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第1問
社会福祉士及び介護福祉士法における介護福祉士の義務として,適切なものを1つ選びなさい。
  1. 家族介護者の介護離職の防止
  2. 医学的管理
  3. 日常生活への適応のために必要な訓練
  4. 福祉サービス関係者等との連携
  5. 子育て支援
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問題

答え

【  】

解説

問題

Aさん(82歳,女性,要介護2)は,夫を7年前に看取り,その後は一人暮らしをしている。夜中にトイレに行った時に転倒し,大腿骨頸部を骨折(fracture)して3か月入院した。自宅に手すりをつけ,段差をなくす住宅改修をした後,退院した。何かにつかまれば,いすからの立ち上がりや歩行ができる。人と関わるのは苦手なため自宅での生活が中心である。遠方に一人息子が住んでおり,月に1度は様子を見に帰ってくる。週3回,訪問介護(ホームヘルプサービス)の買物代行や部屋の掃除などの生活援助を利用している。Aさんはできるだけ自分のことは自分で行い,このまま自宅での生活を継続したいと希望している。訪問介護員(ホームヘルパー)が訪問したときに,Aさんは一人暮らしを続けることが不安であると告げた。
Aさんに対する訪問介護員(ホームヘルパー)の応答として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 「訪問介護(ホームヘルプサービス)を毎日利用したらどうですか」
  2. 「一人暮らしは大変なので息子さんと同居したらどうですか」
  3. 「また転ぶかもしれないと思っているのですか」
  4. 「グループホームに入居することを考えたらどうですか」
  5. 「手すりをつけたし,段差もなくしたので転びませんよ」
答え

【 3 】

解説

  1. 利用回数を増やすことは、負担する費用の増額にもつながるため、まず、アセスメントをしっかり行うことが大切である。
  2. 息子は遠方に住んでおり、双方の意向や状況をよく検討すべきである。
  3. 選択肢の通り
  4. Aさんはできるだけ自分のことは自分で 行い,このまま自宅での生活を継続したいと希望している。
  5. 「手すりをつけたし,段差もなくしたので転びませんよ」と断言することは根拠もなく、適切ではない。

問題

『夜と霧』や『死と愛』の著作があるフランクル(Frankl,V.)が提唱した価値の説明として,適切なものを1つ選びなさい。

  1. 公民権運動により差別を解消すること。
  2. 生命が制限される状況において,いかなる態度をとるかということ。
  3. 最低生活水準を保障すること。
  4. ライフサイクル(lifecycle)を通じたノーマルな発達的経験をすること。
  5. アパルトヘイト(人種隔離政策)を撤廃すること。
答え

【 2 】

解説

  1. 公民権運動とは、主に1950年代から1960年代にかけて、アメリカの黒人(アフリカ系アメリカ人)が、公民権の適用と人種差別の解消を求めて行った大衆運動である。
  2. 選択肢の通り
  3. 最低生活水準の保障は、わが国における生活保護法の原理の1つである。
  4. 選択肢は、心理社会的発達段階に関する記述であり。提唱したのはエリクソン(Erikson.E.H)である。
  5. アパルトヘイト(Apartheid)は、アフリカーンス語で「分離、隔離」を意味する言葉で、特に南アフリカ共和国における白人と非白人(黒人、インド、パキスタン、マレーシアなどからのアジア系住民や、カラードとよばれる混血民)の諸関係を規定する人種隔離政策のことを指す。

問題

Bさん(90歳,男性)は,介護老人福祉施設に入所することになった。一人暮らしが長かったBさんは,入所当日,人と会話することに戸惑っている様子で,自分から話そうとはしなかった。介護福祉職は,Bさんとコミュニケーションをとるとき,一方的な働きかけにならないように,あいづちを打ちながらBさんの発話を引き出すように心がけた。
このときの介護福祉職の対応の意図に当てはまるものとして,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 双方向のやり取り
  2. 感覚機能低下への配慮
  3. 生活史の尊重
  4. 認知機能の改善
  5. 互いの自己開示
答え

【 1 】

解説

  1. 適切である。
  2. 感覚機能は状態を確認してから配慮すべきである。
  3. 「Bさんとコミュニケーションをと るとき,一方的な働きかけにならないように,あいづちを打ちながらBさんの発話 を引き出すように心がけた。」ことに対する意図としては適切ではない。
  4. 2.の解説と同じ
  5. 互いの自己開示は、段階を経ながら行われるものであり、入所当日の対応の意図としては不適切である。

問題

聴覚障害のある利用者と介護福祉職との間での筆談に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 中途失聴者が用いることは少ない。
  2. 空中に字を書くことは控える。
  3. 多人数での双方向のコミュニケーションに用いる。
  4. 図や絵よりも文字を多用する。
  5. キーワードを活用して内容を伝達する。
答え

【 5 】

解説

  1. 聴力を失って間もない中途失聴者とのコミュニケーションに有効な手段である。
  2. 補足的に空中に字を書くことも有効である。
  3. 多人数での双方向のコミュニケーションには不向きである。
  4. 文字は必要最小限にし、図や絵を活用する。
  5. 適切である。

問題

家族の機能に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 衣食住などの生活水準を維持しようとする機能は,生命維持機能である。
  2. 個人の生存に関わる食欲や性欲の充足,安全を求める機能は,生活維持機能である。
  3. 子育てにより子どもを社会化する機能は,パーソナリティの安定化機能である。
  4. 家族だけが共有するくつろぎの機能は,パーソナリティの形成機能である。
  5. 介護が必要な構成員を家族で支える機能は,ケア機能である。
答え

【 5 】

解説

  1. 衣食住などの生活水準を維持しようとする機能は,生活維持機能である。
  2. 個人の生存に関わる食欲や性欲の充足,安全を求める機能は,生命維持機能である。
  3. 子育てにより子どもを社会化する機能は,子どもの社会化機能である。
  4. 家族だけが共有するくつろぎの機能は,,パーソナリティの安定化機能である。
  5. 適切である。

問題

「地域共生社会」が目指すものとして,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 育児・介護のダブルケアへの対応
  2. すべての住民が支え合い,自分らしく活躍できる地域コミュニティの創出
  3. 高齢者分野の相談支援体制の強化
  4. 公的サービスに重点を置いた地域福祉の充実
  5. 専門職主体の地域包括支援体制の構築
答え

【 2 】

解説

選択肢の通り。
「地域共生社会」とは、社会構造の変化や人々の暮らしの変化を踏まえ、制度・分野ごとの『縦割り』や「支え手」「受け手」という関係を超えて、地域住民や地域の多様な主体が参画し、人と人、人と資源が世代や分野を超えつながることで、住民一人ひとりの暮らしと生きがい、地域をともに創っていく社会を目指すものである。

問題

特定非営利活動法人(NPO法人)に関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。

  1. 社会福祉法に基づいて法人格を取得した法人である。
  2. 収益を上げることは禁じられている。
  3. 社会教育の推進を図る活動を行うものが最も多い。
  4. 認定特定非営利活動法人は,税制上の優遇措置を受けることができる。
  5. 災害救援は対象外の活動である。
答え

【 4 】

解説

  1. 選択肢は、社会福祉法人に関する記述である。特定非営利活動法人は、特定非営利活動促進法に基づく法人である。
  2. 収益を上げることは禁じられていない。
  3. 保険、医療又は福祉の増進を図る活動を行うものが最も多い。
  4. 適切である。個人が認定特定非営利活動法人に寄付をすると、所得税の控除を受けることができる。
  5. 特定非営利活動促進法では、災害救援活動を対象としている。

問題

「育児・介護休業法」に関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。
(注)「育児・介護休業法」とは,「育児休業,介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」のことである。

  1. 契約社員は,育児休業を取得できない。
  2. 介護休業は,対象家族一人につき連続して取得しなければならない。
  3. 介護休業は,育児休業よりも先に制度化された。
  4. 雇用主には,育児休業中の給与支給が義務づけられている。
  5. 配偶者,父母,子,配偶者の父母は,介護休業の対象家族である。
答え

【 5 】

解説

  1. 育児休業の対象となるのは、「日々雇用される者を除いた労働者」であり、契約社員は対象に含まれる。
  2. 2017年1月より、対象家族一人につき、3回を上限として、通算93日まで、分割して取得できるようになった。
  3. 介護休業は,育児休業よりも後に制度化された。
  4.  雇用主には,育児休業中の給与支給が義務づけられていない。育児休業中には、育児休業給付が支給される。
  5. 適切である。

問題

Cさん(71歳,女性,要介護1)は,軽度の認知症(dementia)がある。週1回通所介護(デイサービス)を利用している。娘が離婚して,常勤で就労するようになり,孫を連れてCさん宅へ転入した。孫が保育所に入所できなかったため,Cさんが日中面倒を見ることになった。そのため,楽しみにしていた通所介護(デイサービス)の利用が困難になり困っているという相談が,指定通所介護事業所のD管理者(介護福祉士)にあった。
D管理者の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 利用が困難ということなので,通所介護計画を変更する。
  2. 通所介護(デイサービス)の利用日は会社を休むように,娘に言う。
  3. 担当の介護支援専門員(ケアマネジャー)に,再調整を依頼する。
  4. 児童相談所に相談するように,Cさんに助言する。
  5. 娘に転職をしてもらうように,Cさんに助言する。
答え

【 3 】

解説

  1. Cさんは通所介護の利用を楽しみにしており、通所介護計画を変更することは適切ではない。
  2. Cさんの孫の養育にも配慮する必要があり、娘が常勤で就労できるのであれば、それを支える必要がある。
  3. 適切である。
  4. 現状で、児童相談所のみの対応に任せることは適切ではない。
  5. Cさんや娘の状況や意向を無視した対応であり、適切ではない。

問題

労働者災害補償保険制度に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

  1. パートやアルバイトは,保険給付の対象である。
  2. 保険料は,雇用主と労働者がそれぞれ負担する。
  3. 通勤途上の事故は,保険給付の対象外である。
  4. 業務上の心理的負荷による精神障害は,保険給付の対象外である。
  5. 従業員がいない自営業者は,保険給付の対象である。
答え

【 1 】

解説

  1. 適切である。雇用形態にかかわらず、賃金をうけるすべての者が対象となる。
  2. 雇用主が全額負担する。雇用主と労働者がそれぞれ負担するのは雇用保険料である。
  3. 通勤途上の事故は,保険給付の対象である。
  4. 業務上の心理的負荷による精神障害は,保険給付の対象である。
  5. 従業員がいない自営業者は,保険給付の対象外である。

問題

2018年(平成30年)に施行された介護保険制度の改正内容として,正しいものを1つ選びなさい。

  1. 介護医療院の創設
  2. 定期巡回・随時対応型訪問介護看護の創設
  3. 在宅医療・介護連携推進事業の地域支援事業への位置づけ
  4. 地域包括支援センターへの認知症連携担当者の配置
  5. 法令遵守等の業務管理体制整備の義務づけ
答え

【 1 】

解説

選択肢の通り

問題

2018年(平成30年)に施行された介護保険制度の利用者負担に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

  1. 施設の食費は,材料費等の実費を新たに全額自己負担することになった。
  2. 補足給付の支給要件から資産が除かれた。
  3. 居宅介護サービス計画費について自己負担が導入された。
  4. 施設の居住費は,新たに保険給付の対象外とされた。
  5. 一定以上の所得のある利用者に対して3割負担が導入された。
答え

【 5 】

解説

  1. 2005年(平成17年)に施行されている。
  2. 2015年(平成27年)から、資産要件が加わった。
  3. 居宅介護サービス計画費についての自己負担はない。
  4. 2005年(平成17年)から対象外とされている。
  5. 適切である。

問題

2016年(平成28年)の「障害者総合支援法」の改正内容として,適切なものを1つ選びなさい。
(注)「障害者総合支援法」とは,「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。

  1. 放課後や休日に児童・生徒の活動を支援する放課後等デイサービスが創設された。
  2. 一人暮らしを希望する障害者に対して,地域生活を支援する自立生活援助が創設された。
  3. 障害者の1年間以上の雇用継続を義務づける就労定着支援が創設された。
  4. 保育所等を訪問して,障害児に発達支援を提供する保育所等訪問支援が創設された。
  5. 医療的ケアを必要とする障害児への支援として,医療型障害児入所施設が創設された。
答え

【 2 】

解説

  1. 放課後等デイサービスは、児童福祉法である。
  2. 適切である。
  3. 就労定着支援とは、障害者との相談を通じて生活面の課題を把握するとともに、企業や関係機関等との連絡調整やそれに伴う課題解決に向けて必要となる支援を実施するものである。
  4. 保育所等訪問支援は、2012年(平成24年)の改正で創設された。
  5. 上記解説と同じ。

問題

障害者を支援する専門職の主たる業務に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 社会福祉士は,福祉関連法に定められた援護,措置の事務を行う。
  2. 精神保健福祉士は,心理検査を実施して精神面の判定を行う。
  3. 理学療法士は,手芸や工作の作業,家事の訓練を行う。
  4. 言語聴覚士は,聴覚検査や言語訓練,嚥下訓練を行う。
  5. 栄養士は,摂食の訓練や摂食のための自助具の作成を行う。
答え

【 4 】

解説

  1. 社会福祉士は、主に、身体障害や精神障害などのにより生活に支障をきたしている方の相談業務や社会的支援を行う。
  2. 精神保健福祉士は、精神障害者の日常生活の訓練や支援、社会参加の支援や周囲との調整などを行う。
  3. 理学療法士は、運動療法や温熱、電気などによる物理療法を用いて自立した日常生活が送れるよう支援するリハビリテーションを行う。
  4. 適切である。
  5. 栄養士は、栄養の指導を行う。

問題

Eさん(75歳)はU事業所の訪問介護(ホームヘルプサービス)とV事業所の通所介護(デイサービス)を利用している。Eさんは通所介護(デイサービス)の職員の対応に不満があり,苦情を申し出たいがどうすればよいかとU事業所の訪問介護員(ホームヘルパー)に相談した。
訪問介護員(ホームヘルパー)の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 通所介護(デイサービス)の職員に注意しておくと伝える。
  2. 介護保険審査会に申し出るように助言する。
  3. 介護保険の事業所の苦情対応の仕組みを説明して,担当者に相談するように助言する。
  4. しばらく様子を見てから,改めて相談に応じると伝える。
  5. 日常生活自立支援事業を契約して,苦情解決を援助してもらうように助言する。
答え

【 3 】

解説

  1. 同職種の他の事業所からの指摘は、人間関係を崩す可能性があり、根本的な解決にならない。
  2. 介護保険審査会は、要介護認定や保険給付などに関する申し立て先である。
  3. 適切である。
  4. しばらく様子を見るのではなく、早急に対応する必要がある。
  5. 日常生活自立支援事業は、判断能力が不十分な人に福祉サービスの利用に関する支援を行う事業である。

問題

社会福祉法人に関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。

  1. 設立にあたっては,所在地の都道府県知事が厚生労働大臣に届出を行う。
  2. 収益事業は実施することができない。
  3. 事業運営の透明性を高めるために,財務諸表を公表することとされている。
  4. 評議員会の設置は任意である。
  5. 福祉人材確保に関する指針を策定する責務がある。
答え

【 3 】

解説

  1. 社会福祉法人は、所轄庁の認可を受けることで設立することができる。
  2. 収益事業を実施することができる。
  3. 適切である。
  4. 社会福祉法人は必ず評議委員会を設置しなければならない。
  5. 福祉人材確保に関する指針を策定する責務はない。

