- いわゆるユニオン・ショップ協定のうち、締結組合以外の他の労働組合に加入している者及び締結組合から脱退し又は除名されたが他の労働組合に加入し又は新たな労働組合を結成した者について使用者の解雇義務を定める部分は、民法第90条の規定により、これを無効と解すべきであるとするのが、最高裁判所の判例である。
- いわゆるチェック・オフ協定は、それが労働協約の形式により締結された場合であっても、当然に使用者がチェック・オフをする権限を取得するものではないことはもとより、労働組合員がチェック・オフを受忍すべき義務を負うものではないとするのが、最高裁判所の判例である。
- 労働組合は、組合員に対する統制権の保持を法律上認められ、組合員はこれに服し、組合の決定した活動に加わり、組合費を納付するなどの義務を免れない立場に置かれるものであるが、それは、組合からの脱退の自由を前提として初めて容認されることであるとするのが、最高裁判所の判例である。
- 労働組合による企業施設の利用は、とりわけ我が国の企業別労働組合にとっては必要性が大きいものであり、使用者は、労使関係における互譲の精神に基づき、労働組合又はその組合員の組合活動のためにする企業の物的施設の利用を、特段の事情がない限り、受忍する義務を負うとするのが、最高裁判所の判例である。
- 労働組合に対する使用者の言論が不当労働行為に該当するかどうかは、言論の内容、発表の手段、方法、発表の時期、発表者の地位、身分、言論発表の与える影響などを総合して判断し、当該言論が組合員に対し威嚇的効果を与え、組合の組織、運営に影響を及ぼすような場合は支配介入となるとするのが、最高裁判所の判例である。
【 解答:4 】