医薬品と食品の相互作用に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
  1. 酒類(アルコール)をよく摂取する者では、肝臓の代謝機能が低下していることが多いため、医薬品の代謝に影響を与えることがある。
  2. 食品中に医薬品の成分と同じ物質が存在するために、それらを含む医薬品と食品を一緒に服用すると過剰摂取となるものがある。
  3. いわゆる健康食品は、医薬品と併用しても相互作用を生じない。
  4. 食品は、外用薬の作用や代謝に影響を与えることはない。

    【 正答:5 】

    解説

    1. 酒類(アルコール)をよく摂取する者では、その代謝機能が高まっていることが多い。その結果、アセトアミノフェンなどでは、通常よりも代謝されやすくなり、体内から医薬品が速く消失して十分な薬効が得られなくなることがある。また、代謝によって産生する物質(代謝産物)に薬効があるものの場合には、作用が強く出過ぎたり、逆に、代謝産物が人体に悪影響を及ぼす医薬品の場合は副作用が現れやすくなる。
    2. 選択肢の通り
    3. 複数の医薬品を併用した場合、又は保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品及び機能性表示食品)や、いわゆる健康食品を含む特定の食品と一緒に摂取した場合に、医薬品の作用が増強したり、減弱したりすることを相互作用という。作用が増強すれば、作用が強く出過ぎたり、副作用が発生しやすくなり、また、作用が減弱すれば、十分な効果が得られないなどの不都合を生じる。
    4. コエンザイム Q10 については、医薬品的な効能効果が標榜又は暗示されていなければ、食品(いわゆる健康食品)の素材として流通することが可能となっており、そうした食品が合わせて摂取された場合、胃部不快感や吐きけ、下痢等の副作用が現れやすくなるおそれがある。また、作用が増強されて心臓に負担を生じたり、副作用が現れやすくなるおそれがあることから、強心薬等の併用は避ける必要がある。