問題

2012年度(平成24年度)「高齢者の健康に関する意識調査結果(」内閣府)の介護を受けたい場所に関する次の選択肢のうち,最も多かったものを1つ選びなさい。

  1. 「子どもの家で介護してほしい」
  2. 「介護老人福祉施設に入所したい」
  3. 「自宅で介護してほしい」
  4. 「病院などの医療機関に入院したい」
  5. 「民間の有料老人ホームなどを利用したい」
答え

【 3 】

解説

選択肢の通り

問題

社会福祉士及び介護福祉士法における介護福祉士の義務として,適切なものを1つ選びなさい。

  1. 家族介護者の介護離職の防止
  2. 医学的管理
  3. 日常生活への適応のために必要な訓練
  4. 福祉サービス関係者等との連携
  5. 子育て支援
答え

【 4 】

解説

選択肢の通り

問題

茶道の師範だったFさん(87歳,女性,要介護3)は,70歳の時に夫を亡くし,それ以降は一人暮らしを続けていた。79歳の頃,定期的に実家を訪ねていた長男が,物忘れが目立つようになった母親に気づいた。精神科を受診したところ,アルツハイマー型認知症(dementiaoftheAlzheimer’stype)と診断された。昨年から小規模多機能型居宅介護を利用しているが,最近は,宿泊サービスの利用が次第に多くなってきている。Fさんは来所しても寝ていることが多く,以前に比べると表情の乏しい時間が増えてきている。
介護福祉職がFさんの生活を支えるための介護として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. Fさんが安心して暮らせるように,長男に施設入所を勧める。
  2. 夜間に熟睡できるよう,日中は宿泊室に入らないように説明する。
  3. 長く茶道を続けてきたので,水分補給は緑茶に変更する。
  4. 心を落ち着かせるために,読書を勧める。
  5. 茶道の師範だったので,お茶のたて方を話題にする。
答え

【 5 】

解説

  1. すぐに施設入所を勧めることは適切ではない。
  2. 「日中は宿泊室に入らないように説明する」ことは、Fさんの行動を制限することになり、適切ではない。
  3. 水分補給を緑茶に変更することは適切ではない。Fさんの意向を確認し、好みに合わせた飲み物を提供することが望ましい。
  4. 読書に関する記述はなく、Fさんが読書を望んでいるかどうかわからない。
  5. 適切である。

問題

Gさん(68歳,女性,要介護2)は,小学校の教員として定年まで働いた。Gさんは,3年前にアルツハイマー型認知症(dementiaoftheAlzheimer’stype)と診断された。夫は既に亡くなっており,長男(30歳)と一緒に暮らしている。週に2回通所介護(デイサービス)に通い,レクリエーションでは歌の伴奏をよくしている。その他の日は,近所の人や民生委員,小学校の教え子たちがGさん宅を訪問し,話し相手になっている。
最近,Gさんは食事をとることを忘れていたり,トイレの場所がわからず失敗したりすることが多くなった。
介護福祉職が,Gさんの現状をアセスメント(assessment)した内容と,ICF(InternationalClassificationofFunctioning,DisabilityandHealth:国際生活機能分類)の構成要素の組合せとして,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. アルツハイマー型認知症(dementiaoftheAlzheimer’stype)は,「心身機能・身体構造」にあたる。
  2. レクリエーションで歌の伴奏をすることは,「参加」にあたる。
  3. 近所の人や民生委員,小学校の教え子は,「個人因子」にあたる。
  4. 小学校の教員をしていたことは,「環境因子」にあたる。
  5. トイレの場所がわからなくなることは,「健康状態」にあたる。
答え

【 2 】

解説

  1. アルツハイマー型認知症は、「健康状態」にあたる。
  2. 適切である。
  3. 近所の人や民生委員,小学校の教え子は,「環境因子」にあたる。
  4. 小学校の教員をしていたことは,「個人因子」にあたる。
  5. トイレの場所がわからなくなることは,「心身機能・身体構造」にあたる。

問題

定期巡回・随時対応型訪問介護看護に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. このサービスのオペレーターは,サービス提供責任者のことである。
  2. 利用者の状態の変化に応じて,随時訪問サービスを利用することができる。
  3. 介護・看護一体型では,訪問看護サービスを利用しても介護報酬は同一である。
  4. 日常生活上の緊急時の対応は行っていない。
  5. 要支援者,要介護者のどちらも利用できる。
答え

【 2 】

解説

  1. サービス提供責任者は、訪問介護事業所に配置される。
  2. 適切である。
  3. 基本報酬は、事業所の形態および訪問看護の利用の有無により異なる。
  4. 日常生活上の緊急時の対応は行っている。
  5. 要支援者は利用できない。要介護度1以上で利用できる。

問題

防災に関する次の図記号が意味している内容として,正しいものを1つ選びなさい。

  1. 避難所
  2. 避難場所
  3. 土石流注意
  4. 地滑り注意
  5. 津波注意
答え

【 2 】

解説

選択肢の通り

問題

介護福祉職の職務上の倫理に関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。

  1. おむつ交換をスムーズに行うために,利用者の居室(個室)のドアを開けておいた。
  2. 訪問介護(ホームヘルプサービス)中に携帯電話が鳴ったので,電話で話しながら介護した。
  3. ベッドから転落した利用者が「大丈夫」と言ったので,そのままベッドに寝かせた。
  4. 利用者から,入院している他の利用者の病状を聞かれたが話さなかった。
  5. 利用者が車いすから立ち上がらないように,腰ベルトをつけた。
答え

【 4 】

解説

  1. 選択肢は、介護の効率化を優先させ、利用者の尊厳を無視した行為である。
  2. 利用者の尊厳を軽視しており、誠実義務に反した行為である。
  3. 医療関係者に連絡をするなどの連携を図る必要がある。
  4. 適切である。
  5. 選択肢は、身体拘束に該当する。身体拘束は、行動制限やけがによる身体的弊害や精神的弊害など、大きな事故につながる危険性が高い。

問題

施設の介護における安全の確保に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 職員に対して安全に関する研修を定期的に行う。
  2. 施設管理者の安全を第一に考える。
  3. 利用者の社会的な活動を制限する。
  4. 利用者に画一的なサービスを提供する。
  5. 安全対策は事故後に行う。
答え

【 1 】

解説

  1. 適切である。
  2. 利用者の安全を第一に考える。
  3. 利用者には積極的に社会的な活動に参加するように促す必要がある。
  4. 利用者個々に合わせたサービスを提供しなければならない。
  5. 事故が起こる前に安全対策を行う。

問題

介護老人福祉施設の感染対策に関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。

  1. 感染対策のための委員会を開催することは任意である。
  2. 手洗いは,消毒液に手を浸して行う。
  3. 洗面所のタオルは共用にする。
  4. 入所者の健康状態の異常を発見したら,すぐに生活相談員に報告する。
  5. おむつ交換は,使い捨て手袋を着用して行うことが基本である。
答え

【 5 】

解説

  1. 感染対策のための委員会は、定期的に開催しなければならない。
  2. 液体せっけんと流水を使用して感染を予防するのが基本である。
  3. 共有のタオルは感染源となるため、使い捨てのペーパータオルなどを使用することが基本である。
  4. 生活相談委ではなく、医師や看護師など医療関係者に報告し、指示に従う。
  5. 適切である。

問題

燃え尽き症候群(バーンアウト(burnout))の特徴として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 首から肩,腕にかけて凝りや痛みが生じる。
  2. 人格・行動変化や失語がみられる。
  3. 無気力感,疲労感や無感動がみられる。
  4. 身体機能の低下がみられる。
  5. 日中に耐え難い眠気が生じる。
答え

【 3 】

解説

  1. 選択肢は、頸肩腕障害の特徴である。
  2. 人格・行動変化が特徴である代表的な疾病は、ピック病である。
  3. 適切である。
  4. 選択肢は、高齢者の身体的特徴である。
  5. 燃え尽き症候群の特徴として不眠になりやすいため、適切ではない。

問題

利用者とのコミュニケーションにおいて逆転移が起きている事例に該当するものとして,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 自分が利用者を嫌いなのに,利用者が自分を嫌っていると思い込む。
  2. 亡くなった祖母と似ている利用者に,無意識に頻繁に関わる。
  3. 利用者に対する不満を直接ぶつけずに,机を強くたたいて発散する。
  4. 敬意を抱いている利用者の口癖を,自分もまねて用いる。
  5. 利用者に対する嫌悪の感情を抑え,過剰に優しく利用者に接する。
答え

【 2 】

解説

  1. 選択肢は、防衛機制における「投影」である。
  2. 適切である。
  3. 選択肢は、防衛機制における「置き換え」である。
  4. 選択肢は、防衛機制における「同一化」である。
  5. 選択肢は、防衛機制における「反動形成」である。

問題

介護福祉職が行う傾聴に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選 びなさい。

  1. 利用者が抱いている感情を推察する。
  2. 利用者が話す内容を介護福祉職の価値観で判断する。
  3. 対話の話題を介護福祉職の関心で展開する。
  4. 利用者が体験した客観的事実の把握を目的とする。
  5. 利用者が沈黙しないように対話する。
答え

【 1 】

解説

  1. 適切である。
  2. 介護福祉職の価値観で判断するのではなく、ありのままに受け止め、理解しようとすることが求められる。
  3. 介護福祉職の関心で展開するのではなく、利用者が話したいと思ったことを、自由に話すことができるようにすることが望ましい。
  4. 傾聴の目的は、利用者の主観的な思いや感情などを理解することが含まれる。
  5. 利用者が沈黙した時には、黙って待つことが大切である。

問題

Hさん(75歳,男性)は,脳梗塞(cerebralinfarction)を発症して入院し,後遺症として左片麻痺が残った。退院後,介護老人保健施設に入所し,在宅復帰を目指してリハビリテーションに取り組んでいる。ある日,HさんはJ介護福祉職に,「リハビリを頑張っているけれど,なかなかうまくいかない。このままで自宅に戻れるようになるのか…」と暗い表情で話しかけてきた。
このときの,Hさんに対するJ介護福祉職の共感的な応答として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 「不安な気持ちに負けてはいけません」
  2. 「きっと自宅に戻れますよ」
  3. 「Hさんが不安に思う必要はありません」
  4. 「不安に思っているHさんがかわいそうです」
  5. 「リハビリがうまくいかなくて不安なのですね」
答え

【 5 】

解説

  1. 叱咤激励することがであり、共感的な応答ではない。
  2. 根拠もなく、介護福祉職の個人的な考えに基づく言葉であり、共感的な応答ではない。
  3. Hさんの不安な気持ちを否定している言葉であり、共感的な応答ではない。
  4. 同情的な応答であり、共感的な応答ではない。
  5. 適切である。

問題

次の事例を読んで,答えなさい。

〔事例〕
Kさん(75歳,女性)は,小学校教諭を定年退職した後,しばらく趣味やボランティア活動を楽しんでいたが,認知症(dementia)を発症し,介護老人福祉施設に入所した。見当識障害や記憶力低下がみられた。入所後,初めて息子夫婦が面会に来た。Kさんは息子に向かって,「ここで,国語を教えているの」と嬉しそうに語った。息子夫婦は面会を終えて,介護福祉職のところに相談したいとやって来た。困惑したような表情の息子から,「母が,学校で教えていると言った時,どうしたらよいでしょうか」と質問があった。
このときの,息子に対する応答として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 「ここは学校ではないので,息子さんから直してあげてください」
  2. 「お母さんの教員としての誇りを大切にしてあげてください」
  3. 「お母さんの認識を改めるための何か良い知恵はありますか」
  4. 「認知症(dementia)が進行しているので仕方ありません」
  5. 「私たちも息子さんと同じように困っているんです」
答え

【 2 】

解説

  1. Kさんの発言を修正させようとする助言であり、適切ではない。
  2. 適切である。
  3. 息子からの質問に対して逆質問をしており、適切ではない。
  4. 質問に対する返答になっておらず、息子の戸惑いに寄り添う気持ちも感じられない返答であり、適切ではない。
  5. 息子の質問を介護福祉職の話にすり替えおり、適切ではない。

問題

次の事例を読んで,答えなさい。

〔事例〕
Kさん(75歳,女性)は,小学校教諭を定年退職した後,しばらく趣味やボランティア活動を楽しんでいたが,認知症(dementia)を発症し,介護老人福祉施設に入所した。見当識障害や記憶力低下がみられた。入所後,初めて息子夫婦が面会に来た。Kさんは息子に向かって,「ここで,国語を教えているの」と嬉しそうに語った。息子夫婦は面会を終えて,介護福祉職のところに相談したいとやって来た。困惑したような表情の息子から,「母が,学校で教えていると言った時,どうしたらよいでしょうか」と質問があった。
Kさんの病状は進み,自分から話すことはほとんどなくなり,こちらの問いかけにも応えたり応えなかったり,という状況になった。 このようなKさんとコミュニケーションをとる方法として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 沈黙を守る。
  2. 表情を一定に保つ。
  3. 開かれた質問を使う。
  4. ボディタッチを増やす。
  5. コミュニケーションノートを使う。
答え

【 4 】

解説

  1. 沈黙を守ることは現状では。適切ではない。
  2. 表情を一定に保つと、介護福祉職の感情が伝わらないため、適切ではない。
  3. 自分から話すことがほとんどなくなっているKさんに、自由に答える質問である開かれた質問は適切ではない。
  4. 適切である。優しく触れることで、共感やいたわりの気持ちを伝えることができる。
  5. 認知症が進み、認知能力が低下しているKさんとコミュニケーションをとる方法としては適切ではない。

問題

Lさん(30歳,女性)は,パートタイムで仕事をしながら,自宅で母の介護をしてきた。ある日,母の訪問介護(ホームヘルプサービス)で訪れたM訪問介護員(ホームヘルパー)に対して,Lさんは,「寝ている間に頭の中に機械が埋め込まれて,行動を監視されている」と興奮気味に訴えた。
このときのM訪問介護員(ホームヘルパー)の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. それは現実のことではないと説明する。
  2. 気にしなくてもよいと話をそらす。
  3. Lさんの訴えを肯定も否定もせずに聞く。
  4. 監視されているのは間違いないと肯定する。
  5. Lさんの感情に合わせて興奮気味に接する。
答え

【 3 】

解説

Lさんは、統合失調症の症状である妄想と考えられる。
妄想とみられる症状に対して、否定しても本人は認めないことが多く、訂正することは困難である。また、否定することでかえって刺激し、不安をあおりかねない。反対に肯定した場合、その妄想をさらに強くしてしまう恐れがある。
一般的な妄想に対する対応としては、肯定も否定もせず、中立的な態度で関わることが大切である。

問題

叙述体を用いて介護記録を作成するときの留意点として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 情報を項目別に整理する。
  2. 問題のポイントを明確にする。
  3. 介護福祉職の解釈を記録する。
  4. 論点を明確にする。
  5. 利用者に起こったことをそのまま記録する。
答え

【 5 】

解説

  1. 選択肢は、要約体である。
  2. 選択肢は、要約体である。
  3. 選択肢は、説明体である。
  4. 選択肢は、説明体である。
  5. 適切である。

