宅建過去問

平成26年 第30問

問題

第30問
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として買主との間で建築工事完了前の建物を5,000万円で売買する契約をした場合において、宅地建物取引業法第41条第1項に規定する手付金等の保全措置(以下この問において「保全措置」という。)に関する次の記述のうち、同法に違反するものはどれか。
  1. Aは、宅地建物取引業者であるBと契約を締結し、保全措置を講じずに、Bから手付金として1,000万円を受領した。
  2. Aは、宅地建物取引業者でないCと契約を締結し、保全措置を講じた上でCから1,000万円の手付金を受領した。
  3. Aは、宅地建物取引業者でないDと契約を締結し、保全措置を講じることなくDから手付金100万円を受領した後、500万円の保全措置を講じた上で中間金500万円を受領した。
  4. Aは、宅地建物取引業者でないEと契約を締結し、Eから手付金100万円と中間金500万円を受領したが、既に当該建物についてAからEへの所有権移転の登記を完了していたため、保全措置を講じなかった。

答え 閉じる 

正解は、 3 です。

解説

  1. 違反しない 手付金等の保全措置に関する規定は宅建業者同士の取引には適用がない。
  2. 違反しない Aは、保全措置を講じたうえで代金額の100分の5を超える額の手付金を受領している。したがって、宅建業者でないCの保護は図られており、違反ではない。
  3. 違反する 保全措置は、最初に受領した手付金100万円と中間金500万円を合算した600万円について講じなければならない。受領した金銭の名称がどのようなものであっても、代金の全部または一部として授受されて代金に充当される金銭で、契約締結の日以後目的物の引渡し前に支払われるものであれば、保全措置が要求される手付金等に該当する。
  4. 違反しない 目的物の所有権移転登記が完了していれば、それで宅建業者でないEの所有権取得は確実なものとなっており、保護は図られている。したがって保全措置を講じる必要はない。