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宅地建物取引業者A (消費税課税事業者)は貸主Bから建物の貸借の媒介の依頼を受け、宅地建物取引業者C (消費税課税事業者)は借主Dから建物の貸借の媒介の依頼を受け、BとDの間での賃貸借契約を成立させた。この場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。なお、1か月分の借賃は9万円(消費税等相当額を含まない。)である。
  1. 建物を店舖として貸借する場合、当該賃貸借契約において200万円の権利金(権利設定の対価として支払われる金銭であって返還されないものをいい、消費税等相当額を含まない。)の授受があるときは、A及びCが受領できる報酬の限度額の合計は216,000円である。
  2. AがBから48,600円の報酬を受領し、CがDから48,600円の報酬を受領した場合、AはBの依頼によって行った広告の料金に相当する額を別途受領することができない。
  3. Cは、Dから報酬をその限度額まで受領できるほかに、法第35条の規定に基づく重要事項の説明を行った対価として、報酬を受領することができる。
  4. 建物を居住用として貸借する場合、当該賃貸借契約において100万円の保証金(Dの退去時にDに全額返還されるものとする。)の授受があるときは、A及びCが受領できる報酬の限度額の合計は108,000円である。

【 正答:1 】

解説

  1. 〇 居住用建物以外の建物の賃貸借において、権利金の授与があるときの代理又は媒介に関して宅建業者が依頼者から受ける報酬の額については、以下の2つの方法で計算した金額のうち、 高いほうの金額を報酬の限度額とすることができる。
    ①権利金の額を売買代金の額とみなして、以下のとおり、売買又は交換の場合の代理又は媒介の方法で計算した金額
    1. 物件価格200万円以下の場合 →物件価格×5.4%
    2. 物件価格200万円超400万円以下の場合→物件価格×4.32%
    3. 物件価格400万円超の場合→物件価格×3.24%
    ②当該建物の借賃の1か月分の1.08 倍に相当する金額
    本肢では、①によると、以下の計算となる。
    200万円×0.054=10万8,000円
    上記は依頼者の一方から受領することができる金額の限度額であるから、 依頼者B及びDの双方から受け取ることができる金額は、10万8,000円×2 = 21万6,000円となる。
    本肢では、②によると、以下の計算となる。
    9万円×1.08=9万7,200円
    したがって、①のほうが②よりも高い額であるから、A及びCが受領できる報酬の限度額の合計は216,000円である。
  2. × 宅建業者は、宅地又は建物の貸借の媒介に関して、報酬限度額を超えて報酬を受領することはできないが、宅建業者が依頼者の特別の依頼により行う特別の広告費用や遠隔地における現地調査等に要する費用については、 その負担について事前に依頼者の承諾があるときには、別途受領することができる。
  3. × 宅建業者は、宅地又は建物の貸借の媒介に関して、報酬限度額を超えて報酬を受領することはできない。そのため、 本肢の記述のように、報酬を限度額まで受領することに加えて、宅建業法35 条の規定に基づく重要事項の説明を行った対価として、報酬を受領することはできない。
  4. × 宅建業者が建物の貸借の媒介に関して依頼者の双方から受けることのできる報酬の額の合計額は、当該建物の借賃の1か月分の1.08倍に相当する金額以内とされる。本肢では、A及びCが受領できる報酬の限度額の合計は、9万円の1.08 倍である9万7,200円である。