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社会福祉士 過去問 第29回 現代社会と福祉 第1問

セン(Sen,A.)が提唱した「潜在能力(capabilities)」に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
  1. 潜在能力とは,個人の遺伝的素質のことをいう。
  2. 各人の資源の保有量が同じであれば,潜在能力は等しくなる。
  3. 困窮した生活を強いられていてもその人がその境遇に納得しているかどうかという心理的尺度が,最終的な潜在能力の評価の基準となる。
  4. 豊かな社会の中で貧しいことは,潜在能力の障害となる。
  5. 「恥をかかずに人前に出ることができる」といった社会的達成は,潜在能力の機能に含まれない。
    1. × 「潜在能力」とは、人ができる様々な機能を組み合わせることで、「財(資源)が持つ特性が活用された状態(機能)に変換する能力」のことである。したがって、「潜在能力」に個人の遺伝的素質は該当しない。
    2. × 各人の資源の保有量が同じであっても、その人の能力やおかれている状況が異なるため、資源が持つ特性を同じ機能に変換できる保証はない。したがって、潜在能力は等しくはならない。
    3. × 困窮した生活を強いられている人がその境遇に納得しているのは、その範囲内で達成できる幸福に限定しているからである。例えば、社会的階層やジェンダーなど、個人の努力では超えることが難しい不平等の範囲内にいる人は、その範囲内でできる努力に限定して幸福を達成しようとする。その場合、機能の組合せを必要としないため、潜在能力の評価の基準にはならない。
    4. 〇 豊かな社会の中で貧しいということは、「財(資源)」の持つ特性を活用できないことを意味するので、潜在能力の障害となる。例えば、充実した医療(財(資源))があるにもかかわらず、貧しいため受診の機会を奪われることで病気が治らず、就労の機会を失うといった場合が想定される。
    5. × センは「受入れ可能な最低限の水準に達するのに必要な、基本的な潜在能力が欠如した状態」を貧困と定義した。例えば、「恥をかかずに人前に出る」には、その文化で必要となっている服装などを用意する必要がある。しかし、豊かな国で生活している貧困層は、その水準に達する服装を用意できないため、それ自体が潜在能力の障害となる。したがって、「恥をかかずに人前に出ることができる」といった社会的達成は、潜在能力の機能に含まれる。
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