宅建過去問

平成27年 第3問

問題

第3問
AB間で、Aを貸主、Bを借主として、A所有の甲建物につき、①賃貸借契約を締結した場合と、②使用貸借契約を締結した場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
  1. Bが死亡した場合、①では契約は終了しないが、②では契約が終了する。
  2. Bは、①では、甲建物のAの負担に属する必要費を支出したときは、Aに対しその償還を請求することができるが、②では、甲建物の通常の必要費を負担しなければならない。
  3. AB間の契約は、①では諾成契約であり、②では要物契約である。
  4. AはBに対して、甲建物の瑕疵について、①では担保責任を負う場合があるが、②では担保責任を負わない。

答え 閉じる 

正解は、 4 です。

解説

  1. 〇 借主が死亡した場合、賃貸借契約上の借主の権利は、借主の相続人に承継される。これに対して使用貸借契約上の借主の権利は、借主が死亡した場合でも相続の対象とはならず、契約が終了する。
  2. 〇 賃貸借契約の場合、必要費は貸主負担であり、借主がこれを支出したときは貸主に対して直ちに償還を請求できる。これに対して使用貸借契約の場合には、通常の必要費は借主負担とされている。
  3. 〇 賃貸借契約は、貸主が借主に対して目的物の使用収益をさせることを約束し、これに対して借主が賃料を支払うことを約束することによって成立する。つまり当事者の意思の合致があれば成立する諾成契約である。一方、使用貸借契約は、借主が無償で使用収益した後に返還することを約束して目的物を受け取ることによって成立する要物契約である。
  4. × 賃貸借契約の貸主には、売買契約の場合の売主の担保責任の規定が準用され、担保責任を負うことになる。一方、使用貸借契約には、贈与契約の場合の贈与者の担保責任の規定が準用されている。したがって、使用貸借契約の貸主は原則として担保責任は負わないが、知っていながら借主に告げなかった瑕疵については責任を負うのである。