問題

介護福祉職が行う報告の留意点に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 報告するときは,自分の意見を最初に述べる。
  2. 予定より時間がかかる業務であっても,完了後に報告する。
  3. 起こった事実は,抽象的な言葉で報告する。
  4. 指示を受けた業務の報告は,指示者に行う。
  5. 自分の推測を,事実であるとみなして伝える。
答え

【 4 】

解説

  1. 報告するときは,結論を最初に述べる。
  2. 予定より時間がかかる業務のときは、途中で進捗状況を報告する。
  3. 起こった事実は、具体的な言葉で報告する。
  4. 適切である。
  5. 推測ではなく、事実を正確に伝える。

問題

下記のマークが表しているものとして,正しいものを1つ選びなさい。

  1. 肢体不自由のある人が運転する自動車
  2. 障害者が利用できる建物,施設
  3. 義肢や義足などで援助や配慮を必要としている人
  4. オストメイトであること,オストメイトのための設備があるトイレ
  5. 障害者の就労支援に取り組んでいる企業
答え

【 4 】

解説

障害者のための国際シンボルマーク


障害者が利用できる建物、施設であることを明確に表すための世界共通のシンボルマークです。マークの使用については国際リハビリテーション協会の「使用指針」により定められています。

盲人のための国際シンボルマーク


世界盲人連合で1984年に制定された盲人のための世界共通のマークです。視覚障害者の安全やバリアフリーに考慮された建物、設備、機器などに付けられています。信号機や国際点字郵便物・書籍などで身近に見かけるマークです。

身体障害者標識(身体障害者マーク)


肢体不自由であることを理由に免許に条件を付されている方が運転する車に表示するマークで、マークの表示については、努力義務となっています。

聴覚障害者標識(聴覚障害者マーク)


聴覚障害であることを理由に免許に条件を付されている方が運転する車に表示するマークで、マークの表示については、義務となっています。

ほじょ犬マーク


身体障害者補助犬法の啓発のためのマークです。
身体障害者補助犬とは、盲導犬、介助犬、聴導犬のことを言います。「身体障害者補助犬法」において、公共の施設や交通機関はもちろん、デパートやスーパー、ホテル、レストランなどの民間施設は、身体障害のある人が身体障害者補助犬を同伴するのを受け入れる義務があります。補助犬を同伴することのみをもってサービスの提供を拒むことは障害者差別に当たります。

耳マーク


聞こえが不自由なことを表すと同時に、聞こえない人・聞こえにくい人への配慮を表すマークでもあります。

オストメイト用設備/オストメイト


オストメイトとは、がんなどで人工肛門・人工膀胱を造設している排泄機能に障害のある障害者のことをいいます。
このマーク(JIS Z8210)は、オストメイトの為の設備(オストメイト対応のトイレ)があること及びオストメイトであることを表しています。

ハート・プラス マーク


「身体内部に障害がある人」を表しています。

「白杖SOSシグナル」普及啓発シンボルマーク


白杖を頭上50cm程度に掲げてSOSのシグナルを示している視覚に障害のある人を見かけたら、進んで声をかけて支援しようという「白杖SOSシグナル」運動の普及啓発シンボルマークです。

ヘルプマーク


義足や人工関節を使用している方、内部障害や難病の方、または妊娠初期の方など、外見から分からなくても援助や配慮を必要としている方々が、周囲の方に配慮を必要としていることを知らせることができるマークです(JIS規格)。

問題

Aさん(38歳)は,共同生活援助(グループホーム)に入居している。料理が得意で,普段はエプロンを身に着けて揚げ物料理をガスコンロで作っている。
防火を意識した調理支援に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 調理材料は,ガスコンロの周辺に置く。
  2. 調理をするときは,袖口を絞った衣類を着てもらう。
  3. 調理に時間がかかるときは,鍋から離れてもらう。
  4. 火災警報器は,床に近い部分に設置する。
  5. 強い火力で調理してもらう。
答え

【 2 】

解説

  1. 調理材料を,ガスコンロの周辺に置くと引火の恐れがあり危険である。
  2. 適切である。
  3. 調理に時間がかかるとしても、鍋から離れるのは危険である。
  4. 煙は上に昇っていくため、天井など高い場所に設置する。
  5. 強い火力は引火の可能性がある。

問題

歩行が可能な脊髄小脳変性症(spinocerebellardegeneration)の高齢者の転倒予防に留意した環境整備に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 弾力性が高い床材を使用する。
  2. 洋式トイレの予備のトイレットぺーパーは足元に置く。
  3. 頻繁に移動する場所には手すりを取りつける。
  4. 調理用具は,頭上のつり棚に収納する。
  5. いすにキャスターをつける。
答え

【 3 】

解説

  1. 弾力性が高い床材を使用すると、安全性は増すが、歩行時には不安定になり、転倒のリスクが高まるため、最も適切とはいえない。
  2. 予備のトイレットペーパーを足元に置くと、補充の際、頭を低く下げるためバランスを崩し、転倒のリスクが高まる。
  3. 適切である。
  4. 頭上の高いところにあるものを取ろうとすると、足元の意識が低くなり、ふらつきなど転倒のリスクが高まる。
  5. いすにキャスターをつけると、背もたれ等につかまった際に、いすが動き転倒のリスクが高まる。

問題

介護福祉職が行う身じたく・整容の支援と使用する道具の組合せとして,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. ベッド上での口腔ケア --- ガーグルベースン
  2. 浴室での洗髪 --- ドライシャンプー
  3. 総義歯の洗浄 --- 歯磨剤
  4. 耳垢(耳あか)の除去 --- ピンセット
  5. ベッド上での洗顔 --- 冷水で絞ったタオル
答え

【 1 】

解説

  1. 適切である。
  2. 浴室での洗髪は、シャワーを使用し、利用者の好みに合ったシャンプーを使用する。
  3. 歯磨剤は、義歯を傷つける場合あるため、使用してはならない。義歯は、義歯洗浄剤を使用する。
  4. 耳垢をピンセットでとると、耳の粘膜を傷つけてしまう可能性がある。耳垢の除去には、綿棒や耳かきを使用する。
  5. 温水で絞ったタオルを使用する。

問題

ベッド上で臥床したままの利用者に行う和式寝衣の交換の介護に関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。

  1. 袖を抜くときは手→肘→肩の順で行う。
  2. 脱いだ寝衣を広げ,その上に新しい寝衣を重ねて広げる。
  3. 利用者の脊柱と新しい寝衣の背縫いの部分を合わせる。
  4. 左前身頃の上に,右前身頃を重ねる。
  5. 腰紐は結び目が背中に回るように結ぶ。
答え

【 3 】

解説

  1. 肩→肘→手の順である。
  2. 脱いだ寝衣の上に新しい寝衣を重ねると、新しい寝衣が汚れる可能性がある。
  3. 適切である。
  4. 右前身頃の上に,左前身頃を重ねる。選択肢は、亡くなった人の場合の着せ方である。
  5. 腰紐は結び目が前面にくるように結ぶ。

問題

入居施設で生活する利用者が車いすを使用して外出するときに,介護福祉職が計画,準備することとして,最も優先すべきものを1つ選びなさい。

  1. 長時間の外出を企画する。
  2. 家族に同行を依頼する。
  3. 外出先の経路情報を集める。
  4. 折り畳み傘を用意する。
  5. 介助ベルトを用意する。
答え

【 3 】

解説

  1. 利用者の健康状態に合わせた外出が望ましい。
  2. 利用者や家族が同行を望むのであれば、同行を計画してもよいが、事前の計画では最も優先すべきものではない。
  3. 適切である。
  4. レインコートを用意する。
  5. 介助ベルトの装着は身体拘束になる。

問題

選択肢1から5の順で,ベッドから車いすへ全介助で移乗するときの,利用者の動作と,介護福祉職の身体の使い方の組合せとして,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 上半身を起こす --- 手首で持ち上げる
  2. ベッドの端に座る --- 踵を浮かせて,低くかがむ
  3. 立ち上がる --- 前腕で真上に引き上げる
  4. 車いすに移る --- 重心を安定させて,車いすへ足先と身体を向ける
  5. 深く座り直す --- 座り直す方向に向けて,上下の重心移動をする
答え

【 4 】

解説

  1. 利用者の肩甲骨と腰に手を当て重心移動で上体を起こす。
  2. 踵を浮かせて、低くかがむと、支持基底面席が狭くなりバランスを崩すので、危険である。
  3. 立ち上がり動作は、前傾姿勢に誘導する。
  4. 適切である。
  5. 前後の重心移動を利用する。

問題

Bさん(84歳,男性)は,生活全般に介護を必要としている。ベッド上に仰臥位でいるBさんは,喘息があり,咳込みが続き呼吸が苦しくなり,「楽な姿勢にしてほしい」と訴えた。
介護福祉職の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 枕を外して,顔を横に向けて腹臥位にする。
  2. 枕を重ねて,頭を高くする。
  3. 左側臥位にして,背中にクッションを当てる。
  4. 半座位(ファーラー位)にする。
  5. オーバーベッドテーブルの上に枕を置いて,上半身を伏せる。
答え

【 5 】

解説

  1. 腹臥位は呼吸運動が妨げられる姿勢である。
  2. 頭を高くしすぎると、顎を引いた状態になり、軌道が圧迫され、呼吸がしにくくなる。
  3. クッションは抱えるようにし、手足のの力を抜きリラックスした姿勢を取る。
  4. ファーラー位でこきゅうがらくになることもあるが、咳き込む際には、前かがみになり、体を動かすことによって、体力や酸素量の不必要な消費が起きる。
  5. 適切である。

問題

手首に変形や痛みがみられる関節リウマチ(rheumatoidarthritis)の利用者が,歩行時に使用する杖として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 前腕固定型杖(ロフストランドクラッチ(Lofstrandcrutch))
  2. 前腕支持型杖(プラットホームクラッチ(Platformcrutch))
  3. 松葉杖
  4. 多点杖
  5. 歩行器型杖
答え

【 2 】

解説

  1. 握力の弱い人や手首に力が入りにくい人に適している。手関節の固定や支持性にかけるため適切ではない。
  2. 適切である。別名「リウマチ杖」とも呼ばれる。
  3. 下半身に障害のある人に用いられる。
  4. 多点杖は、持ち手を握らなければならず、手首に負担がかかる。
  5. 上記解説と同じ。

問題

身体機能の変化に応じた食事の提供と対応方法として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 咀嚼力の低下に対しては,麺類を中心とした食事で栄養を補う。
  2. 味覚の低下に対しては,塩分を増やして味付けを濃くする。
  3. 腸の蠕動運動の低下に対しては,食物繊維の多い食品を取り入れる。
  4. 口渇感の低下に対しては,脱水予防のために酸味のある味付けにする。
  5. 唾液分泌の低下に対しては,食後にアイスマッサージをする。
答え

【 3 】

解説

  1. 麺類を中心とした食事では、咀嚼する必要性が少なく口腔内の能力低下につながる。
  2. 味付けを濃くすることは、糖分や塩分を過剰に摂取することになり、生活習慣病の発病につながる。
  3. 適切である。
  4. 脱水予防には、こまめな水分補給と電解質の補給が重要である。
  5. アイスマッサージは、嚥下障害のある人に対して、食前に行う方法である。唾液分泌の低下に対しては、唾液腺マッサージや口腔体操がある。

問題

いすに座っている右片麻痺の利用者の食事介護時の留意点として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 口の右側に食物を入れる。
  2. 利用者の左腕はテーブルの上にのせたままにしておく。
  3. 刻み食にする。
  4. 上唇にスプーンを運ぶ。
  5. 一口ごとに,飲み込みを確認する。
答え

【 5 】

解説

  1. 健側(左)に食物を入れる。
  2. 麻痺側(右)の上肢をテーブルの上に置くことで安定した姿勢となる。
  3. 右片麻痺であっても、刻み食にする必要はない。
  4. 下唇にスプーンを運ぶ。
  5. 適切である。

問題

たんぱく質・エネルギー低栄養状態(PEM:ProteinEnergyMalnutrition)が疑われる状況として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 要介護度が改善した。
  2. 1か月に3%以上の体重減少があった。
  3. 体格指数(BMI)が25.0以上になった。
  4. 低血圧症状が現れた。
  5. 声が枯れるようになった。
答え

【 2 】

解説

  1. 要介護度は悪化する。
  2. 適切である。
  3. BMIが18.5以下になると低栄養状態のリスクがあると考えられる。
  4. 低血圧症状は、低要素状態の特徴に当てはまらない。
  5. 上記解説と同じ。

問題

ベッド上で足浴を実施するときの基本的な手順や方法として,適切なものを1つ選びなさい。

  1. ベッドの足元をギャッジアップする。
  2. お湯の温度の確認は,利用者,介護福祉職の順に行う。
  3. ズボンを脱がせて,下肢を露出する。
  4. 洗う側の足関節を保持しながら洗う。
  5. 両足を一度に持ち上げて,すすぐ。
答え

【 4 】

解説

  1. 上半身を起こせるようであれば、ベッドに腰掛け、足底部が床につくようにベッドの高さを合わせる。上半身を起こすことができない場合は、ベッドに横になったまま膝を曲げ、膝の下に枕やクッションをいれて体の安定を確保する。
  2. 利用者のやけど等の防止のため、介護福祉職から行う。
  3. ズボンを脱がせて,下肢を露出すると、露出が多くなり体温の低下を招く。足浴は、露出部分を極力少なくして、ひざ掛けやバスタオルなどで保温しながら行う。
  4. 適切である。
  5. 片足ずつすすぐ。

問題

長期臥床している高齢者に,ケリーパッドを使用して行うベッド上での洗髪に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 膝を伸ばした仰臥位で行う。
  2. 頭皮に直接お湯をかけて,生え際を濡らす。
  3. 後頭部を洗う時は,頭部を前屈させる。
  4. すすぐ前に,タオルで余分な泡を拭き取る。
  5. すすぎは高い位置からお湯をかける。
答え

【 4 】

解説

  1. 膝を曲げた仰臥位で行う。
  2. くしで髪全体をとかした後、ピッチャーを使用し温度の確認をしながら髪全体を濡らしていく。
  3. 前屈も後屈もしないように行う。
  4. 適切である。
  5. 高い位置からお湯をかけると、お湯が飛び散るおそれがあり、適切ではない。

問題

皮膚の乾燥が強くなった高齢者の入浴介護に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. アルカリ性の石鹸で洗う。
  2. こすらないように洗う。
  3. 硫黄を含む入浴剤を使用する。
  4. 42℃以上のお湯で入浴する。
  5. 保湿剤は,皮膚が十分に乾いてから塗る。
答え

【 2 】

解説

  1. 皮膚は弱酸性であり、アルカリ性の石鹸は刺激が強いため、弱酸性の乾燥肌用石鹸を使用する。
  2. 適切である。
  3. 硫黄成分は皮脂を落とし皮膚を乾燥させてしまうため、皮膚の乾燥が強くなった高齢者への使用は避ける。
  4. 42℃以上のお湯での入浴は皮脂が失われ、皮膚の保湿機能が低下してしまうため、38℃前後のぬるま湯で入浴するようにする。
  5. 保湿剤は、皮膚が乾燥する前に塗る。

問題

ベッド上で腰上げが可能な高齢者への,差し込み便器による排泄介護の方法として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 使用前の便器は温めておく。
  2. 便器を差し込むときは両脚を伸ばしてもらう。
  3. 男性の場合は,トイレットペーパーを陰茎の先端に当てておく。
  4. 便器の位置を確認したらベッドを水平にする。
  5. 排泄中はベッドサイドで待機する。
答え

