宅建過去問

令和元年 第8問

問題

第8問
Aを注文者、Bを請負人とする請負契約(以下「本件契約」という。)が締結された場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
  1. 本件契約の目的物たる建物が契約の内容に適合しないためこれを建て替えざるを得ない場合には、AはBに対して当該建物の建替えに要する費用相当額の損害賠償を請求することができる。
  2. 本件契約の目的物たる事務所の用に供するコンクリート造の建物が契約の内容に適合しない場合、Aは、建物の引渡しの時から1年以内にその旨をBに通知しないときは、担保責任を追及できなくなる。
  3. 本件契約の目的が建物の増築である場合、Aの失火により当該建物が焼失し増築できなくなったときは、Bは本件契約に基づく未履行部分の仕事完成債務を免れる。
  4. Bが仕事を完成しない間は、AはいつでもBに対して損害を賠償して本件契約を解除することができる。

答え 閉じる 

正解は、 2 です。

解説

  1. 請負契約の目的物である建物に契約の内容の不適合があるためにこれを建て替えざるを得ない場合、注文者は、請負人に対し、建て替えに要する費用相当額の損害賠償を請求することができる(判例)。
  2. 注文者がその不適合を知った時から一年以内にその旨を請負人に通知しないときは、注文者は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、報酬の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない(民法637条1項)。「引渡しの時」ではない。
  3. 請負契約の目的たる工事が注文者の責めに帰すべき事由で完成不能になったときは、請負人は残債務を免れる(民法536条2項、判例)。
  4. 請負人が仕事を完成しない間は、注文者は、いつでも損害を賠償して契約の解除をすることができる(民法641条)。