登録販売者 長野 過去問 平成30年 第39問
サリドマイド及びサリドマイド訴訟に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
  1. サリドマイドは催眠鎮静成分として承認されたが、その鎮静作用を目的として、胃腸薬にも配合された。
  2. サリドマイド製剤の催奇形性は、1961年に西ドイツ(当時)から警告が発せられ、日本においても同年中に直ちに回収措置がとられた。
  3. サリドマイド訴訟では、製薬企業だけでなく、国も被告として提訴された。
  4. サリドマイドの光学異性体のうち、一方の異性体(S体)のみを製剤化していれば、催奇形性は防ぐことができた。

    【 正答:2 】

    解説

    1. 選択肢の通り
    2. 1961年11月、西ドイツのレンツ博士がサリドマイド製剤の催奇形性について警告を発し、西ドイツでは製品が回収されるに至った。
      一方、我が国では、同年12月に西ドイツ企業から勧告が届いており、かつ翌年になってからもその企業から警告が発せられていたにもかかわらず、出荷停止は1962年5月まで行われず、販売停止及び回収措置は同年9月であるなど、対応の遅さが問題視された。
    3. 選択肢の通り
    4. サリドマイドが摂取されると、 R 体と S 体は体内で相互に転換するため、 R 体のサリドマイドを分離して製剤化しても催奇形性は避けられない。