【 1 】

解説

  1. 適切である。
  2. 両脚を曲げて腰を上げてもらう。
  3. 女性の場合は、尿の飛び散りを防ぐため、トイレットペーパーを陰部に当てておく。
  4. 腹圧をかけやすくするため、ベッドをギャッチアップする。
  5. カーテンを引く等プライバシーを守ることを考慮し、排泄中はその場から離れるようにする。

問題

Cさん(81歳,女性)は,介護老人保健施設に入所している。腹圧性尿失禁があり,トイレでの排泄や下着の交換には介護が必要だが,遠慮して下着の交換を申し出ないことがある。食堂で昼食をとっている最中に激しくむせ込んでいたので背中をさすったところ,むせ込みは収まったが失禁をしたらしく,周囲に尿臭が漂った。
このときの介護福祉職の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 尿臭がすることを伝える。
  2. 下着が濡れていないかと尋ねる。
  3. むせた時に尿が漏れなかったかと尋ねる。
  4. トイレに誘導して,下着を交換する。
  5. Cさんが下着を替えてほしいと言うまで待つ。
答え

【 4 】

解説

  1. Cさんの自尊心を傷つける行為である。
  2. 腹圧性尿失禁があることはわかっており、むせ込んだ場合に失禁することは予測できることであり、遠慮して下着の交換を申し出ないことがあるCさんに対して、確認するという対応は適切ではない。
  3. 尿臭が漂っていることに気づいているにもかかわらず、Cさんに尿漏れを尋ねることは、Cさんへの配慮に欠ける無神経な言動である。
  4. 適切である。
  5. Cさんが言い出すまで待つと、尿路感染のおそれがある。

問題

数日前から下痢を繰り返している在宅の高齢者について,訪問介護員(ホームヘルパー)が入手すべき次の情報のうち,最も緊急度の高いものを1つ選びなさい。

  1. 意識の状態
  2. 食事の内容
  3. 下痢の回数
  4. 水分の摂取量
  5. 肛門部の皮膚の状態
答え

【 1 】

解説

  1. 適切である。脱水症状に注意しなければならない。
  2. 最も緊急度の高いものではない。
  3. 最も緊急度の高いものではない。
  4. 最も緊急度の高いものではない。
  5. 最も緊急度の高いものではない。

問題

調理環境を清潔に保つための方法として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 布巾を使った後は,流水で洗う。
  2. 食器を洗ったスポンジは,軽く絞って洗剤の泡を残す。
  3. 魚や肉を切ったまな板の汚れは,熱湯で洗い流す。
  4. 金属製のスプーンの消毒は,塩素系漂白剤に1時間以上つけ置きする。
  5. 包丁は,刃と持ち手の境目の部分も洗浄して消毒する。
答え

【 5 】

解説

  1. 無地のものは塩素系漂白剤で、柄物は熱湯、煮沸消毒して乾燥させる。
  2. 食器を洗ったスポンジは、十分にすすぎ、水分を残さないよう固く絞る。
  3. 汚れを落としてから熱湯で消毒する。
  4. 塩素系漂白剤につけすぎると金属を腐敗させる原因になる。金属の消毒はアルコールを使用するか、熱湯または煮沸消毒が望ましい。
  5. 適切である。

問題

Dさん(84歳,女性,要介護3)は認知症(dementia)があり,訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用している。ある日,Dさんが,訪問介護員(ホームヘルパー)と一緒に衣装ケースを開けたところ,防虫剤がなくなっていた。Dさんは,新しいものを補充してほしいと訪問介護員(ホームヘルパー)に依頼したが,防虫剤の種類や名前はわからないという。
この衣装ケースに補充する防虫剤の種類として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. しょうのう
  2. ナフタリン(naphthalene)
  3. パラジクロルベンゼン(paradichlorobenzene)
  4. シリカゲル(silicagel)
  5. ピレスロイド系
答え

【 5 】

解説

  1. しょうのうは有毒であり、誤飲すると神経、筋肉系の異常をきたすことがあり、今後Dさんの認知症が進行することも考慮すると、適切ではない。
  2. ナフタレンは、直接触れるとただれてしまうことがある。誤飲すると健康被害がでることもあり、適切ではない。
  3. パラジクロルベンゼンは、プラスチックや塩化ビニール、樹脂などを変性させてしまう危険性がある。
  4. シリカゲルは防虫剤ではなく、乾燥剤である。
  5. 適切である。ピレスロイド系は、低毒性で誤飲しても健康被害のリスクは低い。

問題

利用者から洗濯を依頼された。以下に示す取扱い表示がある場合,乾燥の方法として,適切なものを1つ選びなさい。

  1. 日当たりのよい場所でつり干しする。
  2. 日陰でつり干しする。
  3. 日当たりのよい場所で平干しする。
  4. 日陰で平干しする。
  5. 乾燥機を使って高温で乾燥する。
答え

【 4 】

解説

  1. 日当たりのよい場所でつり干しする。
  2. 日陰でつり干しする。
  3. 日当たりのよい場所で平干しする。
  4. 日陰で平干しする。
  5. 乾燥機を使って高温で乾燥する。

問題

杖歩行している高齢者の寝室の環境整備に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 足元灯を用意する。
  2. ベッドの高さは60~65cmにする。
  3. マットレスは柔らかいものにする。
  4. 布団は床に敷く。
  5. 特殊寝台(介護ベッド)に変更する。
答え

【 1 】

解説

  1. 適切である。
  2. ベッドの高さは一般的に35~40cm程度がよい。
  3. 動作をスムーズに行うために、適度な硬さがある方がよい。
  4. 杖歩行している高齢者にとって、床からの立ち上がり等の動作が難しいため、適切ではない。
  5. 身体機能の維持・向上の観点から適切ではない。

問題

Eさん(78歳,女性)は,30年前に夫を亡くした。姑の介護を8年間一人で行い,1年前に自宅で看取った。隣県に住む息子に促されて介護付有料老人ホームに入居した。入居して間もないEさんは,「何をしてよいかわからない」と日中は部屋で一人で過ごしている。
ホームでの暮らしに戸惑っているEさんへの介護福祉職の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 規則正しい生活を送るように話す。
  2. 入居前の生活の様子を聞く。
  3. ホームの日課を伝える。
  4. 介護福祉職がホームでの役割を決める。
  5. 長男に面会に来てもらえるように,生活相談員に依頼する。
答え

【 2 】

解説

  1. 選択肢は、介護福祉職の一方的な押し付けである。
  2. 適切である。
  3. 日課を決めるのはEさんである。入居前の生活を可能な限り継続できるよう支援することが大切である。
  4. 選択肢は、介護福祉職の一方的な押し付けである。
  5. Eさんは、「何をしてよいかわからない」と二中は部屋で一人で過ごしており、まずは、不安や困りごとなどを職員に話してくれるように、介護福祉職は、Eさんとの信頼関係を築くことが大切である。

問題

介護老人福祉施設で最期まで過ごすことを希望する利用者への対応に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 終末期の介護方針を伝えて,意思確認を行う。
  2. 入所後に意思が変わっても,入所時の意思を優先する。
  3. 本人の意思よりも家族の意向を優先する。
  4. 本人の意思確認ができないときは,医師に任せる。
  5. 意思確認の合意内容は,介護福祉職間で口頭で共有する。
答え

【 1 】

解説

  1. 適切である。
  2. 現在の意思を優先する。
  3. 本人の意思が優先される。
  4. 本人の意思疎通ができない場合は、キーパーソンや家族の意思を尊重する。
  5. 意思確認の合意内容は、書面等の記録を活用し共有することが大切である。

問題

終末期で終日臥床している利用者への便秘予防の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 水分摂取量を減らす。
  2. 腹部に冷罨法を行う。
  3. 下剤を用いて直腸を定期的に刺激する。
  4. 座位姿勢を保持する機会を作る。
  5. 小腸に沿って腹部マッサージを行う。
答え

【 4 】

解説

  1. 体内の水分量が低下すると便秘になりやすくなるため、適切ではない。
  2. 冷罨法ではなく、温罨法を行う。
  3. 下剤を用いると、身体への負担が大きくなるため予防の対応としては、適切ではない。
  4. 適切である。
  5. 小腸だけではなく大腸も含め、腸に沿って腹部マッサージを行う。

問題

Fさん(80歳,女性)は,認知症(dementia)で高齢者施設に10年間入所していたが,死去した。夫(85歳)はFさんが入所中,毎日面会して,Fさんと共通の趣味である詩吟を楽しみ,時間を共に過ごしていた。
夫はFさんが亡くなって1週間後,施設にお礼に訪れて,「毎日通うのは大変だったが,今は話し相手もいなくなり寂しい。自分で料理をする気もなくなり眠れない」と涙を流しながら話をした。
Fさんの夫に対する介護福祉職の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 気遣いの言葉をかけて,話を聴く。
  2. 良眠できる方法を助言する。
  3. 外食を勧める。
  4. 趣味に打ち込むように勧める。
  5. 元気を出すように励ます。
答え

【 1 】

解説

選択肢の通り

問題

介護過程の目的に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 利用者の自立を支援する。
  2. 画一的に介護を実践する。
  3. 介護福祉職の尊厳を保持する。
  4. 家族介護者の自己実現を図る。
  5. 経験則に基づいて介護を実践する。
答え

【 1 】

解説

  1. 適切である。
  2. 画一的とは。何もかもが同じで、個性や特徴のないさまといい、適切ではない。
  3. 利用者の尊厳を保持する。
  4. 介護過程は、利用者の自己実現を図るためのものであり、家族介護者の自己実現を図ることが目的ではない。
  5. 客観的で科学的な根拠に基づいて介護を実践する。

問題

利用者の情報収集における留意点として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 生活歴は,介護福祉職の主観的判断を優先する。
  2. 生活機能は,他職種からの情報も活用する。
  3. 発言内容は,介護福祉職の解釈を加える。
  4. 経済状況は,近隣住民の情報から推測する。
  5. 心身機能は,利用者への聞き取りによって判断する。
答え

【 2 】

解説

  1. 介護福祉職の解釈を加えず収集しなければならなず、介護福祉職の主観的判断を優先することは適切ではない。
  2. 適切である。
  3. 1.の解説と同じ
  4. プライベートな情報であり、近隣住民の情報から推測することは適切ではない。
  5. 心身機能に関して利用者が全て把握しているこは限らないため、医療系の職種からの情報や検査データなど客観的情報も、収集する必要がある。

問題

生活課題の優先順位を決定する上で,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 利用者が要望する頻度の多いものから決定する。
  2. 介護福祉職が評価しやすいものから決定する。
  3. 家族の負担が大きく軽減するものから決定する。
  4. 緊急性が高いものから決定する。
  5. 課題に取り組む準備期間が短いものから決定する。
答え

【 4 】

解説

選択肢の通り

問題

介護計画を実施するときの留意点として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 介護計画の遂行自体を目的にする。
  2. 実施内容は個々の介護福祉職に任せる。
  3. 介護福祉職の満足度を基に継続を判断する。
  4. 介護計画の変更内容の説明は省略する。
  5. 利用者の反応や変化を観察する。
答え

【 5 】

解説

  1. 利用者が目指している状態に近づくことを目的としている。
  2. 介護計画に沿って実施する。
  3. 利用者の満足度を基に継続を判断する。
  4. 介護計画を変更する際は、利用者や家族に対して十分な説明を行い、同意を得る必要がある。
  5. 適切である。

問題

Gさん(79歳,男性)は認知症対応型共同生活介護(グループホーム)に入居している。短期目標を「なじみの店で買物ができる(2か月)」として,月3回の買物を計画し実施した。初回は順調であったが,2回目にレジで後ろに並ぶ人から,「遅い,早くして」と言われて,H介護福祉職が支払った。GさんはH介護福祉職に,「ほしい物を選んでも,自分で支払わないと買った気にならん」と言い,その後,楽しみにしていた買物に行かなくなった。
ICF(InternationalClassificationofFunctioning,DisabilityandHealth:国際生活機能分類)の視点に基づいて介護計画の内容を見直すにあたり,最も配慮すべき構成要素を1つ選びなさい。

  1. 身体構造
  2. 個人因子
  3. 心身機能
  4. 環境因子
  5. 活動
答え

【 4 】

解説

店員等への理解を促すとともに、介護福祉職による支払行為を改善するなど、環境因子の視点から見直しを優先する必要がある。

問題

次の事例を読んで,答えなさい。

〔事例〕
Jさん(71歳,男性)は20歳から造園業を営んでいた。2か月前に脚立から転落して,右大腿骨頸部骨折(femoralneckfracture)で入院した。骨折部位は順調に回復し,下肢機能訓練により伺歩行も可能であると診断されている。しかし,訓練への参加は消極的であり,入院中は車いすで過ごしていた。退院後は自宅で過ごしたいという希望から,下肢筋力に対する機能訓練で5日前に介護老人保健施設に入所した。
入所後のJさんは,日中のほとんどをベッド上でテレビを見て過ごしている。泄排に関する移乗を依頼する以外に職員に話しかけることはなく,食事をしていても他者との会話はみられない。Jさんの表情が穏やかなときに歩行訓練に参加を促すが,「ああ,うん…」と言うだけで訓練に参加していない。
面会に来た妻によると,Jさんは,「施設で訓練しても歩けるようになるはずはない」と話していたということだった。また,妻は,「仕事が大好きで,仕事ができないことに相当落ち込んでいるようだ」と話した。
Jさんに対する長期目標の方向性として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 病院で機能訓練をすること
  2. 施設での生活に慣れること
  3. 造園業に再び携わること
  4. 話し相手を見つけること
  5. 新しい趣味を見つけること
答え

【 3 】

解説

長期目標とは、1~2年後の生活課題が解決された状態であり、本人は造園業に再び携わることを望んでいると考えられ、長期目標としては、「3」が適切である。

問題

次の事例を読んで,答えなさい。

〔事例〕
Jさん(71歳,男性)は20歳から造園業を営んでいた。2か月前に脚立から転落して,右大腿骨頸部骨折(femoralneckfracture)で入院した。骨折部位は順調に回復し,下肢機能訓練により伺歩行も可能であると診断されている。しかし,訓練への参加は消極的であり,入院中は車いすで過ごしていた。退院後は自宅で過ごしたいという希望から,下肢筋力に対する機能訓練で5日前に介護老人保健施設に入所した。
入所後のJさんは,日中のほとんどをベッド上でテレビを見て過ごしている。泄排に関する移乗を依頼する以外に職員に話しかけることはなく,食事をしていても他者との会話はみられない。Jさんの表情が穏やかなときに歩行訓練に参加を促すが,「ああ,うん…」と言うだけで訓練に参加していない。
面会に来た妻によると,Jさんは,「施設で訓練しても歩けるようになるはずはない」と話していたということだった。また,妻は,「仕事が大好きで,仕事ができないことに相当落ち込んでいるようだ」と話した。
在宅復帰を目指すJさんに対する短期目標を,「外出することができる(1週間)」とした。短期目標に基づく支援内容として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 車いすで20~30分過ごしてもらう。
  2. 歩行器の使用を促す。
  3. 下肢を1日1回外転する。
  4. トイレへの移乗訓練を行う。
  5. 骨折部位の回復を確認する。
答え

