要介護Aさんが、長男Bさんから「金をよこせ。」などと怒鳴られていると、訪問介護員から居宅介護支援事業所に連絡があった。Aさんを担当することになった介護支援専門員の対応として、より適切なものはどれか。2つ選べ。
  1. まず、近隣の家を1軒1軒まわり、AさんとBさんとの関係に関する個人的情報を収集した。
  2. 初回面接の冒頭に、「どうしてAさんを虐待するのですか。」と同席してるBさんに尋ねた。
  3. 状況把握をする前に、Aさんをショートステイに避難させた。
  4. Aさん宅を訪問してAさんとBさんの状況を把握し、事業所に戻って支援策を検討した。
  5. Bさんの行為は経済的虐待に当たる可能性があるため、今後の対応について地域包括支援センターに相談した。

【 正答:45 】

解説

  1. × 近隣の人から利用者の情報を聞き出すためにする訪問は、利用者に関する個人情報を漏らすことにつながる。この行為は介護支援専門員の守秘義務にもとる行動であり、適切とはいえない。
  2. × 初回面接の冒頭では、まだ事実関係も状況も把握できていない。この段階で尋問口調で尋ねるというのは不適切である。
  3. × 状況が把握できていない時点で、ショートステイに避難させるというのは不適切である。本人の生命または身体に重大な危険が生じている恐れがある場合には、市町村が一時的に施設に入所させる対応を取るが、この事例は経済的虐待が疑われるケースである。
  4. 〇 状況を把握したのちに、事業所で対応策を検討するのは適切な対応である。
  5. 〇 地域包括支援センターは、高齢者虐待など高齢者の権利擁護の中核を担う機関であり、対応について相談を行うのは適切な対応である。