛が悪化していることを知っているので,母親に介助を頼むことを遠慮している。そのため,介護福祉職が来たときに,リクライニング式車いすに乗せてもらっている。Lさんは車いすで座位になると,たびたび起立性低血圧で気分が悪くなる。
日中はマウススティックを使用して,パソコンで友人とメールのやり取りを楽しんでいる。最近はパソコン教室に週1回は通いたいと考えて,「長時間の外出時の移動の介護をお願いしたいがどうしたらよいか」と介護福祉職に相談した。
介護福祉職は,Lさんがパソコン教室に通うことができるように,相談支援専門員にサービス等利用計画の変更を相談したいと考えている。Lさんが利用できるサービスとして,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 同行援護
  2. 行動援護
  3. 重度訪問介護
  4. 自立訓練事業
  5. 成年後見制度利用支援事業
答え

【 3 】

解説

  1. × 同行援護とは、「視覚障害により、移動に著しい困難を有する障害者等につき、外出時において、当該障害者等に同行し、移動に必要な情報を提供するとともに、移動の援護その他の厚生労働省令で定める便宜を供与すること」とされているため、視覚障害のないLさんは利用できない。
  2. × 行動援護は、知的障害者や精神障害者で行動する際に、強度行動障害(パニックなど)を生じ得る危険のある人が利用するサービスである。
  3. 〇 重度訪問介護とは、重度の肢体不自由者又は、重度の知的障害もしくは精神障害により行動上著しい困難を有する障害者であり、常時介護を要する方を対象に、生活全般にわたる援助並びに外出時における移動中の介護を総合的に行うものである。
  4. × 自立訓練事業は、身体障害を有する障害者を対象に、理学療法、作業療法その他必要なリハビリテーション、生活等に関する相談及び助言その他の必要な支援を行うものであるため、パソコン教室へ通いたいという問題文の趣旨からすると選択肢3.の方が適切であると考えられる。
  5. × 成年後見制度利用支援事業は、経済的理由等で成年後見制度の利用を躊躇することのないように、成年後見制度の利用にかかる費用の全部、または一部を補助する事業である。

問題

〔事 例〕Mさん(19 歳,男性)は,染色体の異常による疾患で知的障害がある。特別支援学校の卒業後,自立した生活を目指して,両親から離れて,共同生活援助(グループホーム)を利用している。日中は,一定期間(おおむね 24 か月を標準とする)必要な訓練を受けることのできる日中活動のサービスを利用して,生産活動の訓練,職場体験の機会の提供などを受けている。
Mさんは,毎朝,このグループホームから駅まで歩いて,電車で日中活動の場所まで通っている。Mさんは,楽しそうに生き生きと訓練に励んでいる。
Mさんの知的障害の起因疾患として,正しいものを1 つ選びなさい。

  1. 脊髄小脳変性症(spinocerebellar degeneration)
  2. 脳出血(cerebral hemorrhage)
  3. 筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)
  4. ダウン症候群(Down’s syndrome)
  5. 脊柱管狭窄症(spinal stenosis)
答え

【 4 】

解説

  1. × 脊髄小脳変性症は運動に関係した脊髄や小脳の神経が編成する難病である。知的障害の起因疾患ではない。
  2. × 脳出血では、急に頭痛や吐き気・嘔吐、左右片側の麻痺などが現れる。麻痺は次第に進行し、それとともに意識が低下して昏睡に至ることもある。知的障害の起因疾患ではない。
  3. × 筋萎縮性側索硬化症は、筋肉を動かし、かつ運動をつかさどる神経だけが障害を受ける疾病である。脳から「手足を動かせ」という命令が伝わらなくなることにより、手足、のど、舌の筋肉や呼吸に必要な筋肉がだんだんやせて力がなくなっていく病気である。知的障害の起因疾患ではない。
  4. 〇 ダウン症候群は、染色体異常により知的障害を起因する障害である。
  5. × 脊柱管狭窄症は、頸椎、胸椎、腰椎の広範囲にわたり、脊柱管が狭くなり、脊髄神経の障害を引き起こす病気である。頸椎の病変からは、手のしびれ、使いにくさ、下肢のしびれやつっぱり、歩行障害、頻尿などの症状が生じ、胸椎からはこのうち、手以外の部位の症状、腰椎の病変からは、立ち上がったときや歩いた時の下肢の痛みやしびれが生じる。知的障害の起因疾患ではない。