【 1 】

解説

  1. 適切である。Jさんは、順調に回復しており、下肢機能訓練により杖歩行も可能であると診断されているが、訓練への参加が消極的であり、日中のほとんどをベッド上で過ごしている。まずは、車いすで20分~30分過ごしてもらい、段階的に取り組むことが必要である。
  2. 1.の解説と同じ。いきなり歩行器の使用を促すのではなく、段階的に取り組むことが必要である。
  3. 「外出することができる」という目標に対して、下肢を1日1回外転することは適切ではない。
  4. 「外出することができる」という目標に付随することとして外出先での排泄なども考慮する必要はあるが、最も適切なことではない。
  5. 骨折部位の回復を確認するのではなく、下肢筋力の状況を確認する必要がある。

問題

Kさん(82歳,女性)は,身寄りがなく自宅で一人暮らしをしている。週1回利用している通所介護(デイサービス)で送迎を担当しているL介護福祉職は,Kさんから,「この間,いつもより膝の痛みが強くなって玄関で立てなくなった。ちょうど民生委員さんが来てくれて,一緒に受診して痛みは治まったの。医師から膝は痛むことがあるが生活に支障はないと言われたけど,いつまでこの家にいられるかしら」と打ち明けられた。その日の夕方,自宅へ送った時にKさんは,「施設の生活はにぎやかで,さぞ楽しいでしょうね」と話して,涙ぐんだ。発言を受けて,その場で本人の同意を取り,翌日,事業所内のカンファレンス(conference)が行われた。
L介護福祉職が話す内容として,最も優先すべきものを1つ選びなさい。

  1. 膝の痛みがなくならない理由
  2. 身寄りがないこと
  3. 施設に入所するタイミング
  4. 玄関で活用できる福祉用具
  5. 在宅生活の継続への不安
答え

【 5 】

解説

  1. 医師から膝は痛むことがあるが生活に支障はないと言われており、膝の痛みがなくならないことへの不安はないと考えられる。
  2. 身寄りがないことに関する不安は訴えていない。
  3. 「施設の生活はにぎやかで、さぞ楽しいでしょうね」という発言はあったが、「いつまでこの家にいられるかしら」という発言から入所を希望しているとは考えにくい。
  4. 医師から生活に支障はないといわれており、Kさんにも福祉用具を必要とする様子はみられない。
  5. 適切である。

問題

乳幼児の標準的な心身の発達に関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。

  1. 生後3か月頃,指を使って積み木がつかめるようになる。
  2. 生後6か月頃,つかまり立ちができるようになる。
  3. 1歳頃,喃語が現れ始める。
  4. 2歳頃,二語文を話すようになる。
  5. 3歳頃,愛着(アタッチメント(attachment))が形成され始める。
答え

【 4 】

解説

  1. 積み木を握る動作は生後3か月頃からできるようになるが、指を使ってつかめるようになるのは生後12か月頃である。
  2. つかまり立ちができるようになるのは生後9か月頃である。生後6か月では寝返りができるようになる。
  3. 「ダーダー」「アーアー」などの2文字以上の意味を持たない喃語は生後4か月頃から現れ始める。1歳頃では、意味のある単語を話し始める。
  4. 適切である。
  5. アタッチメントは生後すぐに形成され始める。

問題

高齢者に対する次の見方のうち,エイジズム(ageism)に該当するものを1つ選びなさい。

  1. 心身機能の個人差が大きくなる。
  2. 視覚機能が低下する。
  3. 流動性知能が低下する。
  4. 認知機能が低下する。
  5. 頑固な性格になる。
答え

【 5 】

解説

エイジズムとは、年齢差別や偏見のことをいい、「高齢者は頑固な性格になる」 などの偏見はエイジズムにあたる。

問題

加齢に伴う身体機能の変化として,適切なものを1つ選びなさい。

  1. 周辺視野が広くなる。
  2. 低周波の音から聞こえにくくなる。
  3. 味覚の感受性が低下する。
  4. 振動に敏感になる。
  5. 嗅覚が敏感になる。
答え

【 3 】

解説

  1. 周辺視野が狭くなる。
  2. 高音が聞こえづらくなる。これを感音性難聴という。
  3. 適切である。
  4. 振動に鈍感になる。
  5. 嗅覚は鈍感になる。

問題

尿失禁に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

  1. 認知症(dementia)で尿を漏らすのを,腹圧性尿失禁という。
  2. トイレまで我慢できずに尿を漏らすのを,切迫性尿失禁という。
  3. 重い物を持った時に尿を漏らすのを,混合性尿失禁という。
  4. いろいろな原因が重なって尿を漏らすのを,溢流性尿失禁という。
  5. 前立腺肥大症(prostatichypertrophy)で尿を漏らすのを,機能性尿失禁という。
答え

【 2 】

解説

  1. 認知症で尿を漏らすのを、機能性尿失禁という。
  2. 適切である。
  3. 重い物を持った時に尿を漏らすのを、腹圧性尿失禁という。
  4. いろいろな原因が重なって尿を漏らすのを、混合性尿失禁という。
  5. 前立腺肥大症で尿を漏らすのを、溢流性尿失禁という。

問題

Aさん(95歳,女性,要介護3)は,介護老人福祉施設に入所して6か月になる。入所間もない頃は,「買物に行きたい「」友達に会いに行きたい」と,いろいろ介護福祉職に要望したが,それらの要望には応えてもらえなかった。現在Aさんは,認知機能障害はなく,身体的にも大きな変化や異常は認められない。しかし,ほとんどの時間をベッドで過ごしていて,「どこか行きたいところはないですか」と介護福祉職が聞いても,「ない」と答えるだけである。
Aさんの現在の状態を説明するものとして,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 学習性無力感
  2. 反動形成
  3. 統合失調症(schizophrenia)の陰性症状
  4. せん妄(delirium)
  5. パーソナリティの変化
答え

【 1 】

解説

Aさんに認知機能障害はなく、身体的にも大きな変化や異常は認められないことから、入所間もない頃に、いろいろ介護福祉職に要望したが、それらの要望には応えてもらえなかったことで、「何をしても無駄」という学習をし、無気力状態になったと考えられる。

問題

高齢者の疾患と治療に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 複数の慢性疾患を持つことは,まれである。
  2. 服用する薬剤の種類は,若年者より少ない。
  3. 服用する薬剤の種類が増えると,薬の副作用は出にくくなる。
  4. 高血圧症(hypertension)の治療目標は,若年者と同じにする。
  5. 薬剤の効果が強く出ることがある。
答え

【 5 】

解説

  1. 複数の慢性疾患を持つ可能性は高い。
  2. 1.の解説から考えて、服用する薬剤の種類は、若年者より多いと考えられる。
  3. 薬の副作用は出やすくなる。
  4. 高齢者の高血圧症は、収縮期血圧のみが上昇する収縮期高血圧症が特徴であり、若年者の一般的な高血圧症とは特徴が異なるため、治療目標は同一にはならない。
  5. 適切である。

問題

高齢者の便秘に関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。

  1. 1日に1回,排便がない状態をいう。
  2. 病気が原因となることは,まれである。
  3. 腹筋の筋力低下は,原因となる。
  4. 薬剤が原因となることは,まれである。
  5. 下剤の服用を優先する。
答え

【 3 】

解説

  1. 数日間排便がない状態をいう。
  2. 消化器官の病気が原因の便秘(器質性便秘)、内科的な病気が原因の便秘(症候性便秘)、薬剤の服用が原因の便秘(薬剤性便秘)がある。
  3. 適切である。
  4. 2、の解説の通り、、薬剤の服用が原因の便秘(薬剤性便秘)がある。
  5. 生活習慣や食習慣を工夫・改善することを優先する。

問題

Bさん(68歳,女性)は,3か月前から,自宅の階段を昇り降りするときに,両膝の痛みが強くなってきた。整形外科を受診したところ,変形性膝関節症(kneeosteoarthritis)と診断された。Bさんの身長は153cm,体重は75kgである。
Bさんの日常生活の留意点として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 歩行を控える。
  2. 正座で座る。
  3. 膝を冷やす。
  4. 体重を減らす。
  5. 杖は使わない。
答え

【 4 】

解説

  1. 変形性膝関節症の患者は、膝関節周囲筋の筋力低下を認めやすいため、歩行を控えるとさらに筋力低下を助長される。また、運動量を減少されると体重増加につながるなど悪影響に陥る。
  2. 正座は膝関節への負担が大きい。
  3. 変形性膝関節症の患者の膝を冷やすと、痛みや運動制限を助長する。膝は温めて血行を促進し、リラクゼーション効果によって痛みや筋のこわばりを軽減させる。
  4. 適切である。
  5. 歩行時の膝関節への負担を極力軽減するために杖を使用することが望ましい。

問題

介護老人保健施設に入所した認知症高齢者が,夜中に荷物を持って部屋から出てきて,介護福祉職に,「出口はどこか」と聞いてきた。介護福祉職の対応に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 「今日はここにお泊りになることになっています」と伝える。
  2. 「もうすぐご家族が迎えに来るので,お部屋で待っていましょう」と居室に誘う。
  3. 「トイレですよね」と手を取って案内する。
  4. 「どちらに行きたいのですか」と声をかけて並んで歩く。
  5. 「部屋に戻って寝ましょう」と荷物を持って腕を取る。
答え

【 4 】

解説

「出口はどこか」という質問があったことから、場所に関する見当識が得にくい状態であり、入所している理由もわかっていないと考えられる。利用者の立場に立って考える支援の原則から、出口を探すために歩くという言動をすぐに静止せず、まずは理由を把握kする。

問題

図は,2016年(平成28年)「国民生活基礎調査(」厚生労働省)を基に,介護保険制度における要介護者と要支援者の介護が必要となった主な原因の構成割合を作図したものである。

AからEには,

  • 「関節疾患(jointdisease)」
  • 「高齢による衰弱」
  • 「骨折(fracture)・転倒」
  • 「認知症(dementia)」
  • 「脳血管疾患(cerebrovasculardisease)(脳卒中(stroke))」
のいずれかが該当する。

「認知症(dementia)」に該当するものとして,正しいものを1つ選びなさい。

答え

【 3 】

解説

要介護状態になる主な要因は、「認知症」の割合が高い傾向にある。

問題

認知症(dementia)の人を支援する施策に関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。

  1. 認知症サポーターは,認知症(dementia)に対する正しい知識と理解を持ち,認知症(dementia)の人を支援する。
  2. 介護保険制度では,認知症対応型共同生活介護(グループホーム)は,居宅サービスに位置づけられている。
  3. 認知症(dementia)と診断された39歳の人は,介護保険制度を利用できる。
  4. 介護保険制度では,認知症対応型通所介護は施設サービスに位置づけられている。
  5. 成年後見制度では,地域包括支援センターの社会福祉士が補助人,保佐人,成年後見人を選定する。
答え

【 1 】

解説

  1. 適切である。
  2. グループホームは、地域密着型サービズに位置づけられる。
  3. 介護保険制度を利用できるのは、65歳以上の「第1号被保険者」と40歳~64歳までの「第2号被保険者」である。
  4. 認知症対応型通所介護は地域密着サービズに位置づけられる。
  5. 成年後見制度は、家庭裁判所が選定する。

問題

加齢による物忘れと比べたときの,認知症(dementia)による物忘れの特徴として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 見当識障害はない。
  2. 物忘れの自覚はない。
  3. 物忘れが進行しない。
  4. 日常生活に明らかな支障はない。
  5. 体験の一部分だけを思い出せない。
答え

【 2 】

解説

選択肢の通り

問題

認知機能障害に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

  1. 記憶障害では,初期から手続き記憶が障害される。
  2. 見当識障害では,人物の認識は障害されない。
  3. 失行では,洋服をうまく着られなくなる。
  4. 失認は,視覚や聴覚の障害が原因である。
  5. 実行機能の障害では,ADL(ActivitiesofDailyLiving:日常生活動作)は障害されない。
答え

【 3 】

解説

  1. 手続き記憶とは、自転車の乗り方など、体験的に身についた体の動かし方に関する記憶で、加齢によっても障害されにくい。
  2. 見当識障害では、時間や場所、人物の認識も障害される。
  3. 適切である。
  4. 失認は、脳の障害が原因で起こる。
  5. 実行機能の障害では、ADLは障害される。

問題

軽度認知障害(mildcognitiveimpairment)に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 記憶力の低下の訴えがある。
  2. 日常生活に支障がある。
  3. 認知症(dementia)の一種である。
  4. CDR(ClinicalDementiaRating)のスコアが2である。
  5. 全般的な認知機能が低下している。
答え

【 1 】

解説

  1. 適切である。
  2. 日常生活に支障はない
  3. 全般的な認知機能は正常であり、認知症は認められない。
  4. CDRは観察式の評価尺度であり、健康:0、認知症の疑い:0.5、軽度認知症:1、中等度認知症:2、高度認知症:3の5段階で評価する。したがって、軽度認知障害はCDR:0.5となる。
  5. 全般的な認知機能は正常である。

問題

抗認知症薬に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

  1. 貼付剤はない。
  2. 非薬物療法との併用はしない。
  3. 段階的に投与量を減量していく。
  4. 副作用として悪心や下痢が生じることがある。
  5. ADL(ActivitiesofDailyLiving:日常生活動作)が改善することはない。
答え

【 4 】

解説

  1. 代表的な抗認知症薬であるリバスチグミンは、貼付剤である。
  2. 抗認知症薬は症状の進行を遅らせるものであり、個々の状態に合わせた非薬物療法などの併用も必要である。
  3. 段階的に投与量は増加する。
  4. 適切である。
  5. アルツハイマー型認知症の中核症状やADLの改善効果があるとされている。

問題

認知症(dementia)の原因となる疾患と,特徴的な行動・心理症状(BPSD)の組合せとして,適切なものを1つ選びなさい。

  1. アルツハイマー型認知症(dementiaoftheAlzheimer’stype) --- 幻視
  2. 血管性認知症(vasculardementia) --- 抑うつ
  3. レビー小体型認知症(dementiawithLewybodies) --- 人格変化
  4. 前頭側頭型認知症(frontotemporaldementia) --- もの盗られ妄想
  5. クロイツフェルト・ヤコブ病(Creutzfeldt-Jakobdisease) --- 徘徊
答え

【 2 】

解説

  1. 幻視が特徴の疾患は、レビー小体型認知症である。
  2. 適切である。
  3. 人格変化が特徴の疾患は、前頭側頭型認知症である。
  4. もの盗られ妄想が特徴の疾患は、アルツハイマー型認知症である。
  5. 徘徊が特徴の疾患は、アルツハイマー型認知症である。

問題

重度の認知症高齢者の胃ろう栄養法に関する支援として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 主治医が導入するかしないかを決定する。
  2. 家族が導入するかしないかを決定する。
  3. 本人の意向や価値観の把握に努め,本人にとっての最善を関係者で判断する。
  4. 成年後見人がいる場合,成年後見人が導入するかしないかを決定する。
  5. 看取り期には,介護福祉職の判断で胃ろう栄養法を中止する。
答え

【 3 】

解説

  1. 主治医が独断で治療方法を決定することは適切ではない。
  2. 家族の意向が確認できていても、本人の意向を第一に考えなければならない。
  3. 適切である。
  4. 成年後見人であっても、医療行為にかかわる判断や代行はできない。
  5. 看取り期においては、本人の意向、家族の意向も重要だが、医学的な判断は、介護福祉職ではなく、主治医による判断が必要になる。

