Aは、義務なく隣人Bのために、B宅の屋根の修理という事務の管理を始めたものであり、いわゆる事務管理に該当する。
- 事務管理における管理者(A)には、本人(B)に対する報酬請求権はない。
- 事務管理における管理者は、本人の請求があるときは、いつでも事務処理の状況を報告しなければならない。
- 台風の接近により、屋根の一部が壊れていたB宅に甚大な被害が生じる差し迫ったおそれがあったため、Aは、「財産に対する急迫の損害を免れさせるため」 に事務管理を行ったものである。この Aの事務管理はいわゆる緊急事務管理に該当し、注意義務が軽減されることとなる。すなわち、管理者に悪意又は重大な過失がなければ、これによって生じた損害を賠償する責任を負わない。よって、Aは、B宅の屋根を善良な管理者の注意をもって修理する必要はない。
- 事務管理における管理者は、本人の意思に反することなく事務管理をした場合であって、本人のために有益な費用を支出したときは、本人に対し、 その全額の償還を請求することができる。