宅建過去問

平成27年 第31問

問題

第31問
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者でないBとの間で建物の売買契約を締結する場合における次の記述のうち、民法及び宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
  1. Cが建物の所有権を有している場合、AはBとの間で当該建物の売買契約を締結してはならない。ただし、AがCとの間で、すでに当該建物を取得する契約(当該建物を取得する契約の効力の発生に一定の条件が付されている。)を締結している場合は、この限りではない。
  2. Aは、Bとの間における建物の売買契約において、「AがBに対して瑕疵担保責任を負う期間は、建物の引渡しの日から1年間とする」旨の特約を付した。この場合、当該特約は無効となり、BがAに対して瑕疵担保責任を追及することができる期間は、当該建物の引渡しの日から2年間となる。
  3. Aは、Bから喫茶店で建物の買受けの申し込みを受け、翌日、同じ喫茶店で当該建物の売買契約を締結した際に、その場で契約代金の2割を受領するとともに、残代金は5日後に決済することとした。契約を締結した日の翌日、AはBに当該建物を引き渡したが、引渡日から3日後にBから宅地建物取引業法第37条の2の規定に基づくクーリング・オフによる契約の解除が書面によって通知された。この場合、Aは、契約の解除を拒むことができない。
  4. AB間の建物の売買契約における「宅地建物取引業法第37条の2の規定に基づくクーリング・オフによる契約の解除の際に、AからBに対して損害賠償を請求することができる。」旨の特約は有効である。

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正解は、 3 です。

解説

  1. × 宅建業者自ら売主となる場合には、自己の所有に属しない宅地又は建物の売買はしてならなない。ただし、宅建業者が当該宅地又は建物を取得する契約を締結しているとき等、宅建業者が当該宅地又は建物を取得できることが明らかな場合は売買契約の締結が認められる。しかし、ここでいう宅地又は建物を取得する契約は、予約を含むが、その効力の発生が条件に係るものは除かれている。
  2. × 宅建業者自ら売主となる場合には、瑕疵担保責任を負う期間について「引渡しから1年」とする特約は、民法に規定するものより買主に不利な特約として無効となる。特約が無効になった場合には、民法が定める原則に戻り、瑕疵担保責任を負う期間は「事実を知った時から1年間」となる。
  3. 〇 AがBから買受けの申し込みを受けたのは喫茶店だから、クーリング・オフの適用がある。また、Bは目的物の引渡しを受け、代金の2割を支払ったが、代金全額は支払っていない。加えてBは、Aからクーリング・オフ制度の適用がある旨の告知も受けていない。したがって、AはBが書面で行ったクーリング・オフによる契約の解除を拒むことはできない。
  4. × クーリング・オフに関する特約で申込者等に不利なものは、無効である。