問題

認知症(dementia)の母親を献身的に介護している息子が,母親に怒鳴られてたたきそうになった。それを見ていた介護福祉職の息子への対応に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 「孝行息子のあなたが手を上げるなんて…」と注意する。
  2. 「行政に通報します」と告げる。
  3. 「認知症(dementia)だから怒鳴るのは仕方がない」と慰める。
  4. 「地域にある認知症(dementia)の人と家族の会を紹介します」と伝える。
  5. 「懸命に介護をして疲れていませんか」と話を聴く。
答え

【 5 】

解説

まずは、息子が献身的に介護をしていることを支持し、息子の話を聞くことで、たたきそうになった原因を一緒に考える必要がある。

問題

ノーマライゼーション(normalization)の理念を8つの原理にまとめた人物として,正しいものを1つ選びなさい。

  1. ニィリエ(Nirje,B.)
  2. バンク-ミケルセン(Bank-Mikkelsen,N.)
  3. ヴォルフェンスベルガー(Wolfensberger,W.)
  4. ロバーツ(Roberts,E.)
  5. ソロモン(Solomon,B.)
答え

【 1 】

解説

ニィリエは、人間の1日のリズム、1週間のリズム、ライフサイクルでのノーマルな経験など、ノーマルな社会生活の条件を8つの原理にまとめ、通常の暮らしにできるだけ近い生活ぞ実現しようとした。

問題

世界保健機関(WHO)によるリハビリテーションの定義で,「利き手の交換」が該当するものとして,適切なものを1つ選びなさい。

  1. 職業的リハビリテーション
  2. 医学的リハビリテーション
  3. 経済的リハビリテーション
  4. 教育的リハビリテーション
  5. 社会的リハビリテーション
答え

【 2 】

解説

医学的リハビリテーションは、理学療法、作業療法等により、個人の身体的機能や心理的能力、保証的な機能の回復を目指し、病院などの医療機関で行われ、利き手の交換のための訓練が実施される。

問題

対麻痺を生じる疾患として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 筋萎縮性側索硬化症(amyotrophiclateralsclerosis:ALS)
  2. 腰髄損傷(lumbarspinalcordinjury)
  3. 悪性関節リウマチ(malignantrheumatoidarthritis)
  4. パーキンソン病(Parkinsondisease)
  5. 脊髄小脳変性症(spinocerebellardegeneration)
答え

【 2 】

解説

胸髄や腰髄は胸から下の部分をつかさどる神経であり、これらの脊髄が損傷されると首から下の筋肉がマヒしたり、感覚を失ったりするため、腰髄損傷では、対麻痺が生じる。

問題

統合失調症(schizophrenia)の特徴的な症状として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 妄想
  2. 躁うつ
  3. 強迫観念
  4. 振戦せん妄
  5. 見捨てられ不安
答え

【 1 】

解説

  1. 適切である。
  2. 躁うつは、気分障害の特徴的な症状である。
  3. 強迫観念は、強迫神経症の主症状である。
  4. 振戦せん妄は、アルコールの急激な中断による離脱症状である。
  5. 見捨てられ不安は、境界性パーソナリティー障害の症状である。

問題

問題91知的障害の特徴に関する記述として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 成人期に出現する。
  2. てんかん(epilepsy)の合併率が高い。
  3. 有病率は女性が高い。
  4. 重度・最重度が大半を占める。
  5. 遺伝性の障害が大半を占める。
答え

【 2 】

解説

  1. 発達期に出現する。
  2. 適切である。
  3. 有病率は男性が多い。
  4. 中軽度が多い。
  5. 知的障害の原因は様々で、原因が特定できないことも少なくないため、適切ではない。

問題

発達障害者が一般就労に向けて利用するサービスとして,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 行動援護
  2. 就労定着支援
  3. 職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援
  4. 同行援護
  5. 就労継続支援B型
答え

【 3 】

解説

  1. 行動援護とは、知的障害や精神障害により、1人で行動する際に生じる危険性を回避するために受けることができる支援である。
  2. 就労定着支援とは、就労後の定着支援を目的としており、通帳の事業所に新たに雇用された障害者が対象となる。
  3. 適切である。職場適応援助者による支援とは、障害者が職場に適応できるよう、職場にジョブコーチを派遣し、きめ細やかな人的支援を行うサービスである。
  4. 同行援助は、視覚障害により、移動に著しい困難を有する障害者が外出時に、移動に必要な情報提供や、移動時の援護、外出する際に必要な食事・排泄の介護などを含む援助をいう。
  5. 就労継続支援B型とは、年齢や体力などの面で雇用契約を結んで就労することが困難な障害者を対象にした、軽作業などの就労訓練を受けることができる福祉サービスをいう。

問題

網膜色素変性症(retinitispigmentosa)の初期の症状として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 硝子体出血
  2. 口内炎
  3. 眼圧上昇
  4. 夜盲
  5. 水晶体の白濁
答え

【 4 】

解説

  1. 硝子体出血は、糖尿病性網膜症などの症状といわれる。
  2. 口内炎の原因はさまざまである。
  3. 眼圧上昇は、緑内障の症状といわれている。
  4. 適切である。
  5. 水晶体の白濁は、白内障の症状といわれている。

問題

上田敏による障害受容のステージ理論の5つの心理過程のうち,最初の段階として,正しいものを1つ選びなさい。

  1. 受容期
  2. 否定期
  3. ショック期
  4. 混乱期
  5. 解決への努力期
答え

【 3 】

解説

障害需要のステージ理論は、1.ショック期、 2.否定期、 3.混乱期、 4.解決への努力期、 5.受容期 となる。

問題

関節リウマチ(rheumatoidarthritis)の人の日常生活上の留意点として,適切なものを1つ選びなさい。

  1. いすは低いものを使う。
  2. 膝を曲げて寝る。
  3. かばんの持ち手を手で握る。
  4. ドアの取っ手は丸いものを使う。
  5. 身体を洗うときはループ付きタオルを使う。
答え

【 5 】

解説

  1. 低いいすからの立ち上がりは、膝に負担がかかり痛みが生じるリスクがある。
  2. 膝を曲げて寝ると、寝返りなどが打ちにくくなり、長時間同じ姿勢を保つことになる。そうすると、膝が曲がった状態で関節が固まりやすくなるため、適切ではない。
  3. 関節リウマチの人は、繰り返す炎症により、手指の関節に特有の変形がみられる。選択肢のように手指や手首を強く屈曲した状態で力を入れる動作は、関節の変形を助長する行為になり適切ではない。
  4. 丸い形状の取っ手は、手指の関節を強く屈曲させるだけではなく、手首をひねる動作が必要となり適切ではない。
  5. 適切である。

問題

右利きのCさん(73歳,男性)は脳梗塞(cerebralinfarction)を発症して,回復期リハビリテーション病棟に入院中である。左片麻痺のため,歩行は困難である。他の患者とも交流せず,病室に閉じこもりがちであったため,多職種チームによるカンファレンス(conference)が開かれた。
現時点のCさんへの対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 利き手の交換
  2. 階段昇降訓練
  3. 義足の製作
  4. プッシュアップ訓練
  5. 心理カウンセリング
答え

【 5 】

解説

  1. Cさんの利き手は健側であり、利き手の交換は必要ない。
  2. 階段昇降訓練は通常の訓練であり、多職種チームによるカンファレンスが必要なレベルではない。
  3. 義足とは、切断された下肢の補充を目的として使用されるものであり、片麻痺の適応ではない。
  4. プッシュアップ訓練は主に、脊髄損傷者の移動や車いすへの移乗能力向上のための筋力増強や、褥瘡予防のために実施されるものであり、適切ではない。
  5. 適切である。

問題

ライチャード(Reichard,S.)による老年期の性格類型において,円熟型に該当するものとして,適切なものを1つ選びなさい。

  1. 自分の過去に対して自責の念を抱く。
  2. 年を取ることをありのまま受け入れていく。
  3. 若いときの積極的な活動を維持する。
  4. 他者の援助に依存する。
  5. 責任から解放されることを好む。
答え

【 2 】

解説

ライチャードによる老年期の性格類型

円熟型
自分および自分の過去現在を受容しつつ、未来志向。日常生活に対して建設的に接しようとする。引退後も積極的に社会参加し、いろいろな趣味に関心を持つ。人間関係につ いての満足感が強く、且つそのための努力をする
依存型(安楽椅子型)
他者に依存するという受身的、消極的な姿勢で現在を受容。仕事に対する野心はなく、 引退しているという現在の状況に甘んじて、楽に暮そうとしている
自己防衛型(装甲型)
強い防衛体制を敷くことにより、老化の不安に対処。引退後、いつまでも活動すること により、適応できると考える
自責型(内罰型)
自分の不幸、失敗に対して外罰型と異なり、自責的態度をとる。意欲は少なく、受動的である。他者への関心も少なく、孤立し、死は耐えられない存在からの解放と受け取り、 恐れない
攻撃憤慨型(外罰型)
今までの自分の失敗等に対して敵意を示し、その対処として他者を非難し攻撃しようと する。趣味もなく、特に死に対して不安、恐れを抱いている
  1. 自責型 である。
  2. 適切である。
  3. 自己防衛型 である。
  4. 依存型 である。
  5. 依存型 である。

問題

臓器とその機能の組合せとして,正しいものを1つ選びなさい。

  1. 肝臓 --- グリコーゲン(glycogen)の貯蔵
  2. 膀胱 --- 尿の濃縮
  3. 小脳 --- 呼吸中枢
  4. 副腎 --- インスリン(insulin)の分泌
  5. 心臓 --- ガス交換
答え

【 1 】

解説

  1. 適切である。
  2. 尿の濃縮は腎臓で行われる。膀胱は尿の貯蔵である。
  3. 呼吸中枢は延髄にある。小脳は、運動の調節と平衡感覚に関係する。
  4. インスリンは膵臓で分泌される。副腎では、ステロイドなどのホルモンを分泌する。
  5. ガス交換は肺で行う。心臓では血液循環を行う。

問題

唾液腺と唾液に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

  1. 副交感神経は唾液分泌を抑制する。
  2. 唾液分泌は食事摂取時に限られる。
  3. 耳下腺の導管は口腔底に開口する。
  4. 唾液には抗菌作用がある。
  5. 舌下腺は小唾液腺である。
答え

【 4 】

解説

  1. 副交感神経は唾液の分泌を促進する。
  2. 唾液分泌は食事摂取時に限定されない。
  3. 耳下腺の導管は、上顎第2大臼歯のそばに開口している。口腔底に開校するのは、舌下腺と顎下腺である。
  4. 適切である。
  5. 舌下腺は、大唾液腺である。

問題

良肢位に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. ADL(ActivitiesofDailyLiving:日常生活動作)に最も支障が少ない姿勢である。
  2. 肘関節を伸ばした姿勢である。
  3. つま先が下を向いた姿勢である。
  4. 拘縮を起こしやすい姿勢である。
  5. クッションを用いた保持は避ける。
答え

【 1 】

解説

  1. 適切である。
  2. 肘関節をおおむね中間まで屈曲した姿勢である。
  3. つま先の角度は0度である。
  4. 良肢位は拘縮を起こしにくい姿勢である。
  5. クッションなどを用いて角度を保持する必要がある。

問題

胃ろうに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. ろう孔周囲のびらんは,放置してよい。
  2. ろう孔は,カテーテルの抜去後,およそ1時間で自然に閉鎖する。
  3. カテーテルの交換は不要である。
  4. ミキサー食の注入は禁止されている。
  5. 経口摂取も併用できる。
答え

【 5 】

解説

  1. 放置すると、ストッパーの刺激による皮膚潰瘍やかびなどによる感染症の危険性があるため、放置せず清潔に保つ必要がある。
  2. 閉鎖まで、胃壁で2~3時間、腹壁から皮膚は24時間程度かかるといわれている。
  3. カテーテルは劣化・汚染の可能性があり、定期的な交換が必要である。
  4. ミキサー食の注入は可能である。
  5. 適切である。

問題

Dさん(75歳,女性)は,介護老人福祉施設に入所している。糖尿病(diabetesmellitus)があり,インスリン療法を受けている。2日前から風邪をひいて,食事量が普段の半分程度に減っていたが,医師の指示どおりインスリン注射を継続していた。介護福祉職が朝食をDさんに渡そうとしたところ,顔色が悪く,「胸がどきどきして,ふわふわする」と話し,額には汗が見られた。
考えられるDさんの状態として,ただちに医療職に相談しなければならないものを1つ選びなさい。

  1. 発熱
  2. 脱水
  3. 低血糖
  4. 貧血
  5. 意識障害
答え

【 3 】

解説

  1. 風邪だからといって、発熱しているとは限らず、現状では相談する内容ではない。
  2. 食事量が減ることにより水分摂取量が減ることは想像できるが、断水症状の状態である、尿の状態、皮膚の状態に関する情報がなく、脱水と判断するのは難しい。
  3. 適切である。低血糖の症状として、倦怠感 ・ 冷や汗 ・ 顔面蒼白 ・ 動悸 ・ 悪心 ・ 頭痛 ・ 意識障害がある。食事摂取量が減ったが、指示通りのインスリン注射を行ったことによる低血糖であると考える。
  4. 食事摂取量が減ったことにより貧血の可能性は否定できないが、緊急性は低いと考えられる。
  5. Dさんから体調に関しての訴えがあったことから、意識障害ではないと考えられる。

問題

皮膚の乾燥に伴うかゆみに関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。

  1. 高齢者では,まれである。
  2. 水分摂取を控える。
  3. 顔面に好発する。
  4. 利用者の爪は短く切る。
  5. 皮膚をかくことで軽快する。
答え

【 4 】

解説

  1. 高齢者の95%は皮膚の乾燥によって引き起こされる老人性乾皮症であるといわれており、その半数がかゆみを訴える。
  2. 高齢者のかゆみは、乾燥からくるものであることが多いため、水分摂取を控えることでさらなる乾燥を引き起こす可能性がある。
  3. 全身に発症する。
  4. 適切である。無意識にかいてしまうことを想定し、皮膚の損傷を最小限にする。
  5. 皮膚をかくことにより皮膚表面が破壊され、さらに症状が悪化する。

問題

入浴介護に関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。

  1. 家庭内での不慮の事故死のうち,入浴関連はまれである。
  2. 心臓に疾患のある人には,全身浴を勧める。
  3. 浴槽からの立ち上がりは,ゆっくり行う。
  4. 食後すぐの入浴を勧める。
  5. 入浴後,水分摂取は控える。
答え

【 3 】

解説

  1. 家庭内の不慮の事故死の中に溺死があり、溺死のほとんどが浴槽内で起こっている。
  2. 全身浴は半身浴に比べ、心臓に戻る血液量が増えるため、心臓の負担が増える。
  3. 適切である。立ちくらみを防ぐために、ゆっくり行う。
  4. 食後すぐの入浴を行うと、消化器官への血流が不十分となり、消化機能を損なう可能性がある。食後は1時間以上経過してから入浴することが望ましい。
  5. 入浴により発汗が多くなるため、入浴の前後で水分補給をする必要がある。