問題

〔事 例〕Mさん(19 歳,男性)は,染色体の異常による疾患で知的障害がある。特別支援学校の卒業後,自立した生活を目指して,両親から離れて,共同生活援助(グループホーム)を利用している。日中は,一定期間(おおむね 24 か月を標準とする)必要な訓練を受けることのできる日中活動のサービスを利用して,生産活動の訓練,職場体験の機会の提供などを受けている。
Mさんは,毎朝,このグループホームから駅まで歩いて,電車で日中活動の場所まで通っている。Mさんは,楽しそうに生き生きと訓練に励んでいる。
Mさんが利用している日中活動のサービスとして,正しいものを1 つ選びなさい。

  1. 就労移行支援
  2. 自立訓練(生活訓練)
  3. 就労継続支援A型(雇用型)
  4. 就労継続支援B型(非雇用型)
  5. 地域移行支援
答え

【 1 】

解説

  1. 〇 就労移行支援は、就労を希望する65歳未満の障害者であって、竜郎に必要な知識、能力の訓練、求職活動などの支援を行うものである。利用期間はおおむね24か月とされている。
  2. × 自立訓練(生活訓練)は、知的障害または精神障害を有する障害者に対して、障害者支援施設もしくはサービス事業所に通わせ、当該障害者支援施設もしくはサービス事業所において、または当該障害者の居宅を訪問することによって、入浴、排せつ及び食事等に関する自立した日常生活を営むために必要な訓練、生活等に関する相談及び助言、その他の必要な支援を行うものである。Mさんはすでに共同生活援助(グループホーム)での生活を始めているので、このサービスは必要ない。
  3. × 就労継続支援A型(雇用型)は、企業等に就労することが困難なものに対して、実際に事業者と雇用契約を結び、就労に必要な知識・能力向上の支援を行うものである。
  4. × 就労継続支援B型(非雇用型)は、A型と同様であるが、雇用契約は結ばない。
  5. × 地域移行支援は、入所施設や精神科病院等からの退所、退院にあたって支援を要する者に対し、入所施設や精神病院等における地域移行の取組と連携しつつ、地域移行に向けた支援を行うものである。

問題

〔事 例〕Mさん(19 歳,男性)は,染色体の異常による疾患で知的障害がある。特別支援学校の卒業後,自立した生活を目指して,両親から離れて,共同生活援助(グループホーム)を利用している。日中は,一定期間(おおむね 24 か月を標準とする)必要な訓練を受けることのできる日中活動のサービスを利用して,生産活動の訓練,職場体験の機会の提供などを受けている。
Mさんは,毎朝,このグループホームから駅まで歩いて,電車で日中活動の場所まで通っている。Mさんは,楽しそうに生き生きと訓練に励んでいる。
ある朝,介護福祉士であるA世話人がMさんの部屋をのぞくと,グループホームを出る時間を過ぎていたが,まだ寝ていた。「今日は行かないの」と尋ねると,「日中活動がつまらないから行かない」と言いながら,布団をかぶってしまった。
A世話人のMさんへの対応に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。

  1. 両親に連絡して,日中活動に行くように話してもらう。
  2. 日中活動の楽しさについて話し合う。
  3. 日中活動の重要性について話し合う。
  4. 日中活動がつまらないと思う理由について話し合う。
  5. 気分転換に映画を見に行くことを勧める。
答え

【 4 】

解説

  1. × 特別支援学校の卒業後、自立した生活を目指して両親から離れ、共同生活援助を利用していることを考えると、両親に連絡をして、日中活動に行くように話をしてもらうことは適切ではない。
  2. × Mさんは日中活動として就労移行支援のサービスを利用し、就労を目指している。日中活動の楽しさについて話し合うことは、良い点を確認する作業であり、日中活動に行くことを促すことにはなるが、就労することを希望するならば、いつも楽しいことばかりとは限らないということも理解しなければならない。
  3. × Mさんは、日中活動の重要性については、すでに理解している可能性もある。何より、活動自体がつまらないと思っているため、こと話し合いでは解決にはつながらない。
  4. 〇 Mさん本人が、日中活動がつまらないと思う理由や、どのようなことなら興味を持てるかといったことを一緒に考えることが必要である。
  5. × 就労移行支援事業は、就労を目的とし、契約に基づいて活動を行っているものである。「日中活動がつまらないから行かない」という理由から気分転換に映画を見に行っても問題の解決にはつながらない。