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Aは、中古自動車を売却するため、Bに売買の媒介を依頼し、報酬として売買代金の3%を支払うことを約した。Bの媒介によりAは当該自動車をCに100万円で売却した。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
  1. Bが報酬を得て売買の媒介を行っているので、CはAから当該自動車の引渡しを受ける前に、100万円をAに支払わなければならない。
  2. 当該自動車に隠れた瑕疵があった場合には、CはAに対しても、Bに対しても、瑕疵担保責任を追及することができる。
  3. 売買契約が締結された際に、Cが解約手付として手付金10万円をAに支払っている場合には、Aはいつでも20万円を償還して売買契約を解除することができる。
  4. 売買契約締結時には当該自動車がAの所有物ではなく、Aの父親の所有物であったとしても、AC間の売買契約は有効に成立する。

【 正答:4 】

解説

  1. × 売買契約における目的物引渡債務と代金支払債務は、同時履行の関係になる。したがって、CはAから自動車の引渡しを受ける前に、 代金100万円をAに支払う必要はない。
  2. × 売買の目的物に隠れた瑕疵があったときは、買主は、売主に対し瑕疵担保責任を追及することができるが、売主ではない者に対して瑕疵担保責任を追及することはできない。
  3. × 買主が売主に手付を交付したときは、当事者の一方が契約の履行に着手するまでは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を償還して、契約の解除をすることができる。「いつでも」解除することはできない。
  4. 〇 Aは、無権利で父親の所有物である当該自動車について売却契約を締結しているから、他人物売買に該当する。他人物売買は債権的には有効であり、AC間の売買契約は有効に成立する。