問題

排便の仕組みに関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。

  1. 仰臥位は,排便しやすい姿勢である。
  2. 交感神経は,直腸の蠕動運動を促進させる。
  3. 食事をとると,便意はおさまる。
  4. 息を吐きながら腹圧を低下させると,排便は促される。
  5. 排便時には,外肛門括約筋を意識的に弛緩させる。
答え

【 5 】

解説

  1. 仰臥位では、直腸肛門角が小さくなり、便がひっかかって出にくい状態となる。また、仰臥位では、腹圧もかけにくく、重力も利用できない。座位で少し前傾になる姿勢が排便しやすい姿勢といえる。
  2. 直腸の蠕動運動を促進させるのは副交感神経である。
  3. 食事をとると蠕動運動を起こし、便意が起こる。
  4. 息を止めて腹圧を高めると、排便は促進される。
  5. 適切である。

問題

睡眠に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 加齢に伴って睡眠時間は短くなる。
  2. 睡眠障害の多くは遺伝性である。
  3. 過眠は睡眠時間が長くなることをいう。
  4. 睡眠中は体温が上昇する。
  5. 睡眠周期は約60分である。
答え

【 1 】

解説

  1. 適切である。
  2. 睡眠障害は後天的な障害である。
  3. 過眠症は、十分に眠っていいるにもかかわらず、日中に強い眠気が生じて、起きているのが困難になる状態が1か月以上続くことである。
  4. 睡眠中の体温は下がる。
  5. ノンレム睡眠からレム睡眠への移行である睡眠周期は、90~110分である。

問題

睡眠に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 高齢者の中途覚醒は,水分の摂りすぎが原因である。
  2. レストレスレッグス症候群(restlesslegssyndrome)は,下肢を動かすと症状が軽快する。
  3. 仰臥位で眠ると,いびきが改善する。
  4. 睡眠時間の確保には,寝だめが有効である。
  5. 熟睡するには,就寝前の飲酒が有効である。
答え

【 2 】

解説

  1. 中途覚醒には様々な原因があり、水分の摂りすぎと断定することはできない。
  2. 適切である。レストレス症候群とは、「むずむず脚症候群」ともいわれ、下肢を動かすと軽減する。
  3. 仰臥位は気道が圧迫されやすく、いびきが出やすい。いびきの改善は、側臥位にしたり、枕の高さを調整するなどが必要である。
  4. 睡眠不足に応じて睡眠を生じさせる働きがあり、必要な睡眠の量を睡眠負債という。睡眠負債は、その時点までの疲労回復に必要な睡眠の量であるため、それ以上眠ろうとしても目が覚めてしまう。したがって、寝だめをすることはできない。
  5. 飲酒によって寝つきがよくなることもあるが、アルコールが体内で分解されるときに覚醒作用がおこり、睡眠は浅くなる。また、アルコールには利尿作用もあるため、排泄のために目を覚まし、その後寝付けなくなることがある。

問題

Eさん(75歳,男性)は,2年前に肺がん(lungcancer)と診断されて,抗がん剤治療を受けていたが,効果がなく1か月前に治療を中止した。その後,日常生活に支援が必要となり,訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用することになった。訪問介護員(ホームヘルパー)は初回訪問を終えて帰ろうとした時に,いきなりEさんから,「もう来なくてもいい」と厳しい口調で言われた。また,「どうして私だけが,がん(cancer)にならなければならないのか」という言葉も聞かれた。
Eさんの心理状態について,キューブラー・ロス(Kubler-Ross,E.)が提唱した心理過程の段階として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 否認
  2. 怒り
  3. 取り引き
  4. 抑うつ
  5. 受容
答え

【 2 】

解説

キューブラー・ロス 死の受容5段階

否認と孤立
自らに死が迫っていることを否定する。「間違いに違いない」「あり得ない」と感じる
怒り
死の可能性が否認できなくなると、「なぜ、私なんだ!」に代表される、怒り、憤り、羨望、恨みなどの感情があらわれ、あらゆる方向に向かって感情が発散される。
取り引き
自らの善い行いが奇蹟を呼び込んだり、死期の延期が計れるのではないかと考え、約束する。
抑うつ
喪失感が強くなる。抑うつはこの喪失感の一部でもある
受容
死への抗いが終わりに近づく。憔悴し、まどろみ、ほとんどの感情がなくなり、解放を願う。「幸福」とは違う。

問題

次のうち,スタンダードプリコーション(standardprecautions:標準予防策)において,感染する危険性のあるものとして取り扱う対象を1つ選びなさい。

  1. 唾液
  2. 経管栄養剤
  3. 傷のない皮膚
  4. 未使用の吸引チューブ
答え

【 2 】

解説

選択肢の通り

問題

喀痰吸引の実施が必要と判断された利用者に対して,喀痰吸引を行うことに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 日中は,1時間おきに吸引を行う。
  2. 食後の吸引は避ける。
  3. 入浴時は,その前後に吸引を行う。
  4. 就寝後は吸引を控える。
  5. 仰臥位を2時間保ってから行う。
答え

【 3 】

解説

  1. 喀痰吸引は、貯留状況を観察し、随時実施する。
  2. 食後の痰の貯留は、嘔吐や誤嚥性肺炎につながる可能性があるため、食後の吸引を行う。
  3. 適切である。入浴によって血液環境がよくなり、肺にたまっていた痰がのどに上がってきたり、温度が上がって固い痰が出やすくなったりするため、吸引を必要とする。入浴中は機器の管理や清潔な操作が困難であるため、入浴の前後に排痰ケアや喀痰吸引を行うことで、入浴による痰の増加を最小限にする。
  4. 就寝中でも必要と判断した時には吸引を行う。
  5. 同一体位で長時間寝ていると、重力で下側に痰がたまりやすくなり、効果的な吸引を行うことができない。

問題

気管切開をして人工呼吸器を使用している人の喀痰吸引に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

  1. 気管カニューレを抜いて,吸引を行う。
  2. 頸部を前屈した姿勢にして,吸引を行う。
  3. 1回の吸引時間は,20~30秒とする。
  4. 吸引チューブの挿入の深さは,気管分岐部の手前までである。
  5. 吸引を終了した後は,人工呼吸器の作動状況を確認する。
答え

【 5 】

解説

  1. 気管カニューレの抜管は医師が行うものであり、介護福祉士が行うことは認められていない。
  2. 頸部を前屈した姿勢にすると、カニューレの先端が期間を閉塞させてしまい苦痛が生じる。吸引時は、正面を向いて頸部はまっすぐな状態が望ましい。
  3. 吸引時は人工呼吸器を外して行うため、1回の吸引時間は10秒以内が適切とされている。
  4. 介護福祉士が実施を認められている気管カニューレ内部吸引の吸引チューブの挿入の深さは、気管カニューレ内部までとされている。
  5. 適切である。

問題

胃ろうによる経管栄養の実施手順として,栄養剤を利用者のところに運んだ後の最初の行為として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 体位の確認
  2. 物品の劣化状況の確認
  3. 栄養剤の指示内容の確認
  4. 本人であることの確認
  5. 経管栄養チューブの固定状況の確認
答え

【 4 】

解説

選択肢の通り

問題

イルリガートル(注入ボトル)を用いた経鼻経管栄養に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 栄養剤は,半固形化栄養剤を用いる。
  2. 嘔気があるときは,注入速度を遅くして滴下する。
  3. イルリガートルに栄養剤を入れてから,2時間後に滴下する。
  4. 栄養剤の液面は,胃から50cm程度高くする。
  5. 使用した物品は,消毒用エタノールにつけて消毒をする。
答え

【 4 】

解説

  1. 半固形型栄養剤は、胃ろうまたは腸ろうによる経管栄養で用いられる。
  2. 嘔気があるときは、注入を中止し観察を行う。
  3. 時間をあけると空気に触れ、細菌などに汚染される可能性がある。栄養剤を入れてからすぐに滴下する。
  4. 適切である。高すぎると速度が速くなり、低すぎると速度が遅くなったり、胃の内容物が逆流したりするおそれがある。
  5. 消毒用エタノールはノロウイルスなどには効果がなく、物品が変質することがある。使用した物品は、中性洗剤で洗浄し、流水ですすぎ、希釈した次亜塩素酸ナトリウム液に浸して消毒し、乾燥させる。

問題

次の事例を読んで,答えなさい。

〔事例〕
Fさん(78歳,男性)は,妻(75歳)と二人で暮らしていた。1か月前に脳出血(cerebralhemorrhage)で入院して,左半身の不全麻痺がある。立ち上がりや歩行に介助が必要なため,伺や手すりを使用した歩行訓練をして,伺歩行が可能になった。病院のソーシャルワーカーの勧めで,Fさんは介護保険の申請をして結果を待っていた。
 ある日,「医師から退院の許可が出た」と,妻から介護支援専門員(ケアマネジャー)に連絡があった。
 介護支援専門員(ケアマネジャー)は,「Fさんの退院後の在宅サービスを検討したいので病院に集まってほしい」と,在宅支援の関係者に会議への参加を依頼した。訪問介護員(ホームヘルパー)は,ケアプランの検討のために病院に行って,会議に参加した。会議には,主治医,病棟看護師,理学療法士も参加した。トイレで転ぶのではないかというFさんの心配について話し合った結果,トイレに手すりが必要だということになった。また,左足指に白癬(tinea)があり,薬が処方されていることも確認された。
介護支援専門員(ケアマネジャー)が招集した会議として,正しいものを1つ選びなさい。

  1. 退院前カンファレンス
  2. サービス担当者会議
  3. 支援調整会議
  4. 地域ケア会議
  5. 介護・医療連携推進会議
答え

【 2 】

解説

  1. 退院前カンファレンスとは、隊員が決まった患者を円滑に在宅医療につなげるために開催される。
  2. 適切である。サービス担当者会議は、介護支援専門員が利用者に必要な各種サービスの担当者を収集し、ケアプラン原案を確定する。
  3. 支援調整会議は、生活困窮自立支援制度で定められた自立相談支援機関が開催する。
  4. 地域ケア会議は、地域包括支援センター・市町村が開催する。
  5. 介護・医療連携推進会議は、定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所が開催する。

問題

次の事例を読んで,答えなさい。

〔事例〕
Fさん(78歳,男性)は,妻(75歳)と二人で暮らしていた。1か月前に脳出血(cerebralhemorrhage)で入院して,左半身の不全麻痺がある。立ち上がりや歩行に介助が必要なため,伺や手すりを使用した歩行訓練をして,伺歩行が可能になった。病院のソーシャルワーカーの勧めで,Fさんは介護保険の申請をして結果を待っていた。
 ある日,「医師から退院の許可が出た」と,妻から介護支援専門員(ケアマネジャー)に連絡があった。
 介護支援専門員(ケアマネジャー)は,「Fさんの退院後の在宅サービスを検討したいので病院に集まってほしい」と,在宅支援の関係者に会議への参加を依頼した。訪問介護員(ホームヘルパー)は,ケアプランの検討のために病院に行って,会議に参加した。会議には,主治医,病棟看護師,理学療法士も参加した。トイレで転ぶのではないかというFさんの心配について話し合った結果,トイレに手すりが必要だということになった。また,左足指に白癬(tinea)があり,薬が処方されていることも確認された。
図はFさん宅のトイレである。
手すりを設置する位置として,最も適切なものを1つ選びなさい。

答え

【 1 】

解説

Fさんは左半身の不全麻痺があり、健側に手すりを設置することが必要であるため、A,Bに絞られる。歩行などの水平の移動にはBの横手すりがふさわしいが、排泄行為のように上下の移動がある場合は、Aの縦手すりが最適である。

問題

次の事例を読んで,答えなさい。

〔事例〕
Fさん(78歳,男性)は,妻(75歳)と二人で暮らしていた。1か月前に脳出血(cerebralhemorrhage)で入院して,左半身の不全麻痺がある。立ち上がりや歩行に介助が必要なため,伺や手すりを使用した歩行訓練をして,伺歩行が可能になった。病院のソーシャルワーカーの勧めで,Fさんは介護保険の申請をして結果を待っていた。
 ある日,「医師から退院の許可が出た」と,妻から介護支援専門員(ケアマネジャー)に連絡があった。
 介護支援専門員(ケアマネジャー)は,「Fさんの退院後の在宅サービスを検討したいので病院に集まってほしい」と,在宅支援の関係者に会議への参加を依頼した。訪問介護員(ホームヘルパー)は,ケアプランの検討のために病院に行って,会議に参加した。会議には,主治医,病棟看護師,理学療法士も参加した。トイレで転ぶのではないかというFさんの心配について話し合った結果,トイレに手すりが必要だということになった。また,左足指に白癬(tinea)があり,薬が処方されていることも確認された。
訪問介護員(ホームヘルパー)が,自宅に戻ったFさんの皮膚疾患に関する日常生活上の留意点を妻に指導する内容として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. からだを温める。
  2. 足を乾燥させる。
  3. 着衣や寝具は熱処理する。
  4. 足にワセリンを塗る。
  5. 処方された塗り薬は気がついたときに塗る。
答え

【 2 】

解説

  1. 白癬菌はカビの一種であり、高温多湿を好むため、体を温めることは菌を増殖させるおそれがある。
  2. 適切である。
  3. 熱処理が必要なのは、疥癬である。白癬菌は、通常の洗濯および乾燥で死滅する。
  4. 乾燥させる必要があるため、ワセリンは適切ではない。
  5. 医師の処方を守り、毎日・広範囲に塗ることが効果的である。

問題

次の事例を読んで,答えなさい。

〔事例〕
Gさん(84歳,女性)は,8年前に経済的な理由から養護老人ホームに入所した。
Gさんは,「自分のことは,自分でやりたい」といつも話しており,毎朝の体操が日課であった。施設のプログラムである健康体操にも他の利用者と楽しみながら毎週参加していた。
しかし,最近は,足がすくんだようになり,始めの一歩をうまく出せず,歩行に不安を抱えるようになった。
Gさんは,物忘れなどの症状が以前からみられていたこと,また他の症状もみられるようになったことから,医師の診察を受けたところ,レビー小体型認知症(dementiawithLewybodies)と診断された。
Gさんは,居室の前にあるトイレに行くとき,転倒してけがをするのではないかと不安になっている。Gさんが入所している施設は,N県から介護保険サービス事業者の指定を受けている。この施設で生活を続けたいというGさんの意向を受けて,本人を交えて施設職員と介護支援専門員(ケアマネジャー)が支援の内容を検討した。
Gさんが診察を受けるきっかけとなった他の症状とは,発症した認知症(dementia)の特徴的な症状の一つである。
他の症状に該当するものとして,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 麻痺片
  2. 脱抑制
  3. 幻視
  4. 常同行動
  5. 感情失禁
答え

【 3 】

解説

  1. 片麻痺は、血管性認知症に見られる特徴である。
  2. 脱抑制は、前頭側頭型認知症にみられる特徴である
  3. 適切である。
  4. 常同行動は、前頭側頭型認知症にみられる特徴である
  5. 感情失禁は、血管性認知症に見られる特徴である。

問題

次の事例を読んで,答えなさい。

〔事例〕
Gさん(84歳,女性)は,8年前に経済的な理由から養護老人ホームに入所した。
Gさんは,「自分のことは,自分でやりたい」といつも話しており,毎朝の体操が日課であった。施設のプログラムである健康体操にも他の利用者と楽しみながら毎週参加していた。
しかし,最近は,足がすくんだようになり,始めの一歩をうまく出せず,歩行に不安を抱えるようになった。
Gさんは,物忘れなどの症状が以前からみられていたこと,また他の症状もみられるようになったことから,医師の診察を受けたところ,レビー小体型認知症(dementiawithLewybodies)と診断された。
Gさんは,居室の前にあるトイレに行くとき,転倒してけがをするのではないかと不安になっている。Gさんが入所している施設は,N県から介護保険サービス事業者の指定を受けている。この施設で生活を続けたいというGさんの意向を受けて,本人を交えて施設職員と介護支援専門員(ケアマネジャー)が支援の内容を検討した。
Gさんの移動に関する支援として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 床にある目印をまたぐように声かけをする。
  2. 車いすで移動する。
  3. 居室にカーペットを敷く。
  4. 歩幅を小さくするように声かけをする。
  5. 点伺四の使用を勧める。
答え

【 1 】

解説

  1. 適切である。パーキンソン症状によって、始めの一歩が踏み出せないという特徴がある。そのため、歩行の支援をする際、始めの一歩を大きく踏み出すことを意識できるように、床にある目印をまたぐように声掛けすることは有効な方法である。
  2. これまで施設において実施されている健康体操のプログラムにも定期的に参加しており、下肢能力等は維持していると考えられる。「自分のことは自分でやりたい」というGさんの思いも尊重し、
  3. カーペットは、小刻み歩行の特徴から、足に引っ掛かりやすく、床とカーペットの段差につまずくなど、転倒のリスクが高まる。
  4. 歩幅を大きくして、踵からつくように声掛けをする。
  5. 2.の解説と同じ。

問題

次の事例を読んで,答えなさい。

〔事例〕
Gさん(84歳,女性)は,8年前に経済的な理由から養護老人ホームに入所した。
Gさんは,「自分のことは,自分でやりたい」といつも話しており,毎朝の体操が日課であった。施設のプログラムである健康体操にも他の利用者と楽しみながら毎週参加していた。
しかし,最近は,足がすくんだようになり,始めの一歩をうまく出せず,歩行に不安を抱えるようになった。
Gさんは,物忘れなどの症状が以前からみられていたこと,また他の症状もみられるようになったことから,医師の診察を受けたところ,レビー小体型認知症(dementiawithLewybodies)と診断された。
Gさんは,居室の前にあるトイレに行くとき,転倒してけがをするのではないかと不安になっている。Gさんが入所している施設は,N県から介護保険サービス事業者の指定を受けている。この施設で生活を続けたいというGさんの意向を受けて,本人を交えて施設職員と介護支援専門員(ケアマネジャー)が支援の内容を検討した。
Gさんの意向を踏まえた介護保険サービスとして,正しいものを1つ選びなさい。

  1. 看護小規模多機能型居宅介護
  2. 小規模多機能型居宅介護
  3. 短期入所療養介護
  4. 特定施設入居者生活介護
  5. 認知症対応型共同生活介護
答え

【 4 】

解説

  1. 看護小規模多機能型居宅介護とは、がん末期患者の看取りを含む在宅生活の継続や退院直後の在宅生活へのスムーズな移行などのニーズに対応するサービスである。
  2. 小規模多機能型居宅介護は、在宅生活をしている利用者に対して、通いを中心に、訪問や泊まりを組み合わせた多機能なサービスを提供している。
  3. 短期入所療養介護は、介護老人保健施設などに短期間入所し、看護、医学的な管理のもとで生活の支援を行うサービスである。
  4. 適切である。特定施設入居者生活介護とは、特定施設に入居している要介護者に対して、生活上の支援を行うサービスである。この施設で生活を続けたいというGさんの意向を踏まえたサービスである。
  5. 認知症対応型共同生活介護とは、居住系サービスとして位置づけられるサービスであり、認知症で介護を必要とする利用者に対して、家庭的な環境と地域との交流のもとで生活上の支援をするものである。

問題

次の事例を読んで,答えなさい。

〔事例〕
Hさん(26歳,女性)は,腰髄損傷(lumbarspinalcordinjury)で両下肢麻痺の障害があり,車いすを使用してADL(ActivitiesofDailyLiving:日常生活動作)は自立している。銀行で働きながら一人暮らしをして,休日は,友人とスキューバダイビングを楽しんでいた。
Hさんは,こだわりや責任感が強く真面目で,悩みごとを打ち明けられない性格であった。
ある日,友人が表情の暗いHさんを心配して話を聞いてみると,「食事が喉を通らず,頭痛や思考力低下があり,寝つきは良いが,すぐに目が覚めて眠れず,仕事上のミスが続き仕事に行けない日がある」と話した。友人の勧めで専門医を受診した結果,Hさんはうつ病(depression)と診断された。
その後,治療を受けながら仕事を続けていたが,激しい動悸,息苦しさ,めまいを伴うパニック発作が繰り返し起こり,仕事を休職して治療に専念することにした。
Hさんの睡眠障害として,正しいものを1つ選びなさい。

  1. レストレスレッグス症候群(restlesslegssyndrome)
  2. 概日リズム睡眠障害(circadianrhythmsleepdisorder)
  3. レム睡眠行動障害(REMsleepbehaviordisorder)
  4. 環境因性睡眠障害
  5. 中途覚醒
答え

【 5 】

解説

  1. レストレスレッグズ症候群は、鉄欠乏性貧血、人工透析、妊娠などにより出現することもある。
  2. 概日リズム睡眠障害は、睡眠覚醒リズム障害ともいわれ、体内時計の調節異常のために睡眠と隔世のリズムが壊れてしまう障害であり、「寝つきは良いが」という部分に当てはまらない。
  3. レム睡眠行動障害とは、夢の中の行動が実際の寝言や異常行動として現れ、睡眠中に突然叫んだり、身体を動かしたり、暴れだしたりすることもあるが、レム睡眠が終わるとそのような行動は消失して安らかな睡眠に戻る。レビー小体型認知症によくみられる症状である。
  4. 環境因性睡眠障害は、環境条件に起因する睡眠障害である。
  5. 適切である。中途覚醒は、睡眠中に何度も目が覚め、一度起きるとその後なかなか寝つけなくなるなどの特徴がある。

問題

次の事例を読んで,答えなさい。

〔事例〕
Hさん(26歳,女性)は,腰髄損傷(lumbarspinalcordinjury)で両下肢麻痺の障害があり,車いすを使用してADL(ActivitiesofDailyLiving:日常生活動作)は自立している。銀行で働きながら一人暮らしをして,休日は,友人とスキューバダイビングを楽しんでいた。
Hさんは,こだわりや責任感が強く真面目で,悩みごとを打ち明けられない性格であった。
ある日,友人が表情の暗いHさんを心配して話を聞いてみると,「食事が喉を通らず,頭痛や思考力低下があり,寝つきは良いが,すぐに目が覚めて眠れず,仕事上のミスが続き仕事に行けない日がある」と話した。友人の勧めで専門医を受診した結果,Hさんはうつ病(depression)と診断された。
その後,治療を受けながら仕事を続けていたが,激しい動悸,息苦しさ,めまいを伴うパニック発作が繰り返し起こり,仕事を休職して治療に専念することにした。
Hさんの食欲不振や睡眠障害は改善せず,日常生活に介護が必要になり居 宅介護を利用し始めた。半年ほど経過した頃,「早く良くなりたい」と介護福祉職に 話した。
介護福祉職が,Hさんのつらい思いを受容した上でかける言葉として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 「早く良くなってくださいね」
  2. 「すぐに治りますよ」
  3. 「ゆっくり休むことも必要ですよ」
  4. 「治療,頑張ってくださいね」
  5. 「気分転換に旅行に行くといいですよ」
答え

【 3 】

解説

Hさんの「早く良くなりたい」というつらい思いを受容したうえでかけている言葉であると解釈できる。受容の原則に基づいた最も適切な言葉である。

問題

次の事例を読んで,答えなさい。

〔事例〕
Hさん(26歳,女性)は,腰髄損傷(lumbarspinalcordinjury)で両下肢麻痺の障害があり,車いすを使用してADL(ActivitiesofDailyLiving:日常生活動作)は自立している。銀行で働きながら一人暮らしをして,休日は,友人とスキューバダイビングを楽しんでいた。
Hさんは,こだわりや責任感が強く真面目で,悩みごとを打ち明けられない性格であった。
ある日,友人が表情の暗いHさんを心配して話を聞いてみると,「食事が喉を通らず,頭痛や思考力低下があり,寝つきは良いが,すぐに目が覚めて眠れず,仕事上のミスが続き仕事に行けない日がある」と話した。友人の勧めで専門医を受診した結果,Hさんはうつ病(depression)と診断された。
その後,治療を受けながら仕事を続けていたが,激しい動悸,息苦しさ,めまいを伴うパニック発作が繰り返し起こり,仕事を休職して治療に専念することにした。
Hさんは仕事を休職して治療に専念した結果,趣味のスキューバダイビングが楽しめるまでに回復した。介護福祉職に,「仕事に復帰しようと思っている」と話した。
介護福祉職が紹介するサービスとして,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. リワークプログラム
  2. レスパイトサービス(respiteservice)
  3. ピアカウンセリング(peercounseling)
  4. セルフヘルプグループ(self-helpgroup)
  5. ガイドヘルプサービス
答え

【 1 】

解説

  1. 適切である。
  2. レスパイトサービスとは、要介護高齢者や障害児・障害者を在宅でケアしている家族の息抜きを目的の1つとしたサービスである。
  3. ピアカウンセリングとは、障害のある当事者や家族介護者が互いに平等な立場で話を聴きあい、地域での自立生活を実現していくためのものである。
  4. セルフヘルプグループとは、同じ状況にある人が互いに援助しあうために組織し、運営するグループである。
  5. ガイドヘルプサービスとは、障害のある人の外出に必要な支援を行うサービスである。

問題

次の事例を読んで,答えなさい。

〔事例〕
Jさん(女性)は,介護福祉士養成施設の学生である。Jさんは,希望していた障害児入所施設で実習をすることになった。この実習では,障害特性を理解して,介護実践の在り方を学ぶだけではなく,個別支援計画(介護計画)作成と実施,評価までの介護過程の展開を学ぶことになっていた。
Jさんは,対象となる利用者としてK君(15歳,男性)を担当することになった。K君は重度の脳性麻痺(cerebralpalsy)がある。K君が2歳の時に両親は離婚して,母親が一人でK君を育てていた。母子の生活は困窮していた。K君が9歳の時に,母親はK君を施設に入所させることを希望し,この施設に入所することになった。現在K君は,言語による意思の疎通は困難であり,座位が保持できる程度である。また,てんかん(epilepsy)の発作(強直間代発作)が時々みられるが,重積発作ではない。
K君が入所している施設の根拠となる法律として,正しいものを1つ選びなさい。
(注)「障害者総合支援法」とは,「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。

  1. 母子及び父子並びに寡婦福祉法
  2. 「障害者総合支援法」
  3. 生活保護法
  4. 児童虐待の防止等に関する法律
  5. 児童福祉法
答え

【 5 】

解説

選択肢の通り

問題

〔事例〕
Jさん(女性)は,介護福祉士養成施設の学生である。Jさんは,希望していた障害児入所施設で実習をすることになった。この実習では,障害特性を理解して,介護実践の在り方を学ぶだけではなく,個別支援計画(介護計画)作成と実施,評価までの介護過程の展開を学ぶことになっていた。
Jさんは,対象となる利用者としてK君(15歳,男性)を担当することになった。K君は重度の脳性麻痺(cerebralpalsy)がある。K君が2歳の時に両親は離婚して,母親が一人でK君を育てていた。母子の生活は困窮していた。K君が9歳の時に,母親はK君を施設に入所させることを希望し,この施設に入所することになった。現在K君は,言語による意思の疎通は困難であり,座位が保持できる程度である。また,てんかん(epilepsy)の発作(強直間代発作)が時々みられるが,重積発作ではない。
Jさんは,K君の支援計画作成に責任を持つ職員に計画作成の注意点などを聞きたいと,実習指導者に相談した。
K君の支援計画作成に責任を持つ職員として,正しいものを1つ選びなさい。

  1. 生活支援員
  2. 児童自立支援専門員
  3. サービス提供責任者
  4. 児童発達支援管理責任者
  5. 相談支援専門員
答え

【 4 】

解説

  1. 生活支援員は、施設などで障害者の日常生活上の支援や身体機能・生活能力の向上に向けた支援、創作・生産活動に関わる職種である。
  2. 児童自立支援専門員は、不良行為を行う、または行うおそれのある児童、家庭環境やその他の環境の理由により生活指導者の必要な児童が通所・入所する事務所で個々の児童の状況に応じて必要な指導を行う職種である。
  3. サービス提供責任者は、居宅介護サービス計画に基づき訪問介護計画を作成する職種である。
  4. 適切である。児童発達支援管理責任者は、児童の発達課題を把握して個別支援計画を作成したり、集団療育の企画・管理棟を行う職種である。
  5. 相談支援専門員は、障害のある人が自立した日常生活、社会生活を逃れるように、全般的な相談支援を行う職種である。

問題

〔事例〕
Jさん(女性)は,介護福祉士養成施設の学生である。Jさんは,希望していた障害児入所施設で実習をすることになった。この実習では,障害特性を理解して,介護実践の在り方を学ぶだけではなく,個別支援計画(介護計画)作成と実施,評価までの介護過程の展開を学ぶことになっていた。
Jさんは,対象となる利用者としてK君(15歳,男性)を担当することになった。K君は重度の脳性麻痺(cerebralpalsy)がある。K君が2歳の時に両親は離婚して,母親が一人でK君を育てていた。母子の生活は困窮していた。K君が9歳の時に,母親はK君を施設に入所させることを希望し,この施設に入所することになった。現在K君は,言語による意思の疎通は困難であり,座位が保持できる程度である。また,てんかん(epilepsy)の発作(強直間代発作)が時々みられるが,重積発作ではない。
Jさんは個別支援計画作成にあたって,昼食後にK君と向き合う時間を多くとった。ある日,K君に話しかけていると,突然両上下肢を硬直させ,がたがた震わせた後,意識を失ってしまった。慌てたJさんはすぐに,近くの職員に連絡をした。
K君の発作が落ち着いた後,実習指導者がJさんに,K君の発作時の対応について教える内容として,最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 大声で名前を呼ぶ。
  2. タオルを口にくわえさせる。
  3. 顔を横にして顎を上げる。
  4. 救急車を呼ぶ。
  5. からだを押さえて発作を止める。
答え

【 3 】

解説

  1. K君はてんかんの発作を起こしたと考えられる。大声で名前を呼んでも発作が収まることはない。てんかんの発作が起きた時には安静に寝かせることが重要である。
  2. 口を無理に開けてタオルをくわえさせると、口の中を傷つけたり、歯を折ってしまったり、窒息や嘔吐を誘発するなど逆効果となる。
  3. 適切である。気道を確保するとともに、身体を横に向け舌を噛む、嘔吐物での窒息を防ぎ、呼吸が元に戻るのを待つ。
  4. てんかん発作の痙攣の多くは5分以内に収まり、その後意識も回復してくる。5分経っても痙攣が収まらない場合などに、救急車を呼ぶようにする。
  5. てんかん発作が起きた時には安静に寝かせることが重要であり、からだを押さえる行為は適切ではない。